■私たちは“買われた”@あさイチ
「援助交際」「売春」経験者、14歳~26歳まで、24人の女性が主催した企画展
生い立ち、体験、そこに至るまでの背景、本当のことを知ってほしいと思って催した
●成人式の振袖写真~20歳まで生きられたことを祝って
リストカット、タバコを押し付けた火傷の跡もそのまま写してもらった/手記とともに展示
「家族の性暴力があり、20歳まで生きられないと思っていた」
●企画展を観た感想
女性:
さらっと読むには、あまりにも失礼な重た過ぎる中身
ショックというか、目をそらしちゃいけない現実を見た
男性:
生の姿、自分では想像できない部分をハッキリ見せてもらった
読んでいて、苦しくなる
●手記の一部を紹介
●冬の寒い夜、自販機に寄り添う自分を再現
本人が見て「泣けてくるから、あんまり見たくないんだ」
彼女のインタビュー:
15歳。冬の寒い一夜を公園で過ごしていた
暖をとりたくて、温かくもない自販機に体を押し付けていたことを
今回、企画展のために改めて再現した
母子家庭で、ささいな言いつけを守らないと、殴る蹴る暴力から逃れて、公園のベンチで過ごした
家は安心できる場所ではなかった
中2の時、真冬に母と口論となり、恐怖で家を飛び出した
深夜2時頃まで雑貨店をウロついていると、「どうしたの?」と30代くらいの男が声をかけてきた
(そんな24時間営業の雑貨店があること自体変だよな
事情を話すと、「なにか食べない?」と言われて、ついていった
コンビニでおにぎり1個買ってもらい(ケチだな)、男の自宅に着いた
性暴力を受けても抵抗できなかった。自分が悪いと考えてきた
その後も、家出した時、見知らぬ男についていってしまった
イノ「援交って、たぶん20年くらい前から言われてる(そんなに前だっけ?驚
その頃と今って全然違うものになってる気がする」
少女のインタビュー2:
親にお腹を殴られたりとか普通にある。(家の中に)味方もいないから逃げ場がない
お金もないし、行く所もないし、ここからどうすればいいかな
寝たいけど、どこで寝たらいいか分からないし
食べたいけど、どうすれば食べられるか分からないし
“お風呂に入るか、歯磨くか、どっちかやる?”と言われた
“いや、いいです”と言ったら、そのままベッドみたいになって
襲われたのかな
“中学生だ”と言ったけど、(男は)全然、関係ない感じだった
ガタイ(体格)も結構よかったから、ああもうダメだな
でも、自分がついて行っちゃったわけだし
その男だけが悪いとは考えられなかったから
援助交際だとも思いたくなかったし
“お金もらってないし、援交じゃない”と思わないと
自分が本当に犯罪者になったような気分になるから
頼るところがないから、ただ寒い思いするだけだったら、ご飯もらって、
襲われるかもしれないし、まあ、襲われるんだけど
何もないよりは、マシかな
(たとえ、暴力でも、人の温もりも求めているのかもしれないなぁ
自らも同じような経験がある仁藤夢乃さん
アナ「なぜ、この時期にこの企画展をやろうと思われたんですか?」
仁藤:
日本では「児童買春」が「援助交際」、まるで大人から子どもへの援助であるかのように語られてきた
「好きだからやってんだろう」「ブランド物欲しさにやってるんだろう」という記事がメディアでも多く見られた
「少女たちはなぜ気軽に売春するのか」という切り口で語られることが多い
彼女たちから「そうせざるを得ないと生きられない背景があると伝えたかった」という声があった
「抵抗できなかった」「仕方なくやった」
弱みにつけこむ形で近づく「買う側」の存在もあると気づいて欲しいという思いもある
アナ「時代によって、なにか変わったと思うことはありますか?」
仁藤:
自分は27歳なので、昔の状況は分かりませんが、
活動に寄付してくださる方の中には、元当事者の方がかなりいらっしゃいます
当時も「好きだからやってんだろう」などの声があったが、
当時も虐待、貧困、孤立があった、というアンケートの声があった
「こんなにお金もらっちゃった」と明るく振舞うことで、“下に見られないよう”頑張って振る舞ってしまう
ヤナギー「頼る所って、今ならいろいろあるのでは?」
仁藤:
私も、夜の街を歩いて、気になる子に声をかけることがあるが、
「保護じゃないよね?」とおびえた表情で言われたことが何度かある
仁藤:
児童相談所で、一時保護されて、すごく窮屈な思いをした子も多い
「2ヶ月間、学校に通うことを制限されたのが辛かった」とか
振袖の少女も、警察に駆け込んだが、保護しても泊められる場所がないので
親を呼んで、父親を叱って、家に帰すだけ
(一番やっちゃいけないことだって知らないのかな/驚 虐待などについては警察で学ばないの?
