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葉祥明『あおいしか』(佼成出版社)

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『あおいしか』(佼成出版社)
葉祥明/絵・文

「作家別」カテゴリーに追加しました。


絶滅動物 ブルーバック 生態 画像まとめ


▼あらすじ(ネタバレ注意

ママ、空や 海や 湖は なぜあんなに青いの?


なぜかしら・・・青い色には特別な意味があるのかもしれない

でも、昔、青い色が失われてしまった時があったのよ

そんな時 ブルーバックという伝説の青い鹿が現れた

青い鹿の仲間は、昔、人間によって すべて滅ぼされたの





鹿はこう言ったわ

「私はかつてこの星にいた時、私とおなじ色のこの星を 深く愛していた」 


どうして そんなになっちゃったんだろう

人間が自分たちの楽しみや喜びのために
たくさんの木を伐り、山を削り、
動物たちがすむ森もなくし
たくさんの建物や、機械をつくり
簡単に捨てる生き方をしたからよ


青い鹿は世界中を回って、人間に正しい生き方を教えたの
互いに助け合い、つつましく暮らし、
小さく か弱いものを大切にするようにって

でも、人間は自分のことばかり考えていると 大切なものが見えなくなるの

人間は青い鹿を捕まえて、ある冬の朝、悲しみのあまり死んでしまった

すると、暗い空からまぶしい光がさして鹿を包み
鹿は空を目指してまっすぐに駆け上っていったの





青い鹿が 自分の命とひきかえに 空を青くしてくれたんだね

その時になって 人間はやっと自分たちのしたことに気づいたのね



その後、青い鹿がいろいろなところに現れたんですって

青い色は 愛と平和 心の安らぎの色
青い空 海を 忘れないようにって



ぼく、その青い鹿に会ってみたかったなあ

湖に映った自分を見てごらんなさい





あなたは あの青い鹿にそっくりよ

ぼく、この美しい青い色をいつまでも守っていくよ!




【葉祥明 あとがき内容抜粋メモ】

かつて、南アフリカに、ベルベットのように美しい青い毛皮をもつブルーバックと呼ばれる動物がいました
しかし、1800年頃、人間により絶滅させられてしまいました

今、この地球からも、美しい青空と水が失われつつあります

私は、祈る気持ちで、一人ひとりの心の中にいる
伝説の青い鹿の出現を待っているところです








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