■『エマおばあちゃん』(徳間書店)
ウェンディ・ケッセルマン/文 バーバラ・クーニー/絵 もきかずこ/訳
※「作家別」カテゴリーに追加しました。
ウェンディ・ケッセルマン:
アメリカ生まれ
作家、作曲家、歌手、戯曲家
子どもの本を書き、子どものためのミュージカルも発表
今作は、インストラクター・マガジン誌で、1980年秋期4大優良図書の1つに選ばれた
*
これまで読んだクーニーの本の中で、この絵が一番好きかも
どの絵を観てもほっこり笑顔になる
毎日、夢中になって、時間も忘れて、
やりたいことに没頭できている人がどれだけいるだろうか?
クーニーも、この絵を描いた時、エマおばあちゃんと同じ年頃だったのでは?
クーニーも楽しみながら描いている様子が目に浮かんだ
私も70歳くらいになったら、こうして猫か犬を飼って
好きなことだけに没頭するおばあちゃんになりたいとずっと思っていた
太郎さんも「みんな絵を描けばいい ヘタならヘタでけっこうじゃないか」と言っている
高齢になってから何も勉強せずに描いて、世界中を喜ばせたグランマ・モーゼス、
もとは日曜画家で、私も大好きなアンリ・ルソーもいることだし
皆それぞれにしか出せない自由な個性がイイんだ
絵じゃなくても、歌でも、なにか夢中になって、
誰かを喜ばせ、なにより自分を喜ばせるならなんでもいい
エマおばあちゃんが描いて飾った絵が、部屋の奥にあったり
同じ絵が正面を向けて飾ってあったり
クーニーの遊び心も入っている
最初にもらった、どんよりした暗い絵より
赤い屋根が可愛い絵のほうがよっぽどステキだ
▼あらすじ(ネタバレ注意
今日はエマおばあちゃんの72歳の誕生日
エマおばあちゃんには、4人の子ども、孫が7人、ひ孫が14人いて
みんなが来るのをなにより楽しみにしているけれども
いつもゆっくりすることなく帰ってしまい寂しいなと思うこともあった
ピンクの服可愛い
エマおばあちゃんの話し相手は、猫の“カボチャの種”しかいません
(食べ物の名前のついたペットは大好物だけど、“カボチャの種”て
エマおばあちゃんの好きなのは、飾らないことばかり
戸口に吹き寄せられた雪とか
そんなエマおばあちゃんを見て、家族は
「可哀相なおばあちゃん もうお年だものね」と影で笑いました
誕生日の贈り物にみんなは故郷の村の絵を贈りました
「とってもキレイだこと」とお礼を言いましたが、心の中では
「あたしが覚えている村とはまるで違うわ」と思いました
その絵を毎日観るたび、エマおばあちゃんのおでこのシワは日ごとに深くなり
とうとう、ある日、お店で絵の具と、筆、イーゼルを買い
覚えているとおりの故郷の村の絵を描きました
出来上がると、もらった絵をはずしてかけ、
子どもたちが来ると、もらった絵にかけかえます
ある日、かえるのを忘れて、孫が「僕らがあげた絵と違うよ!」と言いました
「あたしが描いたのよ」
もとの絵にかえようとすると、みんなが叫びました
「待って! いい絵だわ もっと描けばいいのに」
エマおばあちゃんは、それから毎日絵を描き続けました
戸口に吹き寄せられた雪の絵
リンゴの木を叩いているキツツキ
日向ぼっこをしている“カボチャの種”
そして、遠い遠い故郷の村の絵を何枚も何枚も描きました
やがて、その絵を観にあちこちからお客さんがやってきました
みんなが帰るとまた一人ぼっち
けれど、今はすることがあります
描いた絵は、もう何百枚にもなり、壁、押入れ、棚の上も絵でいっぱい
エマおばあちゃんは、もう寂しいとは思いません
懐かしい友だち、大好きな景色に囲まれているのですから
ウェンディ・ケッセルマン/文 バーバラ・クーニー/絵 もきかずこ/訳
※「作家別」カテゴリーに追加しました。
ウェンディ・ケッセルマン:
アメリカ生まれ
作家、作曲家、歌手、戯曲家
子どもの本を書き、子どものためのミュージカルも発表
今作は、インストラクター・マガジン誌で、1980年秋期4大優良図書の1つに選ばれた
*
これまで読んだクーニーの本の中で、この絵が一番好きかも
どの絵を観てもほっこり笑顔になる
毎日、夢中になって、時間も忘れて、
やりたいことに没頭できている人がどれだけいるだろうか?