一度でもそういうことがあると「もう大人は二度と信じない」という子もいる
学校の先生に相談したら「汚い」とハッキリ言われた子もいる
シェルターのスタッフさんたちも勿論、一生懸命ですが、少女たちの目から見ると十分ではないのが現状
イノ「警察からシェルターや、児童相談所に行こうとはならないんですか?」
仁藤:
昼間ならあり得るが、24時間オープンの児童相談所は少なく、基本、日中しか開いていない(そりゃないよ。緊急電話とかは?
土日祝日は休み。夜に駆け込める場所がない(お寺とかも閉まるか・・・
実は私も10代の頃、街を徘徊していた
ビルの屋上にダンボールを敷いて寝たりしていた
警察に見つかることを一番恐れていた。補導されて、家に帰されてしまうから
医療や福祉など「ケア」につながることが大事
仁藤:
「補導」というと、「非行」の子どもだから「注意指導」するという傾向がある
「病院」は、性暴力を受けた時に駆け込んだり、性病にかかったり、妊娠した時に行く
「一時保護」がある所もあるが、すぐに家族に見つかってしまう
夜に声をかけてくるのは、手を差し伸べてくれるのではなく、
ほとんどが買春者か、なにか危険な仕事に斡旋するスカウトマン
女性から声をかけられることがないので、声をかけると「気づいてくれてありがとう」と
目に涙をいっぱいためて言われたことがある
彼女たちに必要なのは「当たり前の日常」
仁藤:
私が自暴自棄になっていた時、見て見ぬフリをされていると感じ、朝帰りした時
知らないおばあさんから「おはよう。寒いわね。風邪ひかないように、気をつけてね」と声をかけてくれて
その時は何も言えず、ただすれ違っただけだけど、すごい涙が出てきたことを今でも忘れられない
まだ私に「おはよう」て当たり前の声かけをしてくれる人がいたんだって
そういう“ひと言”でもいいのかなって。「見てるよ」「気にかけているよ」って
(私が大雨の中、傘もなく、自転車をこいでいたら、
「あらあら、そんなに濡れちゃって、大丈夫? 気をつけてね」
ってゆってくれたおばさんがいたな。嬉しかった
自分もそういうおばさん、おばあちゃんになりたい
親を孤立させないことも大事
仁藤:
よく「親は何をしてるんだ!」って「家庭の問題」と思うかもしれないが、
親自身も困難を抱えていたり、精神障害を抱えていたり、困窮していたり、孤立していることが多い
イノ「声かけという言葉が出てきましたけれども、見て分かるものなのか?」
仁藤:
バッグの中に着替えを入れて持って歩いていたりとか、
なんで、こんな時間にサンダルだけで歩いているのかな、とか
ちょっとした見方を変えるだけで気づくことがある
イノ「この子たちは、企画展後どう思っているんでしょう?」
仁藤:
これをやる前は、自分を責めていた子が多い
他の子が話すと「あなたは悪くないよ」て、お互い声を掛け合うことで、「自分は悪くないとようやく気づいた」とか
「自分ひとりでなんとかしなきゃ、という思いが強かったが、ちょっとは助けてってゆってもいいんだなと分かった」と気づく
(グループカウンセリングと同じ効果だな
人に頼る力をつける
仁藤:
なぜこの企画展を立ち上げたかというと、思い出すのも辛い子もいたが、
自分のことを分かって欲しいだけでなく、今も同じように苦しんでいる子がきっとあなたの側にもいると気づいて欲しいから
これを知って、私も手記を書きたいという人もいた
壮絶な体験のように見えるが、実際会ってみると、本当にフツーの可愛い中学生なので
何かあった時に、声をかけて欲しい。彼女たちの「SOS」に気づける大人が増えて欲しいという思いも強い
*
「ETV特集 私たちは買われた~少女たちの企画展~」も放送予定
HPもある(コレかな? 神楽坂でやってたのか。知ってたら行ったけどな またやってほしい
<FAX>
*
私も今となっては忘れて(蓋をして)しまった、10~20代の頃の思いは、
その頃に書いたものを読めば、こんな感じだったんだ、と心象風景が分かる
「lyrics」もアップしました。
「援助交際」「売春」経験者、14歳~26歳まで、24人の女性が主催した企画展
生い立ち、体験、そこに至るまでの背景、本当のことを知ってほしいと思って催した
●成人式の振袖写真~20歳まで生きられたことを祝って
リストカット、タバコを押し付けた火傷の跡もそのまま写してもらった/手記とともに展示
