■『面白いほどよくわかる 仏教のすべて』(日本文芸社)
金岡秀友/監修 初版2001年 1300円
※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。
お墓だ、檀家だ、葬式だといっても、自分の家がどこの宗派かも分からない人は多いんじゃないだろうか?
無宗教なのは、紛争も生まずいいことだと思う
同時に、形骸化した伝統は、一度見直して、本当に信じているなら続ければいいだろうけど
「昔からそうだから」と意味も分からず続けるのは、果して意味があるのかといつも疑問に思う(地方だととくに
土地がないせいで、ロッカーみたいなお墓を高いお金を出して借りるくらいなら
私なら土に戻して栄養分になったほうがいい
お釈迦さまも、「最初はこういう意味だったのになあ・・・」て思ってることもあるんじゃないかなあ
▼あらすじ(ネタバレ注意
インドの伝統的信仰
↓
釈尊の入滅後100年後くらいまでの「根本仏教」(原始仏教)
↓
諸派に分裂
上座部(ブッダの教えそのままを実践、民衆には難解)
「小乗仏教」(釈尊は仏陀そのもの)
↓
セイロン仏教(スリランカ)
大衆部
「大乗仏教」(釈尊はブッダの化身 仏教は普遍的真理)
↓
インド大乗仏教(経典は『大蔵経』『一切経』)
↓
チベット仏教
↓
中国仏教
↓
朝鮮、日本仏教
仏教の世界観は二元論 「自力」と「他力」
「自力」
執着をなくす修行
「他力」
阿弥陀仏は「南無阿弥陀仏」と唱えたら西方極楽浄土に往生(極楽に往き生まれる)させると誓願
「三世の諸仏」が各々の国をもつ「浄土」(仏国土)
「三世の諸仏」
過去(東 薬師如来の東方浄土)・現在・未来(西)
●阿弥陀如来
サンスクリット語で「アミターユス」(無量寿)「アミターバ」(無量光)
もとは国王の無諍念王 臨終時に迎えにくる
「五逆罪」以外は皆往生させる
父母・阿羅漢(仏教修行最高の人)を殺す
僧団の和を乱す
仏の体を傷つける
「真理に目覚め、人を超えた人」は、皆、仏になれる
「法身仏」
永遠の過去から未来にわたって仏=宇宙の真理
例:
奈良(太陽を象徴)の大仏(盧舎那仏) 蓮華蔵・世界は様々な極楽の中心
大日如来(密教の仏)
「報身仏」
修行で仏になった 例:阿弥陀如来、薬師如来
「応身仏」
成道から入滅をもつこの世に現れた仏 例:釈迦
『般若心経』の「観自在」
あるがままの世界をあるがままに観ること
『図説 般若心経』(講談社)
日本の仏教宗派は13宗56派
<南都六宗>
「律宗」
宗祖:鑑真
本尊:毘盧遮那仏
754年に伝導
「三蔵」の律蔵(僧らが守るルール)を研究
「華厳宗」
宗祖:良弁
本尊:毘盧遮那仏(奈良大仏を建立)
「華厳経」が基本
「法相宗」
宗祖:道昭
「成唯識論」を説く すべてのものは心(認識)から生まれる
「天台宗」
開祖:最澄
本尊:不特定(主に阿弥陀如来など)
すべての衆生は仏になれると説く
経典:『法華経』
本山:比叡山延暦寺
「真言宗」
開祖:空海 人も本来仏だと説く
本尊:大日如来 ほか
経典:大日経 ほか
本山:金剛峰寺 ほか
「浄土宗」
開祖:法然 「専修念仏」念仏を唱えるだけで皆、浄土へ行けると説く
本尊:阿弥陀如来
経典:無量寿経 ほか
総本山:知恩院
「浄土真宗」
開祖:親鸞
本尊:阿弥陀如来
経典:浄土三部経
本山:西本願寺 ほか
「絶対他力の教え」自力を捨て、阿弥陀の本願力のみ信じることでのみ往生すると説く
「日蓮宗」
開祖:日蓮
本尊:阿弥陀如来
経典:法華経
本山:久遠寺
「南無妙法蓮華経」を唱えると現世から救われると説く
「曹洞宗」
開祖:道元
本尊:釈迦牟尼仏
経典:般若部
本山:永平寺
「即心是仏」坐禅で自分の中の仏性を見出す
「臨済宗」
開祖:栄西
本尊:とくになし
経典:特定しない
本山:妙心寺 ほか
生まれつき備わる人間性(仏性)を坐禅で目覚めさせる
