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ドラマ『運命の人』(2012)最終話

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ドラマ『運命の人』(2012)
原作:山崎豊子 脚本:橋本裕志

ドラマ『運命の人』(2012)第1~5話はこちら
ドラマ『運命の人』(2012)第6~第9話はこちら

「長谷川博己さん出演作まとめ」カテゴリーに追加しました。


最終話 栄光と挫折~再生の物語が沖縄で遂に完結!! 40年前の真相と奇跡が招く衝撃の結末 -運命に翻弄された3人の未来とは
ユミナリが飛び降りるのを見ていたミチは泳いで助ける


5年後。
ユミナリは、ミチと同居する叔父・叔母の家に世話になり、離れで暮らす


琉球ガラス工場で働くミチ(ガラスきれい


テルヤ


「米軍がもってくるビール瓶などの空き瓶を再利用している
 アメリカ文化を琉球文化に作りかえる、ささやかな抵抗ですかね」


琉球新聞社会部記者・アキラは、米兵による強盗事件に駆けつけるが
「どうせ基地に逃げ込んで、本国送りで、被害者はまた泣き寝入りですよ!」
 

そこにユミナリがいるのを見て、「元毎朝のユミナリさんでは? ウチの新聞で書いてくれませんか?」と熱く説得する
叔父は知ってた 5年前ポケットに入ってた名詞を返し、沖縄戦のガマの写真を見せる/涙


「ガマに逃げ込んだ140人中84人が死んだ 集団自決
 あまりに悲惨だったから、生き残った人間は過去にずーっとフタをしてきた 今年、東京の人がこれを撮った
 私は生き残ってしまったが、両親も自決してしまった
 私が生き残ったのは後世に伝えるのが使命なのでは
 私はあなたが書いてくれたら、ミチも過去を乗り越えてくれるような気がしてね
 あんたには知っててほしい 沖縄の本当の姿を」


 

叔父:
昭和20年4月1日 アメリカ艦隊が埋め尽くして海が黒く染まった
だが日本軍は沖縄の人間を守ろうとはしなかった 戦いを長引かせて米軍の本土上陸を1日でも遅らせる作戦に出た
沖縄住民は本土を守るための捨て石にされたのさ
私たちは死に物狂いでこのウージ(さとうきび)の中を逃げたさ

当時中学生だった叔父は、自分たちが逃げ込んだガマにユミナリを案内する




ある日、米兵に見つかり、竹やりで向かった男が機関銃で撃たれた
日本兵が「自分は中国で散々酷いことをしてきた そうなる前にみんなで死のう」と言い出した
「注射器と毒薬がある人は早く死ねていいねえ」って心底羨ましがったさ

娘に「米兵に犯されて殺されるぐらいなら、おかあの手で殺してください」と言われ、
その母親は気がふれて一族を殺そうと包丁を振り回した
それから誰かが積み上げた布団に火をつけた
「バンザーイ!」

生きたい人間は出口に殺到した
毒が入っていると言われた米軍のお菓子を食べて「アメリカは殺さないぞー!」と叫んだがガマは火の海
なぜ自分だけ生き残ったか罪悪感を感じてた みんなそうさ なんで助けてやれなかったか


ユ“私は本当の痛みを知らずにいた自分を恥じた”
闇に埋もれた歴史を自分なりに記録しようと思う

松中が久々ユリコを訪ねる 「あなた方には、三木さんを追い詰めた責任がある」
 

「彼女を本当に追い詰めたのは、この国とあなたたちじゃないですか?
 あの手記を真実だと思っているんですか? 彼女のこともそっとしておいてください」

タクヤはアキコを訪ねる
「警官と週刊誌にも利用され、私たちだけがバカをみたんだ 私のところに戻ってこないか 冗談だよ」
やっと離婚届けを渡すタクヤ

三木の母が長くないから戻ってほしいと言っていると伝えると
「故郷はとっくに捨てたんです」
タクヤは大金を渡し「家を売った一部だ 最後ぐらいカッコつけさせろ」


ユミナリは毎日、沖縄戦の話を聞くが、“ヤマトの人間だ”と避けられる
「みんな思い出すのが嫌なのさ 家族が死に、生きてる自分が後ろめたいわけさ
 ヤマトンチュウ(沖縄方言で、本土の人)はみんな知らぬふり」

ミチの事件を話す女性
ミチは、中学生の時、米兵に乱暴されて、新聞に書かれ、学校に行けなくなり、父は島を去り、母は亡くなった

「体力のいるガラス仕事で弱音を吐いたことがない
 ミチのつくるガラスは闇を光に変える力がある」

何度も通ううち、話しだす沖縄の人々

「アメリカの兵隊は怖かったが、日本の兵隊はもっと怖かったさ
 自分の居場所を確保しようとして追い出されて、叔父は殺された」

「オレの叔父はスパイと疑われ、射殺された」

「1歳の赤ん坊を抱えて壕に逃げ込んだが、泣くからと絞め殺された」

サンシンを弾いて踊りだす人々
「私は自分の過去ともう一度向き合おうと思った」と、ユリコに初めて手紙を書くリョウタ
ユリコは手紙を山部に見せる

「君は君の道を幸せに歩いてほしいと願っている
 私はずっと沖縄で暮らすことになるだろう 別れた亭主のことなど忘れて君は自由に生きてほしい」と書いてあるが

ユリコ「私は他の言葉が欲しかった」


反戦地主・島袋:


