過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『沈黙の女』(1995)
監督:クロード・シャブロル 出演:イザベル・ユペール ほか
なるほど話は英米的サスペンスだけど、それを仏監督が撮るって珍しい。
なにも殺さなくても・・・衝動的に見えるけど、奥には貧富の差、法の矛盾等、昔からの確執が背景になっている。
これを観たら上流階級は家事くらい自分でやろうって思うかしら?
ベビーシッターもルームメイトも危険とリスクがつきものって映画もあることだし。ラストの種明かしが鋭い。
ちょっとやりすぎだったけど、大穴あいた服を出す家も悪い。
裕福な者が貧しい者を蔑み、ほどこしてやってるって態度がみえみえで、神父も横柄。
結局、悪事は裁かれるっていう勧善懲悪の形をとっているけど、衛星放送で見れるTV持ってて、
今時、声なんかの雑音入っちゃう録音の仕方はしないでしょう。
原作の時代が古いか、たまたまこの家族がそうするしかなかったのか。3人の大女優の競演も見所。
■『金曜日の別荘で』(1991)
監督:マウロ・ボロニーニ 出演:ジュリアン・サンズ ほか
エロティックさと荒削りな感じがイタリア映画してるけど、案外、奥は深いのかも。
“愛してるけど浮気は必要”ってゆー昔ながらの夫たちの立場を妻に代えて、
2人とも同じ行動をとってるにも関わらず、なぜか妻のほうが奔放で冷酷なイメージに作られ、そう映るのは男の監督だからか。
実話がモデルなら、暴力的な性倒錯者はルキノ・ヴィスコンティ? 彼はゲイだと思ってたけど。
『ニキータ』でも注目されたチョキー・カリョが助演。ピアノの腕前は本物っぽい。この曲好きなんだけどタイトルは?
「彼女の裸を見ても肉感的に感じられない」これがそもそもの原因じゃん。
本作の見所はJ.パクラの美しさもかすみそうなJ.サンズの美形ぶり。まさにイギリス貴公子の1人。
妻を愛しながら愛せない、憎みたくとも憎めない、現代的っていっちゃ現代的なモラトリアム青年だけど、
悩める美形を演じて野生的なカリョと好対照な文学インテリさを漂わせている。
「君が出ていく時より、戻ってくる時のほうが怖い」
愛人のもとへ出かける時のパクラのファッションに注目。やっぱ赤って黒と同じく誘惑の色なのね。
ここまで真っ赤になって外を歩くにはそうとう勇気と自信が要るけど。
■『BOB MARLEY TIME WILL TELL』
単なるライヴビデオだと思ってたら大違い。短い中にマーリーのエッセンスが溢れている。
彼の短く太く生きた足跡をレゲエとともにたどる。『JANIS』に匹敵するミュージックビデオ。
彼がしきりに唱える「ラスタマン」とは? 「宗教をもたない」といっても神に心酔してる。
レゲエが世界で認められた、まさに'70後半、パンクの連中が聴いたってゆーからフシギ。
ぶっといドレッドヘア。手描きのアニメがサイケ。
「白人の父と黒人の母のハーフだが、自分には人種差別はない」
「教育を受けたらバカになってた」
「レゲエは詩が重要だ。詩を理解しても、その状況までは体験できない」
「焼き払われるのは家じゃない。人々の顔の上の何かだ」
「レゲエはラスタの人々が生んだ躍動なんだ」
「レゲエは自分たちのことを歌う」ラップと同じだね。
♪One cup of coffee、♪Conerete Jungle、♪Curfew/Burnin' & Lootin'、♪Them Belly Full、♪Lion of Judah、
♪Forever loving Jah(彼のライブは教会だ)、♪I shot the sheriff(このシャウトは泣けるね)
「僕は借りに来たんじゃない。征服しにきた。僕の家は頭の中、恋人は想いの中にある」
♪Lively up yourself(客もハーブでstone状態)
「野望はない。人々がともに生きること、それが唯一の願いだ」
♪So much trouble、♪War
「人種に区別や階級をつける考えが永遠に消えないかぎり戦争は続く」
「俺は音楽を武器に単身闘う革命家だ」
♪Revolution
