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プレミアムトーク 川村元気@あさイチ

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プレミアムトーク 川村元気@あさイチ
大ヒット映画「君の名は。」のプロデューサーなんだ 1500万人が観たらしい


ものすごいタイムリーなヒット作って逆に観ないんだけど
新海監督作品は好きだから、いつか観るかなあ?

【ブログ内関連記事】
『秒速5センチメートル』(2007)
『ほしのこえ』(2002)
『雲のむこう、約束の場所』(2004)


川村「人生初の生放送です」


視聴者に聞きたいこと:
僕は日常で感じたちょっとしたことを「違和感BOX」に入れて創る時に取り出しているんですけど
そういう自分だけが気づいた面白いことを教えて欲しい



川村:
まったく予想してなかった 初日に劇場がパンパンになって“50億円以上いくかも”って言われて
観客はディズニーでもなく、ジブリでもなく、新しいアニメーションの世界を求めているのかも
テレビアニメのファンや、ライトな映画を観てきた人たちに入った感じ


劇中音楽について

川村:
音楽を劇中で4曲フルで入れるのもこれまでなかった手法 それを面白いと思ってもらえたのかも
フツーは映画が出来てからここからここまでって決めるが、『バクマン』の時も、脚本だけ読んで作ってもらった
映像に向けて作ると合わせ過ぎちゃう
♪全、全、全世界を~ に逆に映像が引っ張られた


<そもそも映画プロデューサーとは何をする人?>

すべてに関わる

川村:
まず、プロデューサーでこういうカーデガン着てる人はいないw
僕は上の3つにほとんどのエネルギーを使います


●新海監督インタビュー
「君の名は。」の中には何箇所かクライマックスがあるので、お客さんに涙を流してほしい
107分間あるので、クライマックスをいくつかに分散して配置しようとした

フツーなら真ん中とラストのほかに、川村さんは「クライマックスは重ねたほうが絶対いいよ」と言った
「重ねると最初に緩んだ涙腺が、矢継ぎ早にきた次のクライマックスでさらに決壊する
 より強く泣かせることができる」


それは彼の照れだと思うけれども、こっちは受け取りやすくなる
チャラいこと言ってるけど、気持ちがスッとやわらかくなる

川村:絶対“チャラい”ってキーワードを言われるだろうなと思ってましたw

新海:彼は人が好きだし、コミュニケーションをとるのが好きなんだと思う


宣伝について

川村:
コツコツとしかしてない
昔は大量宣伝で騙せてた 今はSNSで口コミが一番強いから操作してもムダ

イノ:劇場に男4人で来てたりとか、女性がタオル持って泣きに来てましたもの!

川村:
泣けるってキーワードは使ってないんですよ


ウケるウケないのバランスは?

川村:
僕は特殊なタイプで、自分が観たいものを言い続ける
いち映画ファンとして感動することしか求めない
大衆や、ましてや10代、20代のことは分かんないから

Q:自分の感覚にしたがって?

映画やドラマは、スピードがこれまでの1.5倍くらい速くなっている 「君の名は。」もそういう展開


これまで手がけた作品の一部

『告白』『悪人』は観たぞ!

Q:やるものが全部当たるのは、感覚だけじゃないのでは?

川村:
僕は自分を魚をとる漁師みたいに思ってる

『電車男』は26歳の時だったので、知り合いの監督も、技術も、ツテもなかった
次にここに魚影が来るんじゃないかなって 2ちゃんに実際にこういう掲示板があって、これは面白いと思って作った

いまだに、マーケティングがソナーだとすると、昔、ここでとれたのにとれないって場所にちょっと行ってみようみたいな
アメリカに行って、1~2年後にこっちに来るんじゃないかなとか
群衆の今の気持ちがどこにあるのかを探してる 海の中は見えないけど、鳥が上を飛んでるとか

『ダークナイト』は長くて、暗い映画なのに当たった 日本にもあってもいいんじゃないかな
『バトルナイト』とかも、『告白』につながった

これまで“笑って泣いて”が主流だったのが、そろそろ“悪意”とかに突っ込んだエンタメがあってもいいんじゃないか


『告白』のV
 

 

イノ:小説がヒットしたから、映画もヒットしたんだと思ったけど、その前にいろんな想いがあったんですね

川村:原作は初版でとりにいって、その後賞をとってるので、ホッとした

イノ:待ち合わせみたいですね

川村:ちょっと先に行って待ってるみたい

う:何をもとに?

