■「記録的豪雨」があなたの町に そのときどうする?@週刊ニュース深読み
“今週、九州北部を襲った豪雨は広範囲に被害をもたらしました。
福岡県朝倉市に降り注いだのは1時間で129.5ミリという未曽有の集中豪雨。
普段水が流れていないような川が氾濫し家や田畑を飲み込みました。
専門家は、こうした集中豪雨が、今後全国どこでも降る可能性があると警鐘を鳴らしています。
もし、自分が暮らす町に記録的豪雨が降ったら、どんなことが起こるのか? どのように行動すればよいのか?
ふだんの備えは?専門家とともに考えます。 ”
専門家:
牛山 素行さん(静岡大学 防災総合センター 教授)
関谷 直也さん(東京大学大学院 総合防災情報研究センター特任准教授)
南 利幸(気象予報士)
松本 浩司(NHK解説委員)
ゲスト:
レッド吉田さん(タレント)
大林 素子さん(タレント)
メール「1人1人の心に危機感がないと逃げないと思う」
メール「川のライブ映像を見るようにしている」
●昔と気候状態が全然違う
南:
九州だけでなく、広島、北海道、都内でも床上下浸水があった
「数十年に一度の大雨」ということが昔より増えた
1980年と比較して1.5倍ほど増えている
順番としては、まず大雨が降り→川が氾濫し→避難指示が出る
いろんな警報がある
「記録的短時間大雨情報」
専門家:
これが1回出ただけでも60%の被害が出たというデータがある
2回出たら80% 今回の水害では何度もこの表示が出された
1.「大雨」とつく警報
赤色より紫色が危険だが、赤色の危険性は変わらない
2.「川」に関する警報
3.「山」に関する警報
4.「役所」から出す避難情報
●避難とは避難所に行くだけではない
・夜、見通しが悪く、水びたしの道を歩くのはかえって危ない
・避難所に行く途中、川や崖がある場合は、それを避けるなど、自分で、それぞれの状況に応じた判断が必要
・高齢者や障害をもつ人がいる場合は、避難準備の段階から動きはじめるなど、
各家庭の家族構成、住む場所、状況によって異なる
●都市部に起こった場合を想定したシミュレーション
<降雨量>
1時間に50ミリの雨が、特定の地域に降り続けること
この基準を80ミリに設定しようという動きがある
今回の九州では100ミリ
※数字に頼り過ぎないことも必要
<クルマ:「アンダーパス」に注意>
水害時は、クルマに乗って逃げないこと クルマは簡単に流される
大雨で視界が悪く、気づくと「アンンダーパス」に入ってしまっていることもある
機密性が高く、水に沈むと制御不能状態になる
窓が開かない、ドアが開かなくなる
中から窓を壊すスパナのようなものを常備しておくのもよい
車両保険に入るのも1つの手
<川:急な増水>
都心は護岸工事が進んでいるため、ほかよりは雨による被害は激減しているが
都市部ならではの注意点もある
早いと10分足らずで増水する
川の近くでバーベキューなどしている時は、常に上流の天気に注意をする
<停電>
今回の被害情報でも「停電してネットが見られなかった」という声が多い
<アスファルト>
水が染み込みにくい
<地下:下水の上昇・マンホール>
キャパを超えるとあふれる
マンホールのフタが開いていることに気づかず、落ちるケースも多い
お風呂や、トイレが逆流する 温水洗浄便座式の場合、漏電にも注意
地下の対策は進めているが、都市部は地下構造が広いため、各事業者が管理して、連携を深めている
「小さな地下室に注意」
ちょっとした雨で、すぐに満水になる
地下室にこもって気づかない場合もあるので
緊急時に知らせるメール機能を入れておくなどの対策も有効
「地下街」
渋谷などの地下街は出入り口が多く、全部を一気に防ぐのはムリ
大手町・有楽町あたりの146箇所の地下街に、何も対策しなかったらどうなるか、想定したイラスト
※地下にいたら早く外に出る
<高層マンション>
3日間ほどの食料の貯蓄や備えが必要
浸水は1日でひくが、1~数週間長引く場所もある
※エレベーターは止まるので使わない
●SNSによる拡散は効果があるか?
