■『ヨーコ・オノ YOKO ONO Who is the real YOKO ONO?』(1986)(KKダイナミックセラーズ)
Jerry Hopkins/著 月村澄枝/訳
※1997.10~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
図書館で偶然見つけてから、その次行ってすぐ借りた。
今までなんとなくフシギで、偉大な女性というイメージしかなかった小野洋子の半生が見えてくるうちに、
イメージよりもっと奇人で、もっと多面的、もっと複雑で、もっとデッカイ存在で、
読んでなおさら実体が分からなくなった。
この作者もまた、ヨーコが騙され、搾取され続けている“ハゲタカ”の1人とも言えなくもないが、
神話化されたジョンとの出会い、ベターハーフ的関係、そして衝撃的な死別もより詳細に描かれ、
より公平に描こうという好意が見られ、読みやすい。
とにかく、彼女が日本人、しかも女性という事実は文句なくスゴイことだ。
【内容抜粋メモ】
1933.2.18 洋子誕生。
母は安田銀行財閥の愛娘、父はピアニストを目指すが、結婚後は銀行マンとなり、
ヨーコは愛のない環境で育つ。
第二次世界大戦では、疎開先で貧乏暮らしを強いられる。
名門女子学校で、とにかく自由な校風の花嫁学校では目立たず、作家志望。
「家族との亀裂から発狂しそうだった」
マンハッタンで前衛音楽家・一柳彗と知り合って同棲、籍を入れずに結婚。
ヨーコは前衛芸術活動を始め、ロフトを開放する。
「ハプニング」「○○ピース」などを演る。
偽夫婦生活が破綻し、トニー・コックスと知り合う。
自殺未遂を繰り返し、精神病院に入院していたどん底生活の頃、京子が生まれる。
口ぐせは「私の生命線は豊臣秀吉と一緒。いつか天下をとるわ」
ステージで服を切られていく「cutting peace」、
黒い袋に入って石と化す「bag peace」、
著作『グレープフルーツ』には「~をしなさい」というコミュニケート志向の詩、指示があふれているが一向に売れなかった。
【ブログ内関連記事】
オノ・ヨーコ 私の窓から@東京都現代美術館(2016.2.3)
『grapefruit juice by YOKO ONO』(講談社)
2人は資金をとめどもなく投資してくれる者を探し、超人気グループ、ビートルズに目をつけた。
ジョンとの出会いは、仕組まれていたのだ(ちょっと偏った見方だな
最初“煙たがっていた”ジョンも「気づくとだいぶヤバくなっていた」
2人はまさか恋に落ちるとは互いも周りも予想外。
ジョンの妻シンシアは「彼女のほうがあなたに似合う」
ジョンの憧れの女優がBBと、黒髪の女優ジュリエット・グレゴだったから。
「ヨーコは薬をやってる時の僕と大差ない!」
何百人もの尻ばかり撮った映画『Bottoms』、効果音のアルバムなどの制作。
1人目の子どもを流産する(これまでに中絶を繰り返していたため)。
ビートルズのメンバーはもろにヨーコを嫌った(リンゴは違うってジョンがゆってたけど
「憎悪でもエネルギーを与えられれば種は育つ」
ポールの結婚に喚起され、ジョンとヨーコも一大イベントを計画「ベッド・イン」
2人のヌードをジャケットに使った「two virgins」、
ヘロイン中毒を荒治療で克服した時の歌♪Cold Turkey、
親権で(今も)争っている中で作ったクリスマスソング♪War is over
ポールがグループ脱退を宣言。
2人は髪をBlack houseに寄贈。競売にかける。
アメリカ政府は以前、ジョンの麻薬所持を理由にビザ更新を断る。
大勢の脚ばかりが出演する「up your legs forever」
体を這う蝿を撮影した「FLY」
「IMAGINE」
娘と行方をくらました前夫トニーは改宗し、教会にこもっていた。
探偵を雇って探すジョンとヨーコ。
2人の住まいはFBI or INS(移民局)に監視されはじめる。
「ヌートピア宣言」
娘奪回の署名には、ジャック・レモン()ほかアーティストの錚々たる名前があった。
いつも一緒の2人の間にも息詰まりが生じ、
当時ヨーコの手伝いをしていたメイ・パング(後に『Johnを愛して』出版)が公認の愛人となる。
その後、「モ・ジョンコンサート」にジョンが出演し、見に来たヨーコは、
ステージ上で喝采を浴びているジョンがとても孤独に見えて泣いたという。
2人は「ハロー」と言い、「僕を君のところに戻してくれる?」「朝、電話して」
