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『しろいおおかみ』 葉祥明(佼成出版社)

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『しろいおおかみ』(佼成出版社)
葉祥明/絵・文

「作家別」カテゴリーに追加しました。


表紙のわんこみたいなコが、もう可愛すぎる
でも犬じゃないから食べられちゃうか

とにかく走る物語
カリブーがいるってことはアラスカ?

これだけ広い土地で、とくに冬には食べ物を見つけるのは難儀なことだろう
ブリザードでスッポリ体が埋まってしまうだろうし

でも、星野道夫さんも言う通り、そこにはいつかまたやって来る春の訪れの気配もある

葉さんの場合は、短い詩の中に
命のつながり、躍動感がこめられている

鉛筆画の犬のデッサンもリアルで貴重




動植物たちは、一瞬一瞬の中に生きている、と、この間、どこかで読んだ

走るオオカミは、走る意味など考えずに、ただ、その一瞬を生き、
厳しい自然の中にあっても呪うこともなく身を任せ
まるで大地そのものと一体化している

コトバを話さないからというだけで、なぜヒトは他の生命を軽んじるのだろう
彼らには彼らの感情があり、一生がある

そして、私たちはみんな
宇宙が生まれた瞬間から、
同じ分子からできた きょうだい、同じ命なんだ



【内容抜粋メモ】





ぼくは はしる!
ぼくは はしる!
しかし、ぼくは なぜ はしるんだろう?
はしることに いみは あるのだろうか



ぼくは はしる!
「じぶんが いきている」ということを
かんじながら

じぶんが ひとつの おおきな いのちの
いちぶだと かんじるために





ぼくは たえる
こごえる さむさのなかで
じひびきを たてて
おそいかかる ブリザードのなかで
ぼくは ゆめみる
ふたたび ひかりのなかを はしる ひを




ぼくは はしる
ぼくは ほしだ





ぼくは たいようだ





かぜが ぬるみ
だいちも ゆるみ
そらが あかるくなってきた
はるが ちかい


この世にあるものは すべて、そのようにある
雪は雪として
鷲は鷲として
カリブーは、カリブーとして
そして、ぼくは ぼくとして ある




【作者あとがき内容抜粋メモ】

オオカミは1日に100kmも走り回ると言われます
狩りや、縄張りを守るためばかりではない、意味と目的があるように思われます

人間が人間であることの意味と目的は、何でしょう

思考すること

自己を知ること

夢を見ること

他を思い遣ること

美を感じること

創り出すこと


オオカミの姿を通して、生命の美しさ、崇高さを感じとっていただければ幸いです




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