■『森が海をつくる ジェイクのメッセージ』(自由国民社)
葉祥明/絵・文 リッキー ニノミヤ/英訳
※「作家別」カテゴリーに追加しました。
今作が私にとって初めてのジェイクシリーズ
水の循環の仕組みを分かりやすく教えてくれる1冊
犬も、木も、本文中の肉球マークも可愛い
けれども、書かれている自然の苦痛の叫びは断末魔の声だ
最終的に誰がいちばん困るかって、生態系の上にいる私たち自身
でも、なかなか山まで行って、木を植えるのは大変
せめて、ゴミを減らすとか、水を大事に使うとか、
自然の循環についてもっと知ることから始めようと思った
世界中の大企業が絡んでいて、私たちの知らないうちに
大規模に森林伐採して、安いバナナやチョコレートなどをつくったり、
工場排水を垂れ流して、安い洗剤などの商品をつくり、
私たちはそれらを買ったり、利用することで環境破壊に加担していることに無意識になっている
まずは意識して、それぞれができることから始めるしかない
環境問題は、いまや、ヒトの経済問題より、
もっと崖っぷちのギリギリの状態にあるんだ
アヌップ・シャー写真展 「マサイマラ」@コニカミノルタプラザ(2016.11.22) ほか
▼あらすじ(ネタバレ注意
自然が大好きで、自然の声が聞こえる犬のジェイクは、
ある日、浜辺でひなたぼっこをしていると、海の声が聞こえてくる
「君ならきっと分かってくれるはず 海に棲むみんなの気持ちと願いが
君は、陸に近い浅い海が特別なところだって知ってるかい?
川と海が出合い、混ざり合って、魚や貝の食べ物になるプランクトンが豊かに育つところなんだ
でも、今はもう生き物があまりいない
川が汚され、大切な栄養分がなくなってしまった
川の声を聞いておいで!」
こんどは川の声を聞くジェイク
「流れは濁って泡が浮き、岸辺にはゴミがたくさん
人間がいろんなものを川に捨てたり、
農薬や殺虫剤などの汚れた水をそのまま流すから
川の生き物も息絶え絶えなんだ
もっと上に行ってみて 川が始まるところまで」
「以前は、水鳥、昆虫、川魚が助け合って暮らしていたのに
岸辺はコンクリートで固められて、川は呼吸ができないんだ
コンクリートの川じゃ、水はただまっすぐ流れるだけ」
「ゴミ、釣り糸、キャンプの後始末が悪くて、
鳥に糸が絡んだり、鉛の鉄砲の弾を飲み込んだりして苦しんで死んでいる
化学薬品をそのまま流して、たくさんの魚が犠牲になっている」
ジェイクは、さらにさかのぼり、池にたどり着く
「これが川のはじまるところ
この湧き水は、山、森、野原の地面の下を流れる地下水が出たもの
川は、地下水が集まった小川、
長い川岸の土手からしみ出した地下水がいっしょになって
大きくなるんだ」
地下水をたどると山に着く でも森や木がない!
「人間たちがいたるところにダム、道、スキー場、ゴルフ場を造ったり
木を植えても材木にして、手入れもしなくなった
森に棲んでいたたくさんの生き物 もいなくなった・・・」
地下水が集まって、湧き水になる
その地下水はどこからくるのか?
「空を見てごらん 雲は水でできているんだ
雨や雪になって、山や森に降る
木はたくさんの葉っぱや枝で受け止めて、大地にしみこませる
森や木がないと、上を流れて、そのうち蒸発してしまうだけ
地下水は、枯れ葉、土、岩などのいろんな成分をとけこませながら
低いほうに流れて川になる 落ち葉もとても大切な栄養分なんだ
そんな水が海に流れこんで、命に満ち溢れた海ができる
そうして自然は、何千年もやってきた
ジェイク、どうしたらもとの自然に戻せると思う?」
「木だ! 木を植えて、森をつくればいいんだ!」
「そう、地球には森が必要なんだ」
「みんなで木を植えよう そして自然を大切に想う心を思い出そう」
【葉祥明さんあとがき 内容抜粋メモ】
海、森、山、川は、互いに深く関わっています
それは、地球の壮大な「水の循環システム」で、木が重要な役割を担っています
熱帯雨林がなくなると、大気に重大な影響があることはよく知られていますが
川は「浄化力」を失い、海が汚染され、生命の豊かさが失われることはあまり知られてしません
遠く離れているため、その関係に気づかなかったのです
そのことに再び気づいた海辺の人たちが、未来のために
今、山に木を植え、森を育てはじめています
街の人、山に住む人も、自分たちに何ができるかを考えて、行動する必要があります
水を汚さない、きれいに浄化して川に返す
ジェイクとともに、地球、自然、人間以外のすべての生き物たちのことを考えてみませんか