「職を牛耳っているのは政治家なのに、彼らのために若者が戦うなんて胸がムカつく」 '76狙撃される。
♪Ambushin the night
「誰も死ななくて良かったよ。政治がらみだったみたいだが原因は分からない」 その後亡命。
♪Running Away
「俺の命は人々の命だ」
♪Jammin(魔術的なパフォーマンスがスゴイ! カラフルなファッションもキュート。
♪No Woman no cry(この曲も感動的)
「俺は覚えてる。トレンチタウンの政府の庭でトウモロコシがゆを作った。これからはそれをお前と分けよう」
「ハーブは植物で治療薬だ」手巻きタバコかドラッグだろうね。サッカーのできるミュージシャンてのもスゴイ。
♪Could you be loved
「僕はいつか歌うのをやめアフリカに帰る。ジョークじゃなく」
♪Exodus、♪Africa Unite
「何と素晴らしいのか、私と私が調和して共に生きる」
♪Zimbabwe
「政治は分からないが、権利なら知っている。この命だ」
♪Redemption Song
夭逝のスターには必ずこの手の質問がある。「死ぬ前にメッセージ」
「いつでも正しい道と間違った道がある。正しい助言に従えばいい。
なぜなら僕が皆の心に宿って語りかけるからだ」(自信に満ち溢れている
♪Coming in from the cold
ニューヨークセントラルパークで倒れ、過労か腫瘍かとニュースになる。
「僕は元気で'81にはロードに戻る。この声は本物のボブだよ」
空を突き抜けるように飛ぶ鷹のシーンは美しい。運ばれる棺。'81.5.21キングストンでの葬儀には大勢のファンが集まる。
「俺は死の遣いじゃない。命の子だ」
このコール&レスポンスを桑田はコピーしてたのか。マーリー'45.2.6生、'81.5.11没 36歳 若すぎるよ。
レノンより若くて確かがんだったと思ったけど、彼もまた'70に生きて散った1人なのか。
この編み上げのカラフルな帽子はジャマイカ国旗の色か。
■『夷撫悶汰(いヴもんた)レイト・ショー 〜長距離歌手の孤独 in jazz cafe〜』
出演:桑田佳祐 ほか
♪As times goes by
クラブに集まるメンバーと車をぶつけてフラフラ入ってくる桑田。そっかみゆきみたいな一人芝居はムリだもんね。
ナレーションがちょっと渋いラジオドラマのノリ。メガネとコートだと本当にサラリーマンみたい。
♪It's a only paper moon
アメリカのクラブって設定? コテコテの日本人でセーラーはない。小倉のタップ。
♪Blue Moon
桑田のジャズもイケル。客は戸惑ってる様子。英詩となれない状況のせいか。
♪My Funny Valentine
ナレーターも桑田か。イスから転げる基本ギャグ。
♪Round Midnight
雷鳴にホーン。やっぱこの渋いジャケットといい、トム・ウェイツ狙ってるんじゃないかな。
♪Mack the Knife
まさにスタンンダードばかり。ダンスもあり。
♪Lullaby of Birdland
あーこの曲もイイよね。歌ってる時は素に戻ってる。普段から酔ったみたいだから。
♪Misty
このナレーションて、午前0時からのラジオ番組にソックリ。ベスト・オブ・ベストな選曲の数々。
♪Cheek to Cheek
吐きそうになるイヴ。イスをわざと倒すのも全部台本どおりやってるんだろうね。
♪You'd be so nice to come home to
Telが鳴り続け、客にも渡す。
♪Smoke gets in your eyes
カウンターから煙。スローモーションで消防隊が来る。
♪Star Dust
ずっと歌い続けなのね。
♪Night and Day
第二幕は夢の中。オーケストラをバックにスターのイヴが華やかなショー。
♪Lover come back to me
黒猫みたいなダンシングガールズ。ブロードウェイ風。金かけてるね。
♪Satin Doll
赤いドレスのダンサーと緊張の面持ちで踊る桑田。
♪Puttin' on the Ritz
「キャバレー」狙ってるけどポルノ女優か?踊りヘタだな
♪Hello, Dolly!
