■シリーズ発達障害 自分の“苦手”とどうつきあう?@あさイチ
専門家ゲスト:梅永雄二さん(早稲田大学教授)
ゲスト:くわばたりえさん(タレント)、栗原類さん(モデル)
リポーター:瀬田宙大アナウンサー
NHKスペシャル 「発達障害~解明される未知の世界~」
上記の続編にあたる
今度は、背景をベージュにかえていた
<FAX>
「感覚が過敏な自分にとって、スタジオに鮮やかなものが多過ぎて話に集中できない」
(とにかく、あらゆる場所、場面で人工的な情報過多な時代なんだよね
息が詰まると同時に、そのスピードに必死についてゆき、さらに多くの情報を求める自分もいる
●騒音が苦手な女子高生~聴覚過敏
中学生の時に「聴覚過敏」と診断された
彼女にとって街中は音の洪水 外から帰ると疲労困憊する
「耳も、脳も疲れている 耳の裏のへんが圧迫されている感じ」
(私も音遮断のヘッドフォンが欲しい
クルマ、しょっちゅうどこか掘ったり、マンション建てたりしている工事現場、
外まで流れる店内の宣伝音楽やアナウンス、、、これらに“慣れ”た脳の仕組みは進化なのか退化なのか
●類さんの苦手は「初めての場所に迷わず行くこと」
類さんは8歳で「発達障害」と診断された
中学生の頃は、母親が調べてくれ、指示してくれたが、それでも間違えて、目的地にたどり着けないことが多かった
(私も方向音痴だけど、どこが違うなんだろう
今は仕事で遅刻しないよう、時々知らない場所に行く練習をしている(認知行動療法みたいなものかな
この日行くと決めたのは、初めて行く美術館
スマホを見ながら地下鉄と徒歩で行く 電車に乗る前もスマホで再確認
交差点など迷う恐れがある場所でもこまめにスマホをチェック
一度ルートを外れると戻るのに苦労するため
案内図も確認して、スマホとは別の道を行けば近いと分かり、チャレンジ
「スマホに頼り過ぎないこと」も心がけている
元の道に戻ってきてしまったが、無事到着
(あら、世田谷美術館前でもフリマをやってるんだ/驚
類:
ちょっと遠回りしてしまったが、重要なのは早く来ることではなく、行けるかどうか
結果としては来られたからなんとかなったかなと思う
(うん、認知行動療法では、実際行動して、自己肯定が大事v
約束の時間が決まっていると焦ってしまうことはよくあった
スマホのルート通りに行かないと、ちゃんと行けたという気分にはならないが
真っ直ぐ行けば近いとか分かるのにも2年くらいかかった
そこで母に言われたのは
「機械の言いなりになるな」
「ちゃんと周りの景色を見て、スマホにあるコンビニとかの建物を照らし合わせれば、わざわざ元に戻らずにも行ける」
と何度も何度も言い聞かされて、ここ最近、やっとそれが出来るようになった
●「発達障害」とは? 主な3種類~ASD、ADHD、LD
「病気」ではなく、生まれつきの脳の特性
類:
僕はADHDと、音に過敏
たとえば、居酒屋に行くと、店内のBGMや、反対側で喋ってる人の声があまりに大きすぎて
隣りにいても、寄らないと聞こえない(居酒屋はうるさいよね
ヤナギー:それぞれの程度もあるじゃない? 違いがよく分からない
●「発達障害」の半数に「偏食」があると判明
「感覚過敏」が偏食の原因にもなっている高校2年生あっくんの例
あっくん:この豆、絶対食えない キノコ多い だって不味いもん
母:選んでるんだ
表面がなめらかな食感が苦手で、ゴムやプラスチックを口に入れたようで、体が一切受け付けない
(実際、プラスチックみたいな材料で出来た食べものが多い時代だよね
過剰な添加物、金儲けのための嗜好品を子どもたちに食べさせ続けた大人への1つのメッセージでは?
あっくん:
ヌルヌルしてて、食べた時に気持ち悪い感触が舌に残ったりして嫌
吐きたいという思いが出てきて、のどの奥に入れたくない
高橋教授は約140人の当事者に聞き取り調査を行い
「発達障害」の背景に「感覚の過敏」があると分かった
美味しそうなイチゴも、つぶつぶが目に飛び込んでくるように感じられ、気持ち悪い、怖いと思う人が多い
サクサクのコロッケは、口の中を針で刺されているようで痛くて食べられないという人が多い
その他
「食べ物を噛む音が耳障りでガマンできない」
「ニオイが強く、吐き気をもよおす」などで食事ができないケースもある
(色素、香料を抜いた自然食品でもダメなのかな?
高橋:
従来は、好き嫌いは、わがままと言われがちな問題だったが
これは生理学的な問題なので、そもそも受け付けられない
“好き嫌い”と“過敏”は分けて考える必要がある
あっくんは、周囲の理解を得られないまま、学校給食で食べられるものがほとんどなく
昼休みも一人だけ教室に残されて泣いていた
「食べられない」と言っても「わがままだ」とまったく聞いてもらえなかった
あっくん:
怖かった 先生方が「それはおかしい」と決めつけて
無理やり食べさせてくるのが辛かった
母親は「少しでも食べられるものを増やしてあげたい」と
家ではさまざまな食材を出して、試行錯誤してきた
母:
何を食べるのかなっていつも思っていた
何かしら増やしてあげたほうが、生きていくのが楽になるかなと思ったけれども
小学2年生の時に「発達障害」の診断を受けて、初めて“好き嫌い”とは違うと気付いた
食べられないものを出してごめんねと思った
食べられるものをとにかく探そうね
今は「偏食を治す」のではなく、食べられる範囲で栄養バランスをとろうと心がけている
あっくんは、トマトのぶよぶよした感じが嫌だというが、
母親の期待に応えようと、努力して食べるようにしている
(トマトの食感が嫌いな人は多いよね
母:
食事は1日3回きますので、それを根を詰めてやると、親も子も辛いのでほどほどにですね
嫌なものも摂って、栄養バランスさえ整えれば、彼は幸せですか?