クーニーも、この絵を描いた時、エマおばあちゃんと同じ年頃だったのでは?
クーニーも楽しみながら描いている様子が目に浮かんだ
私も70歳くらいになったら、こうして猫か犬を飼って
好きなことだけに没頭するおばあちゃんになりたいとずっと思っていた
太郎さんも「みんな絵を描けばいい ヘタならヘタでけっこうじゃないか」と言っている
高齢になってから何も勉強せずに描いて、世界中を喜ばせたグランマ・モーゼス、
もとは日曜画家で、私も大好きなアンリ・ルソーもいることだし
皆それぞれにしか出せない自由な個性がイイんだ
絵じゃなくても、歌でも、なにか夢中になって、
誰かを喜ばせ、なにより自分を喜ばせるならなんでもいい
エマおばあちゃんが描いて飾った絵が、部屋の奥にあったり
同じ絵が正面を向けて飾ってあったり
クーニーの遊び心も入っている
最初にもらった、どんよりした暗い絵より
赤い屋根が可愛い絵のほうがよっぽどステキだ
▼あらすじ(ネタバレ注意
今日はエマおばあちゃんの72歳の誕生日
エマおばあちゃんには、4人の子ども、孫が7人、ひ孫が14人いて
みんなが来るのをなにより楽しみにしているけれども
いつもゆっくりすることなく帰ってしまい寂しいなと思うこともあった
ピンクの服可愛い
エマおばあちゃんの話し相手は、猫の“カボチャの種”しかいません
(食べ物の名前のついたペットは大好物だけど、“カボチャの種”て
エマおばあちゃんの好きなのは、飾らないことばかり
戸口に吹き寄せられた雪とか
そんなエマおばあちゃんを見て、家族は
「可哀相なおばあちゃん もうお年だものね」と影で笑いました
誕生日の贈り物にみんなは故郷の村の絵を贈りました
「とってもキレイだこと」とお礼を言いましたが、心の中では
「あたしが覚えている村とはまるで違うわ」と思いました
その絵を毎日観るたび、エマおばあちゃんのおでこのシワは日ごとに深くなり
とうとう、ある日、お店で絵の具と、筆、イーゼルを買い
覚えているとおりの故郷の村の絵を描きました
出来上がると、もらった絵をはずしてかけ、
子どもたちが来ると、もらった絵にかけかえます
ある日、かえるのを忘れて、孫が「僕らがあげた絵と違うよ!」と言いました
「あたしが描いたのよ」
もとの絵にかえようとすると、みんなが叫びました
「待って! いい絵だわ もっと描けばいいのに」
エマおばあちゃんは、それから毎日絵を描き続けました
戸口に吹き寄せられた雪の絵
リンゴの木を叩いているキツツキ
日向ぼっこをしている“カボチャの種”
そして、遠い遠い故郷の村の絵を何枚も何枚も描きました
やがて、その絵を観にあちこちからお客さんがやってきました
みんなが帰るとまた一人ぼっち
けれど、今はすることがあります
描いた絵は、もう何百枚にもなり、壁、押入れ、棚の上も絵でいっぱい
エマおばあちゃんは、もう寂しいとは思いません
懐かしい友だち、大好きな景色に囲まれているのですから