ドラマ『永遠の仔』(2000 全12話 第1~5話)
第六話 弟が放火!!父の罪と母の死…家族が崩壊する
母に姉の真相を問い詰めるサトシ 「イジメにあって」とウソをつく母
サトシ:
隠すから家の中がギクシャクするんだよ 姉貴にどんな酷いことしたんだ
オレの将来のためだと思って全部ゆってよ 司法試験受けられないんだ
母:言えることじゃないの! ごめんなさい 死んでも言わない お墓まで持っていくんだから
1981 病院
ジラフらは「この夏、脱走しないか?」とユウキにもちかけると
「私は退院して登山に行きたいの 神様の山に登って救ってもらって、新しい別の人間になりたいの」
医師から「両親から退院の相談が来ている」と言われ、退院したいと言う
霊山に登るには保護者が一緒でないとダメだと言われる
ユウキが山に登りたいと話すと母は反対する
「迂回路を行けば誰でも登れるの」病院の登山療法も効いたと必死に説得
ユウキ:
汗といっしょに私の中の悪いものを全部出して、山頂でキレイな空気を吸って
そしたら生まれ変われるかもしれないじゃない! 治って欲しいんでしょ
いい子になるって約束するから!
母:
ユウキが危ない気がする 生まれ変われるってどういうことなの? どう生まれ変わりたいのよ
何か恐ろしいことが・・・
ユウキ:なんだって私の邪魔するんだから!
「サトシ、山に登りたいの」
(ユウキの考える唯一純粋な存在なんだな、サトシが
翌日、サトシは高熱を出して入院
父は母にサトシのそばにいろとガンコに言う 2人でフェリーに乗ることに不安を覚える母
(母親が歯止め役になっているのか
父:
ふざけやがって 全部、親が残した財産のくせに偉そうに!
女房のくせに調子に乗りやがって
また反対するようならあいつを殴ってやる ユウキのためならあいつを殴るのは平気だから
お父さん、カッコよかっただろ? ユウキのために戦ったんだからな
ホテルのレストランに寄ろう 汗も臭うぞ 食事はルームサービスに頼めばいい
(腕の包帯はリストカットじゃなくて、腕を噛むからだったんだ
看護師には腕を噛んだ傷を「ドアに挟んだが大したことない」とウソをつく父
(こんなウソに騙されるって、小児病棟って何の役に立つの?
母:なにもかもキレイ 草花も木も
急におんぶしてきて居心地が悪いユウキ
捜査中、長瀬が来る 走査線上にサトシの名前が上がってるか聞く
有沢:
オレは今回の事件に興味はない 死んでしまえば捜査の対象でしかない 所詮は歯車の1つだ
いい加減ウンザリしてるよ 今の仕事 本当にオレはしたかったのかって
一応、主任に聞いておくよ
ナオコの妊娠の話もすると「関係ないだろ!」と逆上する
2人も「神さまの山に登ろうか? 退院しても帰る所がないし」
有沢に養父母を希望する夫婦が面会に来る
夫:お宅に伺っても留守で、ようやくお父さんが教えてくれて押しかけてきたんだ
妻:何か必要なものがあれば、次来る時持ってくるから
それを聞いている長瀬
有沢は店に来て、ナオコに子どもを始末しろと金を渡す
ハムスターを外に捨て
「この程度で死にやしないさ 自分でエサを探す 自分で生きてくしかないんだ
親だって自分の身が一番可愛いんだ」
容態が急変し、救急で運ばれるナオコ
母体は大丈夫だが、流産してしまう
ユウキの家が火事 サトシは姉のもとに逃げてくる
「燃やしちゃったんだ、おふくろ
家に火をつけてオレも死ぬつもりだったけど、逃げてきた 全部オレが悪いんだよ」
家は全焼 目撃者がいる 居間で母が亡くなっていたから確認してほしいと警察に言われる
遺体を確認してショックで倒れるユウキ
(そんな確認、絶対イヤだ・・・なんて悲しい話なんだ
でも、必ず救いがあると知っているから観るんだ
第七話 父娘の秘密を告白!! 私のすべてを抱きしめて
ユウキは長瀬に電話する
「もうダメなの サトシだけは守ってやって どこにいるか分からない
私のことはいいの サトシを助けて あの子悪くない とっても可哀相」
1981
病院の屋上から飛び降りて助かったユウキ 両親が見舞いに来て、様子を見る2人
父:心から愛してることを忘れずに、自分を大切にするんだよ
1999
ユウキはトレーナー姿のまま消えた
長瀬は有沢にナオコの流産のことと、ユウキの行方不明を話す
有沢が病院に行くと伊島が待っている
「ユウキの行方は知らないか? サトシが灯油をまいて放火したんだ
オレは前に言ったな 親との間に確執があるんじゃないかと この結果を見てみろ!」
1981
病院に母1人で見舞いに来た
母:
今日はハッキリさせようと思って ユウキにほんとのこと話してもらいたいの
何もかも聞くから あんた自殺しようとしたの?
サトシが熱を出した時、何かあったの?
お父さん、あの晩、随分遅く帰ってきたわ おかしいと思ってたの
ユウキ:もう話したじゃない 前に話したじゃない!
母:
前の時は、前の時で、治療も受けたんだから、ほんとのことを聞きたいの
前の通りなら真剣に受け止めるから
逃げ出すと、ユウキが飛び降りた屋上で2人が待っている
「風が気持ちいいんだな!」
モウルに電話するユウキ すっかり子どもに返っている
ユウキ:森の中に来たの
長瀬:目の前に何がある? 電話に住所と電話番号が書いてあるはずだ
母の解剖結果は気道圧迫 サトシが犯人と推定される
伊島:人格障害だ 勘だよ 迅速に手を打っていれば手遅れにならずに済んだ
伊島は多摩川の殺人などもサトシの犯行だという
長瀬はユウキがマンションにいると長瀬に電話する
「あの頃に返ったみたいだったよ こっちに来ないか 元気づけてやってくれよ」
服をヒロミに買ってこさせる 正気に戻ってるユウキ
シャワー室から出るとモウルがいるが、ごめんと言って出る
1981
雨の中、クスノキのウロの中にいたユウキ
2人食べ物とラジオを持ってきたがケンカになり、
互いに自分の受けた虐待をぶちまける
ジラフ:
3歳くらいの時、気づいたらもう体中にタバコの跡が 肉の焼けるイヤなニオイがするんだ
お父さんはちょっとしたことで機嫌が悪くなって、殴る、蹴る 歯が折れるほどゲンコで殴るんだ
時々、お母さんが止めた でも、お母さんも殴られる おばあちゃんは部屋にひっこんじまう
火傷は大人にも見えない 体を見せるジラフ
モウル:
でもジラフのは使えるじゃないか 僕のは立たないんだ
押し入れの中で夜中にお母ちゃんが男を連れてくるからひどい声が聞こえてくるんだ
ウンチもおしっこも押し入れの中でした だんだん感覚が麻痺して分からなくなる
だから役に立たない フツーじゃないんだ
有沢は長瀬の家に伊島を連れてくる
サトシがどこにいるか本当に知らないと話すユウキ
長瀬:質問が遺族に対して配慮が足りないんじゃないですか?
