格納容器内 極めて高い放射線量か@福島第一原発2号機
■“原発避難いじめ” 子どもに何が?大人はどうする?@週刊ニュース深読み
「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記
専門家:
関谷 直也さん(東京大学大学院 特任准教授)
三浦 恵美里さん(ふくしま子ども支援センター県外避難者支援担当)
関根 仁美さん(鷺宮都営住宅自治会 会長)
早川 信夫(NHK 解説委員)
ゲスト:
金子 貴俊さん(タレント)
宮崎 美子さん(女優)
経緯をおさらい
1.事故後の避難
事故後、原発半径20km圏内の世帯に避難指示が出された
県内の他の場所に行った人もいれば、県外に行った人もいる
県外避難は、子どもたちだけでも推定9000人以上
2.「避難」の捉え方の複雑さ
「避難」しているのか、避難先に「定住」するのか、そんなに簡単には決められない
この約9000人という数字は「自己申告」なので、もっと多い可能性もある
全国各地に散らばったので、1人1人の状況把握がとても困難な状況
3.20km圏内以外の地域の人々も不安で県内外に避難している
例:
最初、家族全員で避難してきたが、父は仕事で福島に戻り、
祖父母は「都会での暮らしは合わない」と、同じ東北の避難所へ移った
親子2人が残り、ある日、何者かによってクルマに傷をつけられたが
「福島だから仕方がない」と母親が泣いているのを子どもが見て心が痛んだ
4.「賠償金」の複雑さ
被害状況、家族構成など、さまざまな事情によって金額、対応が異なる
最初に1度だけ「慰謝料」として一時金しかもらえなかった世帯もある
東電からの「賠償金」は平均月10万円ほど
いつまでもらえるかはいまだ不明 すべて失った状況では足りない
手記内容から読み取れること
まだ当時の子どもには分からないであろう“ばいしょう金”“ほうしゃのう”
という言葉が書かれていることから、「いじめ」+「原発問題」が深く関わっていることが分かる
少年は「賠償金があるだろう」と言われて、150万円ほど脅し取られていた
街の声:そう言った子どもは、親から聞いた言葉を言ったのだと思う
(毎回思うが、これは立派な犯罪だ
言葉や行為による暴行、ゆすりもすべて、法律によって罰せられる
“いじめ”という、なんだかゆるいニュアンスで曖昧になっていないだろうか?
それに、こうした差別心を持つ親も、その子どもも
他国の非難、移民追放!などの言動にもつながっているかもしれない
差別意識の根底はいっしょ 無知、無意識が原因
子どもたちの悩みは複雑で多様
遊びに行けない
「賠償金で暮らしているから、お金を使っているところを友だちに見られたくない」
福島に戻りたくないと言えない
避難先で友だちができて、離れたくない
福島に戻りたいと言えない
子どものために県外避難をしている事情を知っているため
当時、小学生だった子どもも、6年後の今は中学生の難しい思春期に成長している
子どもの問題は、これまで親御さんを通してしか見えてこなかった
成長すると、いじめも深刻化する
自我が出て、親に心配させないようにガマンする子も多い
教育現場でも「原発被害者だから」という特別扱いはやめようという空気があった
余計に差別、いじめにつながるかもしれないから、静かに見守ろうという意図
それが良い事例につながったり、悪い事例になったり(教師の無関心など)
専門家:
親たちの何気ない噂話を子どもはよく聞いている
それを子どもたちの間で話す
どこかに行って、小さいお土産を配ることさえためらう子どももいる
<メール・ツイッター>
「震災直後、日本中の被災地の方を心配して、ボランティアをしたり
寄付した時の温かい気持ちはどこにいってしまったのかと思います」
「他国へのヘイトにも通じる 排他的な意識が蔓延しているのではないか」
「避難せざるをえなかった人たちを排除しようとする意識を感じる」
時間の流れによる変化
***********プレゼン2:関根さんの活動例~正しい知識を知ることから
中野区のある都営団地
120世帯を受け入れて、現在は50世帯ほど うち、子どもは19人いる
関根:
親が不安だと、子どもも不安になる
