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『北の魔女ロウヒ』(あすなろ書房)

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『北の魔女ロウヒ』(あすなろ書房)
トニ・デ・ゲレツ/作 バーバラ・クーニー/絵 さくまゆみこ/訳

「作家別」カテゴリーに追加しました。


日本では、クーニー亡き後に出版されている

晩年の作品ながら、現代的な新しさを取り入れつつ、
昔から語り継がれているストーリーということもあって
その頃の素朴な暮らしぶりもちゃんと伝わり
冬なのに温かみのある絵が素晴らしい

ロウヒは、イタズラ好きで、ちょっとイジワルなところがミイみたいw
世の中が真っ暗になって、みんなが困っているところにも
さり気なく歩いている姿が描かれていて可笑しい

そして、彼女が飼っているのは柴さんでは?! それも2人も
尻尾がクルンとしてて、ご主人さまへの忠実ぶりが分かるアイコンタクトっぷり



対するワイナモイネンも、歌と演奏で動物ばかりか、月や太陽まで聴きに来ちゃうって/驚
その月や太陽をかっさらっていくってアイデアもぶっ飛んでる

こんなに動物が寄ってきてくれる歌と、「カンテレ」の音色って一体どんなだろう?

ヒトの家並みもこれくらい余裕があれば、心にも余裕が出ると思うなあ

冬に読むのにピッタリな1冊


▼あらすじ(ネタバレ注意

遠い、遠い北の国に住む魔女のロウヒは
その気になれば、空も飛べるし、水の中も泳げるけれども、
外を見て雪が降っているので、

「こんな日は、スキーを履いて、白い世界を滑っていくのが一番だね」

丘を越え、林を越えるうちに、いつのまにか空を飛んでいるロウヒ


どこからか、ワイナモイネンの楽の調べが聴こえてきて
森の獣たちは集まり、月や太陽までもが木のそばまで下りてきている




それを見たロウヒは、突然、イタズラ心をおこして、ワシに姿を変えて
月と太陽を掴んで飛び去り、あかがね山の、いくつもの扉の奥に隠してしまう

困った人々は寒さに震え、ワイナモイネンは鍛冶屋に
「月と太陽をつくっておくれ」と頼む



懸命につくったけれども、輝くことなく、闇に包まれたまま
鍛冶屋は怒って、

「こうなったら、月と太陽を盗んだドロボウをとらえる鉄と首輪をつくってひっとらえてやる!」


ワイナモイネンは、はるばる北の国までやって来て、
ロウヒは「月と太陽は、私がもらった 取り返そうとしてもムダだぞ」

ワイナモイネンは扉を開けることが出来なかった

その後、ロウヒがタカに化けて様子を見に行くと、
鍛冶屋が「悪い魔女をひっとらえる」といきまいているのを知り、
慌てて、月と太陽を空に返す

おかげで、毎日がまた昼と夜にわかれ、季節もめぐるようになった



【訳者あとがき内容抜粋メモ】

今作は、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』に基づいている
日本語版は、原著以外に、原典『カレワラ』を参考に、クーニーの絵の流れにそって再話した
今作は、原典といくつかの違いがあるけれども、物語の面白さ、クーニーの絵の素晴らしさを楽しんでいただければ幸いです

(ウィキを見ると、原典は随分と長い話なんだなあ!驚



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