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Channel: メランコリア
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notes and movies(1999.4〜 part5)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで水色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『サクリファイス』(1986)
監督:アンドレイ・タルコフスキー 出演:エルランド・ヨセフソン ほか
「息子に捧げる。希望と信念を以って」久々タルコフスキー作品に巡り会った。
詩のごときセリフと、一切ムダのない色を抑えた映像美で圧倒させる。
彼の今作は世界の終焉を思わせ、今観るのは何かの因縁か?

「人がもし同じことを、同じ時間に繰り返し、同じ目的を達成できるなら、世界は平和にならざるをえない」

「真実は重要じゃない。皿の上を回ってるゴキブリだって、自分は真直ぐ進んでると思ってるかもしれない」w

「今度のは全てを無にしてしまう。井戸に水はなく、空に鳥は飛ばない。
 全ての生命を捧げてもいい。明日を昨日と同じ1日にして下さい。
 神よ、この動物的恐怖から救いたまえ!」

「男を愛したが別の男と結婚した。愛し合っていても愛し方が違う。
 どちらか強く、どちらかは弱い。弱いほうがいつも苦しむのよ」(この意味は分かりかねる

息子を名前ではなくずっと“子ども”と呼んでるのがフシギ。妻は医師を愛していたのか?
マリアは何か奇跡を起こしたのか? Aはチャンスを使って何かいい方向へ変えられたのか? 何もかも不明。
洗面器に水を汲んで四角くデカい素っ気ない石鹸で真っ黒な手を洗うシーンにはゾッとした。
周りは何もない荒野が続くばかり。
笛か尺八か、日本に傾倒してるAという息子という設定でガウンも紋の入った絣っぽくて日本風。


■『パピヨン』(1973)

監督:フランクリン・J・シャフナー 出演:スティーブ・マックイーン、ダスティン・ホフマン ほか
今はヴァケーションを楽しむ南の島も、ちょっと前まではとんでもない歴史を持つ
流刑場だったかも知れないと思うとゾッとする。
投獄、脱獄を繰り返すうち、それ自体人生で、どこにいても人生そのものが囚われの身で
何かしら希望にしがみついて、よりよい夢を見て抜け出そうとしてるんじゃないかと思えてくる。
しかし不屈の男パピヨンは強靭な肉体と精神で、常に現実の自由を目指して諦めなかった。
老齢に至るまでマックイーンが見事な演技を見せる。
ヘリコプター事故死だと思っていたが'80肺がんで亡くなってたと知って驚いた。

"I'm still here!"(俺はまだ生きてるぞ)

これは実話を基にして、彼は余生を自由人として過ごしたそうな。
その後ギアナ刑務所は閉鎖され、荒れ果てるまま。ラストの映像は本物だろうか?
これに比べればNY刑務所なんてまだまだ快適?
人の考える罰はなんとも陰湿。食事を半分に減らす、明かりのない狭い部屋に閉じ込める、
ギロチン、虫まで食べて生きなきゃならないなんて、そこまでして生きる理由は何だろう。


■『トラフィック』(1971)

監督・主演:ジャック・タチ 出演:マリア・キンバリー ほか
BSで見逃してから数年後にやっと観ることができた今作。
心地よい音楽とテンポのせいか、それとも単調というべきか(いや今日の疲れのせいだろう)何度も眠りに襲われた
ユロ氏の職業がここでついに判明!というより持ち前の奇抜なアイデアとキャラで
いろんなところを転々としてるといったほうが当たってるだろう。
タチが言いたかったのは、せわしない車なんか止めて汽車や自転車で行こーよってこと。
車にまつわるあらゆる要素を盛り込んでタイトル通り

シャワー、ベッド、テレビ、キッチン、髭剃りにバーベキュー、
今の動く家とまでは整備されてないにせよ、アイデアの結集が楽しい。
向こうの習慣?に渋滞したら鼻を掻くといいっておまじないがあるらしい(最近知った

