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『くまのアーネストおじさん まいごになったセレスティーヌ』(BL出版)

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『くまのアーネストおじさん まいごになったセレスティーヌ』(BL出版)
ガブリエル・バンサン/さく もりひさし/訳

「作家別」カテゴリーに追加しました。


“バンサンは、このシリーズで愛の深さ、他人に尽くす喜び、
 気取らない素朴な生活などを表現したかったという。”


▼あらすじ(ネタバレ注意

アーネストは、セレスティーヌを美術館に連れて行く
理由は、ここでセレスティーヌを連れて働きたいと頼むため

館長に言うと「それはダメですな」とすぐに断られてしまう

その代わり、2人は館内の有名な絵を観ていく
アーネストは、監視員さんに尋ねる

「美術館の番人はいい仕事ですか?」
「いや、とても退屈ですよ」






すっかり退屈してしまったセレスティーヌは、アーネストの背中で寝てしまい
まだ絵に夢中になっているアーネストから離れて迷子になってしまう

広い館内ですれ違う2人 監視員さんたちも必死に協力する
セレスティーヌは、不安で泣きながら探して、ようやく再会する2人

必死になだめるアーネスト

「ほら、この白い人形観たかったんだろう?」
「こわかったのよ、アーネスト」




家に帰っても「美術の本を見よう」と言うアーネストに
まだ不安を訴えるセレスティーヌ

ア「僕がセレスティーヌを置いて、どこかへ行くことなんかないよ」

セ「ほんとね アーネストは、私がいなかったらなんにも出来ないもの、ね」

ア「そりゃそうだな、うっほほ」


***

子どもを美術館に連れていって、小さい頃からいいものに触れさせてあげたいと思っても
興味がなければ飽きちゃうんだなw

アーネストは、自分でも絵を描くから相当好きなんだ
でも、アクティヴなアーネストには、イスにずっと座っているだけの
監視員の仕事は向いてないかも

海外の美術館にもこういう仕事があるのね
こっちより自由なイメージがあるけど

ブリティッシュミュージアムも、ルーブル美術館も
入場料が安かったり、写真を撮ってもOKとか、触っても大丈夫とか/驚

日本みたいに「入っちゃいけません」なんて線やセンサーなんてないし


いろんな名画が描かれていて、ミレーとかもあるのに、彫像はクマの顔って可笑しいw

絵画を何気なく模しているようで、ひと目で特徴を伝えている
バンサンの画力もホンモノ

絵本ばかり読んでいるけれども、油絵とか描いてもきっと相当の才能があるんだろうな




セレスティーヌの言う「ほんとね アーネストは、私がいなかったらなんにも出来ないもの、ね」というセリフには
心理学でいう「依存心」が表れている

男女間でもさり気なく出てくる言葉だけれども、その裏には「だから私を見捨てないでね」という不安が隠されている
このバランスが崩れた時に「あれだけ尽くしてあげたのに!」という怒りに変わったり・・・



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