そこに幸せはない気がしているので、諦めたり、頑張ったり、綱引きして幸せを探しています
類:
僕も小さい時、初めて麻婆豆腐を食べて、麻婆茄子じゃなくて豆腐じゃないとダメ
母が作ったのと同じ色、野菜じゃないと残してしまう
給食でも、同じ色じゃないから残したら、母親が先生に呼び出されたりしていた
でも、母は家で栄養をとるように意識してくれていた
<FAX>
「背景のベージュがまぶしくて見えづらい」という意見が来て、照明を15%ほど落とした
(照明もどこも明るすぎるんだよ、蛍光灯やネオンで夜も星空もない
「テレビのBGMもうるさくて、話が聞きづらい時があります」
類:
日本のバラエティや報道番組のセットってポップで柄が細かい
アメリカでは色や照明も暗くて、セットもシンプル
●偏食の問題は教育現場でどれだけ知られているのか?
池端:
教育現場ではまだまだ知られていないのが現状
誤解されて苦しむ子どもがたくさんいる
(アレルギー問題とかで、昔より緩和したと思ったけど、そうでもないのか
一律に「残さず食べましょう」という指導が行われているケースもあり
「食べない」という選択肢が認められないケースがある
(私も、給食のパサパサなコッペパンや、ソフト麺とか食べられず、
残すと昼休み遊ぶのを禁止されていたから、コッソリと巾着袋に入れて持って帰ってたりしたことを思い出した
“好き嫌い”とどう違うのか詳しく分かっていないので判断が難しい
保護者と教師が相談することも大切
イノ:アレルギーの対策と同じようにしていくしかないのかな?
瀬田アナ:親御さんからも発信して認知されることが必要
池端:
あっくんの場合、母親が「偏食は発達障害のせいです」と伝えたが
なかなか理解してもらえず、止む無く「アレルギーだ」という言い方をした
有働:15人に1人というのは多いのに進んでいないんですね
●改善に向けた取り組みの例
発達障害の子どもたちが通うセンター
まず、子どもの食事の傾向を細かく親から聞き取る
1人1人の感覚の適性に応じる(!
この日は「すき焼き」だが、肉や野菜の食感が苦手な子どものためにミキサーで柔らかくする
(肉をミキサーにかけた色のほうが私はヤヴァいな
逆に柔らかいのが苦手な子には、素揚げしてサクサクにする
食べられる食材を徐々に増やしていこうとしている取り組みのお蔭で
子どもたちは通常の調理法のものもだんだん食べられるようになるという
母親A「こんなにいろんな食材を食べられるようになると思わなかった」
母親B「食べることが好きになってきてくれた 「給食は楽しい」「美味しい」と言っている」
梅永:
まず、偏食は悪いことじゃない
我々でも食べられないものがあるし、成長にしたがい好き嫌いも変わる
ただ、ASDの方の中には、音・光・ニオイ・味覚に敏感な方がいるので
レタスのシャキシャキ感が苦手な人もいる
珍しい事例として、ある自閉症のお子さんは卵はダメ、カニは大の苦手
でも、お母さんに聞くと一番好きなのは「カニたま定食」だという
食感、ニオイとかが一緒になることで美味しくなることもある
だから、お母さんが工夫するのはとても素晴らしい(お父さんもね
イノ:味が嫌いなワケじゃないなら、最初に何がダメだと聞かないといけない?
梅永:
本人が何が苦手か我々が理解すること
やはり食べることは楽しくなければならないと思う
無理やり食べさせて失神した方もいます
ある意味、強引に食べさせるのは虐待に近くなる
瀬田:
一気に試すと本人も辛いので、たとえば小さいお皿でコレは食べられるかどうか
少しずつ親子関係の中で確認することがポイントになる
●片付けが苦手と折り合いをつけた女性の例
娘2人を育てるシングルマザーゆいさん(44):
どこから手をつけたらいいかが、まず分からない
捨てる・捨てないの判断ができない
33歳の時に「発達障害(ADHD)」と診断され、片付けられない理由が分かりすごくホッとした
それまでは「ガマン・努力が足りない」と幼稚園の時からずっと言われてきて
自分を責めに責めてきたんですけど、医者から「発達障害の特性だよ」と言われた
(“世間”では「ゴミ屋敷」とか「汚部屋」とか呼ばれるけれども、
それに至るさまざまな人それぞれの背景や事情がある
「想像力」がないと「共感」も生まれず、「排除」や「攻撃」につながる
タンスの前に衣服が積み上げられていて、タンスの中は空いている状態
タンスに入れると服の存在を忘れてしまうため、必要な服は見えるようにしている
小学生の頃から「忘れ物が多い」「整理整頓ができない」といつも怒られて
どんなに頑張ってもムリだった
ゆい:
自分は“ダメな子”なんだ、という感じがすごく強くて
やっぱり「いい子だね」って言われたいし、認めてもらいけれども
それが全然上手くいかないのが辛かった
大学卒業後、秘書として就職したが、スケジュール管理がまったく出来ず、数ヶ月で退職
23歳で結婚したが、片付けが出来ないことを夫から責められる日々が続いた
悩んだ挙句に病院を受診し27歳で「ADHD」と診断された
しかし、その後も「片付けが出来るようになりたい」という思いは強く持ち続けていた
(こんな雑誌のような生活感のない状態は保てないよ
ゆい:
片付けが出来ない人間は、人として認めてもらえないという感じがずっとあって
片付けさえ出来れば、上手くいくんじゃないかと
それが解決すれば、もっといい生活、ステキな生活が出来るんじゃないか
ゆいさんは、片付け法を徹底研究した
写真を撮って、置いてあるモノをメモして把握し、しまう場所を事前に決める
ゆい:
