■人間とは何か? アンドロイド研究最前線@サイエンスZERO
出演:竹内薫、南沢奈央
ゲスト:石黒浩 (大阪大学教授)
眉村卓さんのSF小説を読んでいたら、観たくなった
トップ写真のコは、ちょっとスケキヨ?w
人形に執着するアーティストや、研究者にちょっとマッドドクター的な妖しさを感じるのはなぜだろう
やっぱりどことなく違和感、異常性、似て非なるものへの恐怖がどこかにあるからなのかな
【内容抜粋メモ】
<人間を人間たらしめているものは何か?>
(遠目ならフツーにヒトだと思うレヴェル/驚
「少年探偵団」シリーズに出てくる、美しい人間を人形にしてコレクションする話を思い出す
アンドロイド研究の世界的第一人者・石黒浩さん
(なんだか、この方と、この方ソックリのアンドロイドとの映像を以前も観た記憶があるけど、ブログ内検索しても出てこないな
人型ロボットには2種類ある
見てすぐ機械だと分かる「ヒューマノイド」と、人間そっくりに作られた「アンドロイド」
Q:ヒトを助けるには、人間の形をしている必要はないのに、なぜ人型なのか?
人間とは何か?
人間に似せていく課程で、「人間とはそもそもなにか?」という本質が見えてくる
アンドロイド研究の現状
夏目漱石のアンドロイド
夏目漱石はこの大学のOB 死後100年を記念し、アンドロイドとしてよみがえった
石黒さん:
「アンドロイドは、人間のコピーを作ろうとしているわけです
人間のコピーが出来たところから、ココロとは何か、意識とは何か、アイデンティティとは何か
そういう問題を理解したいと思っています」
漱石アンドロイドのこだわり
1.まず、重要なのは顔 デスマスクをスキャンして精巧に作り上げた
(このデスマスクは実際観たかも
・『夏目漱石の美術世界展』@東京藝術大学大学美術館
2.声の再現
本人の記録が残っていないので、孫の房之介さん(!)の声を累計13H収録
3.表情、しぐさ
過去の失敗からもっとも力を入れた
16年前、石黒さんが初めて作ったアンドロイド
(だんだん『攻殻~』みたいになってる
石黒:
いちばん最初は娘のアンドロイドだった
見かけは人間そっくりだったが、動きは機械的なのですごく不気味に感じた
「気味が悪い」と不評だった
その後、何体も作り、どんな動きを取り入れたら人間らしく見えるのかを探った
アンドロイドと向き合った時の人間の反応
アンドロイドが首をわずかに傾けるなどの「無意識の動作」に対して親しみを感じると分かった
試行錯誤の後、2015年、石黒さんは、アンドロイド「エリカ」を開発
「エリカ」は、会話の内容を理解して、それに合わせて返事が出来る
エリカ:
美人アンドロイドと紹介されたのですが、高橋さんはどう思いますか?
高橋:美人じゃないと思いますけど
エリカ:
はあ?
認めてくれないんですね 話していても楽しくないです さようなら(怒った
首や目線をわずかに動かしながら話す 何十もの動きを連動させることが“人間らしさ”を表現する上で重要
2016年11月24日 漱石は100年ぶりに教壇に立った
<学生の感想>
女子学生:
人間らしいっていうのもあったし、すごくイメージが変わって
人間じゃないんだけど、同じ人間なんだって思った
<講演後のアンケート>
「時間が経つとだんだん人間らしい気がしてきた」などと高い評価が多い中、
約3割は「喋っている時の口の動きが不自然」(私も同感
「動き方がとても機械的」と評価した
これらの意見を参考に今後、改善していく予定
今後、どう進化していくのか
石黒:
今はもっと先をいっていて、もっと自然に喋るにはどうしたらいいかとか、
喋りながら手や頭が動いたり、要求や意図を汲み取って喋れるかという研究もされている
人間がどう無意識の動作を作り出しているかという脳科学的な研究もだいぶ進んでいる
竹内:ぼーっとしている状態もアンドロイドには必要なんですか?