カンカン帽で「みんなのってるかい〜?」はちょっとマヌケw
♪Play a simple melody
小倉さんも歌う。今回大活躍だね。こーゆーアレンジも桑田がしたのかな?イントロがサザンっぽい。
♪L-O-V-E
青ドレスのバレエガールズ登場。NHKの歌番化してきた。
♪I could have danced all night
次はキャンディーズか。
♪There's no business like Show Business
フレンチカンカン娘。ドラムのおやじやるねぇ。
♪Dream
あービールCMでやってる!ズリームってやつ。エラらのパネルが映し出されるラストはイヴ。
♪Pretend
やらわかな鉄琴?の音が心地いい。
♪Santa Claus is coming to town
クリスマスイブの設定か。12月収録だからか。ステキな夜のすごし方だよね。
♪White Christmas
原宿のライトアップかな?
♪Take the 'A' Train
アンコール「ダー」もやって桑田に戻ってる。階段までたたき続けるドラムソロ。ドリフみたいなオチ。「やっぱヒロシがいいや」w
♪Unforgetable
真面目な挨拶で締めくくり。「クリスマスショーは4年目。形になるまで続けたい」とのこと。楽しみだね。
■『イル・ポスティーノ』(1995)
監督:マイケル・ラドフォード 出演:フィリップ・ノワレ、マッシモ・トロイージ ほか
「そしてその年、私を探して詩が訪れた。冬か河かどこから来たか、いつ来たのか分からない。
声でも言葉でも静寂でもなかったが、私が呼ばれた道から夜の四方に伸びた枝から
不意に人から、火の中から、またひとりになる時、顔のない私にそれは触れた」(パブロ・ネルーダ)
単に詩人の力を借りて恋を成就する話かと思ったら、今作はもっともっと深い意味を語りかける。
言葉が使い方次第でどれほど美しく人の心に響き渡るか、田舎の自然のひとつひとつがどれほど美しいか、
そして権利のために闘うということ。
マリオは最初、頭の悪いナマケモノのように見えるが、無知のまま搾取される貧しい人々の生活を疑い、沈黙していたのだ。
ラスト、美しすぎるほどの波と岩に囲まれた砂浜にたたずむPのシーンがなんとも悲しい。
「どうしたら詩人になれる?」「海岸を歩きなさい」
こんなに素晴らしい俳優が亡くなったなんて信じられない。残念なこと。
■『さよならモンペール』(1991)
監督:ジェラール・ロジェ 出演:ジェラール・ド・パルデュー、マリー・ジラン ほか
『花嫁のパパ』してる父と娘のヴァカンス。ひと夏の出来事をコミカルに感傷的に描いた。
とりわけ感傷的なラストのバラードがジンと心に染みる。
♪いいんだ お前が愛してくれてると知ってるから なぜ涙目で見つめてたのかい? いいのさ
こんなパパほしいね。アメリカ版リメイクのほうもチェック要!