伊島:とにかく遺体を引き取ってください
(子ども時代のつづき)
ユウキ:
お願いだからウソって言わないでね!
お父さんに聞きたかった あんなことしていいの?って
とっても怖かった お母さんにも悪いことしてる
なんとかしてお母さんに止めて欲しかった 死ぬ思いで打ち明けたんだよ
「何言ってんのあんた、夢でも見てるんじゃないの?」と大笑いする母
「バカね、お父さんはあんたが可愛くてちょっと抱きしめただけ 何を勘違いしてるのかしら」
ユウキ:お母さんがいない時にホテル行こうって
母:止めなさい 恥ずかしくないの! いくら嘘でも言っていいのと悪いのがあるのよ
ユウキ:
自分が惨めで、穢れてる気がした 死ぬ思いで打ち明けたんだよ!
誰も私を救ってくれる人なんていないの どこにもいないの!
2人:いるよ ここにいるよ
第八話 弟が事故死母の遺書にのこされた涙の真実!
サトシ:オレ、生きてていいのかな 想像できなかった オヤジと姉貴のこと
ヒロミがユウキと会う
「事務所でとても迷惑してます
警察が聞き込んで、顧問契約が取り消されたり、迷惑電話がきたり
どうしていつまでもここに暮らしていらっしゃるんですか?」
ユウキ:長瀬くんのことが好きなのね
ヒロミ:好きです あなたはどうなんですか?
マンションも有沢や伊島が張ってる 長瀬も気づく
伊島:お前たち3人はどういう関係なんだ お前もあの女に惚れてんのか?
ユウキ:
サトシに生きてて欲しい 私のせいだもの 自分を責めてる
私が言ってたかもしれないの
母を殺して、火をつけてって お願い、助けて あの子守って
サトシが父の墓に現れた 墓石が倒されていた 有沢らが向かう
事務所に「整理屋」(?)の阿久津が来る
平泉:顧客を少し紹介するだけでいいんだ 別にお前には迷惑はかからない
長瀬:お金に困った人間はいつも同じことを言う(笑
阿久津:しかし、意外にそれが社会を回してきたのかもしれませんな
長瀬:あなた方とのお付き合いはお断りします
阿久津:あなたになら前金 1億、2億用意する 平泉さんの命の保証書だと思って
ナオコが店を閉めると伊島から聞く有沢
「オレはあの店に連れて行った責任がある 行って話をしてこい
オレがあの子の父親なら胸ぐら掴んで殴ってる 傷つけ、放り出してそのままで済むと思うのか?」
店に行き、ナオコに会う
店をしまう理由は、お客さんに笑顔を見せる自信がなくなったから
「オレのせいだよな」
「私の罪を勝手にとらないでよ! 子ども死なせたのよ」
「オレはヒトの親になれる気がしない 子どもを酷い目に遭わせてしまいそうで怖いんだ
幼い頃に植えつけられたものを完全に切り離して生きるなんてオレには分かってない」
「あなたに必要なのは、子どもの頃から支えてくれる人 単純なことなのよ
私はその支えにはなれない 求めているのはユウキさんなのよ」
タバコを吸い、有沢の顔に煙を吐く 出て行く有沢
事務所にサトシが来た
「姉を支えて欲しいんです ようやく分かったんだ
どうして自分を犠牲にして人に尽くそうとするのか
何も知らなかった 酷い話だ・・・」
1981
父の仕事が行き詰まり、昼間からお酒を飲んでいる
風呂場で泣く父に「背中流そうか」と入り、背中を抱きしめ「泣いちゃダメだよ」となぐさめる
「お父さんにはユウキだけしかいない お父さんが好きだろ? 救ってくれ
絶対誰にも言っちゃいけない お母さんにはとくに
お父さん死ぬしかなくなる 2人だけのとっておきの秘密だ」
サトシ:
分からないうちに火をつけていた 家族の記憶、家、燃やしてしまいたかった
姉には支えがいる 何もかも知ってる人が
長瀬:
オレは支えられないよ オレじゃないんだ 資格があるのは
オレたちは、やろうとした 彼女を救うために 自分自身を救うためにも
父の事件のことを話していると、伊島が来て、サトシは窓から逃げてクルマに轢かれる
(また胃が痛い・・・ サトシだけが心の支えなのに
緊急で運ばれたが命は助かる
サトシ:
死んでもよかった 憎くて火をつけたんじゃないんだ
おふくろも苦しんでた もう終わりにしてやりたかった オレはあの男を許せない
ユウキ:許せないのはサトシがお父さんを大好きだったからよ
サトシ:
姉さんは許せるの?
忘れろよ 子どもの頃のことなんて関係ないって
ずっと避けてたろ 女らしさみたいなもの ようやく理解できた
長瀬さんは分かってくれるよ あの人と幸せになってくれ 姉貴にはその権利がある
サトシは母の遺書をユウキに渡す
その後、容態が急変し、サトシは亡くなる
第九話 女の殺意! 許されぬ愛…父親殺しの真犯人は
長瀬:
リョウコの母の殺人犯でサトシを疑っているのか?
他の犯人を捜したほうがいい オレの勘だ
1981 運動会
両親とお弁当を食べる時間、リョウヘイには養父母が来る
長瀬もお弁当をすすめられて泣き出してしまう
長瀬がユウキの新しい部屋に来る 保証人は長瀬
ナオコは兄のいる実家・北海道に帰ると言うしらせが来た
店ではお別れ会が行われる
最後まで残る伊島 有沢は来なかった
ナオコは病院にユウキを訪ねる
マリコはなぜか「叩かないで」と泣き出す
ナオコ:私ってきっと鬼のような顔してるんですね
階段でつまづいて、ナイフが落ちる
ナオコ:
あなたがグズグズしてるからよ 一緒に暮らすなりしてくれればよかったのよ
もう二度とお会いすることはありませんから
1979
XMASと正月 面会に来る両親 心配する2人
「5ヶ月ぶりの外泊だ 気をつけろ」
病院に派手な格好で長瀬の母が来て、看護婦に「子どもはペットじゃないんですから」と言われ
「ペットだったらこんな高い病院に入れないよ
お母ちゃん、これでも頑張ったんだよ 恨んでないよなあ」
XMASプレゼントだといって1万円を渡す
アルツハイマーの病室が急に閉まることになった
マリコは転院先も決まらないうちに追い出されるかもしれない
破産申し立ての情報を阿久津に流す長瀬
阿久津:とりあえず1000万 あとの4000万はお支払いします
机に大金を並べて泣く長瀬
アルツハイマーの介護施設には、一時金で4000万、毎月数十万円かかる
1982
父:ユウキ、ドライブにでも行くか 断るユウキ
シホが倒れた 入院を断る母 「明日はユウキが病院に戻る日なの 私も行かなくちゃ」
「そんな体じゃムリだ」と止める家族
夜中、窓の割れる音で1階に行くと、部屋はめちゃめちゃ
父は血だらけで酔って、自分の腕を刺している
父:
心配しないでいい 最初は痛いがだんだん気持ちよくなってくる
お父さんの中の悪い部分を懲らしめているんだ 悪い部分は痛みが好きらしい
お前はシホに何か喋ったのか? シホが体を壊したのはお前のせいだ
向こうの家族に知れたらどうなるか 離婚だけじゃ済まないぞ
お前もふしだらだと近所や学校中に知られて白い目で見られる
シホは死んじまうだろう お前のせいだ
純粋に愛してる お前にも愛されたいだけなんだ
あいつにはオレをありのままに愛することは出来ない
ユウキ:やっちゃいけないことなんだよ 親子だもの!
