■ドラマ『永遠の仔』(2000 全12話)
原作:天童荒太 脚本:中島丈博
出演:
久坂優希:中谷美紀、邑野未亜(12歳時)
久坂雄作:古尾谷雅人
久坂志穂:永島暎子
久坂聡志:井澤健
長瀬笙一郎(モウル):渡部篤郎、勝地涼(12歳時)
長瀬まり子:藤真利子
真木広美:黒谷友香(弁護士事務所事務員)
有沢梁平(ジラフ):椎名桔平、浅利陽介(12歳時)
有沢紀久子:筒井真理子
有沢修三:黒沼弘己
有沢弓子:鷲尾真知子
早川奈緒子(梁平の同棲相手):石田ゆり子
岸川育雄:渡辺哲
岸川夫人:草村礼子(10歳の時レイプされた
伊島宗介刑事:塩見三省
土橋医師:森本レオ
向井照子:片桐はいり(看護婦) ほか
メインテーマ:♪LOST CHILD/坂本龍一
エンディングテーマ:♪I will.../イクシード
挿入歌:♪こわれたこころ/中谷美紀
※「ドラマのマイベスト」に追加しました。
中谷美紀さん出演作で見つけた 渡部篤郎さんとは『ケイゾク』に続いての共演で話題になったのか
2人とも全く違うタイプの役を演じてて、とくに繊細な渡部さんの演技に惹かれた
※「ドラマのマイベスト」参照
DVDジャケの4人の競演が最大の見所
椎名桔平さんの男くさいフェロモンもヤバい
加えて、子ども時代を勝地涼さんらが演じてるのにもビックリ/驚
永島暎子さんも好きな女優さん こういう薄幸な役似合うなあ
石田ゆり子さんも出てるし ゆり子さんも薄幸な役が似合う
そして、なにより「虐待」というテーマで、観ずにいられなかった
また胃の痛む、吐き気のする場面も多いけれども・・・
一体、この問題は、いつからあったのだろうか
ヒトが生まれた時からなのか
これらも、魂の大きな因果の渦の1つであっても
これほど辛い試練がほかにあるだろうか
▼あらすじ(ネタバレ注意
第一話 生きてていいんだよ
1982年春 愛媛県
石鎚山を登る少女・久坂優希、長瀬笙一郎、有沢梁平は彼方に向かって叫ぶ
「俺たちを救ってくれ! 神さまがいるんだろう?」
そこに現れる人影
「あれは君自身が映っているんだ フロッケン現象と呼ばれているんだよ」
「あの人は私たちのために舞い降りてくれたのよ」
「何もやらずに山をおりたら、きっと生きていけないよ」
「どうぞ、教えてください やるべきですか? 私たちを助けてください!」
「やるんだ 殺すんだ」
1999 早春
弁護士になった長瀬は、8年間もユウキを遠くから見続けている
“顔を合わせるのが怖い これ以上はけして近づいてはいけない”
川崎市で高齢者施設の看護師主任になったユウキ
小児科に異動の話をもちかけられてもと断る
「あんなに頑張られちゃ、私たちが能無しみたいに思われるじゃない」と陰口を言われるほど働いている
腰の痛みで倒れ、昔の夢を見る
少女時代、父とシャワーを浴びているところを覗き見ている母
1982年 松山市
父が山の滑落事故で亡くなり、松山を離れるユウキを追う2人の男子
神奈川県警捜査一課の警官になった有沢梁平
彼もユウキを見続けてきた
“時々、声を聞かずにいられなくなる だからといって会うのはためらわれた”
性的暴力を受けている小学2年の男子の事件を追う有沢
「去年から8件目 現状は倍以上だ! 子どもを狙う変態は治りゃしないんだ!」
ユウキの弟・聡志は、女性に暴行して捕まる
母・志穂:
どうしてあんな子になっちゃったのかしら 小さい頃は素直でいい子だったのに
あの子は私を困らせて復讐してるのよ あんたもよ
夜勤で幸せを遠ざけることばかりして もっと自分を大事にしてくれればいいのに
いつも黒い長袖とズボンを履いているユウキ
長瀬笙一郎という弁護士が親切に面倒をみてくれると話す聡志
若くても努力して金を稼いでいることに憧れを抱いている
銀座の長瀬法律事務所
レイプ事件で母と娘の相談に乗るが
長瀬:
強姦されるのは女にも落ち度があるっていう見方が警察にも根強いし、
詳しいことをいちいち聞かれて嫌な思いもします
ましてや、ご近所に噂になったら、お嬢さんも困るでしょ 示談に持ち込んだほうがいい
横浜市反町 小料理屋「なを」で女将をしている早川奈緒子は有沢と同棲して長い
有沢は飼っているハムスターを捕まえて
「生きたいのか? 生きてたって何ひとついい事ないぞ」
ナオコが白いヒモを見つけると「触るな!」と怒る
体中傷だらけの有沢 ナオコに体を見せつける
「あんたの傷を見るとたまらない 可哀相で」
有沢は寝言で「ユウキ」と何度も呼ぶ
少年の性暴力の犯人があがったと電話がくる
サトシの示談は20万円で済んだと話す長瀬
サトシ:
ナンパ癖は学生時代から 母か姉にコンプレックスがあるのかも
父が事故で死んでから、家庭が暗くなった
姉は自分よりオレを優先させて、窮屈になる気がした
イライラするんです ウチには人に言えない秘密がありそうで 家の中が息苦しい
長瀬:
ここでバイトして稼いだらどうだ?