「家族の性暴力があり、20歳まで生きられないと思っていた」
●企画展を観た感想
女性:
さらっと読むには、あまりにも失礼な重た過ぎる中身
ショックというか、目をそらしちゃいけない現実を見た
男性:
生の姿、自分では想像できない部分をハッキリ見せてもらった
読んでいて、苦しくなる
●手記の一部を紹介
●冬の寒い夜、自販機に寄り添う自分を再現
本人が見て「泣けてくるから、あんまり見たくないんだ」
彼女のインタビュー:
15歳。冬の寒い一夜を公園で過ごしていた
暖をとりたくて、温かくもない自販機に体を押し付けていたことを
今回、企画展のために改めて再現した
母子家庭で、ささいな言いつけを守らないと、殴る蹴る暴力から逃れて、公園のベンチで過ごした
家は安心できる場所ではなかった
中2の時、真冬に母と口論となり、恐怖で家を飛び出した
深夜2時頃まで雑貨店をウロついていると、「どうしたの?」と30代くらいの男が声をかけてきた
(そんな24時間営業の雑貨店があること自体変だよな
事情を話すと、「なにか食べない?」と言われて、ついていった
コンビニでおにぎり1個買ってもらい(ケチだな)、男の自宅に着いた
性暴力を受けても抵抗できなかった。自分が悪いと考えてきた
その後も、家出した時、見知らぬ男についていってしまった
イノ「援交って、たぶん20年くらい前から言われてる(そんなに前だっけ?驚
その頃と今って全然違うものになってる気がする」
少女のインタビュー2:
親にお腹を殴られたりとか普通にある。(家の中に)味方もいないから逃げ場がない
お金もないし、行く所もないし、ここからどうすればいいかな
寝たいけど、どこで寝たらいいか分からないし
食べたいけど、どうすれば食べられるか分からないし
“お風呂に入るか、歯磨くか、どっちかやる?”と言われた
“いや、いいです”と言ったら、そのままベッドみたいになって
襲われたのかな
“中学生だ”と言ったけど、(男は)全然、関係ない感じだった
ガタイ(体格)も結構よかったから、ああもうダメだな
でも、自分がついて行っちゃったわけだし
その男だけが悪いとは考えられなかったから
援助交際だとも思いたくなかったし
“お金もらってないし、援交じゃない”と思わないと
自分が本当に犯罪者になったような気分になるから
頼るところがないから、ただ寒い思いするだけだったら、ご飯もらって、
襲われるかもしれないし、まあ、襲われるんだけど
何もないよりは、マシかな
(たとえ、暴力でも、人の温もりも求めているのかもしれないなぁ
自らも同じような経験がある仁藤夢乃さん
アナ「なぜ、この時期にこの企画展をやろうと思われたんですか?」
仁藤:
日本では「児童買春」が「援助交際」、まるで大人から子どもへの援助であるかのように語られてきた
「好きだからやってんだろう」「ブランド物欲しさにやってるんだろう」という記事がメディアでも多く見られた
「少女たちはなぜ気軽に売春するのか」という切り口で語られることが多い
彼女たちから「そうせざるを得ないと生きられない背景があると伝えたかった」という声があった
「抵抗できなかった」「仕方なくやった」
弱みにつけこむ形で近づく「買う側」の存在もあると気づいて欲しいという思いもある
アナ「時代によって、なにか変わったと思うことはありますか?」
仁藤:
自分は27歳なので、昔の状況は分かりませんが、
活動に寄付してくださる方の中には、元当事者の方がかなりいらっしゃいます
当時も「好きだからやってんだろう」などの声があったが、
当時も虐待、貧困、孤立があった、というアンケートの声があった
「こんなにお金もらっちゃった」と明るく振舞うことで、“下に見られないよう”頑張って振る舞ってしまう
ヤナギー「頼る所って、今ならいろいろあるのでは?」
仁藤:
私も、夜の街を歩いて、気になる子に声をかけることがあるが、
「保護じゃないよね?」とおびえた表情で言われたことが何度かある
仁藤:
児童相談所で、一時保護されて、すごく窮屈な思いをした子も多い
「2ヶ月間、学校に通うことを制限されたのが辛かった」とか
振袖の少女も、警察に駆け込んだが、保護しても泊められる場所がないので
親を呼んで、父親を叱って、家に帰すだけ
(一番やっちゃいけないことだって知らないのかな/驚 虐待などについては警察で学ばないの?