「融通念仏宗」
開祖:良忍
本尊:十一尊天得如来
経典:華厳経 ほか
本山:大念仏寺
1人の念仏が、たくさんの人の念仏に集約
「時宗」
開祖:一遍(踊り念仏をはじめた)
本尊:阿弥陀如来
経典:浄土三部経
本山:清浄光寺
無信仰でも「南無阿弥陀仏」と唱えると往生できると説く
「黄檗宗」
開祖:隠元
本尊:とくになし
経典:とくになし
本山:万福寺
坐禅で仏心を見出す
●『般若心経』
元は『大般若経』を262字に凝縮したお経 「空」について説く
「空」
執着心から解脱した自由な境地
「涅槃寂静」
仏教が目指す最大の目的
人の煩悩を炎にたとえ、完全に吹き消され、二度と燃えない状態
ストゥーパ
釈迦ほか高僧の遺留品が埋められた“天と地を結ぶ軸”→「卒塔婆」
日本最古の木造仏塔は、蘇我馬子が建てた法隆寺の五重塔
寺院
釈迦の遺骨(仏舎利)を納める塔を中心に造営
今は仏像を祀る金堂が代わり
檀家・檀那寺
先祖代々帰依して葬式、追善供養をお願いするお寺
墓を寺に設けたのは、称徳天皇以来 その前は、一定の場所に放っていた=「葬る」の語源
鐘 正式名は「梵鐘」
「梵」は、インドバラモン経の“宇宙の最高原理”
除夜の108は、仏教で人の悩みの数で、煩悩を1つ1つ取り除いてくれる
お賽銭
もともと仏教に祈願はないが、とらわれの心を捨てる“布施”の修行
卒塔婆
先端を塔の形にし、仏教の宇宙生成の5大要素<空・風・火・水・地>をシンボル化した
<宝珠・半月・三角・円・方>を刻んだ板
死後、この5つに還元され、供養される
お守り・お札
中国の「陰陽道」ほかの影響による現世利益を願うもの
宗派により、災厄から逃れるのは信仰次第で、札は紙切れでしかないとする
「陰陽道」
陰陽5行説に基づいて、天文・暦数・ト筮等を扱う術のこと 賀茂、安倍の両氏が有名
<葬儀>
末期の水・死水
釈迦が最期、水を求めたことから、割り箸の先に綿を巻き、白糸で縛り、水をふくませ唇を潤す
湯灌
遺体をアルコールで清浄、新しい浴衣か死装束に着替えさせる
死化粧
男は髭剃り、女は薄化粧、まぶたを閉じ、口を閉じる 浄土への旅支度
北枕
釈迦の入滅にならう
着物を左前、足袋を左右逆にするのは、死を忌み嫌うことから
枕飾り
香は使者の食べ物 一膳飯と枕団子は、あの世へ行く前の善光寺参りの弁当
①+②+③は三具足
戒名
僧名(仏の弟子としての名) 本来は生前にもらう
必ず菩提寺の僧につけてもらう
浄土真宗は“法名”、日蓮宗は“法号”
数珠
経を読む回数を数えるため
煩悩の108をこすり合わせて消すため
仏の修行の108段階 など諸説あり
香典
本来は、香を供えること その後、喪家への相互扶助に
骨あげ
箸わたし=三途の川の橋わたし
法事(追善供養、回向)
経、説法を聞き、仏との縁を結ぶ「結縁」にもなる
本来は、亡くなった同月同日(祥月命日)or前の土日
施主は、もっとも血縁の深い人
新盆
故人の霊が初めて帰ってくる日
節分
節=季節の分かれ目 百鬼夜行を追い払う
彼岸会
春:3.21の春分をはさんで7日間
秋:9.23をはさむ7日間
この最もよい季節だけでも悟りの岸に渡る努力をする行事
花まつり
旧暦4.8 釈迦の誕生日を祝う
お盆 正式名「盂蘭盆会」
釈迦の十大弟子の一人、目連(もくれん)が母を飢餓道から救うため、僧にご馳走を捧げて救ったという
そこで踊ったのが盆踊りのはじまり
墓
私物化ではなく“永久使用”=生命の連続の象徴
金岡秀友/監修 初版2001年 1300円
※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
※「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。
お墓だ、檀家だ、葬式だといっても、自分の家がどこの宗派かも分からない人は多いんじゃないだろうか?