まず、携帯基地局が壊れて、一番被害が酷いところに情報が入らない
「#救助 拡散」というツイートも多いが、まずは110、119番に電話する
110、119番を優先させるために、他の回線を規制している
物資なども決められたルートで送らないと、余ったり、必要な所に届かなかったりする
情報を慎重に見極め、安易な拡散はしないほうがよい
●昼の避難にも注意
夜のほうが気をつけなければという意識がはたらきがちだが
データを見ると、昼夜の被害者の数は同じ
昼だとムリな行動をとりやすい
例:早く家に帰ろう 会社に急ごう など
<まとめ>
・流れる水には、とにかく近づかない
・あらかじめの備えが肝心 「ハザードマップ」を見て、自分の住む場所を確認
*****
同じく「ZIP!」でも取り上げた
●大雨特別警報とは
<屋内にいた場合>
松並気象予報士:
すぐに避難できない時は、1階より2階
より高いところに避難したほうが安全
自治体からの避難情報を確認すること
<屋外にいた場合~川の濁流が危険>
松並気象予報士:
川の近くだと、その瞬間に氾濫してくるかもしれない
崖の近くだと、その瞬間に崩れてくるかもしれない
川や崖には近づかないで避難するのも大きなポイント
マンホールに注意
<クルマで移動中の場合>
松並気象予報士:
まず自分がどこにいるか、雨がどんな状況か、情報収集が大事
川が氾濫してクルマが動かなくなることも考えられる
*****
■「豪雨災害 くらしは・・・」@あさイチ
●避難のポイント
大雨警報:比較的、日常的に出る 外出する予定があった場合などは見直す
「大雨警報」+その他の情報が出た場合は具体的な行動を始める=避難
少しでも安全性の高い場所に行く
※「大雨特別警報」にもっとも注意
ピークのタイミングで出るとは限らない これが出た時には避難が遅れてしまう状況にもなり得る
専門家:
2013年からできた これが出てから行動を起こすのはやや遅い
「大雨警報」はよく聞くけれども、普段あまり耳にしない警報を聞いたら
普段と違う、なにかしないとマズいというきっかけ
避難所だけではなく、場所などによってそれぞれ
家の中でも、斜面側にいたか、そうでないかで運命が変わることがある
川で一番破壊力が大きいのは「土石流」
3階建ては少ないかもしれないので、1階よりは2階
●注意ポイント 橋の高さ=川の高さ
川の高さは、普段の水位と思いがちだが、実は橋の高さ
橋の高さの場所には、いつ川の水が流れてきてもおかしくない
今回のような中小河川だと、ハザードマップにない場合もある
※河川敷の野球場とかもすべて川 全部埋まっていることも珍しくない
※中小河川は、短時間で水位が上がる 5~10分で数m単位上がる
※流れている水には絶対に入らない
専門家:
よく「水の中を歩くには何cmまで大丈夫か」と聞かれるが、何cmという基準はない
流れが速いと、わずかな水でも流される
防災の知識としては、流れが止まっているのか、流れているのかで充分
流れている水に入れば、流されて、命を失う危険がある
坂道だとより流れが速くなる
日ごろから避難所までの道順を確かめるなど注意していることが重要
例1:雨が降っていなくても、家の前の川の水位が急激に上がっていたのを見て、すぐに避難した
5年前の災害を思い出し、嫌がる母親(高齢で脚が不自由)をクルマに乗せて避難所に行った
その後、戻ると玄関前まで流木がきていた
例2:川があふれていたが、まだ避難指示は出ていない状況だった
高齢者の多い地区で、80代の夫と腰の悪い妻でどうしようと思っていたところ
2軒先の方が妻をおぶって避難所まで連れていってくれて助かった
●今の時期だからこその注意点
ウイルス性の感染症が避難所で流行ることもある
過去に同じ時期に起きた豪雨災害で、これらが起きた
靴が流されて裸足で土をかき出していた方がいたが、
怪我をして、細菌が入り込む可能性がある
小さな怪我でも消毒をする
土砂をかきだす作業の際などでは、ゴム製の手袋をした上に作業用の手袋をして、肌を露出させないこと
(靴もない状況で、それも難しそうだけど・・・
「熱中症」
福岡も30度を超えるという予報がある
飲み水を買うなどしてこまめに飲む
「洪水警報の危険度分布」
これからあふれそうな場所を示す
専門家:
自分の地域に雨が降っていなくても、近くの川の上流の天気がどうか見られるサイトもある
危険な川がどこにあるかというHPもある
災害が起きている時は見ている余裕はないので、あらかじめ確認しておく
Q:高齢者、体の不自由な人がいる場合の避難は?