川村:
“集合的無意識を探す”と言い続けてて、みんなが同じことを思っているのに口に出してないことはすごくいっぱいある
もう世の中に出ているものには興味がなくて、ガスみたいに溜まっているのに
なんで言い出さないんだろうってことが気になる

最近、一番思ったのは、駅にポストがあって、その上にクマのぬいぐるみが置いてあった
何万人が気づいていて「なんであすこにあるんだろう?」て思ってる

僕の仕事は、それを持ち上げて「これ誰のですか?」ってこと
空中から超能力みたいにつかまえてくるのではなくて、みんな気づいていることを「どうでしょう」と提示する
特別なことではない なんで?てことが街歩くといっぱいあるのをすごく気にしている

イノ:感じてるものを探すのは難しくないですか?

川村:
『ねこが~』を作ったきっかけは、ケータイを落として、電車に乗る時、ケータイがないから窓の外を見たら虹が出てた
みんな見てるかなと思ったら、全員ケータイ見てた
それで、消したことですごいことに気づく物語を作った

『ムーム』も同じ
小学生の頃、お財布を買ったら、いろいろ移すと、これまで使ってたのがペシャンコになってる
僕との思い出が抜けちゃったと思った ムームは思い出自体がキャラクターになった

これを話すと95%くらいの人が共感してくれる でもそれを物語にしようとする人はいない
25年間くらいずっと「誰かがやっちゃう」と思ってたけど、誰もやらなかった

小説を書く時は一人で書くけれども、クリエーター同士で話すと同じことを思ってたりする

イノ:『バケモノの子』にスタイリストがついてるのはなぜ?

川村:
細田監督がすごく面白い作り方をする 実際に縫えるものしかキャラクターに着せない
伊賀大介さんに実際縫ってもらって、それを絵に描いている
いろんな人の頭の中を通過することで強度が上がるのが映画の面白さ

イノ:実際の街が出てきたから、すごいリアル

川村:
「君の名は。」も新宿とかをすごく写実的に重ねているので、ちょっと疑似体験できる
でも実際はこんなピカピカじゃない
田舎から出てきたコからはこう見えてる そういう美術が入っている


●山田洋次監督インタビュー(またスゴイ人呼んじゃったね/驚


そんな顔してないけど
彼はとてもたくさん本を読んでいるから、彼の読んだ小説の話を書く
彼はいろんな俳優を知っているから、そのエピソードを聞く
いろんな監督と交際しているから、それぞれの個性を聞く
それは僕にとっては面白いねえ

いろいろ僕は気づかせてもらえる
日本ではまだプロデューサーっていう仕事が確立していないけれども
プロデューサーらしいプロデューサーってこういう男のことだと思う

「伯楽」って言葉があるけれども、馬を見る目を持っている人
その人が馬を買えば、必ずその馬は将来速く走る
彼の感性がいかに人の才能を見抜く力を持っているかを感じる 名伯楽


川村:
宮崎駿監督や、いろんな監督と対談しているけれども、一番最初に山田監督に出ていただいて
半世紀分先輩ですけど、作り続けてきた迫力、現役で、最前線で活躍している迫力があって
ある種、友人のように2ヶ月に1回くらい食事したりしてて(だから出てくれたのか

監督は最新映画とかにも興味がある
僕みたいな小僧からひたすら質問されるんですよ

いかに世の中の新しいものが出てるのかキャッチして
自分の作りたいものに生かしていくことなんだな

イノ:一緒にやろうかって話にはならない?

川村:現場入ると怖いって評判が・・・


<FAX>

「家事や子育てを夫が“手伝う”というとすごく違和感を感じる」

イノ:“家族サービス”てなんだってことも聞きますよね



一体どんな子ども時代だったのか?