(2人の復縁のきっかけをエルトン・ジョンが作ったとか聞いたな
42歳の高齢出産(帝王切開)でショーンを出産。ジョン(当時35歳)と同じ誕生日で10月9日。
(9は、ジョンの人生で因縁の数字なんだよね
ジョンは「主夫宣言」。
ヨーコがビジネスウーマンになり役割分担する。
育児疲れでベッドとテレビにハマるジョン。
6年間の沈黙を破って『Double Fantasy』をレコーディング。
ヨーコは「数霊術」にハマり、ジョンを方位の旅に行かせたりする。
B-52'sほかニューウェーヴがヨーコの歌にソックリなのにジョンは驚く。
雑誌インタビューに答え「NYでなら歩けるのよってヨーコが言ったのさ」
「ヨーコより先に死にたい。彼女なしじゃ、どう生きていいか分からない」
「Mr.Lennon」と声をかけたファンの1人、マーク・チャップマンはジョンを撃ってから
『Catcher in the rye』を読んで座っていた。
ルーズベルト病院に着いた時、ジョンはすでに死亡。
葬儀は行わず、黙祷のみ。
血のついた眼鏡の写真をアルバムジャケットに銃声とともに使用。
初めて評論家たちから正当な評価を受ける。
その後、ジョンの日記が盗まれたり、取り返したり、解雇などで、大金が奪われてゆく。
「10年間、私は魔女でした。それが今では天使です。
世間は私に対する見方を変えるためにジョンを失わなくてはならなかったのでしょうか?」
性生活についての中傷には
「彼は英国人、私は日本人。2人でよく言って笑ったものでした。
2人とも恥ずかしがりやで、その道ではごく普通だわねって」
ジュリアンは『ヴァロッテ』をつくるが、ヨーコとの仲はしっくりいっていないらしい。
「あの人はいつも仕事と金儲けの話ばかり」
2人のドキュメンタリー映画で応募したジョン役の俳優の本名が、暗殺者と同名だったって、ショッキングすぎる
(これを友だちから聞いてゾッとした)
成人した京子は「芸能界と関わりたくない」との答えに、
ヨーコは「会えなくても愛している」とメッセージを出した。
そして、彼女はまだコンサート、芸術活動をこなしている。
世界でも屈指の富豪でありながら「仕事が精神安定剤だ」という影に何が潜んでいるのか?
それは彼女しか知らない。
「ジョンとの間に起こった奇跡的な恋愛はもう起こらない」
Jerry Hopkins/著 月村澄枝/訳
※1997.10~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
図書館で偶然見つけてから、その次行ってすぐ借りた。
今までなんとなくフシギで、偉大な女性というイメージしかなかった小野洋子の半生が見えてくるうちに、
イメージよりもっと奇人で、もっと多面的、もっと複雑で、もっとデッカイ存在で、
読んでなおさら実体が分からなくなった。
この作者もまた、ヨーコが騙され、搾取され続けている“ハゲタカ”の1人とも言えなくもないが、
神話化されたジョンとの出会い、ベターハーフ的関係、そして衝撃的な死別もより詳細に描かれ、
より公平に描こうという好意が見られ、読みやすい。
とにかく、彼女が日本人、しかも女性という事実は文句なくスゴイことだ。
【内容抜粋メモ】
1933.2.18 洋子誕生。
母は安田銀行財閥の愛娘、父はピアニストを目指すが、結婚後は銀行マンとなり、
ヨーコは愛のない環境で育つ。
第二次世界大戦では、疎開先で貧乏暮らしを強いられる。
名門女子学校で、とにかく自由な校風の花嫁学校では目立たず、作家志望。
「家族との亀裂から発狂しそうだった」
マンハッタンで前衛音楽家・一柳彗と知り合って同棲、籍を入れずに結婚。
ヨーコは前衛芸術活動を始め、ロフトを開放する。
「ハプニング」「○○ピース」などを演る。
偽夫婦生活が破綻し、トニー・コックスと知り合う。
自殺未遂を繰り返し、精神病院に入院していたどん底生活の頃、京子が生まれる。
口ぐせは「私の生命線は豊臣秀吉と一緒。いつか天下をとるわ」
ステージで服を切られていく「cutting peace」、
黒い袋に入って石と化す「bag peace」、
著作『グレープフルーツ』には「~をしなさい」というコミュニケート志向の詩、指示があふれているが一向に売れなかった。
【ブログ内関連記事】
オノ・ヨーコ 私の窓から@東京都現代美術館(2016.2.3)
『grapefruit juice by YOKO ONO』(講談社)