長瀬に電話があり、行方不明だった母の話をされる
「5年も音信普通なんだろ? すぐに来てくれよ」
有沢は、少年に性的暴行している父の家に銃を持って侵入する
両親は縛られ、少年は肛門から血を流しているのを見て
怒りを抑えられずバットや瓶で犯人を殴って殺しかけ、主任・伊島に止められる
「お前に生きてる資格はない こいつはまたやります
心が傷ついた子どもは、別の子どもに怒りをぶつけるしかないんだ
断ち切らないと一生終わらない!」
子どもの泣き声で我に返る有沢
伊島「このことは忘れろ オレは何も見ていない」
長瀬が行くと、汚れた部屋の中に半狂乱となっている母がいた
息子のことも分からない様子
「酷いよ こんなになっちゃったら、もう恨みも言いようがないじゃないじゃないか」
1981年 愛媛の小児総合病院
長瀬「いつでも逃げ出せるようにリュックに入れてあるけど、地図がない どこまで行きたい?」
有沢
「東京、大阪、アメリカ けど、どこ行っても同じだ
世界はもうすぐ終わりを迎えるよ その時、僕らが救われるチャンスも生まれるんだよ」
2人は、服を脱いで海に入るユウキを見る 腕には包帯を巻いている
「あれ人魚じゃないか? オレたちを救ってよ!」
「私はもう私じゃない!」
ユウキは服を持って去り、落としていった白い包帯を拾って、今でも大事に持っている2人
長瀬の母は家に火をつけ救急で運ばれる 「お父ちゃん 来て 早く!」
性暴力の犯人は「子どものほうから家に誘った」と証言
有沢に病院に行くよう上司に言われ、ユウキのいる病院と聞いて動揺する
性暴力を受けた少年の母は
「私たちも今度のことは忘れて、何もなかったことにしたいんですけど」
有沢:
何もなかったことになんか出来ませんよ
ジュンイチくん、何をされたか話してくれ 悪いのはあいつのせいなんだ
少年:バカヤロウ どうして殺さなかったんだよ
有沢:
殺したかった でもオレじゃダメだ 君があいつをやっつけるんだ
今逃げたらおしまいだぞ! てめえなんか死んじまえって言ってやれ
壁に石をぶつけて怒りや悲しみを発散させる
徘徊癖のある老男性が長瀬を息子と間違えて「一郎、やっと迎えに来てくれたんだな」
長瀬と気づかず、世話を続けるユウキ
「長瀬です 前の名前は違ってた あの頃は勝田と呼ばれて
でも動物園ではそれぞれに動物の名前がつけられていたから」
「モウル?」
「助けてくれないか? おふくろのことでどうにもならなくなってる」
少年と有沢の様子を見て、「ジラフじゃないのか?」
ユウキ:
なんだか信じられない 3人とも近くに住んでて、ウチの病院でバッタリ同じ時に・・・
もっと劇的なもの期待してた? わあって抱き合うとか?
長瀬:薔薇の香りがする
有沢:消毒液の匂いも少しな でもいい匂いだ
ユウキ:会ってしまったのね、私たち、とうとう
第二話 人は救いを求めて、罪を重ねる
“私たちは愛媛の精神病棟で初めて出会った
17年前、すべてを心の奥に閉じ込めて松山で別れた
それ以来一度も会わなかった 会ったら何かが崩れる 心のどこかで思っていた”
3人はその後のことを話す
ユウキ:この17年間どうやって生きてきたの?
長瀬はバイトを何でもして、司法試験を受けて弁護士になり、東京に出てきた
有沢は養子にいき、養父母によくしてもらったお蔭で警察になれた 実の両親はどこにいるか知らない
ユウキ:2人とも偉いね
長瀬:
オレたちはもうギリギリの時期だったんだよ
ユウキが病院にいたのは何年も前から知ってた
梁平も知らないわけないと思った 会うべくして会ったんだ
この3人のうちいつ犯罪を犯してもおかしくないよ
ユウキが帰ると、また見合い写真を見せる母
ユウキ:
歳とってサトシのお嫁さんと暮らすより、実の娘の私と暮らしたほうがラクだと思う
結婚しろとか子ども産めとか言う前に、自分のこれからを考えて
母:もう責めないでよ! 私がこれだけ切羽詰ってるのに少しも分かってくれないんだから!
ユウキ:分かってくれないのお母さんじゃない? 目障りだわ
母:悪いのは私なのよね 自分でもよく分かってるわ
サトシは聞いてしまい、「オレ、この家出たいんだ ここじゃ勉強出来ない!」と出て行く
長瀬は部屋の電気がついてないのを見て慌てる
幼い頃、母が男と遊ぶ間、押し入れに入って耳をふさいでいたことから、電気がついてないとパニックになる
いつものホテルに行き、同じ女を買う いつも見てるだけで10万円払う
ナオコはバツイチ 父は警官で、仲間が来てくれるお蔭で店を続けている
伊島は2人に腰を落ち着けろと説得する
ナオコ:リョウちゃんには想ってる人がいるんですよ
2人はユウキのことで口論となる
ナオコ:誰かの代用品なんて嫌ですからね!
有沢:いつでもいいんだぞ 出ていけの一言で済む
1981年
ユウキのカウンセリングをする土橋医師
紹介状には不登校・拒食症のことが書いてあった
土橋は山の話をする
「天気がいいと霊峰が見える 神さまのお山かな
山岳信仰って分かるかな? 特定の場所に神さまが住んでいている
人々を救うためだろうね 今の世界、死んだ世界でも救ってもらえるために
ウチの病院も年に1回登るんだ 生まれ変わった気になるからフシギだなあ」
目を輝かせるユウキ
「入院したら私にも登れる? 私、ここにいる 家になんかいたくない」
両親にも「私は一生ここにいる」と言うと、父はかばう「すぐに戻ってこられるよ」
1999
サトシは司法試験を受けるため、長瀬事務所でバイトを始める
長瀬の母マリコはだいぶ顔色が良くなった
1981
ユウキに「何か嫌なことされたら俺たちがぶっとばしてやるよ」と言う2人
奇声を出したりするため、病棟は動物園と呼ばれ、1人ずつに本名ではなく動物の名前をつけている
モウル(長瀬)はモグラのことだが、暗い所がダメ
ジラフ(有沢)は体中に斑点がある タバコの燃えさしのせいだから、今でも喫煙者を見ると震え出す
ユウキがここにいる理由を聞くと「二度と話しかけないで!」と去る
1979
男といる母 「この子、姉の子なのよ」とウソをつく
ジラフの母:
お前はたまたま生まれたの
辛かったら、アフリカの飢えてる子どものこと考えなさい
お前なんかよりずっと幸せなんだから
お腹を痛めて死ぬかと思って生んだんだから 親のほうが何倍も辛いんだからね!
