過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづきで、この薄いグレーのノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『海底2万マイル』(1954)
原作:ジュール・ヴェルヌ 監督:リチャード・フレイシャー
出演:カーク・ダグラス、ジェイムズ・メイソン ほか
長編大作の映画化作品にちょっと期待しちゃったけど、やっぱ完全映画化はいくらなんでもムリだよな。
かなりピックアップしたつなぎ合わせと変更があるけど、これだけ映像化しただけでもスゴイってとこかな。
ネモ船長も全能と神秘の人である原作に比べてかなり人間的で自分からよく喋っちゃう、フツーの船長って感じ。
若き頃のダグラスが生き生きと海の男を演じている。
巨大イカはエド・ウッドのよりはずっと動きがいい。実は途中はもう寝てたけど
氷山に閉じ込められて危機一髪逃れるハイライトもないし、海中トンネルも出てこない。
2万里の旅すら描かれない代わりといってはなんだけど、おどけ者のアシカの芸や、
ダグラスのギター弾き語りがあって、娯楽の色が濃い。
他にもヴェルヌの映画化は『80日間世界一周』以外あるのかな? SFものが観たいな。『地底旅行』とか。
■『アナベルの愛し方』(1991)
監督:フランチェスカ・コメンチーニ 出演:ジャン・クロード・アデリン ほか
「あなたは透明なガラスのよう。もろくて頑丈な」「ガラスに絵を描いて別れる時割ろう、目的は、何もない」
怖いくらいに人がいて、そのくせ皆淋しい顔をしている。
何も受け入れようとしない。パリという街を恋人の男になぞらえる。
私の大好きなインディゴ・ブルーの空と時間、街も映画も人物もみな透明で、静かに、時に温かく、冷たく、
観た後は誰かに抱きしめてもらいたくなるような作品。
フランス映画らしい恋愛以外何もない単純なストーリーだが、人の数だけ様々なロマンスもあるわけだからネタは尽きない。
一見平凡でおとなしいアナベル役の女優のすみずみまでじっくり撮っている。
都会の中で迷い、不安と孤独、焦燥感など感じながら、自ら網に捕われた虫のように留まり、夢を追い続けること、
ともに生きるパートナーを探しつづけること、そんな根本的テーマを描く。
パリのあらゆる顔を舞台にとらえているのも見逃せない。
■『恋の選択』(1993)
監督:シャーロット・ブランドストーム 出演:クリストファー・ウォーケン、キャロル・ブーケ、ジョナサン・プライス ほか
今回唯一の掘り出し物といったら、ウォーケンが豪華共演者と出演しているこの作品。
'93って『ニック・オブ・タイム』より前か。それにしても1作毎に若返ってる感じ。
最初はありがちな不倫の三角関係ものから、現代でもまだ成立しない、働くデキル女と、
嫉妬して女をキッチン以外に出そうとしない夫たちの話へと惹いていく。
結局のところ、彼女みたいな女性は結婚しないでも仕事、経済力、恋を両立できるんじゃない?
ブーケみたいに完璧、絵に描いたような美しいボディ、ルックスまでそろってたらなおのこと。
イギリスとスペインロケの異国風景が物語りを飾る。
「電話してもいいかい?」「わたしから電話するわ」
受け身から抜け出して、自立して、自立した自分を自覚し、維持させることって難しい。
ケイトはどっちの男を選んだのか、選ばなかったのか。
『人形の家』のノラのその後のごとく気になるけど、やっぱり夫婦って難しそう。
愛するパートナーは同時にいちばんいぢかなライバルでもある。
常に優位と劣位のバランスをとっていなきゃならないなんて!
ま、単純にウォーケンファンとしては、彼の得意な歌を鼻歌で聴けて、踊りはタンゴシーンで見れて嬉しい。
ラニングシーンでは、やっぱあのスーツの似合う体は鍛えてるんだろうなと妙に納得。
久々彼の望んでた“銃をもたないボス役”じゃない、かっこいい社長ぶり(ユーモア部分も含めて)が堪能できて満足。
ブーケとのドッキリラブシーンもオマケ。ヴァンパイア映画の新作もとっても観たい。
■『ジェームス・ディーン The First American Teenager』(1975)
出演:デニス・ホッパー、コーリー・アレン(バズ役)、レスリー・キャロン、サル・ミネオ(プレトン役)、
ナタリー・ウッド、ケネス・ケンドール(彫刻家) ほか
3本の映画の抜粋も多いがプライベートシーンと証言は興味深い。
「親密にならないと一体感をもてない人なの」噂は少ないのね、けっこうモテたろうに。
「アドリブが多いのは読書障害のせいだ」ジャック・ラーソン(俳優)
「傷ついたフリを僕は信じない」サミー・デイヴィスJr.!