今作は初めてタチの話す声も耳にできる。他はパントマイム的サイレントに近く、
ユロ氏はほとんど喋るシーンはないが、意外に高い声。
フランスの一般庶民の車は結構小さめなのにも驚く。
ビーンズの乗ってる体サイズのと同じくらい。彼ら自身が大きいのか? なんだかアンバランス。
もしかすると演出か? ラストの傘のシーンもすべて黒、車は白に統一されてるし。


■『ツイン・ピークス パイロット版』

友だちの“シリーズものシリーズ”のおかげで数年前深夜TVで観て、記憶も薄れてた今シリーズを改めて見直す機会が持てた。
前回ロクにメモもとらなかったからここに。静かな音楽、深紅のカーテン、あーこの感じ
この妙な巻き戻しみたいな動きと、ジャズィな音楽に合わせて踊る小人がリンチワールド

●1、2巻
保安官はクーパーに結婚してるかと聞き、答えはNO。「以前、悲恋の辛さを味わった」そうな。
少しずつ明かされるクーパーの秘密も面白い。


■『惑星ソラリス』(1972)

原作:スダニスラフ・レム 監督脚本:アンドレイ・タルコフスキー 出演:ドナータス・バニオニス、ナタリヤ・ボンダルチェク ほか
ゆったりした時間と自然の美の中に大きな悲しみを感じる。

「海が磁気を帯びて、人が眠ってる間の想像を形にする」

「どこまでプライドを捨てられるか、良心の問題さ」

「眠りは馬鹿にも天才にも、王にも乞食にも同様に訪れる。
 事実を前に科学者は無力さ。宇宙を夢見ることがなくなって人はダメになった。
 人間が望むものは、人間なんだ!」

以前観た『スフィア』同様、夢の実現に人はまだ早すぎてコントロールできないのかも知れない。
傷もすぐ治り、窒素で自殺を図っても蘇生する。感覚も感情もある“お客”は、人以上に人に思える。
死者の復活は亡くした者にとって時に幸と不幸をもたらす。

「哲学など幸せな人には無縁だ」
「妻が戻る可能性は薄い。が、新しい奇跡が起こるのを待ち続けよう」

亡くした妻を取り戻してなお迷う男がとても切ない。


■『毒蛇島奇談 女王蜂』(1952)
原作:横溝正史 監督:田中重雄 出演:森雅之、久慈あさみ、菅原謙一、船越英二 ほか
さすが横溝正史の金田一耕助シリーズ。ドラマの作りが古くてもしっかりした脚本で犯人当てのミステリーは極上。
昔のドロドロ愛憎劇に基づき、意外な真犯人というプロットパターンは一貫していて、
いつも“もっとも意外な人物”ということで今回の犯人も分かっちゃったけど、森が本当においしい役。
いかに彼が変装の達人でも、学生役には少々無理が。
新宿TSUTAYAでもっと出演作を掘り出せそうで期待大。多種多様な役で堪能。
上品で妖しい魅力、モダンでオシャレな風格はやっぱロマンスで観たいな。

「女王蜂が去ればこの島も再び平和が戻るだろう」

今回は金田一は明智探偵のように七変化して謎を解いている。
変装ぶりはなかなかで、とくに個性のない俳優だけに好演。
今作を市川昆監督ならもっとオドロオドロしく撮るだろうな、とちょっと気になる。
皆昔は芝居がかっててオーバーアクション気味。




【読書感想メモ】
「少年探偵 江戸川乱歩全集24 鉄塔王国の恐怖」江戸川乱歩著
「インガルス家の物語1、2 大きな森の小さな家」ローラ・インガルス・ワイルダー著
「少年探偵 江戸川乱歩全集36 影男」江戸川乱歩著



【歌詞をメモした曲】
♪SATURDAY IN THE PARK/CICAGO
♪THESE ARE THE DAYS OF OUR LIVES/QUEEN
♪BOHEMIAN RHAPSODY/QUEEN


【イベントメモ】
「グッドウェザーライヴ」@CAVE
「フリマ」@原宿
「ユーミンスペクタクル シャングリラ」@国立代々木競技場第一体育館
「ネオジオワールド」@お台場パレットタウン
「ジャンボリー骨董市」@国際展示場


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