石黒:
何もしていない時が一番たぶん難しいかもしれない
止めるとすぐロボットだと分かる 人間らしく待つとか座ってるというのは結構難しい
さらなるリアリティーの追求
ほぼ人間に見えるがCGの「Saya」ちゃん
女子高校生がモデルで、去年ネットでとても話題になった
制作したのは石川さんご夫妻
CGスキルを磨くために個人的に作り始めたのがキッカケ
友香さん:
皮膚1枚だけだと、そこが柔らかいのかどうかとか
皮膚の内部の赤みの表現はどうするのかなどを指示するような
テクスチャーというデータが必要になる
動きをつけると難易度は急激に上がる
解剖学書を参考に緻密に再現した
さらに、女優さんの動きをモーションキャプチャーで解析して取り入れた
見えない部分を再現することで、初めて人間らしく動けるようになる
(だんだん、CGと奈央ちゃんの区別がつかなくなってきた・・・
そもそも一般的に美人、イケメンと言われる顔ってみんな同じに見えるんだ
石黒:
あのクオリティは凄いと思う
アンドロイドの場合も人間の動きをプログラムしている
漱石だと45の人工筋肉があって、それを動かしながら、
表面的にシリコンの皮膚がどう動くか研究している
残念なのは、CGのような人工筋肉はまだないので、
中身はCGのようにはすぐには作れないかもしれない
腕1本動かすにも、ちょっとずついろんな体全体を動かさないといけない
漱石の場合だと、ある程度のデモを作るのに、1万3000個の動作指令を出している
(なんか、ライバル心をピリピリと感じるのは私だけ?
ヒトの脳やカラダはもっと複雑 ほんと1つの宇宙だよね
どうすればアンドロイドをより人間の動きに近づけられるか 新たなアプローチ
人工知能を取り付けた機械人間「オルタ」(なぜ大阪? そしてとっても芸術的!
小川:
オルタの違う点は、人らしい動きっていうのは、ロボット自身で獲得していけるのか?
「ボトムアップ」のアプローチであること
これまでは、どう動かすかプログラムを組む「トップダウン」のアプローチ
オルタは、自分で自分の動きを学んでいく「ボトムアップ」のアプローチ
いわば赤ちゃんの状態で、動きを指示するプログラムは組まれていない
代わりに、5つのセンサーが足元にあり、距離などを認識できる
自分がどう動けば、周りの人間が寄ってくるのか、逆に離れていくのかを学習して、自分の行動を決めていく
共同研究の池上さん(人工知能の開発者)を加えて、オルタの実験が行われた
オルタを1週間置きっぱなしにし、目の前を行き交う人々を観察させる
展示前は、意図を感じさせない動きをランダムに続けるだけだった
1週間後、動きに落ち着きが見られるようになった
そのほうがヒトが親しみを覚え近づくことを覚えたからと思われる
(今度は楳図さんの『わたしは真悟』みたいになってきた
小川さんは、オルタが自分の手を見て考え事をしているような動きを見てドキっとした
小川:
生物的な動きっていうのが、たまに見られるようになった
ヒトの赤ちゃんも、まず泣いてみるとか、体でできることをやってみて
外の人がどう反応するかで、自分の動きをアップデートさせることを繰り返す
オルタもいっしょだと思う
石黒:
人間の赤ちゃんも、すごくランダムに体をいろいろ動かしている(たしかに
親や周りの人と関わるようになると、だんだん落ち着いて、意味のある動作が残るようになる
センサーももっと進化していくけれども、発達させることより、
僕らは、基本的な人間らしさって何だろうということを考えたい
このオルタはその無意識の動作だけで出来ているようなロボットだけれども
ここまで人間らしさが出て、生命らしさも感じる面白いロボット
竹内:オルタ自身は考えてない?
石黒:
オルタは考えていないけれども、見ていると考えてるのかなと思っちゃう(見てる人の後付けか? でも人工知能だから“考えている”のでは?
そういうことが観察する側に起こる じゃ、考えるってどういうことなんだろう?