Vが「再婚して子どもを作ればいいじゃない、私なんか嫌いなのよ」と泣き、
父が「愛してる。私のお姫さまだ」って言うシーンもイイ。
それを観て人々がまた誤解のまなざしで見てるのが笑える。
私にゃこーゆーあるべきイニシエーション体験をいまだにせずにいるのはなぜだろうってしみじみ思っちゃった。
■『ミッション・インポッシブル』(1996)
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:トム・クルーズ、ジョン・ヴォイド ほか
豪華キャスティングと新たな味付けでよみがえった「スパイ大作戦」か。
「君たちが逮捕されても関与しない。このテープは終了後自動的に消滅する」プスプスプス・・・ってのそーいや流行ったね。
見所はスパイのプロの仕事ぶりと次々飛び出す魔法のようなスパイグッズの数々。
しかも続編がありそうな思わせぶりのラスト。毎回こんなキャスティングで観れたらスゴイよ。
最近、鳴かず飛ばずだったT.クルーズも第一線復帰。今作のタランティーノ分析も気になるw
誰にでも変装できるとはいえ、カツラとメイク顔は不自然、ミエミエだぞ。
冴えまくりのヒーローはおいしい役だね。これらスパイグッズは実際もあるんだろうな。
ドラマなら面白いが、現実と思うと空恐ろしい。
■『フロント・ページ』(1974)
監督:ビリー・ワイルダー 出演:ジャック・レモン、ウォルター・マッソー ほか
ワーイ! ずっと見たかったJ.レモン作品が、ここについに放映。TBSはなかなかイイセンスある
しかも、ビリー・ワイルダー、ウォルター・マッソーの強力3人組による、
レモン当時49歳(ずっと若く見える)、熟年期にさしかかる作品。
のちに大女優となるスーザン・サランドンとの共演とはビックリ。
新聞業界のハードワークな内情と、脱走事件というホットニュースと、再婚の旅立ちに揺れる主人公を
コミカルかつ風刺的に描く。レモンとマッソーの息はピッタリ。まさにベストパートナーだね。
記者、ジャーナリストは一種の病気だってことだね。情報をいち早く人々に報せるっていう。
でも部数を売るために真実を誇張し、歪めるのはエスカレートしすぎ。
マッソーはジャーナリスト志願だったとか。
今作で苦労せずして編集長になれたから演劇選んで正解だったかも?
ストーリーの面白味がポイントで、いつもの巻き込まれ型のレモンの喜劇演技は抑え気味なのがファンとしては残念。
でも、額に汗してタイプをモーレツにたたく姿は記事に命賭けてる記者そのものって感じ。
■『理由なき反抗』(1955)
監督:ニコラス・レイ 出演:ジェームス・ディーン、ナタリー・ウッド、デニス・ホッパー ほか
しばらくぶりに観た映画はこの有名なジミー主演の青春映画。
とにかく彼の代表作は3本しかないがどれも逸品ばかり。凝縮された中に最高の演技の数々。
彼の動き、表情、セリフの言い回しは、1シーンも見逃せない。
死後、彼を語り続けるD.ホッパーは、『ジャイアンツ』でも共演。
ジミーは永遠に青年のままだけどホッパーはいまや大俳優か。高校生役にしちゃちょっと皆老け気味
'50代は不良っていっても、随分見た目はキチッとしてて筋が通ってたのね。
理由なき反抗といえど、言葉では表せない理由が山ほどある青年期。
親=大人社会のひずみが少年犯罪へと結びつくまでを繊細に描く。
夜明けをバックにしたプラネタリウムのエンディングが目に残る。
「世界は夜終わるのかい?」「いや夜明けさ」
エプロン姿の父親、今じゃ「男も料理すべし」だけど、父親の威厳も息子にゃ必要なのかな。
娘に無関心の父、Pはみなしご同然。やっぱ家庭環境が子どもに影響するってことね。
ちなみにアップシーンでのナタリーとジミーのキスシーンはすごい絵になる。
「やわらかい唇ね」「僕はキュートだから」
彼がもてなかったはずない。自分という俳優の動かし方、見え方をよく知っていて、工夫してた人なんじゃないかな。
■『WATER WOLRD』(1995)
監督:ケヴィン・レイノルズ 出演:ケビン・コスナー、デニス・ホッパー ほか
大がかりなセットにアクション、CG効果、特殊撮影を駆使したいかにもハリウッド的娯楽作品。
陸を海に変えた『マッドマックス』ってとこ。
髪も心もとないコスナーが熟年俳優の意地を見せてスタローンばりのアクションに駆けずり回る汚れ役に奮闘してるのに対して、
ホッパーは板についた悪役で20も若返ったように生き生き動き回っているのがイイ。
地球温暖化が進んだ結果の人間の末路。近未来SFもどんどん現実化して、夢物語として楽しめなくなった。
海底都市にひきずり込まれてゆく静かなシーンはヴェルヌの世界のようで圧巻。
ドライランドの撮影地は友だち情報によるとグアム島。まるでこの間読んだ「神秘の島」を思わせる景観。
しかし突然変異の魚人間とは!? 耳の後ろのエラがヒラヒラとか、足の指の間の水かきなんてキュート。
いつまでも水の中でいるにはとても便利ね。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『沈黙の女』(1995)
監督:クロード・シャブロル 出演:イザベル・ユペール ほか
なるほど話は英米的サスペンスだけど、それを仏監督が撮るって珍しい。
なにも殺さなくても・・・衝動的に見えるけど、奥には貧富の差、法の矛盾等、昔からの確執が背景になっている。
これを観たら上流階級は家事くらい自分でやろうって思うかしら?