その場に行くと、何をやっていいのか分からなくなる
決まってたら、決まっていることを考えないでやるだけ
「賞味期限切れの食材」「まとめて紙ぶくろに」とか書いてある
ビフォーアフターの番組みたい/驚 でも数ヶ月しかもたなかった
部屋の片付けだけで疲れ果ててしまい、他のことが手につかなくなった
夫との関係はかえって悪化して、離婚
この時「自分は決して片付けられる側の人間にはなれないんだ」と思い知ったという
ゆい:
ものすごいいろんな努力をしても、普通の人にはなれないんだと気付いた
だから、普通の人になるための人生はやめなきゃいけない
全体を片付けるのは諦め、大事なところだけ頑張ることに切り替えた
子どもたちと食事をするキッチンとダイニングだけはキレイに保つと決めた
ゆい:
ちゃんとご飯が食べられて、家族で話す場所があるのを
一番大事にしようと思っていて、自分のできる範囲を大事にしないと
生活が全部崩れちゃうので、これがいい状態なんです
(それぞれ、いちばん大切なものは違うもんね
自分を受け入れたことで、他の苦手なこととの付き合い方も変わった
ゆいさんは今、「発達障害」の人の就職を支援するキャリアカウンセラーの仕事をしている
ここではスケジュール管理など、苦手なことを同僚に隠さずに伝え、サポートしてもらっている
ゆい:
できないことに目を向けていると、いつまでたっても出来ることが見えてこない
全エネルギーで出来ないことばかり見てしまっているから
まずそこは整理して置いておいて、そうじゃないところに目を向けることが大事だと思っている
(この前向きさが“うつ”などの二次障害にいかなかったのか
ゆいさんの場合、子どもを育てなければならないことが、
強い“動機付け”になっていると思う
類:
僕も片付けるのが苦手
冷蔵庫でも、同じ場所に置かないと気持ち悪くなったりする
それは“几帳面”とは違う感覚
僕もデッドスペースはすごい多かったが、空いたスペースに入れることを
何年も何年もやり続けた結果、最近出来るようになった
<FAX>
「片付けが出来ないことと、発達障害の違いはどう分かるのか?」
梅永:
このゆいさんも、小さい頃から一生懸命努力されていると思う でも限界がある
発達障害に対する人たちを、私たちは「定型発達」と呼ぶんですが
「定型発達」の人は努力すれば出来るが、発達障害の方は限界がある
ゆいさんのように、出来ないことは出来ない
そこを理解してあげて、私は他の援助を受けてもいいと思っている
(類くんのように、何度も練習して出来るようになるケースもあるし、
「定型発達」の人にも限界はあるし、ほんとうに複雑だな
ヤナギー:努力自体しない場合はどう?
梅永:
努力するよう働きかけが必要
発達障害の人は努力しても出来ない場合が多い
類:出来ないことを避ける方法を考えたりする
FAXでも「ADHDだが、あさイチのポップなセットは好きです」という人もいるのでセットを戻した
●あるユニークな学校の取り組み
集団に馴染めない、学習で極端に苦手なことがある子どもたちが週に1回通っている
ここで8年前から行われている「自分研究」
苦手なことを“キャラクター化”して、いつ、どんな場面で起きるのか分析したり、対策を考える
感情表現が苦手でクラスで孤立しがちな子
イラストを使って、ほんとうの感情を伝える研究をした
「イライラしているように見えても、今はこういう感じ(疲れたり、ダルイ)だよって指でさすと、“ああそうなんだ”てなる」
Q:この研究をやってみてどうでした?
楽しくて、好きになりました
気持ちの切り替えや、突発的な出来事が苦手な子の『学校あるある事典』
「この本は学校あるあるを集めたんですよ!」
(「ま、いいか」はおまじないだねv
(この子たちが、社会の息苦しい“規範”に合わせてくれているんだな 自分の自由を犠牲にしても
文字を読むのが苦手な女の子
「読み上げペン」という道具があり、専用の教科書の文字にタッチすると女性の声で読み上げられる(!
去年から使い始め、それまで20点だったテストで80点とれた
(点数をとるのが目的じゃなく、本人に自信がついたり、やる気が出たりすることが大事なんだ
「自分研究」を導入したのは、小学校教諭の森村さん
きっかけは、苦手なことがあるせいで自己評価の低い子どもたちに
苦手は対処できると気づいてほしいと思ったから
森村:
「バカなの?」とか「私って変わってる?」「おかしいんでしょ?」ということを
関係が出来てくると、訴えてくることが多くて
「ぼくはダメ!」みたいなことから切り分けて
あなたはあなた、問題は問題
だから問題だけに対応しようというふうにいけることが、とても研究だと思っている
(マインドフルネスにも似てる
まる得マガジン ストレスに負けない! マインドフルネス(7)(8)
「新・瞑想法“マインドフルネス”で脳を改善!@サイエンスZERO
NHKスペシャル『キラーストレス』第2回 ストレスから脳を守れ ~最新科学で迫る対処法~
●1年生の時から通っているてるきくん(10)の苦手なこと:喋りたい衝動を抑えること
このせいで、クラスでトラブルを起こしていた時期があった
森村:
1年前のてるさんは、喋りすぎてしまって
「うるさい」「うるさい」ってみんなに声をかけられて
「僕はうるさくなんかない」と言っていた
自分ばかり責められるので、学校に来るのが嫌になっていた
(近くで本人がいっしょに話を聞いているのもイイね ちゃんと話を聞いて、理解している
「てるきくんの研究」
1.悩みをキャラクター化(おお!強そう!