そういうことを考えていくのがアンドロイド研究の面白さ
意外なアンドロイドが登場「テレノイド」
石黒:
今までより若干気持ち悪いかもしれないですけど 初対面だとそう言う人が多い
耳にマイク、胸にスピーカー、目がカメラになっていて、それを通してヒトと関わる
コミュニケーションの新しいツールとして作ったアンドロイドです
これと同じか
・介護にコミュニケーションロボット
石黒:
オペレータが遠隔操作しているので、誰でも小さいコンピュータがあれば喋れる
これだと直接喋るより愛着が湧きやすい
この姿形のほうがたくさん喋れるという人が多い
●「テレノイド」の導入を予定している老人ホーム
介護のサポート役として注目し、先入観のない入居者の方々に試してもらった
実例1:
周りと普段あまり話さないおばあちゃん
「あきちゃんっていいます」「めんっこだ」→一緒に歌って笑顔も出た
実例2:
普段はすぐに家に帰りたがるおばあちゃん
抱っこしてから、さらに5分間たっぷり話し続けた
(それに合わせ操作しているスタッフさんは、普通に介護するのと同じ手間がかかるね
石黒:
とくに高齢者の方に受け入れられています
日本だけでなく、オーストリア、ドイツの高齢者施設で使ってもらっているが、まったく差がない
年齢も性別も分からない、ニュートラルな顔をしているので、情報が足りない
そうすると、人間って足りない情報は、全部ポジティブなイメージで補完する性質を持っているんです
(素晴らしい仕組み!
抱っこすると、ギュッと手に力が入るらしい
テ「チョコレートが大好きで、食べ過ぎちゃったの」
ナオ「たしかに思ったより重いw 可愛い! なんか親戚のコと話しているような感覚になりました」
石黒:
重要なのは、ヒトの存在感を再現するのに、ヒトのすべてを表現する必要はない
この場合、抱っこできる触感と、人間らしい声
この2つがあれば、十分にヒトの存在感を感じることができる
あとは、自由に想像してもらったほうがいい(想像の余白って大事 文学や芸術と同じだ
竹内:
今後は、完璧なアンドロイドを作る方向と、こうしたミニマルな方向と分かれる?
石黒:
両方やってる アンドロイドはヒトを理解する点で非常に重要だし、技術的にも大きな挑戦
そうしていると、テレノイドのように、人間とロボット間の相互作用に重要なものは何かが分かったりして
実用的な研究にもつながる
アンドロイドで基礎研究をどんどん進めながら、そこで得られた知見、知識を使って
より実用的なロボットを作るというのが研究室で持っている方針です
竹内:
科学なのか、哲学か、心理学なのか、社会学なのか 分からなくなりますね
出演:竹内薫、南沢奈央
ゲスト:石黒浩 (大阪大学教授)
眉村卓さんのSF小説を読んでいたら、観たくなった
トップ写真のコは、ちょっとスケキヨ?w
人形に執着するアーティストや、研究者にちょっとマッドドクター的な妖しさを感じるのはなぜだろう
やっぱりどことなく違和感、異常性、似て非なるものへの恐怖がどこかにあるからなのかな
【内容抜粋メモ】
<人間を人間たらしめているものは何か?>
(遠目ならフツーにヒトだと思うレヴェル/驚
「少年探偵団」シリーズに出てくる、美しい人間を人形にしてコレクションする話を思い出す
アンドロイド研究の世界的第一人者・石黒浩さん
(なんだか、この方と、この方ソックリのアンドロイドとの映像を以前も観た記憶があるけど、ブログ内検索しても出てこないな
人型ロボットには2種類ある
見てすぐ機械だと分かる「ヒューマノイド」と、人間そっくりに作られた「アンドロイド」
Q:ヒトを助けるには、人間の形をしている必要はないのに、なぜ人型なのか?
人間とは何か?
人間に似せていく課程で、「人間とはそもそもなにか?」という本質が見えてくる
アンドロイド研究の現状
夏目漱石のアンドロイド
夏目漱石はこの大学のOB 死後100年を記念し、アンドロイドとしてよみがえった
石黒さん:
「アンドロイドは、人間のコピーを作ろうとしているわけです
人間のコピーが出来たところから、ココロとは何か、意識とは何か、アイデンティティとは何か
そういう問題を理解したいと思っています」
漱石アンドロイドのこだわり
1.まず、重要なのは顔 デスマスクをスキャンして精巧に作り上げた
(このデスマスクは実際観たかも
・『夏目漱石の美術世界展』@東京藝術大学大学美術館
2.声の再現
本人の記録が残っていないので、孫の房之介さん(!)の声を累計13H収録
3.表情、しぐさ
過去の失敗からもっとも力を入れた
16年前、石黒さんが初めて作ったアンドロイド
(だんだん『攻殻~』みたいになってる
石黒:
いちばん最初は娘のアンドロイドだった
見かけは人間そっくりだったが、動きは機械的なのですごく不気味に感じた
「気味が悪い」と不評だった
その後、何体も作り、どんな動きを取り入れたら人間らしく見えるのかを探った
アンドロイドと向き合った時の人間の反応
アンドロイドが首をわずかに傾けるなどの「無意識の動作」に対して親しみを感じると分かった
試行錯誤の後、2015年、石黒さんは、アンドロイド「エリカ」を開発
「エリカ」は、会話の内容を理解して、それに合わせて返事が出来る
エリカ:
美人アンドロイドと紹介されたのですが、高橋さんはどう思いますか?