無宗教なのは、紛争も生まずいいことだと思う
同時に、形骸化した伝統は、一度見直して、本当に信じているなら続ければいいだろうけど
「昔からそうだから」と意味も分からず続けるのは、果して意味があるのかといつも疑問に思う(地方だととくに
土地がないせいで、ロッカーみたいなお墓を高いお金を出して借りるくらいなら
私なら土に戻して栄養分になったほうがいい
お釈迦さまも、「最初はこういう意味だったのになあ・・・」て思ってることもあるんじゃないかなあ
▼あらすじ(ネタバレ注意
インドの伝統的信仰
↓
釈尊の入滅後100年後くらいまでの「根本仏教」(原始仏教)
↓
諸派に分裂
上座部(ブッダの教えそのままを実践、民衆には難解)
「小乗仏教」(釈尊は仏陀そのもの)
↓
セイロン仏教(スリランカ)
大衆部
「大乗仏教」(釈尊はブッダの化身 仏教は普遍的真理)
↓
インド大乗仏教(経典は『大蔵経』『一切経』)
↓
チベット仏教
↓
中国仏教
↓
朝鮮、日本仏教
仏教の世界観は二元論 「自力」と「他力」
「自力」
執着をなくす修行
「他力」
阿弥陀仏は「南無阿弥陀仏」と唱えたら西方極楽浄土に往生(極楽に往き生まれる)させると誓願
「三世の諸仏」が各々の国をもつ「浄土」(仏国土)
「三世の諸仏」
過去(東 薬師如来の東方浄土)・現在・未来(西)
●阿弥陀如来
サンスクリット語で「アミターユス」(無量寿)「アミターバ」(無量光)
もとは国王の無諍念王 臨終時に迎えにくる
「五逆罪」以外は皆往生させる
父母・阿羅漢(仏教修行最高の人)を殺す
僧団の和を乱す
仏の体を傷つける
「真理に目覚め、人を超えた人」は、皆、仏になれる
「法身仏」
永遠の過去から未来にわたって仏=宇宙の真理
例:
奈良(太陽を象徴)の大仏(盧舎那仏) 蓮華蔵・世界は様々な極楽の中心
大日如来(密教の仏)
「報身仏」
修行で仏になった 例:阿弥陀如来、薬師如来
「応身仏」
成道から入滅をもつこの世に現れた仏 例:釈迦
『般若心経』の「観自在」
あるがままの世界をあるがままに観ること
『図説 般若心経』(講談社)
日本の仏教宗派は13宗56派
<南都六宗>
「律宗」
宗祖:鑑真
本尊:毘盧遮那仏
754年に伝導
「三蔵」の律蔵(僧らが守るルール)を研究
「華厳宗」
宗祖:良弁
本尊:毘盧遮那仏(奈良大仏を建立)
「華厳経」が基本
「法相宗」
宗祖:道昭
「成唯識論」を説く すべてのものは心(認識)から生まれる
「天台宗」
開祖:最澄
本尊:不特定(主に阿弥陀如来など)
すべての衆生は仏になれると説く
経典:『法華経』
本山:比叡山延暦寺
「真言宗」
開祖:空海 人も本来仏だと説く
本尊:大日如来 ほか
経典:大日経 ほか
本山:金剛峰寺 ほか
「浄土宗」
開祖:法然 「専修念仏」念仏を唱えるだけで皆、浄土へ行けると説く
本尊:阿弥陀如来
経典:無量寿経 ほか
総本山:知恩院
「浄土真宗」
開祖:親鸞
本尊:阿弥陀如来
経典:浄土三部経
本山:西本願寺 ほか
「絶対他力の教え」自力を捨て、阿弥陀の本願力のみ信じることでのみ往生すると説く
「日蓮宗」
開祖:日蓮
本尊:阿弥陀如来
経典:法華経
本山:久遠寺
「南無妙法蓮華経」を唱えると現世から救われると説く
「曹洞宗」
開祖:道元
本尊:釈迦牟尼仏
経典:般若部
本山:永平寺
「即心是仏」坐禅で自分の中の仏性を見出す
「臨済宗」
開祖:栄西
本尊:とくになし
経典:特定しない
本山:妙心寺 ほか