二度と来るんじゃないよ!
有沢が起きると、つわりで吐いてるナオコ 妊娠を隠す
店を売り、子どもを産むつもりだと知ると
「止めてくれ! ガキなんか!」と雨の中立ち去る
有沢は、ユウキのいる老人科に電話する
「助けてくれ 救ってくれ もう君にすがるしかないんだ
君はオレたちを救ってくれる人魚、天使だったじゃないか!」
多摩川河川敷にタバコを吸いながらフラフラと女が酔って来る
「多少間違いがあっても自分産んでくれた人を許してあげなきゃ」
何者かが石で女を殴り、首を締め、河に捨て、すぐに警察に見つかる
ニュースで水死体発見されたというのを見たユウキは有沢がやったのではと思う
(なんて哀しい話だ・・・
第三話 17年前封印された家族の秘密が
少年の性暴力事件は犯人が自白して解散
有沢らは、多摩川の女性死体の捜査に入る
死因は絞殺、石で殴打 スナックの雇われママと判明
1976
育児放棄していたモウルの母マリコ
母が籍を入れて、長瀬から勝田に変わる
長瀬が好きな事務員・真木広美は、告白してキスして帰る
母がスカートを買って、ユウキに着せようとすると過剰に拒絶する
母:年頃の娘らしく着飾って、母親の目を楽しませてくれたことなんて一度もないんだから/涙
ユウキ:
結婚なんかで私、幸せになれないよ 何度言っても分かってくれない 話すほど変になる
私のせいよね あの病院行かなきゃよかった
私がガマンしてればよかったのに みんな幸せになれたのに! お父さん!
サトシが戻るがすぐに出て行く
母:聞かれてしまったんじゃないかしら?
1981
髪を抜く女の子、喋り続けて遺書を書く少女たちと同じ病室にいるユウキ
突然「臭い! シャワーを浴びたいの!」と暴れだすが、時間外にシャワーを浴びるのは禁止
台所で水を浴びる 止めようとする看護師を制止するジラフたち
2人はユウキをドルフィンと名づける
「一緒に逃げてくれないかなあ 2人だけだときっと迷うけど、彼女の言うことならオレは従う」
父と面会する 外泊禁止と聞いて怒るユウキ「お母さんなんてダイキライ!」
父:
オレたちはあまりいい関係じゃない お前の病気もそれが原因じゃないかと思ってる
早く以前のユウキに戻ってほしいんだ
サトシは四国に行くと長瀬に話す
「姉はぜんそくで入院してたけど、きっと別の理由なんです
ある時から急に叱られるようになって、左腕にはいつも包帯してた
死んだ父の事件のことも 事故ってことになってるけど変なんだ」
司法試験の後にしろと長瀬は止めるが
「霧が覆っているかぎり先へは進めないんです!」
長瀬は有沢とナオコの店で待ち合わせる
ユウキのことを詮索するナオコ
有沢が来て、ナオコを外させる
サトシのことをユウキに知らせたものかどうか相談すると
有沢:言いたきゃ言えよ
長瀬:お前が知らせろ こっちは資格はないから
ナオコ:
18年前に出会えていたら、私もユウキさんと同じくらい想ってもらえたかしら
あなたが寝言で何度も呼ぶの 私なんか勝負にならないね
そんなに想っているなら、どうしてユウキさんのところに行かないの?
有沢:許さないからな 俺の子なんぞ産むのは!
サトシは、松山の病院の精神科を訪ね、姉がここに1年間いたと知る
拒食症と不登校が深刻になり、繁華街を歩いていたところを保護された
「これ以上はお答えできません 本人以外にカルテを見せられない規則なので」
図書館で調べて、父の記事を見つける
裁判で逮捕時に過剰な暴力があったことを検事に問われる有沢
犯人:
てめえもオレと同じ病気だ てめえも同じことをしたかったんだ
こいつはもう1人、2人殺してる
お前は誰に突っ込まれた?
裁判所でも暴力を抑えられない有沢は、上司に怒られ1週間の謹慎となる
第四話 第二の殺人 父の死に隠された真実
ユウキは長瀬に、多摩川の事件の犯人は有沢ではと相談するが否定する
サトシは休暇で旅行に行ってるとウソをつく長瀬
有沢のところに伊島が来て、多摩川事件に目撃者はないという
有沢:
以前、オレがほんとの自分を生きるのを怖がってるっていってましたよね
ほんとの自分って何ですかね 欲しいものを欲しいってことなんですかね
伊島:お前はナオちゃんと夫婦になればいいんだ
サトシは長瀬と会い石鎚山に登ったと話す
サトシ:
父が落ちた場所は分からなかった 1982m ぜんそく患者の登る山とは思えない
事件以来、登山は中止になった やっぱり直接姉に聞くしかないんだ
長瀬:精神科という言葉にはまだ偏見がある 察してやったらどうだ
サトシ:苦しみを共有するのが家族じゃないですか?
サトシは家に戻り母に四国に行ったといっても無視する
父の事故の原因を問い詰めると取り乱し
「お母さんのせいなの!! とっても酷いこと もう責めないで!」
1981
土橋医師と話すユウキ
外泊の許可を出され、両親と会う
母:カウンセリングではどんな話をしてるの? 口論になる両親
山口の母の実家に帰る 裕福な家で、サラリーマンの父はコンプレックスを抱えている
父:
お父さんにはカウンセリングで何を話してくれないか?
