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NHKスペシャル 「発達障害~解明される未知の世界~」

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NHKスペシャル 「発達障害~解明される未知の世界~」

なんでも「障害」という名をつけて「病気」みたいに言われるけれども、「特性」「個性」と捉えることもできると思う

もしかしたら、他の人より感覚が敏感で、
他の人に見えないものが見えたり、聞こえない音の周波数まで捉えられる「超感覚」とも言えるし
大半と異なるから「病気」と言うことに違和感を覚える

みんなが見ている「同じ世界」と思っているものも、目の違い、主観で随分差があるのではないかとも思う

パニック障害の私にとっては、満員電車で毎日潰れそうになって通勤していても
ココロやカラダに異変が出ない人などのほうが、よほど深刻な問題なのでは、と常に思う

それを「メンヘラ」といっしょくたに名づけて排除し、自分とは無関係とする空気も、
他の事象と合わせて、日本がいかに「不寛容」な時代になったか、人々に余裕がなくなったかと哀しくなる


【ブログ内関連記事】

知ってほしい!子どもの「こころの病気」2 自閉症とLD 仲良くできない(岩崎書店)
ETV特集 シリーズこころの新世紀(1) いじめ・虐待と自閉症スペクトラム
クローズアップ現代「“大人の発達障害”個性を生かせる職業とは?」
『子どものこころが傷つくとき 心理療法の現場から』

その他、関連図書は「読書感想メモリスト2」の【こころ】を参照のこと


***



「あさイチ」の夜ver.だったのか しかも生放送で1時間
当事者の生の声を聞くことをメインに構成

子どもも大人も悩んでいて、全国各地で受診希望者が相次ぎ、長いところでは1年待ち



発達障害の専門外来@世田谷
 

2017年1月 改善勧告が出た



行動の謎の背後にあるものが、科学で解き明かされつつある
発達障害の方は、情報処理の方法が他の人と異なると明らかになった




「あさイチ」でも3回ほど特集した

ほめて伸ばす!子どもの発達障害@あさイチ
(その他は「ブログ内検索」でヒットしなかったな


<FAX>

「発達障害というと、普通の生活が出来ない人、というイメージ」

「落ち着きがなく、学習にも支障が出る イスに座っていられない変わった人というイメージ」

「目で見てなかなか分からないので、わがままに思われたりして悲しくなります」

「中2の時から発達障害だと周りに言っているが、先生はなかなか理解してくれなかった」


ゲストは、栗原類さん:
ブログでも以前から書いていたが、周りは「知らなくてビックリした」という声が多かった
番組で宣言してから「言ってくれてありがとう」「勇気をもらった」「代弁者になってほしい」と言われて嬉しい
僕自身を分かってもらえた感じがした
発達障害の方は人それぞれ違うので、僕の特徴が参考になるか分からないけれども役に立てればと思う



●発達障害とは?

生まれつきの脳の特性 主に3つある


類さん:
小学生の時に診断された時は、こんなに部類がなかった
今見ると、ASDとADHDの間に当てはまると思う

イノ:ハッキリ分けられないから、重なっているんだね



●最新の研究で謎に迫る 発達障害の方がもつ感覚

当事者の見る世界を可視化する試み@大阪大学などの研究グループ
当事者22人に聞き取り後、世界がどう見えるか解明しようとしている

 

「景色の見え方」
明るい所では、周りがまぶしく、光が目に刺さるよう、点々が見える など


ASD当事者:色はこんな感じだが、もっと細かい

動くものを見ると、色が失われたように感じたり、光の粒が見えたり など
 

当事者:
昼は、外全体が白っぽく見えて、目が痛い
夜は、クルマや自転車のヘッドライトが痛い


●「感覚過敏」
ASDによく見られる症状で、注目されたのはここ数年のこと
長らく、発達障害は子どもを中心に研究されてきたが
数年前から発達障害と診断される大人が増えたため、違和感を表現できる当事者が増えてきた