父:オレを責めるのか? ユウキ助けてくれ お前はオレの分身なんだから
病院に戻るとまた無表情に戻っているが
看護師「いいお正月だったのね あとで日記を持ってきてね」と気づかない
2人に会うと無視する 「やるしかないな」
ユウキ:辛いの 来てくれない? モウル
長瀬:ユウキを守れるのはお前なんだ 土壇場で先を越された お前には資格がある
有沢:オレは背中を押してない 土壇場でビビった 押したのはお前じゃないのか?
(資格の意味を勘違いしてたんだね
第十話 幸福な時間救いなき愛の果てに…哀しい告白
有沢は養父母を呼んで東京を案内する
病院の面会のことを思い出す
「あいつ(実父)は何て言ってるの?」
「・・・あの子はもういいって」
「あいつはオレを捨てたんだな だからっておじさんたちのところへなんか行かないからな!」
養父:
なんとか親のマネをしようとして、いつもお前を困らせてたな
本当の両親がどうしてるか知りたくないか?
有沢:いいです! 自分の親はあなたたち2人だと思ってますから
養母:
リョウヘイちゃんは別に結婚しなくてもいいんじゃないかな
私たちとずっと距離を置いてきたでしょ 私たちを傷つけるのが嫌だったのよ
好きな人にも距離を置いてしまう でも、一緒に生きる相手を見つけてほしい
相手を認めることと、相手から認められることが、生きていくには大事だと思う
ゆっくりでいい 好きな人には自分を開いてみたらどうかしら
甘えてみてもいいんじゃない? そういう自分を許してもいいんじゃないかしら
酔った養父をホテルに送る お土産にさぬきうどんをもらう
養父:仕事、頑張りなさい
養母:体大切にね
有沢:田舎に帰って職あるかな? 一般の普通の生活が出来ればいいんです
養父:
気を遣わなくていいんだよ お前の人生を歩めばいいんだ
警察官なんて誰もがなれるもんじゃない きっとたくさんの人を助けられる
結局オレは何も大したことは出来なかった ちっぽけな人間だった
有沢:
オレは似たかった あなたたちに 運動会で作ってくれた弁当 今でも覚えてます
オレなんかに精一杯気を遣ってくれて オレ、あなたたちみたいに生きたかった
養父母:ありがとう
*
長瀬は母を移す施設を見学 人手不足だから近所の主婦が手伝っている
酔っているヒロミ
「誰のために生きてきたんですか? それほどあの人を愛してるんですか?
私は世間並みの愛で充分ですから 私にもください」
「明日から来なくていい」
ナオコから電話 「来ていただけますか 私もうあなたしかいないんです」
長瀬、まさかの喀血(いまどき結核?! ストレス性のなにか?
ナオコ:話してください昔何があったのか
長瀬:
この包帯がすべての始まりだった これがお守りのようなものだった
彼女さえいれば自由を得られる そのためには彼女の父親を殺すしかなかった
気づくと彼女を探し求めてた 僕の天使 僕の神
あの海辺以来ずっとそうだった でも、資格がないと思い続けてた
ユウキを救うつもりだったのに 僕には資格なんかない 僕はもうダメなんだ
*
夜勤のユウキ「意味があるの?こんな私」
ユウキに不幸が続いたことを聞いて、声をかける患者・岸川と夫
「前触れもなく、頭の中に醜いものが渦巻くことがあるの
飲み込まれそうになって絵を描くことを覚えたの」
絵を観て驚くユウキ
岸川:
私、父親の弟にSEXをムリヤリにされていたのよ 10歳の時
優しいおじさんだったから最初は何をされているのかも分からなかった
でも家族に話せば、平和をいっぺんに壊すと思ったし 15歳まで続いたの
叔父は南の島で戦死した でも少しも救いにならなかった
お酒をあおるように飲んで、危ないクスリにまで手を出して
でも、途中から変わったの、私の人生
40過ぎた頃、とっても幸せになったのは彼のお蔭
あの人に支えられて、私の人生を生きられるようになったの
あの人と知り合ったのはアルコール依存症の会で、ナイフで彼を刺そうともした
初めて人に話せたの それでだんだん心を開いて生きられるようになった
私が生きていることを認めてくれる人がいる
そんな単純なことで、人生が意味のあるものに変わった 生きるのが苦しくなくなった
ありのままに生きていい 許されていいの あなたは生きていいの
長瀬の前で服を脱ぐナオコ
2人は愛し合うが「大丈夫よ」と首に手を持ってこさせる
後に有沢が来る ナオコはキレイに死んでいる
首に絞められた跡があり、そばに包帯を見つける
(どんどん複雑な事件が絡み合っていく・・・
第十一話 絶望の果て結ばれる二人…真犯人涙の告白!!
有沢は主任に「ナオコが死んだ オレのせいなんです」と長瀬をかばう
保険金の8000万円が入ったとユウキに電話がくる
伊島は有沢を探しにユウキの部屋に土足で上がりこみ、謝る
伊島:どうしてこう人は傷つけあい、憎しみ合い、ウソをつかなければならないんだ 納骨まだしてないのか
ユウキ:お骨までなくなるとすべてなくなる気がして 弟は母を殺していません
伊島:
あなたがそう言い切るならそうかもしれない
死んだ人は時に心の支えになる 支えにして生きていかなきゃね 忘れる必要はない
大切に抱きかかえて生きていかなきゃね
有沢“なぜオレの女を殺したモウル せめてオレに言い訳ぐらいしてもいいだろう?”
マリコに付き添う長瀬 介護施設の中島も一緒で1週間後に移る予定だという
長瀬:5000万払い込んだ 仕事で5年ほどアメリカに行くから
ユウキ:母のお金とかもあなたなんでしょ? あなたのことが分からない
有沢がナオコの殺人を自白したと聞くと「あいつじゃない!」
長瀬
あの火傷を負った女の子、母親の保険金が入るよ
金なんてなんにもならないことは分かってる
でも、母親が自分のことを思ってお金を準備してくれてた
幻想でもいい あの子がそう思えるならお金も意味があるかもしれないって
憎しみを抑えきれなかった 欲求がこみ上げてきて
あの女は罰せられたがってる 許しを求めてる 殺されてもいいんだと自分に言い聞かせていた
最初はもっと突発的だった おふくろのお見舞いの後、多摩川に出た
香水の匂いがしてきた おふくろが若い頃つけていたのと同じだった
ナオコさんは違うんだ! だけど同じだったのか?
