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『探偵物語』~「角川映画40年記念企画 角川映画祭」@角川シネマ新宿(2016.8.15)

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『探偵物語』~「角川映画40年記念企画 角川映画祭」@角川シネマ新宿(2016.8.15)
2016年7月30日(土)~9月2日(金)一挙上映!!

スケジュール

全部観たいけれども、経済的な問題と、パニ障にとって血生臭い、閉塞感のある内容だと
いつかの『ツィゴイネルワイゼン』@渋谷ユーロスペースになるのは怖いので、
悩んだ末に、比較的、明るめ(?)なチョイスにした

帰りの電車内で感想メモを書いて、後で、これまで観た「角川映画のまとめ」を読んだら、
ほぼ同じことを書いていて、私の印象、好きなシーンは、何十年経とうが変わらないんだなと苦笑した

「心の中のベストフィルムまとめ 角川映画」カテゴリー参照



「アクセス」にある通り、新宿三丁目B2出口を出て徒歩5分に角川シネマ新宿なんて映画館があったなんて今回初めて知った。
入り口に「チケット売場は6F」とあったので、行ったら、「角川は4Fです」あれ?
で、階段でおりたら、上映中は閉めているのか、厚い鉄の扉みたいなのが閉まっている

いったん6Fに戻ってから、エレベータで下へ。
展示物も観たかったから30分前ほどに行ったけど、入れ替え制の指定席で、後方の端がとれてひと安心v



とにかく「角川映画40年記念」祭りで、壁中に当時のポスターが貼ってあって懐かしい~!
柱には、映画の1シーンの写真パネルが飾ってある。写真が自由に撮れたから、今回もいっぱい撮ってきた。



 

 

 

 

 





お目当てのスケキヨさんも、ものすごい威圧感でいらっしゃって、
隣りに座って、誰かに頼んで、1枚撮ってもらおうと思っていたけど、
スケキヨさんコーナーの前がソファで、50~60代の方がいっぱい座って喋ってて、

「あすこで写真撮っていいんだよ」
「え? どうして?」
「写真撮影だいじょうぶだって書いてあるから」

みたいな話をしている前で、さすがに恥ずかしくて、スケキヨさんだけ撮ってきましたw
あれでは、すっかり見世物になってしまうよ



パンフレットもあって、昔のA4サイズくらいのじゃないのね、文庫本くらい
まあ、ネットで調べれば、一通りの情報は手に入るし
今のお客さんは、映画を観た後にパンフを買う習慣がなくなったのかもしれないし?

私は、以前は観たら買う派で、角川も全部のパンフレットを持っていたけれども、
引っ越すたびに荷物を減らして、他の映画のパンフも本類と一緒に全部BOOK-OFFに売ってしまった。
正確に言うと、映画のパンフは売れずに“引き取って”もらった。
でも、店内には他にもたくさん売られていたから、どうか捨てずに、どなたか好きな方が拾ってくれてたらいいなあ/祈



10分前に入場。

月曜日とはいえ、お盆や夏休み中だから、もっと混んでいるかと思いきや、けっこー空いてて
私的には嬉しいけど、40周年のキャンペーンを大々的に展開している角川的にはどうなのか

50~60代の男女が多かったのも意外
娯楽の少なかった世代間の違いか

でも、当時、角川映画を観ていた劇場がまだ健在だと、友だちからのメールで教えてもらって嬉しかった。
あの頃から横の傾斜がきつかったけどw



以前のメモとだいぶ内容がかぶるけど、一応感想メモをもう一度(ネタバレ注意

やっぱり来て良かった

最初の、新井直美が木をのぼって部屋に入るシーンから、(そう、そう!)と心の中で言いたくなるほど、
1シーン1シーン、1つ1つのセリフも覚えているけど、劇場で観るとまた新鮮で感慨深い。

どこまでも頑なな態度で、時々突飛な発想で行動しちゃうヒロインの薬師丸ひろ子さんの演技が1つ1つ愛おしい。
対して、松田優作さん演じる男の、ダメダメなヨレっぷりが、とにかく惚れる
(33歳なんて、まだまだ若いのに、当時の女子大生から見れば“おじさん”なんだな

1人で洗濯してたり、出してくれたお茶の茶碗が昔ながらの急須やお茶碗だったり。


それにしても、コレって今なら18禁にならないのかな?
その後、より過激なシーンが、巷にあふれかえっているから麻痺したか?

当時、意味も分からず観ていた部分も多いけど、その年齢なりに心に残るものがあって、
今観ても、その頃の気分でも観れるし、今の年齢からも観れる

そして、改めて、日本は、松田優作という稀有な才能を持った大きな宝を失ってしまったんだなあ、と気づく。


身長差のある2人が、送別会で“チーク”を踊るシーンとかもドキドキする


なんといっても、今作の見どころは、ラストの空港での別れのシーン。

前回も書いてて笑ったが、おでこにキスのイメージがあるんだけど、渾身のキスシーンなんだな。
男の本音半分、真っ直ぐに自分にぶつかってきた女の子に対しての男の礼儀みたいな気持ちもあったろうし。

前の晩、
「1人で淋しくないんですか?」
「1人で淋しくない人間なんていないよ」
「私ずっと1人で淋しかった!」

という彼女の、子どもの頃から親の愛情をもらえなかった背景も見えてきての、このキスシーンなんだ。
昔も今もグレちゃう子ども(今ならキレる、とか、病む、とか)は、家庭環境とのズレが原因のことが多い

辻山は動きを止めたままだけど、空港内の人々やエスカレーターは動いているんだよね。

空港で彼女を引き留めることもできたけど、手を引き離したのは、
まだ若い彼女の未来は、これからどこまでも可能性があって、
それを阻むまいとする大人の理性。

渡米して、彼女はどんな大人に成長しただろうか?
角川映画は、いつもそんなある一瞬を見事に切り取っていて、
今ごろあのヒロインはどうしているだろうと、未来を想像させるんだ


そして、角川映画といえば、ヒロインが歌うテーマ曲。
絶妙なタイミングで流れて、途中、何度も泣きそうになった。


(藤田進さんが組長役で出ていたのも嬉しかった。パッと見、笠智衆さんかとも思ったけど/驚




次の作品は17時からで、1時間空くから、観ようかどうしようか、散々悩んだけど、
今作の余韻を家まで持ち帰ろうと思った。


『愛情物語』も観ればよかった!
スケジュールを見ると、前半ではけっこうやってたけど、後半にはないんだ。
私が当時観た作品は、ほぼ「初デジタル化」しているから、これからも時々かけてほしいなあ!

精神異常をきたした母親を演じた加賀まりこさんの館のシーンは、今観てもかなりショッキングでシュールだと思う。

大林監督のトークショーでは、きっとまた素晴らしいお話をされたんだろうなあ!
『時をかける少女』をDVDで観直した際、コメンタリーまで見て、
当時、どれだけ深い想いで撮っていたか、含蓄のある深い言葉がいちいち心に沁みた


角川のチラシに、公開年と、当時の時事が載っていたのも興味深い






追。
劇場入り口に貼ってあったポスターやチラシで興味をもった映画をいくつかメモ

『暗殺』
イ・ジョンジェを久々見かけてテンション上がった!

『ブルーに生まれついて』

「ロメールと女たち」
劇場内の予告で、ジャン=ルイ・トランティニャンが出演していると知って、これもテンション上がった!


『モード家の一夜~MA NUIT CHEZ MAUD』

『オールディックフォギー 歯車にまどわされて』

『THE BEATLES EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』


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