当事者:
色とりどりのものが見えていて、「何だろう」とずっと子どもの時から思っていて
親に言っても「気のせいだ」と言われた



●ASD当事者・都内に住む女子高校生・素子さん(18歳)を取材

(スポーツジムみたいな部屋だな/驚

外は晴れて明るいが、部屋はカーテンが閉められている

素子さん:この暗さがいちばん楽です

素子さんがもっとも辛いのは「音」
(私も、情報過多な音の洪水は辛い 慣れてしまっている人たちが羨ましい

6年前、発達障害と診断された
コミュニケーションが苦手と言われる発達障害

彼女も子どもの頃から人と話すのが苦手だったが、なぜなのか本人にも分からなかった
専門病院で調べたところ「聴覚が著しく過敏なため、コミュニケーションを妨げる原因の1つ」だと分かった

外を少し歩いただけでも疲れ果ててしまう
とくに辛いのは、スーパーの店内で、15分が限界



素子さん:
「キーン」「シャー」「ゴー」3種類ぐらい出てます
たぶん蛍光灯と冷蔵の音だと思う(電化製品はすべて音が出てるよね
周りの人も音に関して、こんなにうるさいものだと思っていた



●ヘッドフォンから様々なノイズを突然出して、どれだけ驚くか反応をみる実験
 
発達障害の人と、そうでない人、両者の目の周りの筋肉の動きを調べる

発達障害の人は小さな音でも強く反応していると分かる
 

スーパーの店内の音が、パチンコ店の音より大きいという感覚/驚



「感覚過敏の子どもには、ものすごい大きな声に聞こえているかもしれない
 ちょっとした注意も、ものすごく怒られていつように感じてしまう
 社会生活を営む上で、かなり支障をきたしている可能性が大きい」



●感覚過敏の人が非常に困難なのはコミュニケーション
とくに困るのは、様々な会話が混じる喫茶店
有働さんが「私の声が聞こえますか」と話している声が、周囲の雑多な声と同化して聞こえない/驚

素子さん:声が混ざって、聞き取るのが辛いです

「混ざって聞こえるのはなぜなのか?」
 

ASDの認知を研究する第一人者ハッペ教授の仮説:脳が出す指令が関係している

ASDでない人:脳の司令塔が他の音を調節して、聞きたい音を選ぶ
 
(“慣れ”というより“感覚麻痺”に近いのでは?

ASDの場合:不要な音を調節せず、すべてを高いレヴェルで受け取る


ハッペ教授:
台所で食器を洗う音が聞こえていても、慣れの機能が働き、脳が
「あれは背景の音だから聞く必要がない」と指令を出す

しかし、ASDの場合、常に新しい音として聞こえ続けるため、話し相手に注意を向けられない
彼らにとって世界はあまりにも情報が多過ぎて、脳が混乱状態に陥っているのです



●スタジオの専門家と当事者に聞く

(この明るい背景はCGで、本当は暗い場所で撮っているのか、と思ったら違ってた


片岡:

人のいる所で相手の言葉を聞いて、意味にする、それに反応する3つを同時にやらなければならないのが大変だった
小さい頃は、他の子が近くにいるのがすごく辛くて、今考えると音で体調が悪くなった

ぬいぐるみを持っている理由は、スタジオがあまりに明るくて
なにか「ホールド」(センサリング?)していないと、不安定になる
根本的な解決にはならないがラクになる


「スタジオの明るさ」
最初に考えていたスタジオ設計(ムリだって最初に分からないのかな?


綾屋:

カラフルなのは嫌いではないが、一面囲まれると色と形の情報も多くて参ってしまうと思った

片岡:
人の顔を見ると、周りの模様も目に入るので、音と同様、顔を見分けるのに頭を使う

綾屋:
(今のセットは)モニターを見ると反射しているが、座っているぶんには大丈夫

片岡:モニターを見ているだけで辛い

イノ:これを見ている当事者も辛いと感じているかもしれないですね

(せっかくいろいろ調べたのに、なんだかなぁ・・・


「話し相手の顔を見ずに話したいという希望」

片岡:
人の顔を見ると、ホクロなどの形の情報が一気に入ってしまって、
余計な情報を捨てるのと、会話を続けるという2つのことを同時にやらなければならず
疲れるし、理解しないで話してトンチンカンな答えをしてしまう
最近は、相手をリスペクトしていると言ってから横を向いて話すなどしている

栗原:
僕と母もずっと相手の顔を見て話すのが苦手
どれだけ見ていれば、相手から不審に思われないのか“ほどほど”が分からない
話していたいが、エネルギーを使い過ぎてしまう それを意識しながら会話している
使うエネルギーが倍ぐらいに感じる