どんな時に現れるのかが見えてきた
てるきくん:ストレスとか、興奮が原因になって、コイツが暴れる(ちゃんと問題と自分を分けて、分析できてる
2.原因が分かったら、次は対処法
ストレスがたまり、ペラペラノドンが暴れそうだと感じたら「クールダウン」お札を発動
喋りすぎていることに自分で気づかない場合は、先生に「ストップ」お札を出してもらう
(素晴らしいアイデア/感動
クラスで実際試してみたら、効果があらわれた
研究に取り組んだことで、家族との関係も変わった
父:
止まれないとか、人の話を聞けない、というか聞かない
だから「ダメだよ」と言っても止まらないし、やめない
1回叩いたりして、痛いから1回止まるから そういうことをしていたが
終わった時に「はぁーーー」となってしまう(反省
父はてるきくんの喋りすぎは「わがままだ」として、
将来を思って、なんとか抑えようとして厳しく接してきたが
研究の話を聞いて見方が変わった
父:研究を見せてもらって、あ、てるも大変だったんだなと分かった
てる:やっと分かったんだよね!
●てるきくんの在籍するクラスでもこの手法を取り入れた
テーマは「自分の苦手を知ろう」
てるきくんは、クラスのみんなの苦手を聞くのは初めて
いろんな意見が次々と出た
「人の話を聞かない」
「走るのが苦手」
「意見が合っているか分からないから、なかなか言えない」
「ちょっとしたことですぐ怒る」
「ただただ空気が読めない」(それに対して「あー言えてる、たしかに」て女子に言われてた
てるきくんは「自分研究」の成果を発表(すごいハキハキとプレゼンしてる/驚
「研究のきっかけ:
話しすぎて、相手も自分も困ったから
うるさいと言われるのが嫌だったからです
実験1:喋り過ぎてしまうことをキャラクターにしました
名前はペラペラノドン 特徴は、授業中などいろいろな場面で現れる
(今ってこんな大きなスクリーンに映せるのね!
昔は見づらいOHPプロジェクターだったけど
発表後、てるきくんの周りに続々と集まる友だち
自分の苦手なことも研究してほしいと依頼がたくさん寄せられた
てるきくん:
とっっっても嬉しかったです! みんなが素直に悩みを教えてくれた
“空気が読めない”とか“人の話を聞かない”とか、気持ちがすごく分かりました
なので依頼をこなすのは、僕しかいないと思った(自己評価ぐーんとUP
Q:ペラペラノドンはいなくなったか?
てるきくん:まだいますけどね
先生:それは大人でもいるから大丈夫
(この先生もステキ ちゃんと児童心理学とか学んだんだろうなあ
●その他の対策グッズ
「気持ち切り替えレバー」
小学校2年生の女の子が作った、自分の気持ちを切り替える道具
「切り替える」と言って、「パタン」と倒れる音も含めて使う
(いいねえ、『ピタゴラスイッチ』みたい
「自分の気持ちをなかなか伝えられない子どもが、気持ちを伝えるイラスト」
(かあいい 『古墳ギャルのコフィー』ちゃんみたい
ブスっとしているように見えても「今は、ちょっと・・・」(触れないで欲しいと焦っている時)とか
緊張してドキドキしてますとか、いやいや今頑張るために気合いを入れているんですとか
類:
僕も顔が無表情なことが多かった
でもイライラしているわけじゃないということを周りに伝えにくかった
今思えば、こういうの作れば、上手くコミュニケーションとれたかもしれない
イノ:喜怒哀楽だけじゃない、細かいね!
「泣き虫ゴースト」
不安になると泣き虫になっちゃうので、絵に描いて、自分と分ける作業をする
特徴などを見ると細かく分析できる
左側は、そうなった時、自分はどうしたら落ち着けるのか、方法を考えた
1.「お守り」を見ると落ち着ける
2.短時間寝る(すごい大事なことばかり
梅永:
表現の仕方は人それぞれでいい
この先生は、お子さんの特徴をとてもよく捉えていると思う
類:
同じことを繰り返して、反省したりしても、また繰り返してしまう
反省しすぎた結果、自己肯定感が下がることがすごくある
こういう自分を助けてくれるアイテムがあれば、
時間がかかったり、道のりは長いかもしれないけれども
徐々に改善していけるかもしれない
NHKでは「発達障害プロジェクト」としていろいろな番組で向き合っていく
<FAX>
イノ:
こないだのNHKスペシャルでも「普通って何だろう?」て思った
学校でも言われてきたし、そうしたほうが全体的に効率的だと決められてしまったと思うけれども
でも「普通とは何か」答えられないこの状況はなんでしょうね?
有働:類さんはアメリカの学校に行っていて、その違いって何だと思います?
類:
人の捉え方にもよる 僕はとても不器用なので、何か調べるにもみんなは辞書で調べるけど
本をめくるのがダメなので、電子辞書を使ってて、それが許されていたけれども
日本では、みんな同じ条件で、平等でないと意味がないという考え方
たとえば、視力が弱い子が一番前に座れば、黒板が見えやすくなって、条件が同じになる
アメリカでは、それを30年前からやってる
僕らも他の人たちと同じ条件に追いつけるように認めてほしいと思います
有働:“普通”という概念が追い込んでしまうことはありますか?
梅永:
「普通」と言われてもやはり分からない
だから発達障害の方の出来る範囲で十分だと思う
ムリにその「普通」に合わせる必要はないと思います
有働:周りがどう配慮したらいいかという質問には?