一度でもそういうことがあると「もう大人は二度と信じない」という子もいる
学校の先生に相談したら「汚い」とハッキリ言われた子もいる
シェルターのスタッフさんたちも勿論、一生懸命ですが、少女たちの目から見ると十分ではないのが現状
イノ「警察からシェルターや、児童相談所に行こうとはならないんですか?」
仁藤:
昼間ならあり得るが、24時間オープンの児童相談所は少なく、基本、日中しか開いていない(そりゃないよ。緊急電話とかは?
土日祝日は休み。夜に駆け込める場所がない(お寺とかも閉まるか・・・
実は私も10代の頃、街を徘徊していた
ビルの屋上にダンボールを敷いて寝たりしていた
警察に見つかることを一番恐れていた。補導されて、家に帰されてしまうから
医療や福祉など「ケア」につながることが大事
仁藤:
「補導」というと、「非行」の子どもだから「注意指導」するという傾向がある
「病院」は、性暴力を受けた時に駆け込んだり、性病にかかったり、妊娠した時に行く
「一時保護」がある所もあるが、すぐに家族に見つかってしまう
夜に声をかけてくるのは、手を差し伸べてくれるのではなく、
ほとんどが買春者か、なにか危険な仕事に斡旋するスカウトマン
女性から声をかけられることがないので、声をかけると「気づいてくれてありがとう」と
目に涙をいっぱいためて言われたことがある
彼女たちに必要なのは「当たり前の日常」
仁藤:
私が自暴自棄になっていた時、見て見ぬフリをされていると感じ、朝帰りした時
知らないおばあさんから「おはよう。寒いわね。風邪ひかないように、気をつけてね」と声をかけてくれて
その時は何も言えず、ただすれ違っただけだけど、すごい涙が出てきたことを今でも忘れられない
まだ私に「おはよう」て当たり前の声かけをしてくれる人がいたんだって
そういう“ひと言”でもいいのかなって。「見てるよ」「気にかけているよ」って
(私が大雨の中、傘もなく、自転車をこいでいたら、
「あらあら、そんなに濡れちゃって、大丈夫? 気をつけてね」
ってゆってくれたおばさんがいたな。嬉しかった
自分もそういうおばさん、おばあちゃんになりたい
親を孤立させないことも大事
仁藤:
よく「親は何をしてるんだ!」って「家庭の問題」と思うかもしれないが、
親自身も困難を抱えていたり、精神障害を抱えていたり、困窮していたり、孤立していることが多い
イノ「声かけという言葉が出てきましたけれども、見て分かるものなのか?」
仁藤:
バッグの中に着替えを入れて持って歩いていたりとか、
なんで、こんな時間にサンダルだけで歩いているのかな、とか
ちょっとした見方を変えるだけで気づくことがある
イノ「この子たちは、企画展後どう思っているんでしょう?」
仁藤:
これをやる前は、自分を責めていた子が多い
他の子が話すと「あなたは悪くないよ」て、お互い声を掛け合うことで、「自分は悪くないとようやく気づいた」とか
「自分ひとりでなんとかしなきゃ、という思いが強かったが、ちょっとは助けてってゆってもいいんだなと分かった」と気づく
(グループカウンセリングと同じ効果だな
人に頼る力をつける
仁藤:
なぜこの企画展を立ち上げたかというと、思い出すのも辛い子もいたが、
自分のことを分かって欲しいだけでなく、今も同じように苦しんでいる子がきっとあなたの側にもいると気づいて欲しいから
これを知って、私も手記を書きたいという人もいた
壮絶な体験のように見えるが、実際会ってみると、本当にフツーの可愛い中学生なので
何かあった時に、声をかけて欲しい。彼女たちの「SOS」に気づける大人が増えて欲しいという思いも強い
*
「ETV特集 私たちは買われた~少女たちの企画展~」も放送予定
HPもある(コレかな? 神楽坂でやってたのか。知ってたら行ったけどな またやってほしい
<FAX>
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私も今となっては忘れて(蓋をして)しまった、10~20代の頃の思いは、
その頃に書いたものを読めば、こんな感じだったんだ、と心象風景が分かる
「lyrics」もアップしました。