ユウキ:行こう、モウル どこへでもあなたと一緒に
急患で呼ばれて、振り返るともういない
ユウキは岸川に話す
「私、お別れすることになりそうです 一緒にいたい人がいます
普通の暮らしはムリでしょうけど 償うだけの日々でもいいです 生きていければ」
大金を用意し、銃まで書棚に隠していたモウル
そこに整理屋が来て、逃げる 騙して得た金だった
ユウキの部屋に有沢が来てる
有沢:
オレがやったようなもんなんだ 彼女、全然苦しんだ顔してなかった
顔見た時に望んで死を受け入れたと思った つまりオレのせいだろ?
ナオコのそばに落ちてた包帯を見せる
初めてオレたちが海辺で出会った時、落ちてた それを取り合ってずっと持ってた
自分がやったとオレに教えるために 君への想いを断ち切るという意味もあったと思う
奴は逮捕よりもっと深い罰を望んでた オレたちはまだ怒りを出し切れてないんだ
資格がないのはオレも同じだった 君なのか
ユウキ:
私は怖くなった だってお父さんだよ 殺すなんて出来ない 長い間、私が押したと思ってた
母はタンスにヒモをかけて首をつったの 遺書も残ってた
見せられなかった 私の父のことが書いてあったから
遺書の中で何度も私に詫びてた
“もう疲れました 終わりにさせてください
知っていながら何も出来なかった頃とずっと同じです
結婚しないと言われるたびに、自分の罪を突きつけられてるみたいで苦しかった
あんな忌まわしい過去を知られるのは耐えられません
過去は私がすべて一緒に持っていきます 前向きに強く生きてください”
遺書は燃やしてしまった 生きてこなきゃよかった 生きるべきじゃなかった
ほとんど意味はなかった 結局何も生まなかったし育てなかった
看護師も何かしてないと 苦しくて怖くて
有沢:
オレたちは君がいてくれることが大事だった
だからこの11年間なんとかやってこれたんだよ
生きなきゃよかったなんて言わないでくれよ
オレは死んだほうがいいのか? 親にも言われたよ
君もそうなのか? オレのために生きてくれよ(なんだか言い方が父親みたい・・・
腕を噛もうとして止める 「キレイだよ」
額に銃をあてるモウル 死ねずに彷徨う
最終話 生きてていいんだよ…旅立ちへ私たちの最後の救い
有沢:君が本当に求めてるのはオレじゃない それがよく分かった
ユウキ:ジラフのことも好きだったよ
有沢:あいつを探しに行くよ あいつと一緒に逃げろよ どこででも生きていけよ
有沢
“オレたちは再会が遅すぎた 離れるべきじゃなかった 一緒に支え合うべきだった
「お前のせいじゃない いいんだよ」て、きっと誰もがそう言い続けてもらう必要があるんだ
でも、お前には言えない 罪を犯したお前には
ユウキはお前のことを愛してるっていうのに”
(カポーティのセリフみたいだ
「われわれがいちばん欲しいと思っているのは、
ただしっかりと抱きとめてもらい、
そして言ってもらうことなんだ・・・
"みんなそのうち、きっとよくなりますからね"って。」(『 Other Voices, Other Rooms 』)
伊島のもとに長瀬から指紋と手紙で自白してきた
有沢:
あいつはユウキのところへ来る
すべて終わらせる気でいるんだ 暗闇が最も怖いあいつが刑務所に耐えられると思うか?
君に抱きしめられて死ぬのか、殺した上で、自分も死ぬのか
君は殺されてもいいと思ってるのか?
オレはどうなるんだ 一人残されて 死ぬ時はオレも一緒に連れて行ってくれ
あのクスノキで誓ったじゃないか オレだけ残して行くな!
長瀬は神社にいて、母に化粧をさせ、食べ物を与えているのを見つけたユウキに銃を向ける
長瀬:
ウチは一度も花見はしてない 普通そんな家族はないだろう?(ウチもないけど・・・
一度花見をしたかった 昔と違ってとてもいい母親になってる
いろいろしてあげたかったけど、今はもう何も考えつかない
ユウキ:これからはお互い支え合っていこうよ いくらでもやり直せるはずよ
長瀬:
生まれてくるところからじゃなきゃダメだよ
気がつくと罪を犯してた やり直そうと思っても衝動的に吹きだしてくる
有沢も来る
長瀬:
お前に行ってほしい所がある リョウコちゃんに“お母さんを殺した犯人は死んだ”と伝えてくれ
犯人が死んでも遺族が悲しいのは変わらないだろうけど
事件が終われば、新しい人生に踏み出せるかもしれない
保険金だと言って、遺族に金を渡した それが犯人からだと知られたくないんだ
(母に銃を持たせて)
最初に戻るよ いろいろありがとう
一番最初の闇なら一人でも耐えられるさ それにいずれは明るくなる闇だよ
母親だから僕を最初に戻せる
嫌がるマリコだが、心臓に当たる
泣くマリコに「大丈夫 誰も悪くないよ」と言い聞かせるユウキ
有沢は、警官を辞め、高松の養父母の所へ帰るという
伊島:
辛いヤマはもうたくさんだ 長瀬の送検は見送られるだろう
ナオコを殺されても憎んでないのか? あの看護婦とやっていくのか? 彼女を離すな
2週間後 ユウキの部屋を訪ねても引っ越した後
マリコは介護施設に移され、5年以降は有沢が責任をもつと伝える
マリコに「お父ちゃんだよ」と長瀬の骨を渡すと喜ぶ
有沢のポストにユウキからの手紙がくる
“松山に病院を見ようと思ったができなかった
これまでの私は現実を生きているとは言えなかった
でも心配しないで 一人でこれからを見つめていきたいと思います
いつかは真の現実を抱きしめることが出来るのでしょうか?