お父さんのことは何て聞かれた?
1999
病院で3人で会っているところにサトシが来て、長瀬もいて怪しむ 「なんだかおかしいよ!」
サトシが外に出ると、大火傷している少女リョウコを母親が殴っている
シャワーで熱湯を浴びせ続けたと分かると「これは犯罪だ! 警察に言うべきだ!」と興奮するサトシ
ユウキ:母親にも外傷がないか調べなきゃ
事情聴取で「自分でシャワーの温度を上げた」と証言する母親
両親と警察が問い詰め「私が・・・ごめんなさいママ パパ」と謝る少女
有沢:母親をかばったよ 無惨だ 許せないよ
(こんなシチュエーションで真実を言うなんてムリだよ 児童相談所は???
長瀬とユウキは2人で食事する
長瀬:
オレにはリョウヘイと君を争う資格はない
けどリョウヘイにはある あいつがやったんだよ(ユウキの父殺しは有沢!?
ユウキ:私にとっては2人ともかけがえがないの
席を立ってしまう長瀬 母のもとへ行く
1979
マリコ:
男なんか懲り懲りさ 男なんてあてにしない お前と2人だけ
これからまともな母親になるからね
長瀬:
オレに許してくれとも言わないうちにこんなになっちゃって
ごめんよってゆってくれよ お前はほんとによくやったってどうして褒めてくれないんだ
死んだわけでもないのにひどいよ 何もかも遅い もう遅いよ
マリコ:お前のお父さんは全学連の革命家で頭良かったんだ
長瀬:今どこにいるの?
マリコ:分からない 殺されたのかも あの頃の活動家は意見が違うと殺されたりしたんだよ
母がまた新しい男と一緒にいるのを見る
ある日、花を持って帰ると、家に1万円札1枚残して、誰もいなくなってた
マリコは首を絞めろとうながす
老男性:それが望みだ ずっと望んできたことだ
長瀬:もう何もかもおしまいにしようか 2人でラクになろうか
首を絞めるが殺せない
河川敷でリョウコの母親が石で殴られ、首を絞められて殺される
第五話 愛する資格 アイツが殺したんだ
捜査に有沢もいる 指紋もない 凶器もない 解剖待ち
事件のことを知るユウキ 病院にも警察が来る
リョウコの母親が来ないため、念のため夫は死体を見せられ身元が分かる
捜査会議
被害者は子どもを虐待していた 夫には愛人がいてアリバイがある
有沢は上司に呼ばれ、火傷のことで被害者を知っていたことをなぜ隠してた?と問い詰められる
ユウキ:
強い思いを抱いていると、霊魂みたいなものが出て、行動してしまうことがあるって聞いたことがある
あんな母親なんか死んでしまえって思ってたら殺されてしまった・・・
自分がいい子だったら、お母さんが死ぬこともなかったって子どもは自分を責める
母親を殺したのは自分だと思うかもしれない
あの子、お母さんに謝ってもらう必要があったのよ
3人が犯罪者になる可能性があるってつくづくそう思ったわ
1981 登山療法の日
モウルらはユウキを水のある場所に連れて行くととても喜ぶ 水を浴びるユウキ
「ここ秘密の場所だぜ」
明神山に着くと、四国全体が見渡せる 振り返ると石鎚山が見える
「あの山、神さまの山に登りたい」
伊島がユウキから事情を聞く
「3人はどれくらい古い知り合いですか?」
事件当夜、サトシもいたことも聞かれて動揺するユウキ
サトシにも事情を聞きに事務所まで来る伊島
サトシ:
母親の代表を子どもの代表が殺したのさ
子どもの頃に親の言いなりになって育った奴らが母親になってんだ
年齢に関係なく母親の役割を求められるから、はけ口はわが子しかない
母親にとって子どもが唯一甘えられる相手なんだ
だから子どもが反抗すると理不尽に感じて逆上する
子どももやられっぱなしじゃ納得しない
本当は愛情をかけるはずの親がそうでなければ、子どもだって泣きながら反抗するんだ!
長瀬がかばう ユウキと古い知り合いだと聞いて
今度はサトシから問われる 「あなたもあの病院にいたんでしょ?」
(1つのウソが崩れると、どんどん崩れていくんだ
リョウコの父に声をかけるユウキ 母が亡くなったことはまだ話してない
ユウキ:
母の死を伝える時に、罪の意識を感じさせないように気をつけてください
心から悲しませてください あなたが本当の親になる時が来たんじゃないでしょうか?
父:他人が言うことじゃないよ!
サトシのことを有沢に聞く伊島
「あれは家庭に絶対問題がある 姉も問題を抱えている」
志穂の家も訪ねると、「あなた、どこかでお会いしませんでしたか?」
誤魔化す有沢
ナオコが名刺を見て長瀬に電話して会いたいと頼む
長瀬:
僕はあいつのことは何も知らないといったほうがいいかもしれない
この17年間何を悩んでいるのか知るのか辛い 重なるものがある
自分自身の知らない部分をハッキリ見てしまうことになる
ナオコ:
ユウキさんとお会いできないでしょうか? リョウちゃんのことが分かるかもしれない
自分のことは何も話してくれないんです
またつわりが起きて、妊娠が知れる
ナオコ:悪いですよね こんなことで男を網にかけるようなことをして
長瀬:
片思いは大人になってからするもんじゃないな
感情が乱れて自分が何が欲しいのか分からなくなる
ナオコ:長瀬さんもユウキさんをお好きなんですか?
