■ドラマ『変身』(2014)
原作:東野圭吾 監督:永田琴
出演:
成瀬純一 - 神木隆之介
葉村恵 - 二階堂ふみ
橘直子 - 臼田あさ美
京極瞬介 - 渡部豪太
光国隆康 - 戸次重幸
牧村一身 - マキタスポーツ
葛西三朗 - 中尾明慶
若生健一 - 東根作寿英
京極亮子 - 本田翼
葉村春彦 - 松重豊
倉田謙三 - 村上淳
堂元博 - 伊武雅刀
※「ドラマのマイベスト」カテゴリー内の「東野圭吾さん作品まとめ」に追加
▼あらすじ(ネタバレ注意
●第1話 「覚醒」
2013年 XMAS
10時間の手術が終了
堂元医師:彼は生きている 私は医学の常識を覆した
前夜
工場で働く成瀬純一
メグミとのデートに急ぎ、途中で指輪を買う
以前一緒に来た時は高価で買えなかった
その宝石店に銃を持った男が来る
少女が母のもとに走り、かばったジュンが撃たれて頭部から大量出血で病院に運ばれた
術後20日経過
重体のまま、意識が戻らず、面会謝絶
両親はいないため、メグミは毎日受付で面会を頼むが断られる(このシステムどうなのかね
看護師:堂元先生は日本でも有数の優秀なドクターだから心配しなくても大丈夫よ
橘直子(臼田あさ美ちゃん!)が経過観察をしていると、意識が戻るナルセ
ナルセは意識不明の間、水中で赤ん坊の泣き声を聞く(子どもの頃の記憶か?
その後の回復も早く、リハビリも順調
ナルセ:いつまでここにいるのだろう
銃で撃たれる悪夢を見る
ナオコから犯人は死んだと聞く
ナオコを追って、立ち入り禁止の部屋に入り、堂元の電話の会話を聞いてしまうメグミ
堂元:
世界初の“生体間脳移植”を世の中に発表するつもりだ ナルセはドナーだと知らない
他人の脳が移植されているにも関わらず、彼の回復は目覚しい
ナオコに見つかるメグミ
堂元:
ナルセくんはとっても順調ですよ 手術の詳しい内容はまだ知らせていません
彼には余計なことを話さないと約束してくれますね?
ようやくナルセと再会するメグミ
純一:僕の絵ってタッチ変わったかな 前みたく描けないんだよね
刑事・倉田謙三は、転属早々、「銀座宝石店強盗殺人未遂事件」の調書を書くことになる
ナルセの記憶力に驚く 「とても脳に重傷をおった人間とは思えない」
犯人の京極瞬介は、ビルの屋上へ逃げて金をバラまき
自分の頭を撃ったが急所を外して、この病院に運ばれたと知る(まさか犯人の脳を移植?
京極を運んだ救急隊員に話を聞く倉田
当日、もう1人交通事故で重体の患者がいた
「でも、京極はダメでしたね 胸撃ってたから」
「頭じゃないんだ」
堂元:
事情が変わった BSファームはリスクを恐れてる
私は法に触れることをした覚えはない 必ずこのオペを世に公表してみせる
堂元は記者会見を開く
メグミ、倉田も発表を聞く
ナルセは後頭部に銃弾が貫通し、一刻を争う状況だった
患者自身の脳を再生させる「神経再生手術」をしたと言い、メグミは疑問に思う
ナルセが救った少女から花束をもらう
少女の父親・嵯峨道彦は弁護士
メグミ:堂元先生、ジュンの手術はさっきの説明通りでしょうか?
堂元:他にどんな手術があるのかな? 退院おめでとう
家に帰るとXMASの続きを用意しているメグミ
(なぜ別の脳なのに前の記憶があるんだろう?
