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都筑卓司『四次元の世界』(講談社) ほか

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ノート内を漁っている中で見つけた謎のメモの数々


都筑卓司『四次元の世界』(講談社)


ものが太陽や電灯で照らされるとき
地面や床の上に影を作る

この場合大切なのは、物体は二次元的なふくらみをもっているが
地面にうつった影は二次元の図形になることである

あたりまえの話だが、「ものは影になることによって次元が一つ減る」ということは、
これからの話の進展に重要なことである





安野光雅の画集~ANNO MITSUMASA

プラトンの『饗宴』のなかでアリストファーネスは、
人間の身体がどうして球形から左右対称に移行したかについて、珍しい話をのべている

人間はもともと球形で、背中と腹は円をなしていた、と彼はいう
人間の高慢と力を弱めるために、ゼウスはそれをふたつにわけ
アポロンに命じて、顔と生殖器の向きをかえさせた

そしてゼウスはおどかした

「もし奴らがあいかわらず高慢だったら、もういちどふたつに割って、1本の足ではねて歩くようにしてやる」

ヘルマン=ヴァイル『シンメトリー』(遠山哲訳 紀伊国屋書店)





『新約聖書』マタイ伝7章7、8節

画囚門扉銘

ここ過ぎて 重力の掟は乱れ
ここ過ぎて 思索の磁針(はり)は狂う

おそろしや遠近の呪縛
歪曲の不遜の外連(けれん)
はしゅしゅの 甘き毒酒
幻覚の異端の秘祭

聞こゆるは 老婆の陀羅尼
あんじゅらす 恋しや ほうやれは
呪師(ずし)王 救い無き 画牢に至る


求めよ さらば与へられん
尋ねよ さらば見出さん
門を叩け さらば開かれん

すべて求むる者は得
たづねる者は見いだし
門をたたく者は開かれるなり





『新約聖書』マタイ伝7章13、14節

狭き門より入れ
滅びにいたる門は大きく、その路は広く、之より入る者おほし
生命(いのち)にいたる門は狭く、その路は細く、之を見出す者すくなし





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