▼旧東京音楽学校奏楽堂(国の重要文化財)
芸大に行く途中に重要文化財の建物があると知って立ち寄ったら、
「平成25年4月1日より、建物保全のため休館しています。」とのこと。残念。
外観だけでも、なかなか雰囲気のある良い建物だった。事務員さんは中にいるのね
■『夏目漱石の美術世界展』@東京藝術大学大学美術館(5/14〜7/7)
このリンクさせて頂いたサイト主さんは関係者なのかしら?
主要な展示物の写真が豊富だし、その説明も詳細に紹介している/驚
初めて来た美術館で、まず3階から始まって、次は地下2階に下がるって順路がちと複雑
まずは、漱石さんお気に入りのアールヌーボー調に描かれた初作『吾輩は猫である』の装丁画の数々。
一律化された今の印刷より、活版の昔のほうがなんて愛らしい
『こころ』は、漱石自身の装丁なんだとか/驚
朝倉文夫の「つるされた猫」が超可愛い
猫が語るという導入部の説明書きも面白い。
「ガダラの豚の奇跡」ブリトン・リヴィエアー
「ロンドン塔幽閉の王子」ジョン・エヴァレット・ミレイ
などが目を惹いた。
J.W.ウォーターハウス「人魚」1900年 王立芸術院、ロンドン
肉感的な人魚は娼婦のようなエロス。
J.W.ウォーターハウス「シャロットの女」1894年 リーズ市立美術館
今作が一番気に入った。鏡からしか現実世界を見れないって物語りのヒロイン。
私の好きなミレイの「オフィーリア」が写真複製だったのが残念(丁寧に額まで写真!
模写も多くて、外国留学して洋画に多大な影響を受けた日本人画家の経緯も分かる。
岡本太郎さんが、日本画の原色の乏しさに窒息しそうだと言っていた意味が分かったような気もした。
それに、日本文学はほとんど読まないから、漱石さんが絵を元に小説をたくさん書いていたって初めて知った/驚
美術評論の先駆けでもあったのか? 酷評も多くて辛口/苦笑
かと思えば、淡い墨絵にことのほか感動していたりして、絵の好みはほんと人それぞれなんだ。
「たった1枚でいい、見た人が崇高で有り難い気持ちのする絵を描きたい」と言って、
絵の指導も受けつつ、後年は自身もいろいろ描いたっていうのも意外/驚
批評するのは簡単だけど、自分で描くと、水墨画も細部に異常に凝りまくっていたり、
逆にまんまるな印象の愛らしいのがあったりw
書も頼まれていろいろ書いていたらしく、この時代の文化人てほんとになんでも達者だったんだなあ!
でも、原稿の字は可愛い字なんだね
「芸術とは自己表現である。芸術家は没交渉であるべきで、自己表現と向き合い、その苦しみに耐えること」
とも言っていたという。芸術が自己表現だって今じゃ当然の気がするけど、当時は新鮮な考え方だったのか?
「黄粱一炊図」という渡辺崋山が自刃を延ばして描いた絶筆の画も目を惹いた。
最後は、漱石さんが亡くなってすぐ、弟子が石膏でとったという「デスマスク」。
顔の皺や、豊かな髭など、立体的かつ詳細に再現されていて思わず見入ってしまった。
1階では、漱石さんの人となりが10分間にまとめられた映像が流されていた。
当時はモダンな装丁画が大変人気を呼んだとか、里子に出されて、さらに養子に出されたという複雑な生育歴、
イギリス留学で英米文学を学ぶかたわら、いろんな美術館を巡り、それが小説に生かされたいきさつなど。
出口は1階と2階にもあって、2階にミュージアムショップとカフェがあった。
廊下にひっそりと売り出されていた絵がとても気になった。
オーブリー・ビアズリー「サボイ」表紙・挿画
私は夭逝した芸術家が好きだが、こういった白黒のペン画も好きなんだなと改めて気づいた。
以前観たマックス・クリンガー@国立西洋美術館や、エドワード・ゴーリー等々、
緻密な線画で、どこか歪んだ夢みたいな物語性を感じさせる絵になぜか惹かれる。
1階から出たら、美大の敷地内に入ってしまったらしく、立派な巨木やら、誰か分からないたくさんの彫像、
学生の作なのかオブジェもいろいろ置いてあるし、緑も多くていいところで学んでいるんだねえ。
「かたかたち。展」@藝大アートプラザ(5月15日(水)〜6月2日(日))
学生か卒業生の作品なのか、それぞれ個性があって、けっこうな値段なのに売れているシールが貼られている。
いつも駅構内などで見かけるお酒の「いいちこ」のポスター写真がナチュラルでステキだと思っていて、
そのちょっとしたコーナーがあったから、写真集など手にとってみた。
「iichiko」の写真を撮っていたのは、浅井慎平さんだったんだ。納得。
正木記念館
アートプラザがあるこの記念館内には入れなかったけど、江戸の屋敷みたいな造り。
陳列館
ここは「ご自由にお入りください」と看板があった。
モダンなコンクリート造りで、1階と2階が展示スペースとなっていて、今はガランとしていて無人。
上野恩賜公園噴水のそばでは木造りの家具や、皿、さつき花の展示もやっていて、
上野は何度来ても奥が深いなあ! 修学旅行生の団体もズラズラと列をなして歩いていた。
今日は梅雨入り間近ってこともあって、外は蒸し暑かったけど、
美術館内の冷房が効きすぎて寒かった上、今年初、サンダルで歩き回ったら激疲れて、足にマメができていた
芸大に行く途中に重要文化財の建物があると知って立ち寄ったら、
「平成25年4月1日より、建物保全のため休館しています。」とのこと。残念。
外観だけでも、なかなか雰囲気のある良い建物だった。事務員さんは中にいるのね
■『夏目漱石の美術世界展』@東京藝術大学大学美術館(5/14〜7/7)
このリンクさせて頂いたサイト主さんは関係者なのかしら?
