Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

『ハロー?』(NHK出版)

$
0
0
『ハロー?』(NHK出版)
ヨースタイン・ゴルデル/著 レイダー・シェルセン/絵 池田香代子/訳
初版1997年 1600円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


まず絵がなんともいえない独特さで、美しい装幀が気に入った
ちょっとしたファンタジーかと思いきや、書いたのはあの『ソフィーの世界』の作家で
平易な文章と設定なのに、内容は深い哲学


▼あらすじ(ネタバレ注意

ヨアキム少年にもうすぐ弟が生まれるという前の晩
いきなり空から降ってきた別の惑星人のミカ

とても似ていて、ちょっと違う2人の考える生物?が
それぞれの星に生きる生き物や現象のことを話すうちに

生命とは?

宇宙とは?

という大きな問いにまで発展する


「問いは答えより大切」

いい質問をした時は、おじぎをするミカ
すぐ泣いて、首のうしろを撫でると落ち着く


「なにも ありふれた つまらないものなどない」

どんな小さなことにも疑問を持ち、
小さな自然科学者のヨアキムは丁寧に教えていく


小さな有機体から進化してヒトになったこと
ミカは、恐竜みたいな生き物から進化したらしく、卵から産まれた(!)


「2人は高い山の上で出会った
 これまでどういう過去があったなんて忘れてもいいことで
 これから同じ方向に向かっていくことが大切」

面倒を見に来た叔母の目を盗みながら、夜まで語り明かした2人


一緒に眠って、目覚めた時、ヨアキムには弟ミカエルがいた


この物語は、もっとずっと後 ヨアキムの姪に充てて書いたもの
姪のカミラにも弟か妹が生まれそうなのだ

フシギなのは、どっちが本当は夢を見ていて、どっちが目覚めていたのか?
よく分からないが、このくだりには何かとても大切なことが隠れている気がする




Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

Trending Articles