長瀬:僕はそんな資格がないんです 僕らはその資格をとりあったんですよ
山でユウキを探す2人 楠に寝ているユウキ
マリコに聞くユウキ
「火傷の女の子、お母さんが死んだって知ったらどう思うかしら?」
「それでいいの 頑張ったんだから 生きてきたんだから
生きてるだけでいいの 罪滅ぼしなの」
(途中で流れてくる癒される曲が中谷さんの歌声なのかなあ? 音楽活動も気になる
原作:天童荒太 脚本:中島丈博
出演:
久坂優希:中谷美紀、邑野未亜(12歳時)
久坂雄作:古尾谷雅人
久坂志穂:永島暎子
久坂聡志:井澤健
長瀬笙一郎(モウル):渡部篤郎、勝地涼(12歳時)
長瀬まり子:藤真利子
真木広美:黒谷友香(弁護士事務所事務員)
有沢梁平(ジラフ):椎名桔平、浅利陽介(12歳時)
有沢紀久子:筒井真理子
有沢修三:黒沼弘己
有沢弓子:鷲尾真知子
早川奈緒子(梁平の同棲相手):石田ゆり子
岸川育雄:渡辺哲
岸川夫人:草村礼子(10歳の時レイプされた
伊島宗介刑事:塩見三省
土橋医師:森本レオ
向井照子:片桐はいり(看護婦) ほか
メインテーマ:♪LOST CHILD/坂本龍一
エンディングテーマ:♪I will.../イクシード
挿入歌:♪こわれたこころ/中谷美紀
※「ドラマのマイベスト」に追加しました。
中谷美紀さん出演作で見つけた 渡部篤郎さんとは『ケイゾク』に続いての共演で話題になったのか
2人とも全く違うタイプの役を演じてて、とくに繊細な渡部さんの演技に惹かれた
※「ドラマのマイベスト」参照
DVDジャケの4人の競演が最大の見所
椎名桔平さんの男くさいフェロモンもヤバい
加えて、子ども時代を勝地涼さんらが演じてるのにもビックリ/驚
永島暎子さんも好きな女優さん こういう薄幸な役似合うなあ
石田ゆり子さんも出てるし ゆり子さんも薄幸な役が似合う
そして、なにより「虐待」というテーマで、観ずにいられなかった
また胃の痛む、吐き気のする場面も多いけれども・・・
一体、この問題は、いつからあったのだろうか
ヒトが生まれた時からなのか
これらも、魂の大きな因果の渦の1つであっても
これほど辛い試練がほかにあるだろうか
▼あらすじ(ネタバレ注意
第一話 生きてていいんだよ
1982年春 愛媛県
石鎚山を登る少女・久坂優希、長瀬笙一郎、有沢梁平は彼方に向かって叫ぶ
「俺たちを救ってくれ! 神さまがいるんだろう?」
そこに現れる人影
「あれは君自身が映っているんだ フロッケン現象と呼ばれているんだよ」
「あの人は私たちのために舞い降りてくれたのよ」
「何もやらずに山をおりたら、きっと生きていけないよ」
「どうぞ、教えてください やるべきですか? 私たちを助けてください!」
「やるんだ 殺すんだ」
1999 早春
弁護士になった長瀬は、8年間もユウキを遠くから見続けている
“顔を合わせるのが怖い これ以上はけして近づいてはいけない”
川崎市で高齢者施設の看護師主任になったユウキ
小児科に異動の話をもちかけられてもと断る
「あんなに頑張られちゃ、私たちが能無しみたいに思われるじゃない」と陰口を言われるほど働いている
腰の痛みで倒れ、昔の夢を見る
少女時代、父とシャワーを浴びているところを覗き見ている母
1982年 松山市
父が山の滑落事故で亡くなり、松山を離れるユウキを追う2人の男子
神奈川県警捜査一課の警官になった有沢梁平
彼もユウキを見続けてきた
“時々、声を聞かずにいられなくなる だからといって会うのはためらわれた”
性的暴力を受けている小学2年の男子の事件を追う有沢
「去年から8件目 現状は倍以上だ! 子どもを狙う変態は治りゃしないんだ!」
ユウキの弟・聡志は、女性に暴行して捕まる
母・志穂:
どうしてあんな子になっちゃったのかしら 小さい頃は素直でいい子だったのに
あの子は私を困らせて復讐してるのよ あんたもよ
夜勤で幸せを遠ざけることばかりして もっと自分を大事にしてくれればいいのに
いつも黒い長袖とズボンを履いているユウキ
長瀬笙一郎という弁護士が親切に面倒をみてくれると話す聡志
若くても努力して金を稼いでいることに憧れを抱いている
銀座の長瀬法律事務所
レイプ事件で母と娘の相談に乗るが
長瀬:
強姦されるのは女にも落ち度があるっていう見方が警察にも根強いし、
詳しいことをいちいち聞かれて嫌な思いもします
ましてや、ご近所に噂になったら、お嬢さんも困るでしょ 示談に持ち込んだほうがいい
横浜市反町 小料理屋「なを」で女将をしている早川奈緒子は有沢と同棲して長い
有沢は飼っているハムスターを捕まえて
「生きたいのか? 生きてたって何ひとついい事ないぞ」
ナオコが白いヒモを見つけると「触るな!」と怒る
体中傷だらけの有沢 ナオコに体を見せつける
「あんたの傷を見るとたまらない 可哀相で」
有沢は寝言で「ユウキ」と何度も呼ぶ
少年の性暴力の犯人があがったと電話がくる
サトシの示談は20万円で済んだと話す長瀬
サトシ:
ナンパ癖は学生時代から 母か姉にコンプレックスがあるのかも
父が事故で死んでから、家庭が暗くなった
姉は自分よりオレを優先させて、窮屈になる気がした
イライラするんです ウチには人に言えない秘密がありそうで 家の中が息苦しい
長瀬:
ここでバイトして稼いだらどうだ?