きっといつかはと信じたい気持ちです
母の遺書を同封します 母の言葉はわずかに救いです
あなたがもっとも良いと思う形で処分してください”
海に包帯を流すユウキ
有沢も秘密の場所や、山が見える草原にも行く
遺書
“打ち明けられたのに信じようとしなかった
霧の中であなたがお父さんを殺そうとしているのではないかと感じたのです
私は母親として何ができるのだろうと思った瞬間体が動いていました
17年の間、そのことを口に出せなかった私を許してください
あの日以来、罪の意識を忘れたことはありません
今ハッキリ分かるのはユウキ、サトシを愛しているということ
あなたは決して悪くはなかった あなたは汚れてはいない あなたの魂は美しいままです”
遺書を燃やす有沢
クスノキにも来て、穴を掘るとヒモの先からモウルのリュックが出てきて、地図が出てきた
「モウル、覚えてるか?」
遺骨をクスノキの周りに撒く
“あなたたちの言葉が支えになります
ジラフ、私たち生きててもいいんだよ
ほんとうに生きていても いいんだよ”
ほんとうにいいドラマというのは観終わる時離れ難い
ほんとうにいい本と同じように
第六話 弟が放火!!父の罪と母の死…家族が崩壊する
母に姉の真相を問い詰めるサトシ 「イジメにあって」とウソをつく母
サトシ:
隠すから家の中がギクシャクするんだよ 姉貴にどんな酷いことしたんだ
オレの将来のためだと思って全部ゆってよ 司法試験受けられないんだ
母:言えることじゃないの! ごめんなさい 死んでも言わない お墓まで持っていくんだから
1981 病院
ジラフらは「この夏、脱走しないか?」とユウキにもちかけると
「私は退院して登山に行きたいの 神様の山に登って救ってもらって、新しい別の人間になりたいの」
医師から「両親から退院の相談が来ている」と言われ、退院したいと言う
霊山に登るには保護者が一緒でないとダメだと言われる
ユウキが山に登りたいと話すと母は反対する
「迂回路を行けば誰でも登れるの」病院の登山療法も効いたと必死に説得
ユウキ:
汗といっしょに私の中の悪いものを全部出して、山頂でキレイな空気を吸って
そしたら生まれ変われるかもしれないじゃない! 治って欲しいんでしょ
いい子になるって約束するから!
母:
ユウキが危ない気がする 生まれ変われるってどういうことなの? どう生まれ変わりたいのよ
何か恐ろしいことが・・・
ユウキ:なんだって私の邪魔するんだから!
「サトシ、山に登りたいの」
(ユウキの考える唯一純粋な存在なんだな、サトシが
翌日、サトシは高熱を出して入院
父は母にサトシのそばにいろとガンコに言う 2人でフェリーに乗ることに不安を覚える母
(母親が歯止め役になっているのか
父:
ふざけやがって 全部、親が残した財産のくせに偉そうに!
女房のくせに調子に乗りやがって
また反対するようならあいつを殴ってやる ユウキのためならあいつを殴るのは平気だから
お父さん、カッコよかっただろ? ユウキのために戦ったんだからな
ホテルのレストランに寄ろう 汗も臭うぞ 食事はルームサービスに頼めばいい
(腕の包帯はリストカットじゃなくて、腕を噛むからだったんだ
看護師には腕を噛んだ傷を「ドアに挟んだが大したことない」とウソをつく父
(こんなウソに騙されるって、小児病棟って何の役に立つの?
母:なにもかもキレイ 草花も木も
急におんぶしてきて居心地が悪いユウキ
捜査中、長瀬が来る 走査線上にサトシの名前が上がってるか聞く
有沢:
オレは今回の事件に興味はない 死んでしまえば捜査の対象でしかない 所詮は歯車の1つだ
いい加減ウンザリしてるよ 今の仕事 本当にオレはしたかったのかって
一応、主任に聞いておくよ
ナオコの妊娠の話もすると「関係ないだろ!」と逆上する
2人も「神さまの山に登ろうか? 退院しても帰る所がないし」
有沢に養父母を希望する夫婦が面会に来る
夫:お宅に伺っても留守で、ようやくお父さんが教えてくれて押しかけてきたんだ
妻:何か必要なものがあれば、次来る時持ってくるから
それを聞いている長瀬
有沢は店に来て、ナオコに子どもを始末しろと金を渡す
ハムスターを外に捨て
「この程度で死にやしないさ 自分でエサを探す 自分で生きてくしかないんだ
親だって自分の身が一番可愛いんだ」
容態が急変し、救急で運ばれるナオコ
母体は大丈夫だが、流産してしまう
ユウキの家が火事 サトシは姉のもとに逃げてくる
「燃やしちゃったんだ、おふくろ
家に火をつけてオレも死ぬつもりだったけど、逃げてきた 全部オレが悪いんだよ」
家は全焼 目撃者がいる 居間で母が亡くなっていたから確認してほしいと警察に言われる
遺体を確認してショックで倒れるユウキ
(そんな確認、絶対イヤだ・・・なんて悲しい話なんだ
でも、必ず救いがあると知っているから観るんだ
第七話 父娘の秘密を告白!! 私のすべてを抱きしめて
ユウキは長瀬に電話する
「もうダメなの サトシだけは守ってやって どこにいるか分からない
私のことはいいの サトシを助けて あの子悪くない とっても可哀相」
1981
病院の屋上から飛び降りて助かったユウキ 両親が見舞いに来て、様子を見る2人
父:心から愛してることを忘れずに、自分を大切にするんだよ
1999
ユウキはトレーナー姿のまま消えた
長瀬は有沢にナオコの流産のことと、ユウキの行方不明を話す
有沢が病院に行くと伊島が待っている
「ユウキの行方は知らないか? サトシが灯油をまいて放火したんだ
オレは前に言ったな 親との間に確執があるんじゃないかと この結果を見てみろ!」
1981
病院に母1人で見舞いに来た
母:
今日はハッキリさせようと思って ユウキにほんとのこと話してもらいたいの
何もかも聞くから あんた自殺しようとしたの?
サトシが熱を出した時、何かあったの?
お父さん、あの晩、随分遅く帰ってきたわ おかしいと思ってたの
ユウキ:もう話したじゃない 前に話したじゃない!
母:
前の時は、前の時で、治療も受けたんだから、ほんとのことを聞きたいの
前の通りなら真剣に受け止めるから
逃げ出すと、ユウキが飛び降りた屋上で2人が待っている
「風が気持ちいいんだな!」
モウルに電話するユウキ すっかり子どもに返っている
ユウキ:森の中に来たの
長瀬:目の前に何がある? 電話に住所と電話番号が書いてあるはずだ
母の解剖結果は気道圧迫 サトシが犯人と推定される
伊島:人格障害だ 勘だよ 迅速に手を打っていれば手遅れにならずに済んだ
伊島は多摩川の殺人などもサトシの犯行だという
長瀬はユウキがマンションにいると長瀬に電話する
「あの頃に返ったみたいだったよ こっちに来ないか 元気づけてやってくれよ」
服をヒロミに買ってこさせる 正気に戻ってるユウキ
シャワー室から出るとモウルがいるが、ごめんと言って出る
1981
雨の中、クスノキのウロの中にいたユウキ
2人食べ物とラジオを持ってきたがケンカになり、
互いに自分の受けた虐待をぶちまける
ジラフ:
3歳くらいの時、気づいたらもう体中にタバコの跡が 肉の焼けるイヤなニオイがするんだ
お父さんはちょっとしたことで機嫌が悪くなって、殴る、蹴る 歯が折れるほどゲンコで殴るんだ
時々、お母さんが止めた でも、お母さんも殴られる おばあちゃんは部屋にひっこんじまう
火傷は大人にも見えない 体を見せるジラフ
モウル:
でもジラフのは使えるじゃないか 僕のは立たないんだ
押し入れの中で夜中にお母ちゃんが男を連れてくるからひどい声が聞こえてくるんだ
ウンチもおしっこも押し入れの中でした だんだん感覚が麻痺して分からなくなる
だから役に立たない フツーじゃないんだ
有沢は長瀬の家に伊島を連れてくる
サトシがどこにいるか本当に知らないと話すユウキ
長瀬:質問が遺族に対して配慮が足りないんじゃないですか?