高橋:美人じゃないと思いますけど
エリカ:
はあ?
認めてくれないんですね 話していても楽しくないです さようなら(怒った
首や目線をわずかに動かしながら話す 何十もの動きを連動させることが“人間らしさ”を表現する上で重要
2016年11月24日 漱石は100年ぶりに教壇に立った
<学生の感想>
女子学生:
人間らしいっていうのもあったし、すごくイメージが変わって
人間じゃないんだけど、同じ人間なんだって思った
<講演後のアンケート>
「時間が経つとだんだん人間らしい気がしてきた」などと高い評価が多い中、
約3割は「喋っている時の口の動きが不自然」(私も同感
「動き方がとても機械的」と評価した
これらの意見を参考に今後、改善していく予定
今後、どう進化していくのか
石黒:
今はもっと先をいっていて、もっと自然に喋るにはどうしたらいいかとか、
喋りながら手や頭が動いたり、要求や意図を汲み取って喋れるかという研究もされている
人間がどう無意識の動作を作り出しているかという脳科学的な研究もだいぶ進んでいる
竹内:ぼーっとしている状態もアンドロイドには必要なんですか?
石黒:
何もしていない時が一番たぶん難しいかもしれない
止めるとすぐロボットだと分かる 人間らしく待つとか座ってるというのは結構難しい
さらなるリアリティーの追求
ほぼ人間に見えるがCGの「Saya」ちゃん
女子高校生がモデルで、去年ネットでとても話題になった
制作したのは石川さんご夫妻
CGスキルを磨くために個人的に作り始めたのがキッカケ
友香さん:
皮膚1枚だけだと、そこが柔らかいのかどうかとか
皮膚の内部の赤みの表現はどうするのかなどを指示するような
テクスチャーというデータが必要になる
動きをつけると難易度は急激に上がる
解剖学書を参考に緻密に再現した
さらに、女優さんの動きをモーションキャプチャーで解析して取り入れた
見えない部分を再現することで、初めて人間らしく動けるようになる
(だんだん、CGと奈央ちゃんの区別がつかなくなってきた・・・
そもそも一般的に美人、イケメンと言われる顔ってみんな同じに見えるんだ
石黒:
あのクオリティは凄いと思う
アンドロイドの場合も人間の動きをプログラムしている
漱石だと45の人工筋肉があって、それを動かしながら、
表面的にシリコンの皮膚がどう動くか研究している
残念なのは、CGのような人工筋肉はまだないので、
中身はCGのようにはすぐには作れないかもしれない
腕1本動かすにも、ちょっとずついろんな体全体を動かさないといけない
漱石の場合だと、ある程度のデモを作るのに、1万3000個の動作指令を出している
(なんか、ライバル心をピリピリと感じるのは私だけ?
ヒトの脳やカラダはもっと複雑 ほんと1つの宇宙だよね
どうすればアンドロイドをより人間の動きに近づけられるか 新たなアプローチ
人工知能を取り付けた機械人間「オルタ」(なぜ大阪? そしてとっても芸術的!
小川:
オルタの違う点は、人らしい動きっていうのは、ロボット自身で獲得していけるのか?