実際、一部住民から酷い嫌がらせもあった
玄関に「早く出て行け福島!」と張り紙をされたり、生ゴミを置かれたり
クルマのタイヤに何十個もの画鋲を刺されたり
これではいけないと、なぜイヤなのか理由を聞いていったら、やっぱり「不安」だということ
それぞれのことを知らないのが原因だと思い、団地の「交流会」「親睦会」を企画した
最初は、福島住民も来るとは言わず、みんなで集まりましょうと声をかけたら、どちらも来ていたという感じ
顔を知っていたりするので、帰ろうとする人たちもいたが、
何度か交流を深めるうちに、嫌がらせは減りました
みそ作り会(結局、ニンゲンて食べ物なのかね/苦笑
大人も子どもも一緒になって作る 機械を使わず、手で大豆をつぶした
福島産の大豆を使用したが、最初はそれも言わなかったが、みんな美味しいと食べた
もちろん安全を確認したもの
会に来ないと言う人には、作った味噌汁などをおすそ分けした
偏見を生まないようにするには、正しい知識を知ってもらうこと
地域のまつりでは、味噌おでんを作った
中野区と福島を合わせて「ナカフクの会」と名づけた
交流を重ねるうちに、子どもたちも一緒に登校するようになった
親が笑顔になれば、子どもも笑顔になる
実際には、まだ反対者もいるが、続けることが大事
<メール・ツイッター>
「自主避難者です 補助金はもらっていません いじめは大人の間でもあります 挨拶しても返ってこないとか」
「みんな不安だから、避けたいと思う気持ちは出てしまう」
●原発避難いじめは、大人の問題
<メール・ツイッター>
「原発事故による福島の人たちに対する大人の世界の見方が、子どもにそのまま反映している」
(これは原発に限らない 偏見は、親から子、大人から子へと伝わる
生まれたばかりの赤ちゃんは、偏見などないのだから
誤解を解くために
・避難者から放射能は伝染らない
・食べ物などは全袋検査して、基準値超えは0
それでも「風評被害」は以前としてある
専門家:
科学的にいくら証明してみせても、不安感のほうが強まる
福島の方は検査について知識をもち、毎日、話題にしているが
県外の人はいまだに知らない人が多い
マスコミ報道との関係
専門家:
ある意味、マスコミの報道が不安感を煽っている部分もある
最初、快く取材を受けてくれていた方も、
「もう取材を受けたくない 話してもちっとも伝わらない」と拒否される方がいるほど
テレビなどで福島を取り上げる時、必ず映るのは、原発の映像や写真で
そこで暮らす人々の姿は、なかなか映らない
そういった“伝わらないもどかしさ”を抱えたまま過ぎた6年間だった
小野さんが言葉を詰まらせながら
「いくら特集を組んでも、伝えることが、伝わるのかと思うことがある
まず、見てくれる人が少ない
“伝染しない”と言っても、“本当ですか?”と言われる
マスコミという立場を離れて、自分自身の中でも答えを探したい」
関根:
私たちは、避難者と中野区の住民とで、これまで4回、福島を視察に行きました
放射能測定器を持って、被災者の実家を訪ねたら、1回目は地域にも入れない状態
2回目、3回目、家を見たら、泥棒に入られ、動物も棲んでいて、
人が住まないと、家ってこれほどになってしまうものかと思った
何年も避難が続いている状況がなんとかならないものかと
県庁にも出向いて話を直接聞いたりもした
その映像を、まつりでも流して、みんなに見てもらった
ゲスト:学校でも授業の一環として流してほしいですね
関根:
近隣の学校に講義にも行ってます 被災した方の体験談を話していただいている
原子力災害は、ほかの自然災害とは違う
この6年間で分かった情報をちゃんと受け取って、理解しなければならない
時間の経過とともに、いろんな変化もある
関根:
放射線量だけでなく、避難先での暮らしで「戻れるか、戻れないか」でいまだ悩んでいる
人々の間でも原発の話題は扱いづらいという空気がある
まずは、住んでいる両隣りを気遣うことから始めればいいのでは
「ありがとう」という言葉1つでも変わる
避難してきた時に大変お世話になったから、今度は地域の人のお役に立ちたいと
郷土料理を教えたり、公民館で縫い物を教えたりして
そうすることで、被災者も自信を取り戻して、イキイキと暮らしていけるようになる