伊島:とにかく遺体を引き取ってください
(子ども時代のつづき)
ユウキ:
お願いだからウソって言わないでね!
お父さんに聞きたかった あんなことしていいの?って
とっても怖かった お母さんにも悪いことしてる
なんとかしてお母さんに止めて欲しかった 死ぬ思いで打ち明けたんだよ
「何言ってんのあんた、夢でも見てるんじゃないの?」と大笑いする母
「バカね、お父さんはあんたが可愛くてちょっと抱きしめただけ 何を勘違いしてるのかしら」
ユウキ:お母さんがいない時にホテル行こうって
母:止めなさい 恥ずかしくないの! いくら嘘でも言っていいのと悪いのがあるのよ
ユウキ:
自分が惨めで、穢れてる気がした 死ぬ思いで打ち明けたんだよ!
誰も私を救ってくれる人なんていないの どこにもいないの!
2人:いるよ ここにいるよ
第八話 弟が事故死母の遺書にのこされた涙の真実!
サトシ:オレ、生きてていいのかな 想像できなかった オヤジと姉貴のこと
ヒロミがユウキと会う
「事務所でとても迷惑してます
警察が聞き込んで、顧問契約が取り消されたり、迷惑電話がきたり
どうしていつまでもここに暮らしていらっしゃるんですか?」
ユウキ:長瀬くんのことが好きなのね
ヒロミ:好きです あなたはどうなんですか?
マンションも有沢や伊島が張ってる 長瀬も気づく
伊島:お前たち3人はどういう関係なんだ お前もあの女に惚れてんのか?
ユウキ:
サトシに生きてて欲しい 私のせいだもの 自分を責めてる
私が言ってたかもしれないの
母を殺して、火をつけてって お願い、助けて あの子守って
サトシが父の墓に現れた 墓石が倒されていた 有沢らが向かう
事務所に「整理屋」(?)の阿久津が来る
平泉:顧客を少し紹介するだけでいいんだ 別にお前には迷惑はかからない
長瀬:お金に困った人間はいつも同じことを言う(笑
阿久津:しかし、意外にそれが社会を回してきたのかもしれませんな
長瀬:あなた方とのお付き合いはお断りします
阿久津:あなたになら前金 1億、2億用意する 平泉さんの命の保証書だと思って
ナオコが店を閉めると伊島から聞く有沢
「オレはあの店に連れて行った責任がある 行って話をしてこい
オレがあの子の父親なら胸ぐら掴んで殴ってる 傷つけ、放り出してそのままで済むと思うのか?」
店に行き、ナオコに会う
店をしまう理由は、お客さんに笑顔を見せる自信がなくなったから
「オレのせいだよな」
「私の罪を勝手にとらないでよ! 子ども死なせたのよ」
「オレはヒトの親になれる気がしない 子どもを酷い目に遭わせてしまいそうで怖いんだ
幼い頃に植えつけられたものを完全に切り離して生きるなんてオレには分かってない」
「あなたに必要なのは、子どもの頃から支えてくれる人 単純なことなのよ
私はその支えにはなれない 求めているのはユウキさんなのよ」
タバコを吸い、有沢の顔に煙を吐く 出て行く有沢
事務所にサトシが来た
「姉を支えて欲しいんです ようやく分かったんだ
どうして自分を犠牲にして人に尽くそうとするのか
何も知らなかった 酷い話だ・・・」
1981
父の仕事が行き詰まり、昼間からお酒を飲んでいる
風呂場で泣く父に「背中流そうか」と入り、背中を抱きしめ「泣いちゃダメだよ」となぐさめる
「お父さんにはユウキだけしかいない お父さんが好きだろ? 救ってくれ
絶対誰にも言っちゃいけない お母さんにはとくに
お父さん死ぬしかなくなる 2人だけのとっておきの秘密だ」
サトシ:
分からないうちに火をつけていた 家族の記憶、家、燃やしてしまいたかった
姉には支えがいる 何もかも知ってる人が
長瀬:
オレは支えられないよ オレじゃないんだ 資格があるのは
オレたちは、やろうとした 彼女を救うために 自分自身を救うためにも
父の事件のことを話していると、伊島が来て、サトシは窓から逃げてクルマに轢かれる
(また胃が痛い・・・ サトシだけが心の支えなのに
緊急で運ばれたが命は助かる
サトシ:
死んでもよかった 憎くて火をつけたんじゃないんだ
おふくろも苦しんでた もう終わりにしてやりたかった オレはあの男を許せない
ユウキ:許せないのはサトシがお父さんを大好きだったからよ
サトシ:
姉さんは許せるの?
忘れろよ 子どもの頃のことなんて関係ないって
ずっと避けてたろ 女らしさみたいなもの ようやく理解できた
長瀬さんは分かってくれるよ あの人と幸せになってくれ 姉貴にはその権利がある
サトシは母の遺書をユウキに渡す
その後、容態が急変し、サトシは亡くなる
第九話 女の殺意! 許されぬ愛…父親殺しの真犯人は
長瀬:
リョウコの母の殺人犯でサトシを疑っているのか?
他の犯人を捜したほうがいい オレの勘だ
1981 運動会
両親とお弁当を食べる時間、リョウヘイには養父母が来る
長瀬もお弁当をすすめられて泣き出してしまう
長瀬がユウキの新しい部屋に来る 保証人は長瀬
ナオコは兄のいる実家・北海道に帰ると言うしらせが来た
店ではお別れ会が行われる
最後まで残る伊島 有沢は来なかった
ナオコは病院にユウキを訪ねる
マリコはなぜか「叩かないで」と泣き出す
ナオコ:私ってきっと鬼のような顔してるんですね
階段でつまづいて、ナイフが落ちる
ナオコ:
あなたがグズグズしてるからよ 一緒に暮らすなりしてくれればよかったのよ
もう二度とお会いすることはありませんから
1979
XMASと正月 面会に来る両親 心配する2人
「5ヶ月ぶりの外泊だ 気をつけろ」
病院に派手な格好で長瀬の母が来て、看護婦に「子どもはペットじゃないんですから」と言われ
「ペットだったらこんな高い病院に入れないよ
お母ちゃん、これでも頑張ったんだよ 恨んでないよなあ」
XMASプレゼントだといって1万円を渡す
アルツハイマーの病室が急に閉まることになった
マリコは転院先も決まらないうちに追い出されるかもしれない
破産申し立ての情報を阿久津に流す長瀬
阿久津:とりあえず1000万 あとの4000万はお支払いします
机に大金を並べて泣く長瀬
アルツハイマーの介護施設には、一時金で4000万、毎月数十万円かかる
1982
父:ユウキ、ドライブにでも行くか 断るユウキ
シホが倒れた 入院を断る母 「明日はユウキが病院に戻る日なの 私も行かなくちゃ」
「そんな体じゃムリだ」と止める家族
夜中、窓の割れる音で1階に行くと、部屋はめちゃめちゃ
父は血だらけで酔って、自分の腕を刺している
父:
心配しないでいい 最初は痛いがだんだん気持ちよくなってくる
お父さんの中の悪い部分を懲らしめているんだ 悪い部分は痛みが好きらしい
お前はシホに何か喋ったのか? シホが体を壊したのはお前のせいだ
向こうの家族に知れたらどうなるか 離婚だけじゃ済まないぞ
お前もふしだらだと近所や学校中に知られて白い目で見られる
シホは死んじまうだろう お前のせいだ
純粋に愛してる お前にも愛されたいだけなんだ
あいつにはオレをありのままに愛することは出来ない
ユウキ:やっちゃいけないことなんだよ 親子だもの!