3歳くらい

川村:
孤独 幼稚園も保育園も行ってない いまだに理由も説明してもらってない
父が映画監督、教師 母も放任タイプ テレビが家になかった でも映画だけは観させてもらってた
小学校に入った時にまず、こんなに同世代の人が 人間ってこんなにいるんだってことにビックリして

すごい覚えてるのが、図画工作の授業で「粘土板を買ってきてください」て言われて、文房具屋さんに行って
青いのとピンクがあって、粘土が黒かったからピンクを買ったら、
「お前、なんで女の色のを買ったの?」て言われて 僕以外の男子は全員青、女子はピンクだった


(“ジェンダー”の根本的な問題だね 私もこのほうが分かり易いだろうと思って色分けしてるんだけれども

その時初めて、青が男で、女の子はピンクだと気づいた と同時に巨大な違和感がやって来て
それ誰が決めたんだろう?って テレビもそう色分けがされてるから

そこがベース なんでこれが常識になってるんだろう?
それで観客とつながることができた
まだその時は心が弱かったから早速青を買いました 社会に負けた感w

イノ:感じなきゃいけないなとは思ってる

有働:
私も「給食で嫌いなものを食べないとダメなコだ」と言われて
私は「嫌いなものを食べたら死んじゃう」と思っていて
母まで呼ばれて、「とにかく周りを見て、同じにしろ」と言われた
その時、全部捨てました

(私は「全部食べなきゃ遊んじゃダメ」ってルールがあって、時間をかけても食べきれないから
 よく袋や机に隠して、腐ったり、カビたりして忘れた頃に出てきて、母親を困らせたことを思い出した

川村:同調するフリが上手くなったってことですよね 僕もそんな感じ

イノ:有働さんは、世間的にはズレてるかもしれないところが面白い
(無言で止まった有働さんww


映画会社に入社
最初の2年間は映画館でチケットのもぎりをしていた


川村:もともと映画館大好きだから楽しかった

イノ:子どもの頃観た映画はどんな?

川村:
最初観に行ったのは3歳で『E.T.』
「アニメじゃなくて、最初はスピルバーグ」って父が決めてたみたい
有名な月のシーンを覚えてて感動した 映像の美しさ、音楽、友情のドラマが完璧に重なっている

今、一番好きな映画も『E.T.』
映画館で働いていた時、『E.T.』がちょうど20周年だった
デジタルリマスターして号泣して、30過ぎても感動できるってスゴイなと思った

改めて観ると、感動する場所が変わったりして、自分がどう変わったかも分かる


作家の顔
 

川村:
人間にコントロールできないことが3つあると思っている
“死、お金、恋愛”
小説を書く時は切実なテーマを書こうと思っているので、これがメインテーマになっている


『四月になれば彼女は』
(サイモン&ガーファンクルの私の好きな1曲と同じタイトルだと思ってたら流れた♪

川村:
精神科医の方をけっこう取材した
当時、僕の周りで恋愛してる人が全然いなくて
出会いがなぜなくなっちゃったのかと聞いて、この人たちはどうなんだろう?と思って聞いたら
「妻と離婚しかけて」とか言う方がいて、そうなんだと思って、主人公にしようと思った
僕たちみんな精神科医みたいなもんなんだなと思って


気になった文章


その1:男の人って~

川村:結婚式の準備をしている時に「任せるよ」って、男としては懐深いところを見せてる発言なんですが

有働:そーなんですか!?

川村:でも、「なにそれ!」って怒られる

イノ:思い入れの強い人に任せたいんですよ

有働:でも、丸投げはして欲しくない

川村:
今回100人くらいの男女問題に悩んでいる人に取材したけど
男は事なかれ主義、自分の意志を見せない、コミュニケーションに参加しない、自分で決めない
みたいなことに女性がすごいストレスを感じている

でも男性はそれでいいと思っている
女性は会話したい 男はサボっちゃう それが積み重なって決定的になる

(まさに「あさイチ」で毎回取り上げられるズレだねw


その2:私たちは~

有働:面倒くさがるのはいけないこと?

川村:
“サボる”って普通、勉強や仕事に使う言葉
なぜ小説を書いてるかというと、登場人物が自分になにか教えてくれる瞬間があるから
自分の中の集合的無意識、隠している気持ちとかがキャラクターを通して出てくる

これを書いた時にギョッとした
小説はストーリーが決まっている状態の中で、ほんとは隠しておきたいことを打っちゃう瞬間がある
それでギョッとしたことが、読者にとっても面白い

イノ:自分で書きながら分析してるみたい

川村:
精神科医の方々って自分の問題を持ってる人もいて(人間だもの
大体、自分の問題の専門医になるらしい
(え? じゃ、自分でも答えは分からないのでは? 一緒に考えて成長する感じか?