「死後でこんな嫉妬を抱かせるのは2人しかいない。モンローとジミーだ」
マーロン・ブランドを敬愛してたとは驚き。
「パーティにブランドはスーツ、ジミーは彼の『乱暴者』の完全なコピーで来た。
1年後“ブランドと会ったか?”“いや、口もきいてくれない”」
「人々が彼に共感してた部分を彼自身は嫌ってサイコリストにかかってたくらいだ」
『ジャイアンツ』撮影時、リズとの初共演に緊張し「4000人の前で小便すれば怖いものなし」
もっとTVドラマ映像を公開すればいいのにな。
【読書感想メモ】
「マルクス・ラジオ」監訳/いとうせいこう
「飛ぶ教室」Erich Kastner著
「神秘の島」ジュール・ヴェルヌ著
「人形の家」ヘンリク・イプセン著
「エミールと探偵たち」Erich Kastner著
「ニルスのふしぎな旅」セルマ・ラーゲルレーヴ著
【歌詞をメモした曲】
♪THERE'S A PLACE/Lennon & MacCartney
【イベントメモ】
「東京タワー」蝋人形館、トリックアートギャラリー、水族館、増上寺
「池田満寿夫美術館」「興福寺」「旧横田家住宅」@長野
photo4:ミュージカル『ドリームエンジェル』@お台場エンジェルシアター シルクドソレイユ系だな。
photo5:ムンク展@世田谷美術館
photo6:ジュール・ヴェルヌの『神秘の島』に感動。
追。
この年、ロバート・ミッチャム、ジェームズ・スチュアートが亡くなった記事もあった。
part3からのつづきで、この薄いグレーのノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『海底2万マイル』(1954)
原作:ジュール・ヴェルヌ 監督:リチャード・フレイシャー
出演:カーク・ダグラス、ジェイムズ・メイソン ほか
長編大作の映画化作品にちょっと期待しちゃったけど、やっぱ完全映画化はいくらなんでもムリだよな。
かなりピックアップしたつなぎ合わせと変更があるけど、これだけ映像化しただけでもスゴイってとこかな。
ネモ船長も全能と神秘の人である原作に比べてかなり人間的で自分からよく喋っちゃう、フツーの船長って感じ。
若き頃のダグラスが生き生きと海の男を演じている。
巨大イカはエド・ウッドのよりはずっと動きがいい。実は途中はもう寝てたけど
氷山に閉じ込められて危機一髪逃れるハイライトもないし、海中トンネルも出てこない。
2万里の旅すら描かれない代わりといってはなんだけど、おどけ者のアシカの芸や、
ダグラスのギター弾き語りがあって、娯楽の色が濃い。
他にもヴェルヌの映画化は『80日間世界一周』以外あるのかな? SFものが観たいな。『地底旅行』とか。
■『アナベルの愛し方』(1991)
監督:フランチェスカ・コメンチーニ 出演:ジャン・クロード・アデリン ほか
「あなたは透明なガラスのよう。もろくて頑丈な」「ガラスに絵を描いて別れる時割ろう、目的は、何もない」
怖いくらいに人がいて、そのくせ皆淋しい顔をしている。
何も受け入れようとしない。パリという街を恋人の男になぞらえる。
私の大好きなインディゴ・ブルーの空と時間、街も映画も人物もみな透明で、静かに、時に温かく、冷たく、
観た後は誰かに抱きしめてもらいたくなるような作品。
フランス映画らしい恋愛以外何もない単純なストーリーだが、人の数だけ様々なロマンスもあるわけだからネタは尽きない。
一見平凡でおとなしいアナベル役の女優のすみずみまでじっくり撮っている。
都会の中で迷い、不安と孤独、焦燥感など感じながら、自ら網に捕われた虫のように留まり、夢を追い続けること、
ともに生きるパートナーを探しつづけること、そんな根本的テーマを描く。
パリのあらゆる顔を舞台にとらえているのも見逃せない。
■『恋の選択』(1993)
監督:シャーロット・ブランドストーム 出演:クリストファー・ウォーケン、キャロル・ブーケ、ジョナサン・プライス ほか
今回唯一の掘り出し物といったら、ウォーケンが豪華共演者と出演しているこの作品。
'93って『ニック・オブ・タイム』より前か。それにしても1作毎に若返ってる感じ。
最初はありがちな不倫の三角関係ものから、現代でもまだ成立しない、働くデキル女と、
嫉妬して女をキッチン以外に出そうとしない夫たちの話へと惹いていく。
結局のところ、彼女みたいな女性は結婚しないでも仕事、経済力、恋を両立できるんじゃない?