綾屋:
情報のインプットに気をとられて、自分が話す内容に気が向けられない
訓練して、「普通の規範はこれぐらいだろう」と分かっているが
全部、意識的に手動でやっているのでどっと疲れる


<FAX>

「双子の子どもがADHDで、『学校の水は臭い』と言って飲まない(塩素のせいかもね
 学校内の音も『耳をドリルでヤラれているような感じ』だという」

「触覚が過敏でフォーマルな服はほとんど着られない 『多少は我慢しろ』と言われるが、どうしても苦痛」

(ヒトって、自分も同じ状況にならないと分からないものだよね、病気に関わらず

有働:ガマンするレヴェルではない?

片岡:
30分とか時間を決めれば出来るが、頭痛、吐き気、体調が悪くなる
私は何十年もガマンして悪化させてしまったので、若い方にはガマンして欲しくない

イノ:
学校や親に「話す時は人の目を見なさい」と言われるが、
そういう社会でガマンしなきゃダメだという教育もあったかもしれないですね




「この感覚は、自閉症スペクトラム皆さんが持っているとはかぎらない
 もともと感覚の異常は専門家の間では知られていたが、
 誰がどの感覚が過敏なのかは個人差がけっこうある

 過敏でない人もいるし、逆に鈍い人もいる 辛くない人もいる
 他人から見て「こういう行動をとる人たち」という定義だったのが
 “内面でこういう感覚を持つ人たち”と捉えられるようになったのが新しいのでは」



●ADHD、LDの特徴の例
 

例:
毎日忘れ物をする子、整理整頓が苦手
授業中は落ち着きがなく、集中力が続かない 授業をほとんど聞いていない
何度怒られても直らず、周囲からは「やる気のない子」と思われている


「本人はどう感じているのか?」
最初は真剣に聴いている→ポスターを見て授業のことを完全に忘れる
我に返るが→前の子のシュシュに集中
分かっていてもコントロールができない

 



(感受性が強いのは良いことでは?
 逆に、単調な話を座って一方的に聞いて暗記するだけの授業形態を変えればいいのに
 未来の学習方法は、より感覚的で効率的だと思うな
 なんでも集団を統一にして、ルールを守れる“いい子”なら幸せになれるとはかぎらない
 今“偉人”と呼ばれている人たちの多くが「学校は嫌いだった」てゆってるじゃん


●LD(学習障害)


例:
教科書の音読が極端に苦手な子
教師に「家で読んでこなかったのか」と注意されてしまう

「人が言葉を読む過程」

1.「りんご」という文字を見る
2.視覚で脳が文字を認識
3.つづりで脳内のデータと照らし合わせる
4.読み方、意味を照らし合わせる
5.声に出して読むことができる

 



LDの場合、つづりの照合に時間がかかる


「本人は・・・?」


「この言葉はどこで区切れるんだろう?」→3文字を超えるとなかなか認識出来ない

読めないことを責められると、焦って文字がぼやけることもある



 
特別支援学校で美術の授業を担当(それぞれの特性を生かした場があれば問題ないよね
今も読み書きは困難で、文字を指で追うことでなんとか読める(私も読書する時、指をあてて集中することがある

神山:
読み書きに全神経を注いで、フル回転させて処理している感じで疲れます


●片付けが苦手~ADHDの理絵さん(46)の例~


理絵さん:
今も1つのことを集中してやるのが苦手 部屋の片付けも注意が他に移ってしまう
捨てる捨てないの判断ができない

どうしても「だらしない」「みっともない」と見えることが多い
でも、本人も困っているがどうしようもないと理解してほしい



<FAX・メール>

 
「障害があっても、みんなと同じように接して欲しい」



有働:個性と障害の違い、それから性格と発達障害がどう違うのか?