2人は資金をとめどもなく投資してくれる者を探し、超人気グループ、ビートルズに目をつけた。
ジョンとの出会いは、仕組まれていたのだ(ちょっと偏った見方だな
最初“煙たがっていた”ジョンも「気づくとだいぶヤバくなっていた」
2人はまさか恋に落ちるとは互いも周りも予想外。
ジョンの妻シンシアは「彼女のほうがあなたに似合う」
ジョンの憧れの女優がBBと、黒髪の女優ジュリエット・グレゴだったから。
「ヨーコは薬をやってる時の僕と大差ない!」
何百人もの尻ばかり撮った映画『Bottoms』、効果音のアルバムなどの制作。
1人目の子どもを流産する(これまでに中絶を繰り返していたため)。
ビートルズのメンバーはもろにヨーコを嫌った(リンゴは違うってジョンがゆってたけど
「憎悪でもエネルギーを与えられれば種は育つ」
ポールの結婚に喚起され、ジョンとヨーコも一大イベントを計画「ベッド・イン」
2人のヌードをジャケットに使った「two virgins」、
ヘロイン中毒を荒治療で克服した時の歌♪Cold Turkey、
親権で(今も)争っている中で作ったクリスマスソング♪War is over
ポールがグループ脱退を宣言。
2人は髪をBlack houseに寄贈。競売にかける。
アメリカ政府は以前、ジョンの麻薬所持を理由にビザ更新を断る。
大勢の脚ばかりが出演する「up your legs forever」
体を這う蝿を撮影した「FLY」
「IMAGINE」
娘と行方をくらました前夫トニーは改宗し、教会にこもっていた。
探偵を雇って探すジョンとヨーコ。
2人の住まいはFBI or INS(移民局)に監視されはじめる。
「ヌートピア宣言」
娘奪回の署名には、ジャック・レモン()ほかアーティストの錚々たる名前があった。
いつも一緒の2人の間にも息詰まりが生じ、
当時ヨーコの手伝いをしていたメイ・パング(後に『Johnを愛して』出版)が公認の愛人となる。
その後、「モ・ジョンコンサート」にジョンが出演し、見に来たヨーコは、
ステージ上で喝采を浴びているジョンがとても孤独に見えて泣いたという。
2人は「ハロー」と言い、「僕を君のところに戻してくれる?」「朝、電話して」
(2人の復縁のきっかけをエルトン・ジョンが作ったとか聞いたな
42歳の高齢出産(帝王切開)でショーンを出産。ジョン(当時35歳)と同じ誕生日で10月9日。
(9は、ジョンの人生で因縁の数字なんだよね
ジョンは「主夫宣言」。
ヨーコがビジネスウーマンになり役割分担する。
育児疲れでベッドとテレビにハマるジョン。
6年間の沈黙を破って『Double Fantasy』をレコーディング。
ヨーコは「数霊術」にハマり、ジョンを方位の旅に行かせたりする。
B-52'sほかニューウェーヴがヨーコの歌にソックリなのにジョンは驚く。
雑誌インタビューに答え「NYでなら歩けるのよってヨーコが言ったのさ」
「ヨーコより先に死にたい。彼女なしじゃ、どう生きていいか分からない」
「Mr.Lennon」と声をかけたファンの1人、マーク・チャップマンはジョンを撃ってから
『Catcher in the rye』を読んで座っていた。
ルーズベルト病院に着いた時、ジョンはすでに死亡。
葬儀は行わず、黙祷のみ。
血のついた眼鏡の写真をアルバムジャケットに銃声とともに使用。
初めて評論家たちから正当な評価を受ける。
その後、ジョンの日記が盗まれたり、取り返したり、解雇などで、大金が奪われてゆく。
「10年間、私は魔女でした。それが今では天使です。
世間は私に対する見方を変えるためにジョンを失わなくてはならなかったのでしょうか?」
性生活についての中傷には
「彼は英国人、私は日本人。2人でよく言って笑ったものでした。
2人とも恥ずかしがりやで、その道ではごく普通だわねって」
ジュリアンは『ヴァロッテ』をつくるが、ヨーコとの仲はしっくりいっていないらしい。
「あの人はいつも仕事と金儲けの話ばかり」
2人のドキュメンタリー映画で応募したジョン役の俳優の本名が、暗殺者と同名だったって、ショッキングすぎる
(これを友だちから聞いてゾッとした)
成人した京子は「芸能界と関わりたくない」との答えに、
ヨーコは「会えなくても愛している」とメッセージを出した。
そして、彼女はまだコンサート、芸術活動をこなしている。
世界でも屈指の富豪でありながら「仕事が精神安定剤だ」という影に何が潜んでいるのか?
それは彼女しか知らない。
「ジョンとの間に起こった奇跡的な恋愛はもう起こらない」