ブーケみたいに完璧、絵に描いたような美しいボディ、ルックスまでそろってたらなおのこと。
イギリスとスペインロケの異国風景が物語りを飾る。
「電話してもいいかい?」「わたしから電話するわ」
受け身から抜け出して、自立して、自立した自分を自覚し、維持させることって難しい。
ケイトはどっちの男を選んだのか、選ばなかったのか。
『人形の家』のノラのその後のごとく気になるけど、やっぱり夫婦って難しそう。
愛するパートナーは同時にいちばんいぢかなライバルでもある。
常に優位と劣位のバランスをとっていなきゃならないなんて!
ま、単純にウォーケンファンとしては、彼の得意な歌を鼻歌で聴けて、踊りはタンゴシーンで見れて嬉しい。
ラニングシーンでは、やっぱあのスーツの似合う体は鍛えてるんだろうなと妙に納得。
久々彼の望んでた“銃をもたないボス役”じゃない、かっこいい社長ぶり(ユーモア部分も含めて)が堪能できて満足。
ブーケとのドッキリラブシーンもオマケ。ヴァンパイア映画の新作もとっても観たい。
■『ジェームス・ディーン The First American Teenager』(1975)
出演:デニス・ホッパー、コーリー・アレン(バズ役)、レスリー・キャロン、サル・ミネオ(プレトン役)、
ナタリー・ウッド、ケネス・ケンドール(彫刻家) ほか
3本の映画の抜粋も多いがプライベートシーンと証言は興味深い。
「親密にならないと一体感をもてない人なの」噂は少ないのね、けっこうモテたろうに。
「アドリブが多いのは読書障害のせいだ」ジャック・ラーソン(俳優)
「傷ついたフリを僕は信じない」サミー・デイヴィスJr.!
「死後でこんな嫉妬を抱かせるのは2人しかいない。モンローとジミーだ」
マーロン・ブランドを敬愛してたとは驚き。
「パーティにブランドはスーツ、ジミーは彼の『乱暴者』の完全なコピーで来た。
1年後“ブランドと会ったか?”“いや、口もきいてくれない”」
「人々が彼に共感してた部分を彼自身は嫌ってサイコリストにかかってたくらいだ」
『ジャイアンツ』撮影時、リズとの初共演に緊張し「4000人の前で小便すれば怖いものなし」
もっとTVドラマ映像を公開すればいいのにな。
【読書感想メモ】
「マルクス・ラジオ」監訳/いとうせいこう
「飛ぶ教室」Erich Kastner著
「神秘の島」ジュール・ヴェルヌ著
「人形の家」ヘンリク・イプセン著
「エミールと探偵たち」Erich Kastner著
「ニルスのふしぎな旅」セルマ・ラーゲルレーヴ著
【歌詞をメモした曲】
♪THERE'S A PLACE/Lennon & MacCartney
【イベントメモ】
「東京タワー」蝋人形館、トリックアートギャラリー、水族館、増上寺
「池田満寿夫美術館」「興福寺」「旧横田家住宅」@長野
photo4:ミュージカル『ドリームエンジェル』@お台場エンジェルシアター シルクドソレイユ系だな。
photo5:ムンク展@世田谷美術館
photo6:ジュール・ヴェルヌの『神秘の島』に感動。
追。
この年、ロバート・ミッチャム、ジェームズ・スチュアートが亡くなった記事もあった。