遠いどこかに 私の家がある
霧にかすんだ空き地には ベンチがひとつだけ待っている
巨きな月を観ながら ぼんやりと魂を飛ばす
大洋を優雅に泳ぐウミガメのように
くり返す毎日、毎日、毎日
ここに私がいてもいいスペースがあるだろうか
傍観、傍観
まっ蒼なサンゴの中を ぼんやりとした蒼い目で
そうだ 幼い頃も ここを泳いだ
どこへ行くのかは分からずとも
なにかの運(さだ)めに導かれて
どこかに 私のいていい家はないか
澄みわたる空が見える ベンチはないか
そこにゆったり腰かけて
期待するような口笛をふいて
またくり返し、くり返し、同じ夢を見るんだ
遠いサバンナの夢
横たわるスフィンクスの夢
あたたかい動物のまなざし
つめたい宇宙の呼吸
ひとつ目の宇宙人が 迎えに来てくれるまで
すべてから逃れて
桟橋でハモニカを吹いて
樹の下の芝に寝ころんで
星図をひろげて
悪戯なほほえみを浮かべて
今日もまた
くり返す
くり返す
息を吸って はいて
息を吸って はいて
時には見つめあい
見栄を張り
疲れたら ベンチに戻ろう
家へ帰ろう
波しぶきのかかる
あの赤い屋根の家へ
記 2017.7.11
霧にかすんだ空き地には ベンチがひとつだけ待っている
巨きな月を観ながら ぼんやりと魂を飛ばす
大洋を優雅に泳ぐウミガメのように
くり返す毎日、毎日、毎日
ここに私がいてもいいスペースがあるだろうか
傍観、傍観
まっ蒼なサンゴの中を ぼんやりとした蒼い目で
そうだ 幼い頃も ここを泳いだ
どこへ行くのかは分からずとも
なにかの運(さだ)めに導かれて
どこかに 私のいていい家はないか
澄みわたる空が見える ベンチはないか
そこにゆったり腰かけて
期待するような口笛をふいて
またくり返し、くり返し、同じ夢を見るんだ
遠いサバンナの夢
横たわるスフィンクスの夢
あたたかい動物のまなざし
つめたい宇宙の呼吸
ひとつ目の宇宙人が 迎えに来てくれるまで
すべてから逃れて
桟橋でハモニカを吹いて
樹の下の芝に寝ころんで
星図をひろげて
悪戯なほほえみを浮かべて
今日もまた
くり返す
くり返す
息を吸って はいて
息を吸って はいて
時には見つめあい
見栄を張り
疲れたら ベンチに戻ろう
家へ帰ろう
波しぶきのかかる
あの赤い屋根の家へ
記 2017.7.11