貸し倉庫も滑走路も全部、先祖代々から受け継いだ大切な田んぼや畑だった
戦後、米軍が農民を追い出して、地主に払った金ははした金さ
返還後は日本政府が借地料をどんどん吊り上げて、わしらはのけ者だよ
基地が沖縄の経済を支えているという人間もいるが、基地は戦争のためのもんだ

軍用地主会・アニヤも昔は基地反対運動をしていたが、今は逆の立場
「沖縄が何を言ってもムダと政府が教えてくれた
 だったら金もらって子どもや孫にいい思いをさせたい
 私を裏切り者と言う人もいるが、私もずっと国に裏切られてきた
 国とケンカしてどうなるか一番知ってるのは君じゃないのか?」


山部が訪ねてくる
「ひどい音だ」
「操縦士が見える至近距離だ 騒音で何度も学校の授業が中断するらしい」
「だが軍隊を持てない日本は、アメリカにもってもらう必要がある」
「それを沖縄だけに押し付けていいのかって話さ」

「三木さんは今どうしてる?」(奥さんより、そっち?!)「ユリコは元気でいてくれてればいい」
離婚届けを出していないと聞くが「今更合わせる顔もない」
山部「時間はあっという間に流れるぞ」

ユミナリに妻子がいると知るミチ


ガラク教授と会う


「実際払われたのは140万ドルだけ 残りの金の行方はいまだに分からない
 私は諦めてない アメリカでなら可能性がある
 アメリカには一定期間過ぎた機密を公開する仕組みがある 取材の自由もはるかに大きい」
ワシントンの大学に赴任するから、いつか朗報を届けたいという


「ガラスの個展開いてみないか」と言われたミチ
そこに煙をあげたヘリが建物に当たって爆発する
ヘリは大破し、米軍が立ち入りを禁止する

 

沖縄では一面記事でも、本土では小さい扱い
 

アキラ
「現場検証もさせてもらえない なにかあると簡単に自治権を犯される、それが沖縄です
 休校の日だからよかったが、一歩間違えれば200人の死傷者が出た1985年の事故の再現でしたよ
 当時の新聞は小さい記事にしかならなかった いつでも本土では他人事です」

再びユミナリに書いてほしいと頼むアキラ
「書く資格はありません」

その後すぐ、海岸でまた米兵3人が婦女暴行事件をおこしたというニュースが飛び込んでくる
しかも被害者は小学6年生の少女

「もうガマンできない この現状を全国に訴えるべきです!」という同僚をとめるアキラ
「その子の生涯がとりかえしのつかないことになる スクープより少女を守ることが先決だ」

地元新聞は、少女に配慮し、記事は小さく書かれただけだったが、
本土のマスコミはスキャンダラスな事件を食い物にした

 



県民は各地で抗議集会を行った(今と全然変わらないんだな


読谷村の軍用地主会でも対立となる
「沖縄の経済はどうなる 基地がなくなったら住民が困る」
「金さえあれば幸せなのか!?」
(内部対立もあるのか・・・

鳥井がミチを訪ねてきて、ユミナリに気づく

ミチは中学の時、複数の米兵に暴行されたフラッシュバックに襲われ火傷を負う


ミチは自分の過去を恥だと考えて、恋愛もせず、結婚も諦めている
テルヤ「僕は本当に悔しいです あいつについててやってください 僕ではダメなんです」

ミチ:
ユミナリさんに知られたくなかった でもユミナリさんならどんな過去でも受け入れてくれると思った
あの朝、お母さんとケンカした 部活が中止になって お詫びに花あげようと思っていつもと違う道を一人で帰った
強い雨が降り出して 廃屋で雨宿りしてたら、目の前に車が停まって、とりかえしのつかないことに・・・
いつも思ってしまう あの朝ケンカしなかったら! もし部活が中止にならなかったら! もし雨が降らなかったら!

ユ「そこから時が流れて、君はこんなステキな女性になって、あんなにステキなガラス作品を作り続けていることを誇りをもつべきだ
  君がいたから今のオレがいる でも、もっと前から君を受け入れて見守っていた人もいる
  ずっとそばで見守るには、オレにはまぶしすぎるよ」

今度はミチとの抱擁場面を鳥井に撮られる


昔のことを蒸し返されるのを恐れて個展を中止にしたいというミチに

ユ「個展はやるべき 今、事件の少女を勇気づけられるのは君だけかもしれない
  同じ痛みをもつ君が立派に歩みだしている姿を見せればきっとその子の救いになる
  そして君もその子と一緒に過去を乗り越えるんだ」