本田:
片付けるのが苦手とか、今見たケースは、どんな人でも多かれ少なかれあること
問題は程度がどれだけ大きいかと、周りや自身の生活にどれだけ支障があるか

周りが受け入れる環境なら、あまり苦痛にならないことがある
字が読めなくても、普段は困らないと頓着しない人が周りにいれば、それほど悩まずに済む

イノ:社会に出ると「あの人大丈夫?」て言う人もいて、傷ついたりしますよね

本田:
どうしても多数派は、自分たちの価値観を優位に見ることがある
自分が出来ることが、出来ない人たちに対して、上から目線で見てしまうことがある
それで傷ついてしまう 多少、対人関係が苦手でも、1人で黙々とやる仕事とか(そういうの好き
友人関係も作れるが、会社が人間関係を重視していると辛くなる 環境が大事



●二次障害

イギリスの調査でASDの7割がうつになると発表した
 


「普通って何?」

FAX:


「10代から人間関係のストレスにより精神科にお世話になっています」(20代 宇宙人)

(クリニックでも5分診療で、クスリの処方だけじゃ、10年経っても治療にはならない
 本当に「普通」の定義って何だろう?

 価値観、「常識」などは、時代、環境などによってまったく違うのに
 「多数派」でいることに何の疑問を持たない人をとても羨ましく思う

 ココロとカラダが一致していれば、ヒトは幸せだと感じる
 たとえ、そこがどうしようもない地獄であっても



●当事者を追い詰めるものは何か?

例:リラさん(33)ASD+8年前そううつ病と診断された
現在は無職で、2週間に一度、精神科のデイケアへ就労支援の相談に通っている
精神的に追い詰められたのは、どの職場にも馴染めなかったから



リラ:静かなところとか(そもそも働くという動機付けが必要なんだ

リラさんの仕事の記録


“食品工場内の騒音、塩素の臭いに耐えられず”辞めざるを得なかった
(なぜ食品に塩素を入れているのかなあ?

事務職でも“人間関係と仕事への自信喪失のため退職”
何気ない会話が苦手で人間関係が上手く築けなかった

リラさんを苦しめるのは「普通」という基準

リラ:
社会の求める「普通」「人材」とかって、挙げるほど、自分からかけ離れていて
何がどう変で、何をどう改善すればいいか分からなくて困っている

(人と同じでないほうが、よほどクリエイティヴになれるのでは?



●当事者の会 二次障害経験者

(全員、女性だね 男性は悩んでも、こういう所に来るのも苦手なのだろうか

「多い意見、多数派の意見を持ち合わせている人が、世間的に普通
 でも、私らは少数派だから、それに合わせるのが難しい」

「そう自分は思っていても、周りには通じないから
 “もっと自分の態度を考えたほうがいいよ”とか言われる

「“普通こうだよね”と言われて、合わせるのは難しいけど
 でもズレてると自覚しているなら、埋める努力をしろということ
 うーん、埋める努力しなきゃいけないのか~はぁ~って思ってる」


綾屋:
自分の身体が周りの規範と合わないのは分かるが、
理由が分からない中、ずっと普通のフリをして、毎日へとへとになる感じ
普通のうなづき、普通のジェスチャー、普通の目線をしている自分と
これで大丈夫かなと思っている俯瞰の自分と二重の調整をしつづけてきた

類:
学生時代は、自分が普通じゃないと思っていた
大多数のほうが勝っていたら、少数派は排除されるというシステムなので

信頼できる人がいなかった
信頼できるのは親と主治医 全部相談してアドバイスをもらって精神を安定させていた

(私の場合、親、主治医、医療、社会システム全体に違和感があるからなあ



<FAX>

30代
「“普通分かるだろ?”がとても苦手で怖い
 “普通って何ですか?”と聞いても“普通は普通だ”と根拠を示してくれません
 見えない普通に怯えて、心がどんどん萎縮してしまいます」

ADHD30代
「常に他人の速度、態度と比べられ、臨機応変さを求められるとパニックになり
 疲労感といじめに耐えられず、うつになって退社しました
 どう努力すれば“人並み”になれるのか教えてください」


綾屋:
自分もずっとそれに悩んできた
多数派、少数派でルールが違うんだと、今は考えている

たとえば、「顔を見ないでいい」とルールを変えれば、私たちは障害者ではなくなる
多数派とは違うルールを主張するのも1つの方法かと思う

多数派がルールを作っていて、無自覚に享受しているから言葉で説明はできない
だから頭ごなしに“普通は普通だ”という言い方になってしまうのだと思う



●少数派がいるのが当然、という取り組みが海外で始まっている@イギリス・マンチェスター

イギリスでは、感覚過敏の人に対して社会全体で取り組む動きがある
あるショッピングモールでは、毎週土曜日、「クワイエット・アワー」という時間帯がある





店内の音楽・照明を消して、感覚過敏の人でも過ごし易い環境をつくっている
これまで店に来られなかった人も来られるようになった

 

