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『火の鳥 12 太陽編 下』(角川書店)

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『火の鳥 12 太陽編 下』(角川書店)
手塚治虫/著 初出『野性時代』1986~1988年 初版1992年 1993年 4刷) 520円

※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

スグルは、いつか助けた女戦士ヨドミと再会。愛し合っていると知りつつ刺したが生き返る。
「火の鳥のおかげだ。皆も欲しくないか?」と仲間を扇動する。
一気に反乱は光の地上へ。

腐狗は吉野の大海のもとで静養。
十市は裏切りが知れ、皇子に殺され、大海は決起する。

途中、太陽をまつる岩の聖地に守られ、火の鳥に会う腐狗。

「宗教戦争はキリがない。どれも人のつくったもので、どれも正しい。
 悪いのは宗教が権力と結ばれた時だけ」

大海は、太陽を祀ると誓い、日の本の国と名付ける。

犬上の里が襲われていると知って急いだ腐狗は、崖から落ちる。

韓国との斬りあいで顔を切られ、腐って落ち、
人の顔に戻ると同時に、未来ではスグルが犬となり、
自らの命を賭けてつっこみ、シャドーに勝利をもたらす。

が、それはまた「不滅教」という別の名で人々を締め付ける結果でしかない。

大友は首を献上。
大海は帝になり、ヒトとなった犬上は、狗族と離れて旅立つ。

「マリモの愛は1000年後結ばれる」

と、両親の言う通り、犬となったヨドミとスグルは、
火の鳥によってすべてから自由な世界へと導かれてゆく。



このままずっと続いていったら、どれだけ壮大な物語りになったろう。
過去⇔未来を交互に渡って、現在にたどりつくなんて、構想自体が斬新。

でも、いつの時代もヒトは争い、憎しみ合い、また愛し合う。
火の鳥の永い目から見たら、その繰り返しにすぎないのだろう。



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