「あなたは何も分かってない “汚された”“悲惨な”私の耳には事件の後に言われた言葉がまだ残ってる
 あなただってずっと過去から逃げたままじゃないですか!」

叔父:
あの日死にかけた命を救われたんだから、そろそろ腹をくくったほうがいいんじゃないか
“命(ぬち)どぅ宝”だから
命を大切にすれば、いつかチャンスが巡ってくるという意味
あんたはミチのためにも書くべきだ


ユミナリは、ついに記事を書き始める


「生き恥を晒してでも、現状を伝えたい
 沖縄は、過去も現在も悲劇であふれている
 深い悲しみの闇が果てしなく広がっている
 この痛みを沖縄だけに押し付けてはならない
 すべての日本人が沖縄の空に曇りなき日本の姿を思い重ねてほしい
 未来は私たちの手の中にある
 私なりの方法でその使命を果していきたい」


ミチは被害者少女のためにガラス器をつくり、アキラは少女を連れてきて、ミチに会わせる


「私もあなたと同じ体験をしました
 今はたくさんの仲間たちと琉球ガラスを作っています
 ガラスかごをあなたのために作ったのでもらってくれますか?」

「キレイ あなたのような大人に私もなれますか?」
「私なんかよりもっと素晴らしい人生が待っているよ」



総決起大会には、8万5千人が集まり、沖縄県知事が挨拶した

「もう基地に依存する沖縄ではいけない!」

曽根川総理に山部は「次の世代のために何をすべきか考えるのが我々の使命ではないですか?」

集会は中央各紙も大きく取り上げた


テレビに映るユミナリを見つけるユリコとアキコ
大野木も見た 琉球の記事のこともユカリに伝える

三木から山部に電話があり、「君になにかあったら力になってくれ」とリョウタのことづけを伝える

米軍のジープに轢かれそうになった少年を助けたユミナリは床に伏せる(こういう事件も多いみたいね。そして罪には問われないまま
ミチはユリコからの手紙を渡し、ユリコに電話する

三木「あの人は未来を変えると言ったんです 私にはまぶしかった 私が勝手にあの人に救いを求めただけなのに
   機密文書を渡したのもそんな勝手な思いからかもしれません
   もうないものねだりは止めます 一度北海道に帰ります
   結局人は自分の運命を引き受けて生きていくしかないのかもしれません」

山部「もし運命なんてのがあるなら、君と出会って傷ついたからこそ、ユミナリは沖縄の本当の姿に向き合うことができたってことだ」


ユリコは那覇に向かう 空港で北海道に向かう三木とすれ違う(まったく逆方向だな

ユカリに岬を見せ、リョウタが身を投げたことを話すミチ

「私は怖くて飛び込めなかった それを思い出して夢中で助けた
 淡い想いももった 私と同じ傷をもつ人間だって分かっていたから
 でも、ユミナリさんの中にはいつもユリコさんがいました
 ずっと前に運命の人に巡り合えたんですね
 でも、ユミナリさんのお陰で人を愛する喜びを知りました
 私もいつか結婚して子どもを産みたいと思って 私にとっても運命の人だと思ってもいいですか?」

ユリコはミチの家に挨拶に行き、寝ている夫と再会
机上には変わらず、沖縄証言や東西冷戦などの資料が山積み

「あなたは今も新聞記者なんですね それを私はどうしてここまで放っておいてしまったんでしょうね
 あなたは弓成亮太のままでいる 私はそれですべて救われます」

息子にもしらせて「いつか一緒にお酒が飲みたい」と手紙をくれた
「今は東京に戻れない これからは沖縄の現実を本土に伝えて 今度こそこの国の未来を変えたいと思っている
 すべてはここにつながってたんじゃないかと思ってる」

「私もここに住んでみたくなりました」

「この空と海のまぶしさの裏に暗い過去が潜んでいる
 だがそれに抗うように沖縄の人は、明るく強く生きている それがなにより素晴らしく尊いと思う
 君に聴かせたい歌がある 人の気高さを教えてくれた沖縄の歌だ」

サンシンを弾いて歌うリョウタ

♪夏冬かわらん
 子ぬ方星がまよ(北極星のように
 ンザヌカワルガー(どこがかわるか
 曇りゃみーん(曇ることのない
 光ぬ星がまよ(光の星よ

 

教授がアメリカで密約を裏付ける文書を発見したことが新聞に載る


ユ「こんな日が来るなんてまだ信じられなくて」
ユリコ「きっとあなたが運命を引き寄せたんですね」

しかし、政府は密約を否定し続けた
かつての政治家が認めてもなお、外務省は「密約文書は存在しない」と公開を拒否



2011年 公開を求めた東京高等裁判所の裁判では、隠蔽のため処分したことは認定されるが
誰の命令かは明かされず、司法はまた外務省を守った



ユミナリ:
日本の0.6%の沖縄に今もなお、国内の米軍基地の74%を押し付けられたまま
沖縄を知れば知るほど、この国のひずみが見えてくる
沖縄の空には今日も米軍機が飛び交っている





平成28年 沖縄全戦没者追悼式@平和祈念公園



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