隣人が大騒ぎしている音にイラつく
2人は一夜を過ごす
ナルセ:
なにかが違う その時僕は思ってはいけないことを思ってしまった
この子にそばかすがなければいいのに・・・
メグミもどこか疑っている
●第2話 「予兆」
ナルセは仕事に復帰するが、いろいろ違和感を覚える
家の外で吠える犬の声にもイライラする
メグミをモデルにした絵にも身が入らない
J:頭痛がするから一人にしてほしい
また隣りのゲームの音がうるさい
(私もこれはムリだわ どうして夜遅くまでこんなにうるさいんだ
「静かにしろ!」と壁にカップをぶつける
京極の動機は父親への復讐
京極は、父の元愛人の子どもで、病気の母が死んで、初めて金の無心に行って断られた
頭部を開墾した時の手術跡がある京極の写真を見る倉田
仲間が退院祝いを開き飲みに行く 少女を助けたヒーロー扱いだが、その騒音も耐えられない
ナルセは職場の仲間がだらだらしてるのを見て「改善提案書」を上司に渡す
同僚のサカイが文句をつけると
ナルセ:まったくくだらないジェラシーだ と言ってケンカになる
仲間の家で目が覚めると、顔が殴られているのに気づく
倉田はまた当日搬送した男に聞くと、
京極はナルセの2時間前に運んだ
同時期に起きた交通事故患者セキヤも運ばれたが亡くなった
重体患者3人の中で助かったのはナルセだけ
セキヤは「ドナー登録」をしていた
「東和大は移植ネットワークのパイプが強いからまた使われるんだろうな
救急隊員の中の噂で“東和大に運ばれたら皮膚の1枚も残らない 全部移植に使われる”て言われてる」
京極の担当医は、渡辺ではなく、脳神経外科の若生になっていることに気づく倉田
ナルセは堂元に相談
ナルセ:
元の生活に馴染めないんです
時々、音が気になった時に頭痛、耳鳴りがする
ワカオは刑事に疑われていると怯えていると
堂元:担当は渡部だろ?
音は右脳部分のドナーからの影響ではないかと話し合う(音は右脳か
隣りの騒音に無意識にナイフを持っていることに驚くナルセ
Jがまた殴り合いのケンカをしたと同僚カサイがMに教える
カサイ:時々、別の人間と話してる気がするんだよね
Jの部屋に入ると『脳のリハビリ』などの本がある
倉田が来て相談する
倉田:堂元が説明していた時「え?」てゆったよね? なんで?
M:
刑事さんは脳のことに詳しいですか?
脳移植って・・・人間の脳を人間に移植することって出来るんですか?
そこにJが帰ってきて怒る
J:刑事とかムカつくんだけど イライラするんだよ、いろんなことに
M:
定期健診に私も一緒に行っていいかな
知りたいの Jの体に何が起こっているか
私聞いちゃったの Jに誰かの脳を移植したって
でも会見で全然違うこと・・・
J:
意味が分からない 冗談やめろよ
もし本当だとして、どうしてオレに隠すんだよ
もう何も聞きたくないし 知りたくない 帰れって言ってんだ!
また銃で撃たれる悪夢を見て絶叫して起きる
(自分の中に他人の脳があるなんて、考えただけでも発狂しそうだ
倉田:死んだ人間の脳は移植できるのかね
同僚:脳死なんだから出来ないのでは?
倉田:じゃあ、ドナーは生きてないといけないのか
同僚:それじゃ殺人でしょ そもそも今の医療じゃ出来ないでしょ
心理学者の光国が不安を除くために精神分析をする
(こういう催眠療法式のカウンセリングってまだあるのか
父:男ならそのくらい出来るだろう? 飛び降りろ!
火にネズミを投げる幻を見る
堂元:
催眠状態の時の発言は、自分のいくじなさを表現していた
ドナーの精神パターンが共鳴している
ナルセは変身の途中にある
●第3話 「ドナー」
上司に呼ばれ、他の部署に回ってくれと言われるJ
改善提案書が捨てられているのを見てキレる
バーに入り、ピアノの演奏に聴きいっていると、騒がしい客が来る
静かにしろと注意してもめ、ビール瓶で相手の頭をいきなり殴った上、酒をかけ火をつけようとする
J:火葬だ
(このマスター、『晴れ、ときどき殺人』の清水昭博さんに似てるなあ
男をどこまでも追い、ビルに入り、頭を鉄棒で殴られ、また過去の回想がよぎる
父:燃やせ お前はネズミ1匹殺せないのか!
Mは倉田に電話し、倉田がおさえて留置所に入る
M:
やっぱり脳移植されたんです 一体誰の脳が移植されているのか知りませんか?
助けた少女の父・嵯峨弁護士が留置所から出してくれる
嵯峨:私はあなたの力になりたい あなたのお蔭で娘は今も変わらず笑顔でいる
J:
やっぱり誰かの脳を移植されたんだ 僕の中に誰かがいる
凶暴な人間が住みついているんだ なにか知ってるなら言えよ!