父:オレを責めるのか? ユウキ助けてくれ お前はオレの分身なんだから
病院に戻るとまた無表情に戻っているが
看護師「いいお正月だったのね あとで日記を持ってきてね」と気づかない
2人に会うと無視する 「やるしかないな」
ユウキ:辛いの 来てくれない? モウル
長瀬:ユウキを守れるのはお前なんだ 土壇場で先を越された お前には資格がある
有沢:オレは背中を押してない 土壇場でビビった 押したのはお前じゃないのか?
(資格の意味を勘違いしてたんだね
第十話 幸福な時間救いなき愛の果てに…哀しい告白
有沢は養父母を呼んで東京を案内する
病院の面会のことを思い出す
「あいつ(実父)は何て言ってるの?」
「・・・あの子はもういいって」
「あいつはオレを捨てたんだな だからっておじさんたちのところへなんか行かないからな!」
養父:
なんとか親のマネをしようとして、いつもお前を困らせてたな
本当の両親がどうしてるか知りたくないか?
有沢:いいです! 自分の親はあなたたち2人だと思ってますから
養母:
リョウヘイちゃんは別に結婚しなくてもいいんじゃないかな
私たちとずっと距離を置いてきたでしょ 私たちを傷つけるのが嫌だったのよ
好きな人にも距離を置いてしまう でも、一緒に生きる相手を見つけてほしい
相手を認めることと、相手から認められることが、生きていくには大事だと思う
ゆっくりでいい 好きな人には自分を開いてみたらどうかしら
甘えてみてもいいんじゃない? そういう自分を許してもいいんじゃないかしら
酔った養父をホテルに送る お土産にさぬきうどんをもらう
養父:仕事、頑張りなさい
養母:体大切にね
有沢:田舎に帰って職あるかな? 一般の普通の生活が出来ればいいんです
養父:
気を遣わなくていいんだよ お前の人生を歩めばいいんだ
警察官なんて誰もがなれるもんじゃない きっとたくさんの人を助けられる
結局オレは何も大したことは出来なかった ちっぽけな人間だった
有沢:
オレは似たかった あなたたちに 運動会で作ってくれた弁当 今でも覚えてます
オレなんかに精一杯気を遣ってくれて オレ、あなたたちみたいに生きたかった
養父母:ありがとう
*
長瀬は母を移す施設を見学 人手不足だから近所の主婦が手伝っている
酔っているヒロミ
「誰のために生きてきたんですか? それほどあの人を愛してるんですか?
私は世間並みの愛で充分ですから 私にもください」
「明日から来なくていい」
ナオコから電話 「来ていただけますか 私もうあなたしかいないんです」
長瀬、まさかの喀血(いまどき結核?! ストレス性のなにか?
ナオコ:話してください昔何があったのか
長瀬:
この包帯がすべての始まりだった これがお守りのようなものだった
彼女さえいれば自由を得られる そのためには彼女の父親を殺すしかなかった
気づくと彼女を探し求めてた 僕の天使 僕の神
あの海辺以来ずっとそうだった でも、資格がないと思い続けてた
ユウキを救うつもりだったのに 僕には資格なんかない 僕はもうダメなんだ
*
夜勤のユウキ「意味があるの?こんな私」
ユウキに不幸が続いたことを聞いて、声をかける患者・岸川と夫
「前触れもなく、頭の中に醜いものが渦巻くことがあるの
飲み込まれそうになって絵を描くことを覚えたの」
絵を観て驚くユウキ
岸川:
私、父親の弟にSEXをムリヤリにされていたのよ 10歳の時
優しいおじさんだったから最初は何をされているのかも分からなかった
でも家族に話せば、平和をいっぺんに壊すと思ったし 15歳まで続いたの
叔父は南の島で戦死した でも少しも救いにならなかった
お酒をあおるように飲んで、危ないクスリにまで手を出して
でも、途中から変わったの、私の人生
40過ぎた頃、とっても幸せになったのは彼のお蔭
あの人に支えられて、私の人生を生きられるようになったの
あの人と知り合ったのはアルコール依存症の会で、ナイフで彼を刺そうともした
初めて人に話せたの それでだんだん心を開いて生きられるようになった
私が生きていることを認めてくれる人がいる
そんな単純なことで、人生が意味のあるものに変わった 生きるのが苦しくなくなった
ありのままに生きていい 許されていいの あなたは生きていいの
長瀬の前で服を脱ぐナオコ
2人は愛し合うが「大丈夫よ」と首に手を持ってこさせる
後に有沢が来る ナオコはキレイに死んでいる
首に絞められた跡があり、そばに包帯を見つける
(どんどん複雑な事件が絡み合っていく・・・
第十一話 絶望の果て結ばれる二人…真犯人涙の告白!!
有沢は主任に「ナオコが死んだ オレのせいなんです」と長瀬をかばう
保険金の8000万円が入ったとユウキに電話がくる
伊島は有沢を探しにユウキの部屋に土足で上がりこみ、謝る
伊島:どうしてこう人は傷つけあい、憎しみ合い、ウソをつかなければならないんだ 納骨まだしてないのか
ユウキ:お骨までなくなるとすべてなくなる気がして 弟は母を殺していません
伊島:
あなたがそう言い切るならそうかもしれない
死んだ人は時に心の支えになる 支えにして生きていかなきゃね 忘れる必要はない
大切に抱きかかえて生きていかなきゃね
有沢“なぜオレの女を殺したモウル せめてオレに言い訳ぐらいしてもいいだろう?”
マリコに付き添う長瀬 介護施設の中島も一緒で1週間後に移る予定だという
長瀬:5000万払い込んだ 仕事で5年ほどアメリカに行くから
ユウキ:母のお金とかもあなたなんでしょ? あなたのことが分からない
有沢がナオコの殺人を自白したと聞くと「あいつじゃない!」
長瀬
あの火傷を負った女の子、母親の保険金が入るよ
金なんてなんにもならないことは分かってる
でも、母親が自分のことを思ってお金を準備してくれてた
幻想でもいい あの子がそう思えるならお金も意味があるかもしれないって
憎しみを抑えきれなかった 欲求がこみ上げてきて
あの女は罰せられたがってる 許しを求めてる 殺されてもいいんだと自分に言い聞かせていた
最初はもっと突発的だった おふくろのお見舞いの後、多摩川に出た
香水の匂いがしてきた おふくろが若い頃つけていたのと同じだった
ナオコさんは違うんだ! だけど同じだったのか?
