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『オーパルひとりぼっち』バーバラ・クーニー(ほるぷ出版)

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『オーパルひとりぼっち』(ほるぷ出版)
オーパル・ウィットリー/原作 ジェイン・ボルダン/編 バーバラ・クーニー/絵 八木田宜子/訳

「バーバラ・クーニー」カテゴリーに追加しました。

▼あらすじ(ネタバレ注意

オーパル・ウィットリー:
1900年頃、アメリカ生まれ 両親を亡くし、オレゴンのある家族の養女となった
19回も製材キャンプを移動する暮らしをしてきた
この日記は、1920年に刊行されて以来、たくさんの人の心を動かしている

ジェイン・ボルダン:
詩人。オーパルの書いたものに“詩”を発見した人
オーパルの日記を編集した『オーパル:思慮深い心の軌跡』の作者

バーバラ・クーニー:
メイン州のダマリスコットに住んでいる


【あとがき 内容抜粋メモ】

「これは、私の5歳と6歳の頃の日記です」(オーパル)

日記は親切な近所の女性にもらった封筒の裏に書かれました
色鉛筆は“妖精”からもらいました

オーパルは日記を秘密の場所に隠したが、義理の姉が見つけてビリビリに破いてしまいました
オーパルは、大事な紙きれを、まとめて箱に入れてとっておきました

20歳の時、1人の出版人に出会い、その人はその日記を見たいと頼み、
オーパルは全部つなぎ合わせるのに9ヶ月かかりました(どんだけ細かくちぎったんだろ
出版人は大変気に入り、1冊の本にして出版したのです


【訳者あとがき 内容抜粋メモ】
日記を書き始めた頃のオーパルは、ちょうど文字を覚えだした頃でした
使える言葉が少なく、過去形は苦手のようで、didを前に置くことで過去を表現していたりするため
訳すのに難しく、結局こんな風になりました

1976年、断られるのを覚悟でクーニーにイラストを頼みに行くと
彼女は1940年代にすでに読んでいて、いくつかの出版社に絵を描きたいと申し入れて断られていたため、
二つ返事で引き受けたそうです

素晴らしい絵ですが、よく見ると、女の子の笑顔が1つも見られないことにお気づきだと思います




私と暮らしているママは、私がやっかいものだって言うの

(オーパルは、さまざまな用事を言いつけられる

花たちは影をつくって話すのよ

ときどき、私は本を読みます
天使のお父さんとお母さんが書いてくれた本
2人は立派な人たちのことを全部教えてくれるの

だから私、大好きなネズミになんて名前をつけていいか分かってる
メンデスルゾーンていうの

はホラチウス(ローマ伝説上の英雄)で、カラスのポルセナ(紀元前6Cのエトルリア王)は友だちなのよ


今日は学校に行かなかった
洗濯日だから家にいなさいってママが言ったの


悲しくなると、私の木といろいろなことをお話するの
その木をラファエル(大天使)と呼んでるの
魂ともっていて、私の気持ちわかってくれるの



1週間に1度、ママは私に卵を取りに行かせるの
このあたりの人みんなに配るために


新しく来た人たちが、水車小屋のそばに住んでいます
若いご主人は、奥さんのことを「大好きな人」て呼ぶの
2人はとっても幸せなのね

卵をあげると「大好きな人」は、ニッコリ笑って、私にキスしてくれたの


目の見えない女の子には、私が持っていってあげる
鼻に触るのが好きなの 見るかわりに触るのよね


「大好きな人」は、パッチワークに使う布が1枚あったから
メンデスルゾーンの毛布をつくって、頭文字を書いてくれたわ




子牛の名前はブラウニング(イギリスの女流詩人)


日よけ帽をとってかぶせてあげたの
うちに帰るとママがほんとにひどく私をぶって
日よけ帽を探しに行きなさいって言ったわ


今日、私の可愛がってるブタのルーベンス(フランダースの画家)が学校までついてきてしまいました

「あなたの学校に来ましたよ どのクラスに入れてくれますか?」

私が初めて学校に来た時に言ったのと同じことを言ったわけ
先生はブタの言う言葉が分からないから
棒をもって急いでブタのところへ行きました


今日、ノコギリが木を伐っていって、木が呻くのを見ちゃった、聞いちゃった
ああ、ラファエル!




明日、私たちは製材所のある町に引っ越すの
ブラウニングは牝牛のお母さんといっしょに売られていきました

「大好きな人」は、メンデスルゾーンがうちの玄関の階段の下に住んでもいいって
「さようならを言いに来ました」と言うと
「私たち、あなたのことは忘れないわ」って
両方のほっぺたにひとつずつ、鼻の上にひとつキスしてくれた

私は、遠くに行くところ
でも、天使のお父さんとお母さんは、私といっしょにいてくれるでしょう
守り神はいつだって、自分が護る人の居場所を分かっているものよね



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