Mは、倉田から聞いたセキヤのことを話す
2人は喫茶店オーナーをしているセキヤの父を訪ねる
息子トキオがどういう人だったか聞くと、ボランティアに熱心で
「人の役に立ちたい」というのが口癖だった
父:
幼い頃から根っからのお人好しで
ドナー登録はやめさせらればよかった
臓器を取られた遺体を見たことあるかい?
目、内臓を取られて、きっと脳みそまで取られている
あの傷跡は酷かった 今ごろちゃんと天国とか行けてるのかねぇ
J:
何も感じなかった 父親を見ても、写真を見ても
京極はどんな奴だったんだろう? 充分可能性はある
Jは堂元に迫る
J:
真実を教えてくれるまで定期健診を断る
あなたは何を隠しているんだ あなたは僕のデータが欲しいんでしょ?
ナオコ:私が力になれることはない?
倉田も堂元に会う
倉田:もし脳を移植するには、生きてるうちに取り出さないといけないんですよね?
堂元:
ロバート・ホワイト博士を知ってるか?
そんな無知な人間に脳について語るのは時間のムダだ
Jは倉田に京極について聞く
音楽家志望で、ピアノを習っていた
堂元:患者は気づき始めている 世間に発表するべきです
BSファーム:倫理的に問題がある
堂元:刑事やマスコミに知られ始めているんだ!
Jは京極の家に行く
「なにか用?」と話しかけられた女性を見て頭痛が走るJ
「私と会ったことある? じゃあなんなのこの感覚
私は京極亮子 シュンスケの双子の妹」
Jは逃げ去る
妹に会ったとMに話す
J:音楽家志望だったから音に敏感になったんだ
M:Jが生きてるなら、私は誰の脳でもいい
J:お前なんかにオレの気持ちなんか分かるかよ! オレの前から消えてくれ!
脳について勉強する倉田
店長はJの退院祝いに色鉛筆セットをくれる
ナオコがMに会いに来る
ナオコ:
Jはあなたと別れたほうがいいわ
手術前を知っているあなたは、誰より元に戻ってほしいと思ってる
それが、彼にとって一番辛いのが分からない?
手術後の彼を私はよく知ってる
Jはスケッチブックに自分の脳に京極の脳が移植されていることなどを書く
Jの家に色鉛筆セットを持ってくるM
M:私、実家に帰ることにした
J:そうか
退院祝いも渡さず走るM
M:
JはJでなくなってしまうのでしょうか?
人に心があるなら、それはどこにあるのでしょうか?
J:僕はいつまで僕でいられるのだろう?
●第4話 「共鳴効果」
ネズミを殺す夢を見て叫んで起きるJ
酒屋を経営している実家に帰るM
祖父は認知症でMが分からない
父:東京でなんかあったか Mムリすんでね
Jは退職届を出す
ナオコが心配で訪ねてくる
J:怖いんだ 次何をしだすか自分でも分からなくて
ナオコ:私がなんとかする
J:
最近同じ夢を見る 小学生くらいの少年が火をくべたドラム缶の前に立ってる
その少年の顔が京極になってる 京極の記憶が広がっている
知ってたんだろ? ドナーが京極だって
ナオコ:あなたを救えるのは堂元先生とミツクニ先生しかいない
堂元に会い脳神経について話す倉田
堂元:殺人をおかさなくても理論上可能だ
倉田が来て、日記を隠すJ
J:京極に会うと懐かしいような感じがした
倉田:オレが知りたいのは脳手術があったかどうかだ
KはMに電話する
M:
私がいけないんです 私がいたらJが苦しむから
ほんとは怖かったんです Jがどんどん変わっていくのを近くで見るのが
私は彼から逃げたんです
リョウコに会い京極瞬介のことを聞くJ
リョウコ:
母は心臓の病気で手術しなきゃ治らない
そのお金の工面にあの男のところに行って随分ひどいことまで言われたみたい
それから1週間後に母は亡くなった 瞬介は母を本当に愛していた
母がクラブでピアノを弾いてて、瞬介も私も教わってたの
また赤いピアノを思い出す そのピアノが部屋にある
J:どんな子どもだった? ケンカっ早かったり?
リョウコ:
優しくて繊細だった 人を責めたりせずに自分が悪いと思っちゃうタイプ 犬が大好きで
戸惑うJ じゃ、あの夢は一体・・・
父:ジュンイチ、殺すまで家に入れないからな!