ユウキ:行こう、モウル どこへでもあなたと一緒に
急患で呼ばれて、振り返るともういない
ユウキは岸川に話す
「私、お別れすることになりそうです 一緒にいたい人がいます
普通の暮らしはムリでしょうけど 償うだけの日々でもいいです 生きていければ」
大金を用意し、銃まで書棚に隠していたモウル
そこに整理屋が来て、逃げる 騙して得た金だった
ユウキの部屋に有沢が来てる
有沢:
オレがやったようなもんなんだ 彼女、全然苦しんだ顔してなかった
顔見た時に望んで死を受け入れたと思った つまりオレのせいだろ?
ナオコのそばに落ちてた包帯を見せる
初めてオレたちが海辺で出会った時、落ちてた それを取り合ってずっと持ってた
自分がやったとオレに教えるために 君への想いを断ち切るという意味もあったと思う
奴は逮捕よりもっと深い罰を望んでた オレたちはまだ怒りを出し切れてないんだ
資格がないのはオレも同じだった 君なのか
ユウキ:
私は怖くなった だってお父さんだよ 殺すなんて出来ない 長い間、私が押したと思ってた
母はタンスにヒモをかけて首をつったの 遺書も残ってた
見せられなかった 私の父のことが書いてあったから
遺書の中で何度も私に詫びてた
“もう疲れました 終わりにさせてください
知っていながら何も出来なかった頃とずっと同じです
結婚しないと言われるたびに、自分の罪を突きつけられてるみたいで苦しかった
あんな忌まわしい過去を知られるのは耐えられません
過去は私がすべて一緒に持っていきます 前向きに強く生きてください”
遺書は燃やしてしまった 生きてこなきゃよかった 生きるべきじゃなかった
ほとんど意味はなかった 結局何も生まなかったし育てなかった
看護師も何かしてないと 苦しくて怖くて
有沢:
オレたちは君がいてくれることが大事だった
だからこの11年間なんとかやってこれたんだよ
生きなきゃよかったなんて言わないでくれよ
オレは死んだほうがいいのか? 親にも言われたよ
君もそうなのか? オレのために生きてくれよ(なんだか言い方が父親みたい・・・
腕を噛もうとして止める 「キレイだよ」
額に銃をあてるモウル 死ねずに彷徨う
最終話 生きてていいんだよ…旅立ちへ私たちの最後の救い
有沢:君が本当に求めてるのはオレじゃない それがよく分かった
ユウキ:ジラフのことも好きだったよ
有沢:あいつを探しに行くよ あいつと一緒に逃げろよ どこででも生きていけよ
有沢
“オレたちは再会が遅すぎた 離れるべきじゃなかった 一緒に支え合うべきだった
「お前のせいじゃない いいんだよ」て、きっと誰もがそう言い続けてもらう必要があるんだ
でも、お前には言えない 罪を犯したお前には
ユウキはお前のことを愛してるっていうのに”
(カポーティのセリフみたいだ
「われわれがいちばん欲しいと思っているのは、
ただしっかりと抱きとめてもらい、
そして言ってもらうことなんだ・・・
"みんなそのうち、きっとよくなりますからね"って。」(『 Other Voices, Other Rooms 』)
伊島のもとに長瀬から指紋と手紙で自白してきた
有沢:
あいつはユウキのところへ来る
すべて終わらせる気でいるんだ 暗闇が最も怖いあいつが刑務所に耐えられると思うか?
君に抱きしめられて死ぬのか、殺した上で、自分も死ぬのか
君は殺されてもいいと思ってるのか?
オレはどうなるんだ 一人残されて 死ぬ時はオレも一緒に連れて行ってくれ
あのクスノキで誓ったじゃないか オレだけ残して行くな!
長瀬は神社にいて、母に化粧をさせ、食べ物を与えているのを見つけたユウキに銃を向ける
長瀬:
ウチは一度も花見はしてない 普通そんな家族はないだろう?(ウチもないけど・・・
一度花見をしたかった 昔と違ってとてもいい母親になってる
いろいろしてあげたかったけど、今はもう何も考えつかない
ユウキ:これからはお互い支え合っていこうよ いくらでもやり直せるはずよ
長瀬:
生まれてくるところからじゃなきゃダメだよ
気がつくと罪を犯してた やり直そうと思っても衝動的に吹きだしてくる
有沢も来る
長瀬:
お前に行ってほしい所がある リョウコちゃんに“お母さんを殺した犯人は死んだ”と伝えてくれ
犯人が死んでも遺族が悲しいのは変わらないだろうけど
事件が終われば、新しい人生に踏み出せるかもしれない
保険金だと言って、遺族に金を渡した それが犯人からだと知られたくないんだ
(母に銃を持たせて)
最初に戻るよ いろいろありがとう
一番最初の闇なら一人でも耐えられるさ それにいずれは明るくなる闇だよ
母親だから僕を最初に戻せる
嫌がるマリコだが、心臓に当たる
泣くマリコに「大丈夫 誰も悪くないよ」と言い聞かせるユウキ
有沢は、警官を辞め、高松の養父母の所へ帰るという
伊島:
辛いヤマはもうたくさんだ 長瀬の送検は見送られるだろう
ナオコを殺されても憎んでないのか? あの看護婦とやっていくのか? 彼女を離すな
2週間後 ユウキの部屋を訪ねても引っ越した後
マリコは介護施設に移され、5年以降は有沢が責任をもつと伝える
マリコに「お父ちゃんだよ」と長瀬の骨を渡すと喜ぶ
有沢のポストにユウキからの手紙がくる
“松山に病院を見ようと思ったができなかった
これまでの私は現実を生きているとは言えなかった
でも心配しないで 一人でこれからを見つめていきたいと思います
いつかは真の現実を抱きしめることが出来るのでしょうか?
きっといつかはと信じたい気持ちです
母の遺書を同封します 母の言葉はわずかに救いです
あなたがもっとも良いと思う形で処分してください”
海に包帯を流すユウキ
有沢も秘密の場所や、山が見える草原にも行く
遺書
“打ち明けられたのに信じようとしなかった
霧の中であなたがお父さんを殺そうとしているのではないかと感じたのです
私は母親として何ができるのだろうと思った瞬間体が動いていました
17年の間、そのことを口に出せなかった私を許してください
あの日以来、罪の意識を忘れたことはありません
今ハッキリ分かるのはユウキ、サトシを愛しているということ
あなたは決して悪くはなかった あなたは汚れてはいない あなたの魂は美しいままです”
遺書を燃やす有沢
クスノキにも来て、穴を掘るとヒモの先からモウルのリュックが出てきて、地図が出てきた
「モウル、覚えてるか?」
遺骨をクスノキの周りに撒く
“あなたたちの言葉が支えになります
ジラフ、私たち生きててもいいんだよ
ほんとうに生きていても いいんだよ”
ほんとうにいいドラマというのは観終わる時離れ難い
ほんとうにいい本と同じように