「ボトムアップ」のアプローチであること
これまでは、どう動かすかプログラムを組む「トップダウン」のアプローチ
オルタは、自分で自分の動きを学んでいく「ボトムアップ」のアプローチ
いわば赤ちゃんの状態で、動きを指示するプログラムは組まれていない
代わりに、5つのセンサーが足元にあり、距離などを認識できる
自分がどう動けば、周りの人間が寄ってくるのか、逆に離れていくのかを学習して、自分の行動を決めていく
共同研究の池上さん(人工知能の開発者)を加えて、オルタの実験が行われた
オルタを1週間置きっぱなしにし、目の前を行き交う人々を観察させる
展示前は、意図を感じさせない動きをランダムに続けるだけだった
1週間後、動きに落ち着きが見られるようになった
そのほうがヒトが親しみを覚え近づくことを覚えたからと思われる
(今度は楳図さんの『わたしは真悟』みたいになってきた
小川さんは、オルタが自分の手を見て考え事をしているような動きを見てドキっとした
小川:
生物的な動きっていうのが、たまに見られるようになった
ヒトの赤ちゃんも、まず泣いてみるとか、体でできることをやってみて
外の人がどう反応するかで、自分の動きをアップデートさせることを繰り返す
オルタもいっしょだと思う
石黒:
人間の赤ちゃんも、すごくランダムに体をいろいろ動かしている(たしかに
親や周りの人と関わるようになると、だんだん落ち着いて、意味のある動作が残るようになる
センサーももっと進化していくけれども、発達させることより、
僕らは、基本的な人間らしさって何だろうということを考えたい
このオルタはその無意識の動作だけで出来ているようなロボットだけれども
ここまで人間らしさが出て、生命らしさも感じる面白いロボット
竹内:オルタ自身は考えてない?
石黒:
オルタは考えていないけれども、見ていると考えてるのかなと思っちゃう(見てる人の後付けか? でも人工知能だから“考えている”のでは?
そういうことが観察する側に起こる じゃ、考えるってどういうことなんだろう?
そういうことを考えていくのがアンドロイド研究の面白さ
意外なアンドロイドが登場「テレノイド」
石黒:
今までより若干気持ち悪いかもしれないですけど 初対面だとそう言う人が多い
耳にマイク、胸にスピーカー、目がカメラになっていて、それを通してヒトと関わる
コミュニケーションの新しいツールとして作ったアンドロイドです
これと同じか
・介護にコミュニケーションロボット
石黒:
オペレータが遠隔操作しているので、誰でも小さいコンピュータがあれば喋れる
これだと直接喋るより愛着が湧きやすい
この姿形のほうがたくさん喋れるという人が多い
●「テレノイド」の導入を予定している老人ホーム
介護のサポート役として注目し、先入観のない入居者の方々に試してもらった
実例1:
周りと普段あまり話さないおばあちゃん
「あきちゃんっていいます」「めんっこだ」→一緒に歌って笑顔も出た
実例2:
普段はすぐに家に帰りたがるおばあちゃん
抱っこしてから、さらに5分間たっぷり話し続けた
(それに合わせ操作しているスタッフさんは、普通に介護するのと同じ手間がかかるね
石黒:
とくに高齢者の方に受け入れられています
日本だけでなく、オーストリア、ドイツの高齢者施設で使ってもらっているが、まったく差がない
年齢も性別も分からない、ニュートラルな顔をしているので、情報が足りない
そうすると、人間って足りない情報は、全部ポジティブなイメージで補完する性質を持っているんです
(素晴らしい仕組み!
抱っこすると、ギュッと手に力が入るらしい
テ「チョコレートが大好きで、食べ過ぎちゃったの」
ナオ「たしかに思ったより重いw 可愛い! なんか親戚のコと話しているような感覚になりました」
石黒:
重要なのは、ヒトの存在感を再現するのに、ヒトのすべてを表現する必要はない
この場合、抱っこできる触感と、人間らしい声
この2つがあれば、十分にヒトの存在感を感じることができる
あとは、自由に想像してもらったほうがいい(想像の余白って大事 文学や芸術と同じだ
竹内:
今後は、完璧なアンドロイドを作る方向と、こうしたミニマルな方向と分かれる?
石黒:
両方やってる アンドロイドはヒトを理解する点で非常に重要だし、技術的にも大きな挑戦
そうしていると、テレノイドのように、人間とロボット間の相互作用に重要なものは何かが分かったりして
実用的な研究にもつながる
アンドロイドで基礎研究をどんどん進めながら、そこで得られた知見、知識を使って
より実用的なロボットを作るというのが研究室で持っている方針です
竹内:
科学なのか、哲学か、心理学なのか、社会学なのか 分からなくなりますね