ベビーシッターもルームメイトも危険とリスクがつきものって映画もあることだし。ラストの種明かしが鋭い。
ちょっとやりすぎだったけど、大穴あいた服を出す家も悪い。
裕福な者が貧しい者を蔑み、ほどこしてやってるって態度がみえみえで、神父も横柄。
結局、悪事は裁かれるっていう勧善懲悪の形をとっているけど、衛星放送で見れるTV持ってて、
今時、声なんかの雑音入っちゃう録音の仕方はしないでしょう。
原作の時代が古いか、たまたまこの家族がそうするしかなかったのか。3人の大女優の競演も見所。
■『金曜日の別荘で』(1991)
監督:マウロ・ボロニーニ 出演:ジュリアン・サンズ ほか
エロティックさと荒削りな感じがイタリア映画してるけど、案外、奥は深いのかも。
“愛してるけど浮気は必要”ってゆー昔ながらの夫たちの立場を妻に代えて、
2人とも同じ行動をとってるにも関わらず、なぜか妻のほうが奔放で冷酷なイメージに作られ、そう映るのは男の監督だからか。
実話がモデルなら、暴力的な性倒錯者はルキノ・ヴィスコンティ? 彼はゲイだと思ってたけど。
『ニキータ』でも注目されたチョキー・カリョが助演。ピアノの腕前は本物っぽい。この曲好きなんだけどタイトルは?
「彼女の裸を見ても肉感的に感じられない」これがそもそもの原因じゃん。
本作の見所はJ.パクラの美しさもかすみそうなJ.サンズの美形ぶり。まさにイギリス貴公子の1人。
妻を愛しながら愛せない、憎みたくとも憎めない、現代的っていっちゃ現代的なモラトリアム青年だけど、
悩める美形を演じて野生的なカリョと好対照な文学インテリさを漂わせている。
「君が出ていく時より、戻ってくる時のほうが怖い」
愛人のもとへ出かける時のパクラのファッションに注目。やっぱ赤って黒と同じく誘惑の色なのね。
ここまで真っ赤になって外を歩くにはそうとう勇気と自信が要るけど。
■『BOB MARLEY TIME WILL TELL』
単なるライヴビデオだと思ってたら大違い。短い中にマーリーのエッセンスが溢れている。
彼の短く太く生きた足跡をレゲエとともにたどる。『JANIS』に匹敵するミュージックビデオ。
彼がしきりに唱える「ラスタマン」とは? 「宗教をもたない」といっても神に心酔してる。
レゲエが世界で認められた、まさに'70後半、パンクの連中が聴いたってゆーからフシギ。
ぶっといドレッドヘア。手描きのアニメがサイケ。
「白人の父と黒人の母のハーフだが、自分には人種差別はない」
「教育を受けたらバカになってた」
「レゲエは詩が重要だ。詩を理解しても、その状況までは体験できない」
「焼き払われるのは家じゃない。人々の顔の上の何かだ」
「レゲエはラスタの人々が生んだ躍動なんだ」
「レゲエは自分たちのことを歌う」ラップと同じだね。
♪One cup of coffee、♪Conerete Jungle、♪Curfew/Burnin' & Lootin'、♪Them Belly Full、♪Lion of Judah、
♪Forever loving Jah(彼のライブは教会だ)、♪I shot the sheriff(このシャウトは泣けるね)
「僕は借りに来たんじゃない。征服しにきた。僕の家は頭の中、恋人は想いの中にある」
♪Lively up yourself(客もハーブでstone状態)
「野望はない。人々がともに生きること、それが唯一の願いだ」
♪So much trouble、♪War
「人種に区別や階級をつける考えが永遠に消えないかぎり戦争は続く」
「俺は音楽を武器に単身闘う革命家だ」
♪Revolution
「職を牛耳っているのは政治家なのに、彼らのために若者が戦うなんて胸がムカつく」 '76狙撃される。
♪Ambushin the night
「誰も死ななくて良かったよ。政治がらみだったみたいだが原因は分からない」 その後亡命。
♪Running Away