長瀬に電話があり、行方不明だった母の話をされる
「5年も音信普通なんだろ? すぐに来てくれよ」
有沢は、少年に性的暴行している父の家に銃を持って侵入する
両親は縛られ、少年は肛門から血を流しているのを見て
怒りを抑えられずバットや瓶で犯人を殴って殺しかけ、主任・伊島に止められる
「お前に生きてる資格はない こいつはまたやります
心が傷ついた子どもは、別の子どもに怒りをぶつけるしかないんだ
断ち切らないと一生終わらない!」
子どもの泣き声で我に返る有沢
伊島「このことは忘れろ オレは何も見ていない」
長瀬が行くと、汚れた部屋の中に半狂乱となっている母がいた
息子のことも分からない様子
「酷いよ こんなになっちゃったら、もう恨みも言いようがないじゃないじゃないか」
1981年 愛媛の小児総合病院
長瀬「いつでも逃げ出せるようにリュックに入れてあるけど、地図がない どこまで行きたい?」
有沢
「東京、大阪、アメリカ けど、どこ行っても同じだ
世界はもうすぐ終わりを迎えるよ その時、僕らが救われるチャンスも生まれるんだよ」
2人は、服を脱いで海に入るユウキを見る 腕には包帯を巻いている
「あれ人魚じゃないか? オレたちを救ってよ!」
「私はもう私じゃない!」
ユウキは服を持って去り、落としていった白い包帯を拾って、今でも大事に持っている2人
長瀬の母は家に火をつけ救急で運ばれる 「お父ちゃん 来て 早く!」
性暴力の犯人は「子どものほうから家に誘った」と証言
有沢に病院に行くよう上司に言われ、ユウキのいる病院と聞いて動揺する
性暴力を受けた少年の母は
「私たちも今度のことは忘れて、何もなかったことにしたいんですけど」
有沢:
何もなかったことになんか出来ませんよ
ジュンイチくん、何をされたか話してくれ 悪いのはあいつのせいなんだ
少年:バカヤロウ どうして殺さなかったんだよ
有沢:
殺したかった でもオレじゃダメだ 君があいつをやっつけるんだ
今逃げたらおしまいだぞ! てめえなんか死んじまえって言ってやれ
壁に石をぶつけて怒りや悲しみを発散させる
徘徊癖のある老男性が長瀬を息子と間違えて「一郎、やっと迎えに来てくれたんだな」
長瀬と気づかず、世話を続けるユウキ
「長瀬です 前の名前は違ってた あの頃は勝田と呼ばれて
でも動物園ではそれぞれに動物の名前がつけられていたから」
「モウル?」
「助けてくれないか? おふくろのことでどうにもならなくなってる」
少年と有沢の様子を見て、「ジラフじゃないのか?」
ユウキ:
なんだか信じられない 3人とも近くに住んでて、ウチの病院でバッタリ同じ時に・・・
もっと劇的なもの期待してた? わあって抱き合うとか?
長瀬:薔薇の香りがする
有沢:消毒液の匂いも少しな でもいい匂いだ
ユウキ:会ってしまったのね、私たち、とうとう
第二話 人は救いを求めて、罪を重ねる
“私たちは愛媛の精神病棟で初めて出会った
17年前、すべてを心の奥に閉じ込めて松山で別れた
それ以来一度も会わなかった 会ったら何かが崩れる 心のどこかで思っていた”
3人はその後のことを話す
ユウキ:この17年間どうやって生きてきたの?
長瀬はバイトを何でもして、司法試験を受けて弁護士になり、東京に出てきた
有沢は養子にいき、養父母によくしてもらったお蔭で警察になれた 実の両親はどこにいるか知らない
ユウキ:2人とも偉いね
長瀬:
オレたちはもうギリギリの時期だったんだよ
ユウキが病院にいたのは何年も前から知ってた
梁平も知らないわけないと思った 会うべくして会ったんだ
この3人のうちいつ犯罪を犯してもおかしくないよ
ユウキが帰ると、また見合い写真を見せる母
ユウキ:
歳とってサトシのお嫁さんと暮らすより、実の娘の私と暮らしたほうがラクだと思う
結婚しろとか子ども産めとか言う前に、自分のこれからを考えて
母:もう責めないでよ! 私がこれだけ切羽詰ってるのに少しも分かってくれないんだから!
ユウキ:分かってくれないのお母さんじゃない? 目障りだわ
母:悪いのは私なのよね 自分でもよく分かってるわ
サトシは聞いてしまい、「オレ、この家出たいんだ ここじゃ勉強出来ない!」と出て行く
長瀬は部屋の電気がついてないのを見て慌てる
幼い頃、母が男と遊ぶ間、押し入れに入って耳をふさいでいたことから、電気がついてないとパニックになる
いつものホテルに行き、同じ女を買う いつも見てるだけで10万円払う
ナオコはバツイチ 父は警官で、仲間が来てくれるお蔭で店を続けている
伊島は2人に腰を落ち着けろと説得する
ナオコ:リョウちゃんには想ってる人がいるんですよ
2人はユウキのことで口論となる
ナオコ:誰かの代用品なんて嫌ですからね!
有沢:いつでもいいんだぞ 出ていけの一言で済む
1981年
ユウキのカウンセリングをする土橋医師
紹介状には不登校・拒食症のことが書いてあった
土橋は山の話をする
「天気がいいと霊峰が見える 神さまのお山かな
山岳信仰って分かるかな? 特定の場所に神さまが住んでいている
人々を救うためだろうね 今の世界、死んだ世界でも救ってもらえるために
ウチの病院も年に1回登るんだ 生まれ変わった気になるからフシギだなあ」
目を輝かせるユウキ
「入院したら私にも登れる? 私、ここにいる 家になんかいたくない」
両親にも「私は一生ここにいる」と言うと、父はかばう「すぐに戻ってこられるよ」
1999
サトシは司法試験を受けるため、長瀬事務所でバイトを始める
長瀬の母マリコはだいぶ顔色が良くなった
1981
ユウキに「何か嫌なことされたら俺たちがぶっとばしてやるよ」と言う2人
奇声を出したりするため、病棟は動物園と呼ばれ、1人ずつに本名ではなく動物の名前をつけている
モウル(長瀬)はモグラのことだが、暗い所がダメ
ジラフ(有沢)は体中に斑点がある タバコの燃えさしのせいだから、今でも喫煙者を見ると震え出す
ユウキがここにいる理由を聞くと「二度と話しかけないで!」と去る
1979
男といる母 「この子、姉の子なのよ」とウソをつく
ジラフの母:
お前はたまたま生まれたの
辛かったら、アフリカの飢えてる子どものこと考えなさい
お前なんかよりずっと幸せなんだから
お腹を痛めて死ぬかと思って生んだんだから 親のほうが何倍も辛いんだからね!