生まれつき備わる人間性(仏性)を坐禅で目覚めさせる
「融通念仏宗」
開祖:良忍
本尊:十一尊天得如来
経典:華厳経 ほか
本山:大念仏寺
1人の念仏が、たくさんの人の念仏に集約
「時宗」
開祖:一遍(踊り念仏をはじめた)
本尊:阿弥陀如来
経典:浄土三部経
本山:清浄光寺
無信仰でも「南無阿弥陀仏」と唱えると往生できると説く
「黄檗宗」
開祖:隠元
本尊:とくになし
経典:とくになし
本山:万福寺
坐禅で仏心を見出す
●『般若心経』
元は『大般若経』を262字に凝縮したお経 「空」について説く
「空」
執着心から解脱した自由な境地
「涅槃寂静」
仏教が目指す最大の目的
人の煩悩を炎にたとえ、完全に吹き消され、二度と燃えない状態
ストゥーパ
釈迦ほか高僧の遺留品が埋められた“天と地を結ぶ軸”→「卒塔婆」
日本最古の木造仏塔は、蘇我馬子が建てた法隆寺の五重塔
寺院
釈迦の遺骨(仏舎利)を納める塔を中心に造営
今は仏像を祀る金堂が代わり
檀家・檀那寺
先祖代々帰依して葬式、追善供養をお願いするお寺
墓を寺に設けたのは、称徳天皇以来 その前は、一定の場所に放っていた=「葬る」の語源
鐘 正式名は「梵鐘」
「梵」は、インドバラモン経の“宇宙の最高原理”
除夜の108は、仏教で人の悩みの数で、煩悩を1つ1つ取り除いてくれる
お賽銭
もともと仏教に祈願はないが、とらわれの心を捨てる“布施”の修行
卒塔婆
先端を塔の形にし、仏教の宇宙生成の5大要素<空・風・火・水・地>をシンボル化した
<宝珠・半月・三角・円・方>を刻んだ板
死後、この5つに還元され、供養される
お守り・お札
中国の「陰陽道」ほかの影響による現世利益を願うもの
宗派により、災厄から逃れるのは信仰次第で、札は紙切れでしかないとする
「陰陽道」
陰陽5行説に基づいて、天文・暦数・ト筮等を扱う術のこと 賀茂、安倍の両氏が有名
<葬儀>
末期の水・死水
釈迦が最期、水を求めたことから、割り箸の先に綿を巻き、白糸で縛り、水をふくませ唇を潤す
湯灌
遺体をアルコールで清浄、新しい浴衣か死装束に着替えさせる
死化粧
男は髭剃り、女は薄化粧、まぶたを閉じ、口を閉じる 浄土への旅支度
北枕
釈迦の入滅にならう
着物を左前、足袋を左右逆にするのは、死を忌み嫌うことから
枕飾り
香は使者の食べ物 一膳飯と枕団子は、あの世へ行く前の善光寺参りの弁当
①+②+③は三具足
戒名
僧名(仏の弟子としての名) 本来は生前にもらう
必ず菩提寺の僧につけてもらう
浄土真宗は“法名”、日蓮宗は“法号”
数珠
経を読む回数を数えるため
煩悩の108をこすり合わせて消すため
仏の修行の108段階 など諸説あり
香典
本来は、香を供えること その後、喪家への相互扶助に
骨あげ
箸わたし=三途の川の橋わたし
法事(追善供養、回向)
経、説法を聞き、仏との縁を結ぶ「結縁」にもなる
本来は、亡くなった同月同日(祥月命日)or前の土日
施主は、もっとも血縁の深い人
新盆
故人の霊が初めて帰ってくる日
節分
節=季節の分かれ目 百鬼夜行を追い払う
彼岸会
春:3.21の春分をはさんで7日間
秋:9.23をはさむ7日間
この最もよい季節だけでも悟りの岸に渡る努力をする行事
花まつり
旧暦4.8 釈迦の誕生日を祝う
お盆 正式名「盂蘭盆会」
釈迦の十大弟子の一人、目連(もくれん)が母を飢餓道から救うため、僧にご馳走を捧げて救ったという
そこで踊ったのが盆踊りのはじまり
墓
私物化ではなく“永久使用”=生命の連続の象徴