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『火の鳥 9 宇宙・生命編』(角川書店)

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『火の鳥 9 宇宙・生命編』(角川書店)
手塚治虫/著 初版1986年(1989年 18刷) 1000円

※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

●宇宙編
ザルツ星から地球へ資料を運ぶ宇宙船に乗った5人。
昔、地球にいた優秀な牧村が、1人で1年間、みんなが凍眠する間、留守番をしていたが、ミイラ化して死んでいた。

みんなはカプセルで脱出するが、牧村のカプセルもついてきた。
奇崎のカプセルが離れ、ナナを愛するために牧村を殺そうとした疑惑がかかる。

彗星の軌道に飲み込まれ、隊長とも別れ、残ったナナと猿田(前も科学者で出た?)は、ある星に着いて火の鳥に会い、
牧村が隔離して育てられ、女に騙された傷から宇宙で暴れ、

フレミル星人は、妹ラダをつかわして愛を教えたのに、記憶をよみがえらせる装置で正気を失った牧村が
星人を皆殺しにした罪で、若返り、老いては再び若返って、死なない罰で
船員には自分の体の機械を着て誤魔化したという事実を知った。

猿田もナナが好きで赤ん坊になった牧村を殺そうとして、
さらに醜い姿となって地球に送られ、
ナナは植物の姿にしてもらい星に残る。



この場合、人を愛する心と、失いたくないという反動が原因だから、
人殺しは確かに罪だけれども、哀しい罪だ。


●生命編
2155年。未来ではクローン動物をハンターが殺す番組で視聴率を稼ごうと、
金と欲のかたまりの青居プロデューサーは、アンデス奥地にいる鳥女を訪ねる。
(猿田博士は、ここで死ぬ)

青居は、自らのクローン人間を大量に作られて、本人と見分けがつかないまま番組に出され、ハンターの餌食にされる。

ロボット祖母と暮らす少女ジェネとともに、地図にない北海道の山奥で暮らすうちに、
いつしかジェネが成長し、愛していると分かり、他に男がいるのでhはないかと疑うが
ジェネが会ったのは、かつての鳥女で、青居は自らの罪を償っていると知る。

畑泥棒をして撃たれたジェネを町の病院に連れて行き、
クローン技術を習得して、今でも続いているハンター番組をやめさせるため
自ら時限爆弾となって会社ごと爆破する青居。



どの編も読みごたえがあって、今の科学や暮らしを続けたら、いつかこうなるのでは?と思わせる。
人はひたすら技術の進歩と、欲を追求し、火の鳥はひたすら大愛を説き続ける。

他の星では、平和が保たれていても、人の愛はどうしても、憎しみという両極を持ち、バランスを崩してしまう。
そこが人らしいというか、未熟な野蛮さなのかな?

男女に分かれて、個々の意識がある限り続くんじゃなかろうか???



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