二度と来るんじゃないよ!
有沢が起きると、つわりで吐いてるナオコ 妊娠を隠す
店を売り、子どもを産むつもりだと知ると
「止めてくれ! ガキなんか!」と雨の中立ち去る
有沢は、ユウキのいる老人科に電話する
「助けてくれ 救ってくれ もう君にすがるしかないんだ
君はオレたちを救ってくれる人魚、天使だったじゃないか!」
多摩川河川敷にタバコを吸いながらフラフラと女が酔って来る
「多少間違いがあっても自分産んでくれた人を許してあげなきゃ」
何者かが石で女を殴り、首を締め、河に捨て、すぐに警察に見つかる
ニュースで水死体発見されたというのを見たユウキは有沢がやったのではと思う
(なんて哀しい話だ・・・
第三話 17年前封印された家族の秘密が
少年の性暴力事件は犯人が自白して解散
有沢らは、多摩川の女性死体の捜査に入る
死因は絞殺、石で殴打 スナックの雇われママと判明
1976
育児放棄していたモウルの母マリコ
母が籍を入れて、長瀬から勝田に変わる
長瀬が好きな事務員・真木広美は、告白してキスして帰る
母がスカートを買って、ユウキに着せようとすると過剰に拒絶する
母:年頃の娘らしく着飾って、母親の目を楽しませてくれたことなんて一度もないんだから/涙
ユウキ:
結婚なんかで私、幸せになれないよ 何度言っても分かってくれない 話すほど変になる
私のせいよね あの病院行かなきゃよかった
私がガマンしてればよかったのに みんな幸せになれたのに! お父さん!
サトシが戻るがすぐに出て行く
母:聞かれてしまったんじゃないかしら?
1981
髪を抜く女の子、喋り続けて遺書を書く少女たちと同じ病室にいるユウキ
突然「臭い! シャワーを浴びたいの!」と暴れだすが、時間外にシャワーを浴びるのは禁止
台所で水を浴びる 止めようとする看護師を制止するジラフたち
2人はユウキをドルフィンと名づける
「一緒に逃げてくれないかなあ 2人だけだときっと迷うけど、彼女の言うことならオレは従う」
父と面会する 外泊禁止と聞いて怒るユウキ「お母さんなんてダイキライ!」
父:
オレたちはあまりいい関係じゃない お前の病気もそれが原因じゃないかと思ってる
早く以前のユウキに戻ってほしいんだ
サトシは四国に行くと長瀬に話す
「姉はぜんそくで入院してたけど、きっと別の理由なんです
ある時から急に叱られるようになって、左腕にはいつも包帯してた
死んだ父の事件のことも 事故ってことになってるけど変なんだ」
司法試験の後にしろと長瀬は止めるが
「霧が覆っているかぎり先へは進めないんです!」
長瀬は有沢とナオコの店で待ち合わせる
ユウキのことを詮索するナオコ
有沢が来て、ナオコを外させる
サトシのことをユウキに知らせたものかどうか相談すると
有沢:言いたきゃ言えよ
長瀬:お前が知らせろ こっちは資格はないから
ナオコ:
18年前に出会えていたら、私もユウキさんと同じくらい想ってもらえたかしら
あなたが寝言で何度も呼ぶの 私なんか勝負にならないね
そんなに想っているなら、どうしてユウキさんのところに行かないの?
有沢:許さないからな 俺の子なんぞ産むのは!
サトシは、松山の病院の精神科を訪ね、姉がここに1年間いたと知る
拒食症と不登校が深刻になり、繁華街を歩いていたところを保護された
「これ以上はお答えできません 本人以外にカルテを見せられない規則なので」
図書館で調べて、父の記事を見つける
裁判で逮捕時に過剰な暴力があったことを検事に問われる有沢
犯人:
てめえもオレと同じ病気だ てめえも同じことをしたかったんだ
こいつはもう1人、2人殺してる
お前は誰に突っ込まれた?
裁判所でも暴力を抑えられない有沢は、上司に怒られ1週間の謹慎となる
第四話 第二の殺人 父の死に隠された真実
ユウキは長瀬に、多摩川の事件の犯人は有沢ではと相談するが否定する
サトシは休暇で旅行に行ってるとウソをつく長瀬
有沢のところに伊島が来て、多摩川事件に目撃者はないという
有沢:
以前、オレがほんとの自分を生きるのを怖がってるっていってましたよね
ほんとの自分って何ですかね 欲しいものを欲しいってことなんですかね
伊島:お前はナオちゃんと夫婦になればいいんだ
サトシは長瀬と会い石鎚山に登ったと話す
サトシ:
父が落ちた場所は分からなかった 1982m ぜんそく患者の登る山とは思えない
事件以来、登山は中止になった やっぱり直接姉に聞くしかないんだ
長瀬:精神科という言葉にはまだ偏見がある 察してやったらどうだ
サトシ:苦しみを共有するのが家族じゃないですか?
サトシは家に戻り母に四国に行ったといっても無視する
父の事故の原因を問い詰めると取り乱し
「お母さんのせいなの!! とっても酷いこと もう責めないで!」
1981
土橋医師と話すユウキ
外泊の許可を出され、両親と会う
母:カウンセリングではどんな話をしてるの? 口論になる両親
山口の母の実家に帰る 裕福な家で、サラリーマンの父はコンプレックスを抱えている
父:
お父さんにはカウンセリングで何を話してくれないか?
お父さんのことは何て聞かれた?