「俺の命は人々の命だ」
♪Jammin(魔術的なパフォーマンスがスゴイ! カラフルなファッションもキュート。
♪No Woman no cry(この曲も感動的)
「俺は覚えてる。トレンチタウンの政府の庭でトウモロコシがゆを作った。これからはそれをお前と分けよう」
「ハーブは植物で治療薬だ」手巻きタバコかドラッグだろうね。サッカーのできるミュージシャンてのもスゴイ。
♪Could you be loved
「僕はいつか歌うのをやめアフリカに帰る。ジョークじゃなく」
♪Exodus、♪Africa Unite
「何と素晴らしいのか、私と私が調和して共に生きる」
♪Zimbabwe
「政治は分からないが、権利なら知っている。この命だ」
♪Redemption Song
夭逝のスターには必ずこの手の質問がある。「死ぬ前にメッセージ」
「いつでも正しい道と間違った道がある。正しい助言に従えばいい。
なぜなら僕が皆の心に宿って語りかけるからだ」(自信に満ち溢れている
♪Coming in from the cold
ニューヨークセントラルパークで倒れ、過労か腫瘍かとニュースになる。
「僕は元気で'81にはロードに戻る。この声は本物のボブだよ」
空を突き抜けるように飛ぶ鷹のシーンは美しい。運ばれる棺。'81.5.21キングストンでの葬儀には大勢のファンが集まる。
「俺は死の遣いじゃない。命の子だ」
このコール&レスポンスを桑田はコピーしてたのか。マーリー'45.2.6生、'81.5.11没 36歳 若すぎるよ。
レノンより若くて確かがんだったと思ったけど、彼もまた'70に生きて散った1人なのか。
この編み上げのカラフルな帽子はジャマイカ国旗の色か。
■『夷撫悶汰(いヴもんた)レイト・ショー 〜長距離歌手の孤独 in jazz cafe〜』
出演:桑田佳祐 ほか
♪As times goes by
クラブに集まるメンバーと車をぶつけてフラフラ入ってくる桑田。そっかみゆきみたいな一人芝居はムリだもんね。
ナレーションがちょっと渋いラジオドラマのノリ。メガネとコートだと本当にサラリーマンみたい。
♪It's a only paper moon
アメリカのクラブって設定? コテコテの日本人でセーラーはない。小倉のタップ。
♪Blue Moon
桑田のジャズもイケル。客は戸惑ってる様子。英詩となれない状況のせいか。
♪My Funny Valentine
ナレーターも桑田か。イスから転げる基本ギャグ。
♪Round Midnight
雷鳴にホーン。やっぱこの渋いジャケットといい、トム・ウェイツ狙ってるんじゃないかな。
♪Mack the Knife
まさにスタンンダードばかり。ダンスもあり。
♪Lullaby of Birdland
あーこの曲もイイよね。歌ってる時は素に戻ってる。普段から酔ったみたいだから。
♪Misty
このナレーションて、午前0時からのラジオ番組にソックリ。ベスト・オブ・ベストな選曲の数々。
♪Cheek to Cheek
吐きそうになるイヴ。イスをわざと倒すのも全部台本どおりやってるんだろうね。
♪You'd be so nice to come home to
Telが鳴り続け、客にも渡す。
♪Smoke gets in your eyes
カウンターから煙。スローモーションで消防隊が来る。
♪Star Dust
ずっと歌い続けなのね。
♪Night and Day
第二幕は夢の中。オーケストラをバックにスターのイヴが華やかなショー。
♪Lover come back to me
黒猫みたいなダンシングガールズ。ブロードウェイ風。金かけてるね。
♪Satin Doll
赤いドレスのダンサーと緊張の面持ちで踊る桑田。
♪Puttin' on the Ritz
「キャバレー」狙ってるけどポルノ女優か?踊りヘタだな
♪Hello, Dolly!