主要な展示物の写真が豊富だし、その説明も詳細に紹介している/驚
初めて来た美術館で、まず3階から始まって、次は地下2階に下がるって順路がちと複雑
まずは、漱石さんお気に入りのアールヌーボー調に描かれた初作『吾輩は猫である』の装丁画の数々。
一律化された今の印刷より、活版の昔のほうがなんて愛らしい
『こころ』は、漱石自身の装丁なんだとか/驚
朝倉文夫の「つるされた猫」が超可愛い
猫が語るという導入部の説明書きも面白い。
「ガダラの豚の奇跡」ブリトン・リヴィエアー
「ロンドン塔幽閉の王子」ジョン・エヴァレット・ミレイ
などが目を惹いた。
J.W.ウォーターハウス「人魚」1900年 王立芸術院、ロンドン
肉感的な人魚は娼婦のようなエロス。
J.W.ウォーターハウス「シャロットの女」1894年 リーズ市立美術館
今作が一番気に入った。鏡からしか現実世界を見れないって物語りのヒロイン。
私の好きなミレイの「オフィーリア」が写真複製だったのが残念(丁寧に額まで写真!
模写も多くて、外国留学して洋画に多大な影響を受けた日本人画家の経緯も分かる。
岡本太郎さんが、日本画の原色の乏しさに窒息しそうだと言っていた意味が分かったような気もした。
それに、日本文学はほとんど読まないから、漱石さんが絵を元に小説をたくさん書いていたって初めて知った/驚
美術評論の先駆けでもあったのか? 酷評も多くて辛口/苦笑
かと思えば、淡い墨絵にことのほか感動していたりして、絵の好みはほんと人それぞれなんだ。
「たった1枚でいい、見た人が崇高で有り難い気持ちのする絵を描きたい」と言って、
絵の指導も受けつつ、後年は自身もいろいろ描いたっていうのも意外/驚
批評するのは簡単だけど、自分で描くと、水墨画も細部に異常に凝りまくっていたり、
逆にまんまるな印象の愛らしいのがあったりw
書も頼まれていろいろ書いていたらしく、この時代の文化人てほんとになんでも達者だったんだなあ!
でも、原稿の字は可愛い字なんだね
「芸術とは自己表現である。芸術家は没交渉であるべきで、自己表現と向き合い、その苦しみに耐えること」
とも言っていたという。芸術が自己表現だって今じゃ当然の気がするけど、当時は新鮮な考え方だったのか?
「黄粱一炊図」という渡辺崋山が自刃を延ばして描いた絶筆の画も目を惹いた。
最後は、漱石さんが亡くなってすぐ、弟子が石膏でとったという「デスマスク」。
顔の皺や、豊かな髭など、立体的かつ詳細に再現されていて思わず見入ってしまった。
1階では、漱石さんの人となりが10分間にまとめられた映像が流されていた。
当時はモダンな装丁画が大変人気を呼んだとか、里子に出されて、さらに養子に出されたという複雑な生育歴、
イギリス留学で英米文学を学ぶかたわら、いろんな美術館を巡り、それが小説に生かされたいきさつなど。
出口は1階と2階にもあって、2階にミュージアムショップとカフェがあった。
廊下にひっそりと売り出されていた絵がとても気になった。
オーブリー・ビアズリー「サボイ」表紙・挿画
私は夭逝した芸術家が好きだが、こういった白黒のペン画も好きなんだなと改めて気づいた。
以前観たマックス・クリンガー@国立西洋美術館や、エドワード・ゴーリー等々、
緻密な線画で、どこか歪んだ夢みたいな物語性を感じさせる絵になぜか惹かれる。
1階から出たら、美大の敷地内に入ってしまったらしく、立派な巨木やら、誰か分からないたくさんの彫像、
学生の作なのかオブジェもいろいろ置いてあるし、緑も多くていいところで学んでいるんだねえ。
「かたかたち。展」@藝大アートプラザ(5月15日(水)〜6月2日(日))
学生か卒業生の作品なのか、それぞれ個性があって、けっこうな値段なのに売れているシールが貼られている。
いつも駅構内などで見かけるお酒の「いいちこ」のポスター写真がナチュラルでステキだと思っていて、
そのちょっとしたコーナーがあったから、写真集など手にとってみた。
「iichiko」の写真を撮っていたのは、浅井慎平さんだったんだ。納得。
正木記念館
アートプラザがあるこの記念館内には入れなかったけど、江戸の屋敷みたいな造り。
陳列館
ここは「ご自由にお入りください」と看板があった。
モダンなコンクリート造りで、1階と2階が展示スペースとなっていて、今はガランとしていて無人。
上野恩賜公園噴水のそばでは木造りの家具や、皿、さつき花の展示もやっていて、
上野は何度来ても奥が深いなあ! 修学旅行生の団体もズラズラと列をなして歩いていた。
今日は梅雨入り間近ってこともあって、外は蒸し暑かったけど、
美術館内の冷房が効きすぎて寒かった上、今年初、サンダルで歩き回ったら激疲れて、足にマメができていた