■“原発避難いじめ” 子どもに何が?大人はどうする?@週刊ニュース深読み
「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記
専門家:
関谷 直也さん(東京大学大学院 特任准教授)
三浦 恵美里さん(ふくしま子ども支援センター県外避難者支援担当)
関根 仁美さん(鷺宮都営住宅自治会 会長)
早川 信夫(NHK 解説委員)
ゲスト:
金子 貴俊さん(タレント)
宮崎 美子さん(女優)
経緯をおさらい
1.事故後の避難
事故後、原発半径20km圏内の世帯に避難指示が出された
県内の他の場所に行った人もいれば、県外に行った人もいる
県外避難は、子どもたちだけでも推定9000人以上
2.「避難」の捉え方の複雑さ
「避難」しているのか、避難先に「定住」するのか、そんなに簡単には決められない
この約9000人という数字は「自己申告」なので、もっと多い可能性もある
全国各地に散らばったので、1人1人の状況把握がとても困難な状況
3.20km圏内以外の地域の人々も不安で県内外に避難している
例:
最初、家族全員で避難してきたが、父は仕事で福島に戻り、
祖父母は「都会での暮らしは合わない」と、同じ東北の避難所へ移った
親子2人が残り、ある日、何者かによってクルマに傷をつけられたが
「福島だから仕方がない」と母親が泣いているのを子どもが見て心が痛んだ
4.「賠償金」の複雑さ
被害状況、家族構成など、さまざまな事情によって金額、対応が異なる
最初に1度だけ「慰謝料」として一時金しかもらえなかった世帯もある
東電からの「賠償金」は平均月10万円ほど
いつまでもらえるかはいまだ不明 すべて失った状況では足りない
手記内容から読み取れること
まだ当時の子どもには分からないであろう“ばいしょう金”“ほうしゃのう”
という言葉が書かれていることから、「いじめ」+「原発問題」が深く関わっていることが分かる
少年は「賠償金があるだろう」と言われて、150万円ほど脅し取られていた
街の声:そう言った子どもは、親から聞いた言葉を言ったのだと思う
(毎回思うが、これは立派な犯罪だ
言葉や行為による暴行、ゆすりもすべて、法律によって罰せられる
“いじめ”という、なんだかゆるいニュアンスで曖昧になっていないだろうか?
それに、こうした差別心を持つ親も、その子どもも
他国の非難、移民追放!などの言動にもつながっているかもしれない
差別意識の根底はいっしょ 無知、無意識が原因
子どもたちの悩みは複雑で多様
遊びに行けない
「賠償金で暮らしているから、お金を使っているところを友だちに見られたくない」
福島に戻りたくないと言えない
避難先で友だちができて、離れたくない
福島に戻りたいと言えない
子どものために県外避難をしている事情を知っているため
当時、小学生だった子どもも、6年後の今は中学生の難しい思春期に成長している
子どもの問題は、これまで親御さんを通してしか見えてこなかった
成長すると、いじめも深刻化する
自我が出て、親に心配させないようにガマンする子も多い
教育現場でも「原発被害者だから」という特別扱いはやめようという空気があった
余計に差別、いじめにつながるかもしれないから、静かに見守ろうという意図
それが良い事例につながったり、悪い事例になったり(教師の無関心など)
専門家:
親たちの何気ない噂話を子どもはよく聞いている
それを子どもたちの間で話す
どこかに行って、小さいお土産を配ることさえためらう子どももいる
<メール・ツイッター>
「震災直後、日本中の被災地の方を心配して、ボランティアをしたり
寄付した時の温かい気持ちはどこにいってしまったのかと思います」
「他国へのヘイトにも通じる 排他的な意識が蔓延しているのではないか」
「避難せざるをえなかった人たちを排除しようとする意識を感じる」
時間の流れによる変化
***********プレゼン2:関根さんの活動例~正しい知識を知ることから
中野区のある都営団地
120世帯を受け入れて、現在は50世帯ほど うち、子どもは19人いる
関根:
親が不安だと、子どもも不安になる
実際、一部住民から酷い嫌がらせもあった