葉祥明/絵・文 リッキー ニノミヤ/英訳
※「作家別」カテゴリーに追加しました。
今作が私にとって初めてのジェイクシリーズ
水の循環の仕組みを分かりやすく教えてくれる1冊
犬も、木も、本文中の肉球マークも可愛い
けれども、書かれている自然の苦痛の叫びは断末魔の声だ
最終的に誰がいちばん困るかって、生態系の上にいる私たち自身
でも、なかなか山まで行って、木を植えるのは大変
せめて、ゴミを減らすとか、水を大事に使うとか、
自然の循環についてもっと知ることから始めようと思った
世界中の大企業が絡んでいて、私たちの知らないうちに
大規模に森林伐採して、安いバナナやチョコレートなどをつくったり、
工場排水を垂れ流して、安い洗剤などの商品をつくり、
私たちはそれらを買ったり、利用することで環境破壊に加担していることに無意識になっている
まずは意識して、それぞれができることから始めるしかない
環境問題は、いまや、ヒトの経済問題より、
もっと崖っぷちのギリギリの状態にあるんだ
アヌップ・シャー写真展 「マサイマラ」@コニカミノルタプラザ(2016.11.22) ほか
▼あらすじ(ネタバレ注意
自然が大好きで、自然の声が聞こえる犬のジェイクは、
ある日、浜辺でひなたぼっこをしていると、海の声が聞こえてくる
「君ならきっと分かってくれるはず 海に棲むみんなの気持ちと願いが
君は、陸に近い浅い海が特別なところだって知ってるかい?
川と海が出合い、混ざり合って、魚や貝の食べ物になるプランクトンが豊かに育つところなんだ
でも、今はもう生き物があまりいない
川が汚され、大切な栄養分がなくなってしまった
川の声を聞いておいで!」
こんどは川の声を聞くジェイク
「流れは濁って泡が浮き、岸辺にはゴミがたくさん
人間がいろんなものを川に捨てたり、
農薬や殺虫剤などの汚れた水をそのまま流すから
川の生き物も息絶え絶えなんだ
もっと上に行ってみて 川が始まるところまで」
「以前は、水鳥、昆虫、川魚が助け合って暮らしていたのに
岸辺はコンクリートで固められて、川は呼吸ができないんだ
コンクリートの川じゃ、水はただまっすぐ流れるだけ」
「ゴミ、釣り糸、キャンプの後始末が悪くて、
鳥に糸が絡んだり、鉛の鉄砲の弾を飲み込んだりして苦しんで死んでいる
化学薬品をそのまま流して、たくさんの魚が犠牲になっている」
ジェイクは、さらにさかのぼり、池にたどり着く
「これが川のはじまるところ
この湧き水は、山、森、野原の地面の下を流れる地下水が出たもの
川は、地下水が集まった小川、
長い川岸の土手からしみ出した地下水がいっしょになって
大きくなるんだ」
地下水をたどると山に着く でも森や木がない!
「人間たちがいたるところにダム、道、スキー場、ゴルフ場を造ったり
木を植えても材木にして、手入れもしなくなった
森に棲んでいたたくさんの生き物 もいなくなった・・・」
地下水が集まって、湧き水になる
その地下水はどこからくるのか?
「空を見てごらん 雲は水でできているんだ
雨や雪になって、山や森に降る
木はたくさんの葉っぱや枝で受け止めて、大地にしみこませる
森や木がないと、上を流れて、そのうち蒸発してしまうだけ
地下水は、枯れ葉、土、岩などのいろんな成分をとけこませながら
低いほうに流れて川になる 落ち葉もとても大切な栄養分なんだ
そんな水が海に流れこんで、命に満ち溢れた海ができる
そうして自然は、何千年もやってきた
ジェイク、どうしたらもとの自然に戻せると思う?」
「木だ! 木を植えて、森をつくればいいんだ!」
「そう、地球には森が必要なんだ」
「みんなで木を植えよう そして自然を大切に想う心を思い出そう」
【葉祥明さんあとがき 内容抜粋メモ】
海、森、山、川は、互いに深く関わっています
それは、地球の壮大な「水の循環システム」で、木が重要な役割を担っています
熱帯雨林がなくなると、大気に重大な影響があることはよく知られていますが
川は「浄化力」を失い、海が汚染され、生命の豊かさが失われることはあまり知られてしません
遠く離れているため、その関係に気づかなかったのです
そのことに再び気づいた海辺の人たちが、未来のために
今、山に木を植え、森を育てはじめています
街の人、山に住む人も、自分たちに何ができるかを考えて、行動する必要があります
水を汚さない、きれいに浄化して川に返す
ジェイクとともに、地球、自然、人間以外のすべての生き物たちのことを考えてみませんか