1999
病院で3人で会っているところにサトシが来て、長瀬もいて怪しむ 「なんだかおかしいよ!」
サトシが外に出ると、大火傷している少女リョウコを母親が殴っている
シャワーで熱湯を浴びせ続けたと分かると「これは犯罪だ! 警察に言うべきだ!」と興奮するサトシ
ユウキ:母親にも外傷がないか調べなきゃ
事情聴取で「自分でシャワーの温度を上げた」と証言する母親
両親と警察が問い詰め「私が・・・ごめんなさいママ パパ」と謝る少女
有沢:母親をかばったよ 無惨だ 許せないよ
(こんなシチュエーションで真実を言うなんてムリだよ 児童相談所は???
長瀬とユウキは2人で食事する
長瀬:
オレにはリョウヘイと君を争う資格はない
けどリョウヘイにはある あいつがやったんだよ(ユウキの父殺しは有沢!?
ユウキ:私にとっては2人ともかけがえがないの
席を立ってしまう長瀬 母のもとへ行く
1979
マリコ:
男なんか懲り懲りさ 男なんてあてにしない お前と2人だけ
これからまともな母親になるからね
長瀬:
オレに許してくれとも言わないうちにこんなになっちゃって
ごめんよってゆってくれよ お前はほんとによくやったってどうして褒めてくれないんだ
死んだわけでもないのにひどいよ 何もかも遅い もう遅いよ
マリコ:お前のお父さんは全学連の革命家で頭良かったんだ
長瀬:今どこにいるの?
マリコ:分からない 殺されたのかも あの頃の活動家は意見が違うと殺されたりしたんだよ
母がまた新しい男と一緒にいるのを見る
ある日、花を持って帰ると、家に1万円札1枚残して、誰もいなくなってた
マリコは首を絞めろとうながす
老男性:それが望みだ ずっと望んできたことだ
長瀬:もう何もかもおしまいにしようか 2人でラクになろうか
首を絞めるが殺せない
河川敷でリョウコの母親が石で殴られ、首を絞められて殺される
第五話 愛する資格 アイツが殺したんだ
捜査に有沢もいる 指紋もない 凶器もない 解剖待ち
事件のことを知るユウキ 病院にも警察が来る
リョウコの母親が来ないため、念のため夫は死体を見せられ身元が分かる
捜査会議
被害者は子どもを虐待していた 夫には愛人がいてアリバイがある
有沢は上司に呼ばれ、火傷のことで被害者を知っていたことをなぜ隠してた?と問い詰められる
ユウキ:
強い思いを抱いていると、霊魂みたいなものが出て、行動してしまうことがあるって聞いたことがある
あんな母親なんか死んでしまえって思ってたら殺されてしまった・・・
自分がいい子だったら、お母さんが死ぬこともなかったって子どもは自分を責める
母親を殺したのは自分だと思うかもしれない
あの子、お母さんに謝ってもらう必要があったのよ
3人が犯罪者になる可能性があるってつくづくそう思ったわ
1981 登山療法の日
モウルらはユウキを水のある場所に連れて行くととても喜ぶ 水を浴びるユウキ
「ここ秘密の場所だぜ」
明神山に着くと、四国全体が見渡せる 振り返ると石鎚山が見える
「あの山、神さまの山に登りたい」
伊島がユウキから事情を聞く
「3人はどれくらい古い知り合いですか?」
事件当夜、サトシもいたことも聞かれて動揺するユウキ
サトシにも事情を聞きに事務所まで来る伊島
サトシ:
母親の代表を子どもの代表が殺したのさ
子どもの頃に親の言いなりになって育った奴らが母親になってんだ
年齢に関係なく母親の役割を求められるから、はけ口はわが子しかない
母親にとって子どもが唯一甘えられる相手なんだ
だから子どもが反抗すると理不尽に感じて逆上する
子どももやられっぱなしじゃ納得しない
本当は愛情をかけるはずの親がそうでなければ、子どもだって泣きながら反抗するんだ!
長瀬がかばう ユウキと古い知り合いだと聞いて
今度はサトシから問われる 「あなたもあの病院にいたんでしょ?」
(1つのウソが崩れると、どんどん崩れていくんだ
リョウコの父に声をかけるユウキ 母が亡くなったことはまだ話してない
ユウキ:
母の死を伝える時に、罪の意識を感じさせないように気をつけてください
心から悲しませてください あなたが本当の親になる時が来たんじゃないでしょうか?
父:他人が言うことじゃないよ!
サトシのことを有沢に聞く伊島
「あれは家庭に絶対問題がある 姉も問題を抱えている」
志穂の家も訪ねると、「あなた、どこかでお会いしませんでしたか?」
誤魔化す有沢
ナオコが名刺を見て長瀬に電話して会いたいと頼む
長瀬:
僕はあいつのことは何も知らないといったほうがいいかもしれない
この17年間何を悩んでいるのか知るのか辛い 重なるものがある
自分自身の知らない部分をハッキリ見てしまうことになる
ナオコ:
ユウキさんとお会いできないでしょうか? リョウちゃんのことが分かるかもしれない
自分のことは何も話してくれないんです
またつわりが起きて、妊娠が知れる
ナオコ:悪いですよね こんなことで男を網にかけるようなことをして
長瀬:
片思いは大人になってからするもんじゃないな
感情が乱れて自分が何が欲しいのか分からなくなる
ナオコ:長瀬さんもユウキさんをお好きなんですか?
長瀬:僕はそんな資格がないんです 僕らはその資格をとりあったんですよ
山でユウキを探す2人 楠に寝ているユウキ
マリコに聞くユウキ
「火傷の女の子、お母さんが死んだって知ったらどう思うかしら?」
「それでいいの 頑張ったんだから 生きてきたんだから
生きてるだけでいいの 罪滅ぼしなの」
(途中で流れてくる癒される曲が中谷さんの歌声なのかなあ? 音楽活動も気になる