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『墜ちたスター 13人の女性の栄光と悲惨』(音楽之友社)

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■『墜ちたスター 13人の女性の栄光と悲惨』(音楽之友社)
原題:A STAR IS TORN by Robyn Archer, Diana Simmonds
ロビン・アーチャー、ダイアナ・シモンズ/著 2300円

※1995.4~~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


【内容抜粋メモ】

マリー・ロイド 1870~1922(52)
イギリス生まれ。コミカル演技、歌手

ベッシー・スミス 1894~1938(44)
ブルースの皇后。ツアー途中でクルマの事故死

ヘレン・モーガン 1900~1942(42)
BILL 母ルルとの友情

ジェーン・フローマン 1907~1980(72)
スタンダード・アメリカンソング歌手。両脚を失う

カーメン・ミランダ 1909~1955(46)
ラテン・アメリカ人。過労死。一時しのぎのマーケティング

ビリー・ホリデー 1915~1959(44)
ジャズ歌手。黒人女性としての差別。ヘロイン、レイプ体験

エディット・ピアフ 1915~1963(48)
フランスのシャンソン歌手。♪白い服、♪ラヴィ・アン・ローズ

ジュディ・ホリデイ 1921~1965(44)
ユダヤ人歌手。ブロンド美人のイメージと闘い、ストレス死

ジュディ・ガーランド 1922~1968(46)
子役からドラッグ、アルコール依存症、永遠の少女のイメージ。
ステージママへの嫌悪、ゲイの父、ミッキー・ルーニーが友。

ダイナ・ワシントン 1924~1963(39)
ブルースの女王。オーバードース。派手なイメージ。♪Unforgettable

マリリン・モンロー 1926~1962(36)
不安定な少女期。モデルから女優へ。ジョー・ディマジオ、アーサー・ミラーとの結婚。
2度の流産。自社制作映画『荒野と馬』後、クラーク・ゲーブル死。
ケネディ兄弟との交際後、睡眠薬と飲酒で謎の死。自殺か他殺か分からない。証拠隠滅か?

パッツィ・クライン 1932~1963(31)
カントリー歌手。子どもの熱、ツアー先からの帰途中、飛行機事故死

ジャニス・ジョップリン 1943~1970(27)
反抗期、フェミニズム時代、奔放なセックスシンボルを具現。




いやあ、ここまで女性の立場で本質を解体し、理解しているライターはスゴイと思ったら、著者は女性か、やっぱり。

ロビンは、オーストラリアの有名女優らしい。ショーが好評で本になったというもの。
1993年4月発売だからまだ新しい。

あまりに語られすぎて、逆に本質が隠れてしまったスターもいれば、
国外にはほとんど知られていない、19C初期のスターまで、

一貫して奔放に生きようとして、社会に滅され、自滅し、悪女とみなされ、忘れられ、
イメージだけが生き残っている、これら女性スターらを連ねてみるのは興味深い。

どれも1人の人間の身に起こったとは思えない信じがたいストーリーばかり。

とくにジュディ・ガーランドなどは、まさにハリウッドの“ミス・ショービジネス”と謳われたように、
薬で眠り、薬で覚醒させていたハリウッドのシステムの餌食となった現実と、
あの可愛らしいイメージとはあまりにかけ離れていて、異常だった日常生活がショッキング。

マリリンもしかり。


それぞれが、アイデンティティと、世間のイメージの狭間で葛藤し、
ドラッグやアルコールに依存せざるを得なかった様子が切々と伝わってくる。

この2人の女性ライターの願いも伝わってくる。

女性の自立、成功した一人の女性とみなし、その特異な才能と、奔放な性格を育てていくことこそ
現代の文化なのだというメッセージが切実。

近年では、ドラッグに替わり、拒食症でこの世を去ったカレン・カーペンターが
その系譜を引き継いでいるという締め方には、なんとも切なさが残る。

ピアフは映画化されているから要チェック。

『エディット・ピアフ~愛の讃歌』(2007)
『恋に生きた女ピアフ』(1983)


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