(大型電気店が増える中、毎日、世界中で一体どれだけの電気が消費されているのだろうと、いつも思う
 どのテレビもつけておく必要があるのか、店内に轟音のように響き渡り、24時間、365日繰り返されるCM曲は
 客だけでなく、そこで毎日働く人たちの精神も歪めている


「多くの人と同じようにショッピングを楽しめるようになりました」

買い物客は1割増加(福祉も今は生産性、金儲けに結び付けないと何も進まないからねえ



●アメリカでは、発達障害の特性を活用して雇用に結びつける動きが加速している
 

この世界的IT企業は、2年間で発達障害の人を29人採用(少ない
緻密さが求められるチェック作業に欠かせない存在となっている


「問題解決能力、記憶力、パターン認識力にも優れています まさに我が社が探し求めていた人材なのです」

(どちらかといえば、発達が進化している人々なのでは?


●発達障害者に特化した就労支援企業@NY
世界15カ国で事業を展開 IT、コンサルティング会社に約1000人斡旋した

 

提携しているのは約100社

(あまり提携したくない方々だなあ



「何か革新的なものを生み出さなければ、企業は競争に勝てません
 そのためには“他人と違うこと”はとても重要です
 誰も考えないアイデアを思いついたり、新しいものの見方、働き方を提示できる人材が必要になる」

(“障害”“福祉”の名を掲げて、大企業が利益のために利用することで苦しめられませんように/祈


●日本では?@大阪


伊藤さんは、大卒後、IT関連企業の事務職として「障がい者枠」で採用された
伊藤さんと会社は、試行錯誤しながら働き方を模索してきた

観葉植物への水やりも「適当に」と頼んだら、カーペットにまで広がるほどあげていた
その後、曖昧な表現は止めて「コップで何杯」と言うルールに変えた

社員:数字で説明するのが一番伝わると分かった

数字へのこだわりが強い伊藤さんがもっとも得意な業務は経理(私が一番苦手なやつだ
小さなミスも見逃さない


18日の交通費の請求がないことに気付いたのでメールで確認 その緻密さは社内で高い評価を得ている

伊藤:
「ミスなくやってくれている」というのを聞くと、少しは役に立てたのかなと思う

1年前、経理以外にも業務の幅を広げてもらおうとしてトラブルも起こった

主任の西村さん:
課題にどんどん見事に応えてくれるから、業務量を増やした時期があった
すると、これまでにないミスが増え、自分を執拗に責めたりする変化が出てきた

「どうしてこんなことしてしまったんだ!」という自責の声がどんどん大きくなって
外で「わー」て叫んだとか、追い詰めてしまった

臨床心理士に相談すると
「発達障害者のミスは努力ではカバー出来ないため、幅を広げるのは大きなストレスになる」と言われ
得意分野だけに戻したら、元の調子を取り戻した

主任の西村さん:
伊藤さんの得意・不得意をちゃんと分かった上で、いっしょに働くのが一番いい 一戦力ですね

(これで過剰労働、長時間労働も減る傾向が広まればイイね これが“フツー”な感覚だと思う
 日本はとくに、やればデキる人に、さらに仕事が集まって、心身をすり減らしてしまうから


綾屋:
私たちもスーパーマンではないので、働ける総量は同じと考えてほしい
2倍の仕事を任されて8時間働いたら、やっぱり壊れてしまう

仕事の得意・不得意もやってみないと、本人もできる・できないの線引きができない(それはみんな同じだな
違うやり方で同じゴールにたどり着けることもある
働きながら、みんなで実験できるようになればいいなと思った


類:
社会では見た目で分かる人だけが“障害者”という認識が強いため
もっと知ってもらえれば認識も広がると思う

周りに言うのは最初怖かった 支えになる人がいるのは安心
自分を分かってくれる人を探すことが大切


イノ:みんなで考えなくてはいけないと思う


有働:それがみんなの生きやすさにもつながるんじゃないかというヒントにもなった




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