専門家:
いざという時にはなかなかいい知恵は出ない
日ごろから、避難所だけでなく少しでも避難にいい所はないか調べておくことも重要
Q:ボランティアに行きたい、必要物資を送りたい
「あさイチ」、各地区のHPを確認
“今週、九州北部を襲った豪雨は広範囲に被害をもたらしました。
福岡県朝倉市に降り注いだのは1時間で129.5ミリという未曽有の集中豪雨。
普段水が流れていないような川が氾濫し家や田畑を飲み込みました。
専門家は、こうした集中豪雨が、今後全国どこでも降る可能性があると警鐘を鳴らしています。
もし、自分が暮らす町に記録的豪雨が降ったら、どんなことが起こるのか? どのように行動すればよいのか?
ふだんの備えは?専門家とともに考えます。 ”
専門家:
牛山 素行さん(静岡大学 防災総合センター 教授)
関谷 直也さん(東京大学大学院 総合防災情報研究センター特任准教授)
南 利幸(気象予報士)
松本 浩司(NHK解説委員)
ゲスト:
レッド吉田さん(タレント)
大林 素子さん(タレント)
メール「1人1人の心に危機感がないと逃げないと思う」
メール「川のライブ映像を見るようにしている」
●昔と気候状態が全然違う
南:
九州だけでなく、広島、北海道、都内でも床上下浸水があった
「数十年に一度の大雨」ということが昔より増えた
1980年と比較して1.5倍ほど増えている
順番としては、まず大雨が降り→川が氾濫し→避難指示が出る
いろんな警報がある
「記録的短時間大雨情報」
専門家:
これが1回出ただけでも60%の被害が出たというデータがある
2回出たら80% 今回の水害では何度もこの表示が出された
1.「大雨」とつく警報
赤色より紫色が危険だが、赤色の危険性は変わらない
2.「川」に関する警報
3.「山」に関する警報
4.「役所」から出す避難情報
●避難とは避難所に行くだけではない
・夜、見通しが悪く、水びたしの道を歩くのはかえって危ない
・避難所に行く途中、川や崖がある場合は、それを避けるなど、自分で、それぞれの状況に応じた判断が必要
・高齢者や障害をもつ人がいる場合は、避難準備の段階から動きはじめるなど、
各家庭の家族構成、住む場所、状況によって異なる
●都市部に起こった場合を想定したシミュレーション
<降雨量>
1時間に50ミリの雨が、特定の地域に降り続けること
この基準を80ミリに設定しようという動きがある
今回の九州では100ミリ
※数字に頼り過ぎないことも必要
<クルマ:「アンダーパス」に注意>
水害時は、クルマに乗って逃げないこと クルマは簡単に流される
大雨で視界が悪く、気づくと「アンンダーパス」に入ってしまっていることもある
機密性が高く、水に沈むと制御不能状態になる
窓が開かない、ドアが開かなくなる
中から窓を壊すスパナのようなものを常備しておくのもよい
車両保険に入るのも1つの手
<川:急な増水>
都心は護岸工事が進んでいるため、ほかよりは雨による被害は激減しているが
都市部ならではの注意点もある
早いと10分足らずで増水する
川の近くでバーベキューなどしている時は、常に上流の天気に注意をする
<停電>
今回の被害情報でも「停電してネットが見られなかった」という声が多い
<アスファルト>
水が染み込みにくい
<地下:下水の上昇・マンホール>
キャパを超えるとあふれる
マンホールのフタが開いていることに気づかず、落ちるケースも多い
お風呂や、トイレが逆流する 温水洗浄便座式の場合、漏電にも注意
地下の対策は進めているが、都市部は地下構造が広いため、各事業者が管理して、連携を深めている
「小さな地下室に注意」
ちょっとした雨で、すぐに満水になる
地下室にこもって気づかない場合もあるので
緊急時に知らせるメール機能を入れておくなどの対策も有効
「地下街」
渋谷などの地下街は出入り口が多く、全部を一気に防ぐのはムリ
大手町・有楽町あたりの146箇所の地下街に、何も対策しなかったらどうなるか、想定したイラスト
※地下にいたら早く外に出る
<高層マンション>
3日間ほどの食料の貯蓄や備えが必要
浸水は1日でひくが、1~数週間長引く場所もある
※エレベーターは止まるので使わない
●SNSによる拡散は効果があるか?