カンカン帽で「みんなのってるかい〜?」はちょっとマヌケw
♪Play a simple melody
小倉さんも歌う。今回大活躍だね。こーゆーアレンジも桑田がしたのかな?イントロがサザンっぽい。
♪L-O-V-E
青ドレスのバレエガールズ登場。NHKの歌番化してきた。
♪I could have danced all night
次はキャンディーズか。
♪There's no business like Show Business
フレンチカンカン娘。ドラムのおやじやるねぇ。
♪Dream
あービールCMでやってる!ズリームってやつ。エラらのパネルが映し出されるラストはイヴ。
♪Pretend
やらわかな鉄琴?の音が心地いい。
♪Santa Claus is coming to town
クリスマスイブの設定か。12月収録だからか。ステキな夜のすごし方だよね。
♪White Christmas
原宿のライトアップかな?
♪Take the 'A' Train
アンコール「ダー」もやって桑田に戻ってる。階段までたたき続けるドラムソロ。ドリフみたいなオチ。「やっぱヒロシがいいや」w
♪Unforgetable
真面目な挨拶で締めくくり。「クリスマスショーは4年目。形になるまで続けたい」とのこと。楽しみだね。
■『イル・ポスティーノ』(1995)
監督:マイケル・ラドフォード 出演:フィリップ・ノワレ、マッシモ・トロイージ ほか
「そしてその年、私を探して詩が訪れた。冬か河かどこから来たか、いつ来たのか分からない。
声でも言葉でも静寂でもなかったが、私が呼ばれた道から夜の四方に伸びた枝から
不意に人から、火の中から、またひとりになる時、顔のない私にそれは触れた」(パブロ・ネルーダ)
単に詩人の力を借りて恋を成就する話かと思ったら、今作はもっともっと深い意味を語りかける。
言葉が使い方次第でどれほど美しく人の心に響き渡るか、田舎の自然のひとつひとつがどれほど美しいか、
そして権利のために闘うということ。
マリオは最初、頭の悪いナマケモノのように見えるが、無知のまま搾取される貧しい人々の生活を疑い、沈黙していたのだ。
ラスト、美しすぎるほどの波と岩に囲まれた砂浜にたたずむPのシーンがなんとも悲しい。
「どうしたら詩人になれる?」「海岸を歩きなさい」
こんなに素晴らしい俳優が亡くなったなんて信じられない。残念なこと。
■『さよならモンペール』(1991)
監督:ジェラール・ロジェ 出演:ジェラール・ド・パルデュー、マリー・ジラン ほか
『花嫁のパパ』してる父と娘のヴァカンス。ひと夏の出来事をコミカルに感傷的に描いた。
とりわけ感傷的なラストのバラードがジンと心に染みる。
♪いいんだ お前が愛してくれてると知ってるから なぜ涙目で見つめてたのかい? いいのさ
こんなパパほしいね。アメリカ版リメイクのほうもチェック要!