有働;川村さんも面倒くさがり?

川村:
もともとそういう癖(へき)はあって、それを「安定している」と思い込んでた
でも、状況って変えていかないと、緩やかに下り坂になってしまう
積み重ねを疎かにしちゃいけないんだってことをキャラクターから説教された感じがした



特選!エンタ クリスマス&お年玉にもぴったりなプレゼント本

「Big Book おおきなかぶ」「Big Book うらしまたろう」

絵・デザイン:藤本真央/青幻舎
体験型の本 表は日本語、裏は英語、開くと2m近い!
これを床などに広げて、読み聞かせができる

 

カメさん可愛い 丈夫だから庭で広げても大丈夫 濡れても破れにくい
大人が乗ったら潰れそうなサイズのカメさんだよ
実際のウミガメよりは若干大きいサイズだそう


「折り紙カードブック 折りCA」シリーズ
著者:COCHAE/青幻舎
中が折り紙になっていて折り方の説明が載っている 切って折るタイプ

イノッチが折ったのは、もんじゃ焼きのヘラだった!爆


「ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか 宇宙開闢から138億年の「人間」史」
著者:デヴィッド・クリスチャン、シンシア・ストーク・ブラウン、クレイグ・ベンジャミン/株式会社明石書店


ビル・ゲイツが「この考え方は世界に広げるべきだ」と言った1冊
以前、「スーパープレゼンテーション」でスピーチしてたタイトルと似てるな、と思ったらそうだった

【デビッド・クリスチャン「18分でたどるビッグヒストリー」】4.16 ON AIR@スーパープレゼンテーション

キーワードは「スレッショルド」
境界地を超えたら元に戻れない
第一はビッグバン それが本書で8回起こる
そこから世界各地の「創生論」の話になったり

 

「地球温暖化」2000年にわたる地域ごとの気温変化のグラフ


未来の歴史も描いている
良い未来、悪い未来 選ぶのはあなたたちだというメッセージ

火星から見た地球


イノ:えーやだー地球がいいよ(同感×∞


「失われた時を求めて フランスコミック版 スワン家のほうへ」

著者:マルセル・プルースト、画:ステファヌ・ウエ、訳者:中条省平/祥伝社
(ああ、ここで紹介されたから、私のブログの検索に来た人が出てきたのか

「どんなに本好きでも挫折する」と言われている原作
(そーなんだ あれ?じゃあ、今作をもとに小説を書いたカポーティも???

これはコミックなので読み易い プルースト自身がモデル
フランスでは教科書として使われている

【ブログ内関連記事】
『まんがで読破 失われた時を求めて』(イースト・プレス)



<FAX>



川村:
当たり前だけど本を読むって大事 青も「海のよう」「空のよう」で違う
人の表現力をもらって増やしていくのが基本

有働:どうジャンルを選ぶ?

川村:
まずは読みたい本を読むといい
僕はタイトル買いもする タイトルに引っ張られてストーリーが面白くなると信じている
窓みたいなものなので、自分のひっかかったタイトルで選ぶと意外とハズレなかったりする




川村:
メモはとらない 忘れちゃうのは大したことじゃない
覚え方も適当のほうがいい メモ、写真をとるとそのまま記録されちゃう
自分の頭の中だと違う色がついたりする 創作が入って記憶されるのが物語
人の話にアレンジを加えたり 盛って話す人もいる 物語の基本

(なるほどねえ・・・でも、情報として書く場合、違っているとクレームきたりするからなあ
 こないだ「まとめサイト」が問題だってゆってたじゃん




川村:
東宝の社員として映画を作って、小説は自分で書いている
映画は会社員としての収入しかない 映画は実家みたいなもの
そこからもらったもので小説を書いて 小説で気づいたことを映画に戻してってことを交互にしている


若いのに、話がすごい分かり易いし、即座に答えられるのもすごい 完全に論理頭だな
でも、最後はお金の話になっちゃったねw



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