玄関に「早く出て行け福島!」と張り紙をされたり、生ゴミを置かれたり
クルマのタイヤに何十個もの画鋲を刺されたり
これではいけないと、なぜイヤなのか理由を聞いていったら、やっぱり「不安」だということ
それぞれのことを知らないのが原因だと思い、団地の「交流会」「親睦会」を企画した
最初は、福島住民も来るとは言わず、みんなで集まりましょうと声をかけたら、どちらも来ていたという感じ
顔を知っていたりするので、帰ろうとする人たちもいたが、
何度か交流を深めるうちに、嫌がらせは減りました
みそ作り会(結局、ニンゲンて食べ物なのかね/苦笑
大人も子どもも一緒になって作る 機械を使わず、手で大豆をつぶした
福島産の大豆を使用したが、最初はそれも言わなかったが、みんな美味しいと食べた
もちろん安全を確認したもの
会に来ないと言う人には、作った味噌汁などをおすそ分けした
偏見を生まないようにするには、正しい知識を知ってもらうこと
地域のまつりでは、味噌おでんを作った
中野区と福島を合わせて「ナカフクの会」と名づけた
交流を重ねるうちに、子どもたちも一緒に登校するようになった
親が笑顔になれば、子どもも笑顔になる
実際には、まだ反対者もいるが、続けることが大事
<メール・ツイッター>
「自主避難者です 補助金はもらっていません いじめは大人の間でもあります 挨拶しても返ってこないとか」
「みんな不安だから、避けたいと思う気持ちは出てしまう」
●原発避難いじめは、大人の問題
<メール・ツイッター>
「原発事故による福島の人たちに対する大人の世界の見方が、子どもにそのまま反映している」
(これは原発に限らない 偏見は、親から子、大人から子へと伝わる
生まれたばかりの赤ちゃんは、偏見などないのだから
誤解を解くために
・避難者から放射能は伝染らない
・食べ物などは全袋検査して、基準値超えは0
それでも「風評被害」は以前としてある
専門家:
科学的にいくら証明してみせても、不安感のほうが強まる
福島の方は検査について知識をもち、毎日、話題にしているが
県外の人はいまだに知らない人が多い
マスコミ報道との関係
専門家:
ある意味、マスコミの報道が不安感を煽っている部分もある
最初、快く取材を受けてくれていた方も、
「もう取材を受けたくない 話してもちっとも伝わらない」と拒否される方がいるほど
テレビなどで福島を取り上げる時、必ず映るのは、原発の映像や写真で
そこで暮らす人々の姿は、なかなか映らない
そういった“伝わらないもどかしさ”を抱えたまま過ぎた6年間だった
小野さんが言葉を詰まらせながら
「いくら特集を組んでも、伝えることが、伝わるのかと思うことがある
まず、見てくれる人が少ない
“伝染しない”と言っても、“本当ですか?”と言われる
マスコミという立場を離れて、自分自身の中でも答えを探したい」
関根:
私たちは、避難者と中野区の住民とで、これまで4回、福島を視察に行きました
放射能測定器を持って、被災者の実家を訪ねたら、1回目は地域にも入れない状態
2回目、3回目、家を見たら、泥棒に入られ、動物も棲んでいて、
人が住まないと、家ってこれほどになってしまうものかと思った
何年も避難が続いている状況がなんとかならないものかと
県庁にも出向いて話を直接聞いたりもした
その映像を、まつりでも流して、みんなに見てもらった
ゲスト:学校でも授業の一環として流してほしいですね
関根:
近隣の学校に講義にも行ってます 被災した方の体験談を話していただいている
原子力災害は、ほかの自然災害とは違う
この6年間で分かった情報をちゃんと受け取って、理解しなければならない
時間の経過とともに、いろんな変化もある
関根:
放射線量だけでなく、避難先での暮らしで「戻れるか、戻れないか」でいまだ悩んでいる
人々の間でも原発の話題は扱いづらいという空気がある
まずは、住んでいる両隣りを気遣うことから始めればいいのでは
「ありがとう」という言葉1つでも変わる
避難してきた時に大変お世話になったから、今度は地域の人のお役に立ちたいと
郷土料理を教えたり、公民館で縫い物を教えたりして
そうすることで、被災者も自信を取り戻して、イキイキと暮らしていけるようになる