Vが「再婚して子どもを作ればいいじゃない、私なんか嫌いなのよ」と泣き、
父が「愛してる。私のお姫さまだ」って言うシーンもイイ。
それを観て人々がまた誤解のまなざしで見てるのが笑える。
私にゃこーゆーあるべきイニシエーション体験をいまだにせずにいるのはなぜだろうってしみじみ思っちゃった。
■『ミッション・インポッシブル』(1996)
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:トム・クルーズ、ジョン・ヴォイド ほか
豪華キャスティングと新たな味付けでよみがえった「スパイ大作戦」か。
「君たちが逮捕されても関与しない。このテープは終了後自動的に消滅する」プスプスプス・・・ってのそーいや流行ったね。
見所はスパイのプロの仕事ぶりと次々飛び出す魔法のようなスパイグッズの数々。
しかも続編がありそうな思わせぶりのラスト。毎回こんなキャスティングで観れたらスゴイよ。
最近、鳴かず飛ばずだったT.クルーズも第一線復帰。今作のタランティーノ分析も気になるw
誰にでも変装できるとはいえ、カツラとメイク顔は不自然、ミエミエだぞ。
冴えまくりのヒーローはおいしい役だね。これらスパイグッズは実際もあるんだろうな。
ドラマなら面白いが、現実と思うと空恐ろしい。
■『フロント・ページ』(1974)
監督:ビリー・ワイルダー 出演:ジャック・レモン、ウォルター・マッソー ほか
ワーイ! ずっと見たかったJ.レモン作品が、ここについに放映。TBSはなかなかイイセンスある
しかも、ビリー・ワイルダー、ウォルター・マッソーの強力3人組による、
レモン当時49歳(ずっと若く見える)、熟年期にさしかかる作品。
のちに大女優となるスーザン・サランドンとの共演とはビックリ。
新聞業界のハードワークな内情と、脱走事件というホットニュースと、再婚の旅立ちに揺れる主人公を
コミカルかつ風刺的に描く。レモンとマッソーの息はピッタリ。まさにベストパートナーだね。
記者、ジャーナリストは一種の病気だってことだね。情報をいち早く人々に報せるっていう。
でも部数を売るために真実を誇張し、歪めるのはエスカレートしすぎ。
マッソーはジャーナリスト志願だったとか。
今作で苦労せずして編集長になれたから演劇選んで正解だったかも?
ストーリーの面白味がポイントで、いつもの巻き込まれ型のレモンの喜劇演技は抑え気味なのがファンとしては残念。
でも、額に汗してタイプをモーレツにたたく姿は記事に命賭けてる記者そのものって感じ。
■『理由なき反抗』(1955)
監督:ニコラス・レイ 出演:ジェームス・ディーン、ナタリー・ウッド、デニス・ホッパー ほか
しばらくぶりに観た映画はこの有名なジミー主演の青春映画。
とにかく彼の代表作は3本しかないがどれも逸品ばかり。凝縮された中に最高の演技の数々。
彼の動き、表情、セリフの言い回しは、1シーンも見逃せない。
死後、彼を語り続けるD.ホッパーは、『ジャイアンツ』でも共演。
ジミーは永遠に青年のままだけどホッパーはいまや大俳優か。高校生役にしちゃちょっと皆老け気味
'50代は不良っていっても、随分見た目はキチッとしてて筋が通ってたのね。
理由なき反抗といえど、言葉では表せない理由が山ほどある青年期。
親=大人社会のひずみが少年犯罪へと結びつくまでを繊細に描く。
夜明けをバックにしたプラネタリウムのエンディングが目に残る。
「世界は夜終わるのかい?」「いや夜明けさ」
エプロン姿の父親、今じゃ「男も料理すべし」だけど、父親の威厳も息子にゃ必要なのかな。
娘に無関心の父、Pはみなしご同然。やっぱ家庭環境が子どもに影響するってことね。
ちなみにアップシーンでのナタリーとジミーのキスシーンはすごい絵になる。
「やわらかい唇ね」「僕はキュートだから」
彼がもてなかったはずない。自分という俳優の動かし方、見え方をよく知っていて、工夫してた人なんじゃないかな。
■『WATER WOLRD』(1995)
監督:ケヴィン・レイノルズ 出演:ケビン・コスナー、デニス・ホッパー ほか
大がかりなセットにアクション、CG効果、特殊撮影を駆使したいかにもハリウッド的娯楽作品。
陸を海に変えた『マッドマックス』ってとこ。
髪も心もとないコスナーが熟年俳優の意地を見せてスタローンばりのアクションに駆けずり回る汚れ役に奮闘してるのに対して、
ホッパーは板についた悪役で20も若返ったように生き生き動き回っているのがイイ。
地球温暖化が進んだ結果の人間の末路。近未来SFもどんどん現実化して、夢物語として楽しめなくなった。
海底都市にひきずり込まれてゆく静かなシーンはヴェルヌの世界のようで圧巻。
ドライランドの撮影地は友だち情報によるとグアム島。まるでこの間読んだ「神秘の島」を思わせる景観。
しかし突然変異の魚人間とは!? 耳の後ろのエラがヒラヒラとか、足の指の間の水かきなんてキュート。
いつまでも水の中でいるにはとても便利ね。