梅永:
発達障害という診断だけではなく、その方の“困り感”を伝えてくれれば、周りも配慮してくれると思う
苦手をガマンするのではなく「コレは苦手だけど、コレは出来ます」と言って、互いに理解すればいいのではないか
専門家ゲスト:梅永雄二さん(早稲田大学教授)
ゲスト:くわばたりえさん(タレント)、栗原類さん(モデル)
リポーター:瀬田宙大アナウンサー
NHKスペシャル 「発達障害~解明される未知の世界~」
上記の続編にあたる
今度は、背景をベージュにかえていた
<FAX>
「感覚が過敏な自分にとって、スタジオに鮮やかなものが多過ぎて話に集中できない」
(とにかく、あらゆる場所、場面で人工的な情報過多な時代なんだよね
息が詰まると同時に、そのスピードに必死についてゆき、さらに多くの情報を求める自分もいる
●騒音が苦手な女子高生~聴覚過敏
中学生の時に「聴覚過敏」と診断された
彼女にとって街中は音の洪水 外から帰ると疲労困憊する
「耳も、脳も疲れている 耳の裏のへんが圧迫されている感じ」
(私も音遮断のヘッドフォンが欲しい
クルマ、しょっちゅうどこか掘ったり、マンション建てたりしている工事現場、
外まで流れる店内の宣伝音楽やアナウンス、、、これらに“慣れ”た脳の仕組みは進化なのか退化なのか
●類さんの苦手は「初めての場所に迷わず行くこと」
類さんは8歳で「発達障害」と診断された
中学生の頃は、母親が調べてくれ、指示してくれたが、それでも間違えて、目的地にたどり着けないことが多かった
(私も方向音痴だけど、どこが違うなんだろう
今は仕事で遅刻しないよう、時々知らない場所に行く練習をしている(認知行動療法みたいなものかな
この日行くと決めたのは、初めて行く美術館
スマホを見ながら地下鉄と徒歩で行く 電車に乗る前もスマホで再確認
交差点など迷う恐れがある場所でもこまめにスマホをチェック
一度ルートを外れると戻るのに苦労するため
案内図も確認して、スマホとは別の道を行けば近いと分かり、チャレンジ
「スマホに頼り過ぎないこと」も心がけている
元の道に戻ってきてしまったが、無事到着
(あら、世田谷美術館前でもフリマをやってるんだ/驚
類:
ちょっと遠回りしてしまったが、重要なのは早く来ることではなく、行けるかどうか
結果としては来られたからなんとかなったかなと思う
(うん、認知行動療法では、実際行動して、自己肯定が大事v
約束の時間が決まっていると焦ってしまうことはよくあった
スマホのルート通りに行かないと、ちゃんと行けたという気分にはならないが
真っ直ぐ行けば近いとか分かるのにも2年くらいかかった
そこで母に言われたのは
「機械の言いなりになるな」
「ちゃんと周りの景色を見て、スマホにあるコンビニとかの建物を照らし合わせれば、わざわざ元に戻らずにも行ける」
と何度も何度も言い聞かされて、ここ最近、やっとそれが出来るようになった
●「発達障害」とは? 主な3種類~ASD、ADHD、LD
「病気」ではなく、生まれつきの脳の特性
類:
僕はADHDと、音に過敏
たとえば、居酒屋に行くと、店内のBGMや、反対側で喋ってる人の声があまりに大きすぎて
隣りにいても、寄らないと聞こえない(居酒屋はうるさいよね
ヤナギー:それぞれの程度もあるじゃない? 違いがよく分からない
●「発達障害」の半数に「偏食」があると判明
「感覚過敏」が偏食の原因にもなっている高校2年生あっくんの例
あっくん:この豆、絶対食えない キノコ多い だって不味いもん
母:選んでるんだ
表面がなめらかな食感が苦手で、ゴムやプラスチックを口に入れたようで、体が一切受け付けない
(実際、プラスチックみたいな材料で出来た食べものが多い時代だよね
過剰な添加物、金儲けのための嗜好品を子どもたちに食べさせ続けた大人への1つのメッセージでは?
あっくん:
ヌルヌルしてて、食べた時に気持ち悪い感触が舌に残ったりして嫌
吐きたいという思いが出てきて、のどの奥に入れたくない
高橋教授は約140人の当事者に聞き取り調査を行い
「発達障害」の背景に「感覚の過敏」があると分かった
美味しそうなイチゴも、つぶつぶが目に飛び込んでくるように感じられ、気持ち悪い、怖いと思う人が多い
サクサクのコロッケは、口の中を針で刺されているようで痛くて食べられないという人が多い
その他
「食べ物を噛む音が耳障りでガマンできない」
「ニオイが強く、吐き気をもよおす」などで食事ができないケースもある
(色素、香料を抜いた自然食品でもダメなのかな?
高橋:
従来は、好き嫌いは、わがままと言われがちな問題だったが
これは生理学的な問題なので、そもそも受け付けられない
“好き嫌い”と“過敏”は分けて考える必要がある
あっくんは、周囲の理解を得られないまま、学校給食で食べられるものがほとんどなく
昼休みも一人だけ教室に残されて泣いていた
「食べられない」と言っても「わがままだ」とまったく聞いてもらえなかった
あっくん:
怖かった 先生方が「それはおかしい」と決めつけて
無理やり食べさせてくるのが辛かった
母親は「少しでも食べられるものを増やしてあげたい」と
家ではさまざまな食材を出して、試行錯誤してきた
母:
何を食べるのかなっていつも思っていた
何かしら増やしてあげたほうが、生きていくのが楽になるかなと思ったけれども
小学2年生の時に「発達障害」の診断を受けて、初めて“好き嫌い”とは違うと気付いた
食べられないものを出してごめんねと思った
食べられるものをとにかく探そうね
今は「偏食を治す」のではなく、食べられる範囲で栄養バランスをとろうと心がけている
あっくんは、トマトのぶよぶよした感じが嫌だというが、
母親の期待に応えようと、努力して食べるようにしている
(トマトの食感が嫌いな人は多いよね
母:
食事は1日3回きますので、それを根を詰めてやると、親も子も辛いのでほどほどにですね
嫌なものも摂って、栄養バランスさえ整えれば、彼は幸せですか?