まず、携帯基地局が壊れて、一番被害が酷いところに情報が入らない
「#救助 拡散」というツイートも多いが、まずは110、119番に電話する
110、119番を優先させるために、他の回線を規制している
物資なども決められたルートで送らないと、余ったり、必要な所に届かなかったりする
情報を慎重に見極め、安易な拡散はしないほうがよい
●昼の避難にも注意
夜のほうが気をつけなければという意識がはたらきがちだが
データを見ると、昼夜の被害者の数は同じ
昼だとムリな行動をとりやすい
例:早く家に帰ろう 会社に急ごう など
<まとめ>
・流れる水には、とにかく近づかない
・あらかじめの備えが肝心 「ハザードマップ」を見て、自分の住む場所を確認
*****
同じく「ZIP!」でも取り上げた
●大雨特別警報とは
<屋内にいた場合>
松並気象予報士:
すぐに避難できない時は、1階より2階
より高いところに避難したほうが安全
自治体からの避難情報を確認すること
<屋外にいた場合~川の濁流が危険>
松並気象予報士:
川の近くだと、その瞬間に氾濫してくるかもしれない
崖の近くだと、その瞬間に崩れてくるかもしれない
川や崖には近づかないで避難するのも大きなポイント
マンホールに注意
<クルマで移動中の場合>
松並気象予報士:
まず自分がどこにいるか、雨がどんな状況か、情報収集が大事
川が氾濫してクルマが動かなくなることも考えられる
*****
■「豪雨災害 くらしは・・・」@あさイチ
●避難のポイント
大雨警報:比較的、日常的に出る 外出する予定があった場合などは見直す
「大雨警報」+その他の情報が出た場合は具体的な行動を始める=避難
少しでも安全性の高い場所に行く
※「大雨特別警報」にもっとも注意
ピークのタイミングで出るとは限らない これが出た時には避難が遅れてしまう状況にもなり得る
専門家:
2013年からできた これが出てから行動を起こすのはやや遅い
「大雨警報」はよく聞くけれども、普段あまり耳にしない警報を聞いたら
普段と違う、なにかしないとマズいというきっかけ
避難所だけではなく、場所などによってそれぞれ
家の中でも、斜面側にいたか、そうでないかで運命が変わることがある
川で一番破壊力が大きいのは「土石流」
3階建ては少ないかもしれないので、1階よりは2階
●注意ポイント 橋の高さ=川の高さ
川の高さは、普段の水位と思いがちだが、実は橋の高さ
橋の高さの場所には、いつ川の水が流れてきてもおかしくない
今回のような中小河川だと、ハザードマップにない場合もある
※河川敷の野球場とかもすべて川 全部埋まっていることも珍しくない
※中小河川は、短時間で水位が上がる 5~10分で数m単位上がる
※流れている水には絶対に入らない
専門家:
よく「水の中を歩くには何cmまで大丈夫か」と聞かれるが、何cmという基準はない
流れが速いと、わずかな水でも流される
防災の知識としては、流れが止まっているのか、流れているのかで充分
流れている水に入れば、流されて、命を失う危険がある
坂道だとより流れが速くなる
日ごろから避難所までの道順を確かめるなど注意していることが重要
例1:雨が降っていなくても、家の前の川の水位が急激に上がっていたのを見て、すぐに避難した
5年前の災害を思い出し、嫌がる母親(高齢で脚が不自由)をクルマに乗せて避難所に行った
その後、戻ると玄関前まで流木がきていた
例2:川があふれていたが、まだ避難指示は出ていない状況だった
高齢者の多い地区で、80代の夫と腰の悪い妻でどうしようと思っていたところ
2軒先の方が妻をおぶって避難所まで連れていってくれて助かった
●今の時期だからこその注意点
ウイルス性の感染症が避難所で流行ることもある
過去に同じ時期に起きた豪雨災害で、これらが起きた
靴が流されて裸足で土をかき出していた方がいたが、
怪我をして、細菌が入り込む可能性がある
小さな怪我でも消毒をする
土砂をかきだす作業の際などでは、ゴム製の手袋をした上に作業用の手袋をして、肌を露出させないこと
(靴もない状況で、それも難しそうだけど・・・
「熱中症」
福岡も30度を超えるという予報がある
飲み水を買うなどしてこまめに飲む
「洪水警報の危険度分布」
これからあふれそうな場所を示す
専門家:
自分の地域に雨が降っていなくても、近くの川の上流の天気がどうか見られるサイトもある
危険な川がどこにあるかというHPもある
災害が起きている時は見ている余裕はないので、あらかじめ確認しておく
Q:高齢者、体の不自由な人がいる場合の避難は?
専門家:
いざという時にはなかなかいい知恵は出ない
日ごろから、避難所だけでなく少しでも避難にいい所はないか調べておくことも重要
Q:ボランティアに行きたい、必要物資を送りたい
「あさイチ」、各地区のHPを確認