そこに幸せはない気がしているので、諦めたり、頑張ったり、綱引きして幸せを探しています
類:
僕も小さい時、初めて麻婆豆腐を食べて、麻婆茄子じゃなくて豆腐じゃないとダメ
母が作ったのと同じ色、野菜じゃないと残してしまう
給食でも、同じ色じゃないから残したら、母親が先生に呼び出されたりしていた
でも、母は家で栄養をとるように意識してくれていた
<FAX>
「背景のベージュがまぶしくて見えづらい」という意見が来て、照明を15%ほど落とした
(照明もどこも明るすぎるんだよ、蛍光灯やネオンで夜も星空もない
「テレビのBGMもうるさくて、話が聞きづらい時があります」
類:
日本のバラエティや報道番組のセットってポップで柄が細かい
アメリカでは色や照明も暗くて、セットもシンプル
●偏食の問題は教育現場でどれだけ知られているのか?
池端:
教育現場ではまだまだ知られていないのが現状
誤解されて苦しむ子どもがたくさんいる
(アレルギー問題とかで、昔より緩和したと思ったけど、そうでもないのか
一律に「残さず食べましょう」という指導が行われているケースもあり
「食べない」という選択肢が認められないケースがある
(私も、給食のパサパサなコッペパンや、ソフト麺とか食べられず、
残すと昼休み遊ぶのを禁止されていたから、コッソリと巾着袋に入れて持って帰ってたりしたことを思い出した
“好き嫌い”とどう違うのか詳しく分かっていないので判断が難しい
保護者と教師が相談することも大切
イノ:アレルギーの対策と同じようにしていくしかないのかな?
瀬田アナ:親御さんからも発信して認知されることが必要
池端:
あっくんの場合、母親が「偏食は発達障害のせいです」と伝えたが
なかなか理解してもらえず、止む無く「アレルギーだ」という言い方をした
有働:15人に1人というのは多いのに進んでいないんですね
●改善に向けた取り組みの例
発達障害の子どもたちが通うセンター
まず、子どもの食事の傾向を細かく親から聞き取る
1人1人の感覚の適性に応じる(!
この日は「すき焼き」だが、肉や野菜の食感が苦手な子どものためにミキサーで柔らかくする
(肉をミキサーにかけた色のほうが私はヤヴァいな
逆に柔らかいのが苦手な子には、素揚げしてサクサクにする
食べられる食材を徐々に増やしていこうとしている取り組みのお蔭で
子どもたちは通常の調理法のものもだんだん食べられるようになるという
母親A「こんなにいろんな食材を食べられるようになると思わなかった」
母親B「食べることが好きになってきてくれた 「給食は楽しい」「美味しい」と言っている」
梅永:
まず、偏食は悪いことじゃない
我々でも食べられないものがあるし、成長にしたがい好き嫌いも変わる
ただ、ASDの方の中には、音・光・ニオイ・味覚に敏感な方がいるので
レタスのシャキシャキ感が苦手な人もいる
珍しい事例として、ある自閉症のお子さんは卵はダメ、カニは大の苦手
でも、お母さんに聞くと一番好きなのは「カニたま定食」だという
食感、ニオイとかが一緒になることで美味しくなることもある
だから、お母さんが工夫するのはとても素晴らしい(お父さんもね
イノ:味が嫌いなワケじゃないなら、最初に何がダメだと聞かないといけない?
梅永:
本人が何が苦手か我々が理解すること
やはり食べることは楽しくなければならないと思う
無理やり食べさせて失神した方もいます
ある意味、強引に食べさせるのは虐待に近くなる
瀬田:
一気に試すと本人も辛いので、たとえば小さいお皿でコレは食べられるかどうか
少しずつ親子関係の中で確認することがポイントになる
●片付けが苦手と折り合いをつけた女性の例
娘2人を育てるシングルマザーゆいさん(44):
どこから手をつけたらいいかが、まず分からない
捨てる・捨てないの判断ができない
33歳の時に「発達障害(ADHD)」と診断され、片付けられない理由が分かりすごくホッとした
それまでは「ガマン・努力が足りない」と幼稚園の時からずっと言われてきて
自分を責めに責めてきたんですけど、医者から「発達障害の特性だよ」と言われた
(“世間”では「ゴミ屋敷」とか「汚部屋」とか呼ばれるけれども、
それに至るさまざまな人それぞれの背景や事情がある
「想像力」がないと「共感」も生まれず、「排除」や「攻撃」につながる
タンスの前に衣服が積み上げられていて、タンスの中は空いている状態
タンスに入れると服の存在を忘れてしまうため、必要な服は見えるようにしている
小学生の頃から「忘れ物が多い」「整理整頓ができない」といつも怒られて
どんなに頑張ってもムリだった
ゆい:
自分は“ダメな子”なんだ、という感じがすごく強くて
やっぱり「いい子だね」って言われたいし、認めてもらいけれども
それが全然上手くいかないのが辛かった
大学卒業後、秘書として就職したが、スケジュール管理がまったく出来ず、数ヶ月で退職
23歳で結婚したが、片付けが出来ないことを夫から責められる日々が続いた
悩んだ挙句に病院を受診し27歳で「ADHD」と診断された
しかし、その後も「片付けが出来るようになりたい」という思いは強く持ち続けていた
(こんな雑誌のような生活感のない状態は保てないよ
ゆい:
片付けが出来ない人間は、人として認めてもらえないという感じがずっとあって
片付けさえ出来れば、上手くいくんじゃないかと
それが解決すれば、もっといい生活、ステキな生活が出来るんじゃないか
ゆいさんは、片付け法を徹底研究した
写真を撮って、置いてあるモノをメモして把握し、しまう場所を事前に決める
ゆい:
その場に行くと、何をやっていいのか分からなくなる
決まってたら、決まっていることを考えないでやるだけ
「賞味期限切れの食材」「まとめて紙ぶくろに」とか書いてある
ビフォーアフターの番組みたい/驚 でも数ヶ月しかもたなかった
部屋の片付けだけで疲れ果ててしまい、他のことが手につかなくなった
夫との関係はかえって悪化して、離婚
この時「自分は決して片付けられる側の人間にはなれないんだ」と思い知ったという
ゆい:
ものすごいいろんな努力をしても、普通の人にはなれないんだと気付いた
だから、普通の人になるための人生はやめなきゃいけない
全体を片付けるのは諦め、大事なところだけ頑張ることに切り替えた
子どもたちと食事をするキッチンとダイニングだけはキレイに保つと決めた
ゆい:
ちゃんとご飯が食べられて、家族で話す場所があるのを
一番大事にしようと思っていて、自分のできる範囲を大事にしないと
生活が全部崩れちゃうので、これがいい状態なんです
(それぞれ、いちばん大切なものは違うもんね
自分を受け入れたことで、他の苦手なこととの付き合い方も変わった
ゆいさんは今、「発達障害」の人の就職を支援するキャリアカウンセラーの仕事をしている
ここではスケジュール管理など、苦手なことを同僚に隠さずに伝え、サポートしてもらっている
ゆい:
できないことに目を向けていると、いつまでたっても出来ることが見えてこない
全エネルギーで出来ないことばかり見てしまっているから
まずそこは整理して置いておいて、そうじゃないところに目を向けることが大事だと思っている
(この前向きさが“うつ”などの二次障害にいかなかったのか
ゆいさんの場合、子どもを育てなければならないことが、
強い“動機付け”になっていると思う
類:
僕も片付けるのが苦手
冷蔵庫でも、同じ場所に置かないと気持ち悪くなったりする
それは“几帳面”とは違う感覚
僕もデッドスペースはすごい多かったが、空いたスペースに入れることを
何年も何年もやり続けた結果、最近出来るようになった
<FAX>
「片付けが出来ないことと、発達障害の違いはどう分かるのか?」
梅永:
このゆいさんも、小さい頃から一生懸命努力されていると思う でも限界がある
発達障害に対する人たちを、私たちは「定型発達」と呼ぶんですが
「定型発達」の人は努力すれば出来るが、発達障害の方は限界がある
ゆいさんのように、出来ないことは出来ない
そこを理解してあげて、私は他の援助を受けてもいいと思っている
(類くんのように、何度も練習して出来るようになるケースもあるし、
「定型発達」の人にも限界はあるし、ほんとうに複雑だな
ヤナギー:努力自体しない場合はどう?
梅永:
努力するよう働きかけが必要
発達障害の人は努力しても出来ない場合が多い
類:出来ないことを避ける方法を考えたりする
FAXでも「ADHDだが、あさイチのポップなセットは好きです」という人もいるのでセットを戻した
●あるユニークな学校の取り組み
集団に馴染めない、学習で極端に苦手なことがある子どもたちが週に1回通っている
ここで8年前から行われている「自分研究」
苦手なことを“キャラクター化”して、いつ、どんな場面で起きるのか分析したり、対策を考える
感情表現が苦手でクラスで孤立しがちな子
イラストを使って、ほんとうの感情を伝える研究をした
「イライラしているように見えても、今はこういう感じ(疲れたり、ダルイ)だよって指でさすと、“ああそうなんだ”てなる」
Q:この研究をやってみてどうでした?
楽しくて、好きになりました
気持ちの切り替えや、突発的な出来事が苦手な子の『学校あるある事典』
「この本は学校あるあるを集めたんですよ!」
(「ま、いいか」はおまじないだねv
(この子たちが、社会の息苦しい“規範”に合わせてくれているんだな 自分の自由を犠牲にしても
文字を読むのが苦手な女の子
「読み上げペン」という道具があり、専用の教科書の文字にタッチすると女性の声で読み上げられる(!
去年から使い始め、それまで20点だったテストで80点とれた
(点数をとるのが目的じゃなく、本人に自信がついたり、やる気が出たりすることが大事なんだ
「自分研究」を導入したのは、小学校教諭の森村さん
きっかけは、苦手なことがあるせいで自己評価の低い子どもたちに
苦手は対処できると気づいてほしいと思ったから
森村:
「バカなの?」とか「私って変わってる?」「おかしいんでしょ?」ということを
関係が出来てくると、訴えてくることが多くて
「ぼくはダメ!」みたいなことから切り分けて
あなたはあなた、問題は問題
だから問題だけに対応しようというふうにいけることが、とても研究だと思っている
(マインドフルネスにも似てる
まる得マガジン ストレスに負けない! マインドフルネス(7)(8)
「新・瞑想法“マインドフルネス”で脳を改善!@サイエンスZERO
NHKスペシャル『キラーストレス』第2回 ストレスから脳を守れ ~最新科学で迫る対処法~
●1年生の時から通っているてるきくん(10)の苦手なこと:喋りたい衝動を抑えること
このせいで、クラスでトラブルを起こしていた時期があった
森村:
1年前のてるさんは、喋りすぎてしまって
「うるさい」「うるさい」ってみんなに声をかけられて
「僕はうるさくなんかない」と言っていた
自分ばかり責められるので、学校に来るのが嫌になっていた
(近くで本人がいっしょに話を聞いているのもイイね ちゃんと話を聞いて、理解している
「てるきくんの研究」
1.悩みをキャラクター化(おお!強そう!
どんな時に現れるのかが見えてきた
てるきくん:ストレスとか、興奮が原因になって、コイツが暴れる(ちゃんと問題と自分を分けて、分析できてる
2.原因が分かったら、次は対処法
ストレスがたまり、ペラペラノドンが暴れそうだと感じたら「クールダウン」お札を発動
喋りすぎていることに自分で気づかない場合は、先生に「ストップ」お札を出してもらう
(素晴らしいアイデア/感動
クラスで実際試してみたら、効果があらわれた
研究に取り組んだことで、家族との関係も変わった
父:
止まれないとか、人の話を聞けない、というか聞かない
だから「ダメだよ」と言っても止まらないし、やめない
1回叩いたりして、痛いから1回止まるから そういうことをしていたが
終わった時に「はぁーーー」となってしまう(反省
父はてるきくんの喋りすぎは「わがままだ」として、
将来を思って、なんとか抑えようとして厳しく接してきたが
研究の話を聞いて見方が変わった
父:研究を見せてもらって、あ、てるも大変だったんだなと分かった
てる:やっと分かったんだよね!
●てるきくんの在籍するクラスでもこの手法を取り入れた
テーマは「自分の苦手を知ろう」
てるきくんは、クラスのみんなの苦手を聞くのは初めて
いろんな意見が次々と出た
「人の話を聞かない」
「走るのが苦手」
「意見が合っているか分からないから、なかなか言えない」
「ちょっとしたことですぐ怒る」
「ただただ空気が読めない」(それに対して「あー言えてる、たしかに」て女子に言われてた
てるきくんは「自分研究」の成果を発表(すごいハキハキとプレゼンしてる/驚
「研究のきっかけ:
話しすぎて、相手も自分も困ったから
うるさいと言われるのが嫌だったからです
実験1:喋り過ぎてしまうことをキャラクターにしました
名前はペラペラノドン 特徴は、授業中などいろいろな場面で現れる
(今ってこんな大きなスクリーンに映せるのね!
昔は見づらいOHPプロジェクターだったけど
発表後、てるきくんの周りに続々と集まる友だち
自分の苦手なことも研究してほしいと依頼がたくさん寄せられた
てるきくん:
とっっっても嬉しかったです! みんなが素直に悩みを教えてくれた
“空気が読めない”とか“人の話を聞かない”とか、気持ちがすごく分かりました
なので依頼をこなすのは、僕しかいないと思った(自己評価ぐーんとUP
Q:ペラペラノドンはいなくなったか?
てるきくん:まだいますけどね
先生:それは大人でもいるから大丈夫
(この先生もステキ ちゃんと児童心理学とか学んだんだろうなあ
●その他の対策グッズ
「気持ち切り替えレバー」
小学校2年生の女の子が作った、自分の気持ちを切り替える道具
「切り替える」と言って、「パタン」と倒れる音も含めて使う
(いいねえ、『ピタゴラスイッチ』みたい
「自分の気持ちをなかなか伝えられない子どもが、気持ちを伝えるイラスト」
(かあいい 『古墳ギャルのコフィー』ちゃんみたい
ブスっとしているように見えても「今は、ちょっと・・・」(触れないで欲しいと焦っている時)とか
緊張してドキドキしてますとか、いやいや今頑張るために気合いを入れているんですとか
類:
僕も顔が無表情なことが多かった
でもイライラしているわけじゃないということを周りに伝えにくかった
今思えば、こういうの作れば、上手くコミュニケーションとれたかもしれない
イノ:喜怒哀楽だけじゃない、細かいね!
「泣き虫ゴースト」
不安になると泣き虫になっちゃうので、絵に描いて、自分と分ける作業をする
特徴などを見ると細かく分析できる
左側は、そうなった時、自分はどうしたら落ち着けるのか、方法を考えた
1.「お守り」を見ると落ち着ける
2.短時間寝る(すごい大事なことばかり
梅永:
表現の仕方は人それぞれでいい
この先生は、お子さんの特徴をとてもよく捉えていると思う
類:
同じことを繰り返して、反省したりしても、また繰り返してしまう
反省しすぎた結果、自己肯定感が下がることがすごくある
こういう自分を助けてくれるアイテムがあれば、
時間がかかったり、道のりは長いかもしれないけれども
徐々に改善していけるかもしれない
NHKでは「発達障害プロジェクト」としていろいろな番組で向き合っていく
<FAX>
イノ:
こないだのNHKスペシャルでも「普通って何だろう?」て思った
学校でも言われてきたし、そうしたほうが全体的に効率的だと決められてしまったと思うけれども
でも「普通とは何か」答えられないこの状況はなんでしょうね?
有働:類さんはアメリカの学校に行っていて、その違いって何だと思います?
類:
人の捉え方にもよる 僕はとても不器用なので、何か調べるにもみんなは辞書で調べるけど
本をめくるのがダメなので、電子辞書を使ってて、それが許されていたけれども
日本では、みんな同じ条件で、平等でないと意味がないという考え方
たとえば、視力が弱い子が一番前に座れば、黒板が見えやすくなって、条件が同じになる
アメリカでは、それを30年前からやってる
僕らも他の人たちと同じ条件に追いつけるように認めてほしいと思います
有働:“普通”という概念が追い込んでしまうことはありますか?
梅永:
「普通」と言われてもやはり分からない
だから発達障害の方の出来る範囲で十分だと思う
ムリにその「普通」に合わせる必要はないと思います
有働:周りがどう配慮したらいいかという質問には?
梅永:
発達障害という診断だけではなく、その方の“困り感”を伝えてくれれば、周りも配慮してくれると思う
苦手をガマンするのではなく「コレは苦手だけど、コレは出来ます」と言って、互いに理解すればいいのではないか