あれは、無意識に心の底に閉じ込めていたオレの記憶!
ケンカしている父母 父は母親に暴力を振るっていた
J:
オレを凶暴にしてたのは京極じゃなく、オレだったんだ
もともとオレはそういう人間なんだ
ナオコ:
それって「エディプスコンプレックス」じゃないかな
母親に異常な執着をもち、父に対して敵意をもつ
母を異性として見ているから、どうしても罪悪感がつきまとう
それを無意識に抑圧して精神バランスをとろうとするの
それが意識下から吹きだしているんじゃないかな
ミツクニ先生の精神分析をもう一度受けてみない?
J:裏切らないか?
ミツクニは堂元にエディプスコンプレックスのことを話し、ナオコにJを連れ戻すように言う
Jから合鍵をもらうナオコ それを見る倉田
倉田:
ひょっとしたら奴ら世間から君を隔離するかも そしたら奴らの罪を暴けなくなる
酒屋を手伝うM 認知症の祖父は暴れたり、徘徊したりする
父:どんなに変わってもじいちゃんだ 記憶がなくなって別人になっても
Jは犬の吠える声にイラつき、家に侵入し
頭部を切り落として飼い主の塀の上に乗せて、ニュースとなる
(柴さん!! ムダ吠えは、犬が悪いんじゃなくて、飼い主のしつけのせいなのに
それを犬のせいにする人は意外に多いんだ/涙
署長から事件を追うなと止められる倉田 上から圧力がかけられた
ナオコは、Jの書いた日記を写メっているところにJが戻る
ナオコ:あの犬、あなたが殺したの?
J:京極は殺さない 俺がやったんだ ナオコ助けてくれ 一緒にどこか遠くに行こう
日記を見たことがバレる
J:裏切ったな 俺は実験台でしかないんだろ?
ナオコの首を絞め、遺体をクルマに乗せるJ
Mは倉田に飼い犬惨殺のことを話して、Jの様子を見てほしいと頼む
●最終話 「成瀬純一」
遺体を山中に埋める
(いつかバレるのに、どうしてこうした手口は変わらないのかなあ
K:
Mちゃん戻ったらどうだ オレには止められない
あんたしかいないんじゃないのか?
店でMに会うのを楽しみにしていた頃を思い出すJ
Mに「いつもありがとうございます どんな絵を描いてるんですか?」
と聞かれて喜ぶが、どんな客にも聞いてると知ってガッカリする
「今度ウチに絵を見に来ませんか?」と誘い
Mをモデルに絵を描く そばかすも丁寧に描く
清水先輩に相談するK
清水は当時、事件から外され、田舎に飛ばされている
清水:
これ以上、あの事件に首を突っ込むな オレと同じことになるぞ
奥多摩の山中で遺体が見つかった 例のナオコだ
堂元のバックにはボストンの製薬会社がついている 俺が言えるのはそれまでだ
絵に没頭するJ ピアノを弾くと心が落ち着く
MがJを訪ねる
J:この世から消えるんだよ オレは人殺しなんだよ
M:死ぬなら私の前で死んで! 私と一緒に来て
J:絶対オレを裏切るなよ
M:裏切ったら殺していい
新しい家に引っ越す(カードでおろしたら、居場所が分かるのでは?
清水は倉田に「ホシはもう特定している 若い男の3人組だ 同期の忠告は聞くものだ」
J:
(ニュースを聞いて)偽造工作だ 誰かがもみ消そうとしてる
脳移植の研究に失敗はいらない 彼らにとってオレはもう用済みなんだ
MからKに電話
「Jがいないの 窓ガラスが割れてる」
「連れ去られたんだ カードを使ったら、警察ならすぐ特定できる」
BSファーム:
例のプロジェクトは中止する ナルセは殺人を犯した
あなた(堂元)の偉業もない 彼のことは任せてくれ
Jは殴られ、ガソリンをかけられ、火がつけられるが、必死に逃げ出す
部屋に戻り、
J:裏切っただろ? お前がここを教えたんだろ?
Mの首を絞めるが頭痛がしてうずくまると、抱きしめるM
母:いいのよ、Jは優しいコだから お母さんは充分嬉しいのよ
J:メグ、今なら描けるかもしれない
M:私を描いて
服を脱がせるが、最初に描いた時のことを思い出して、同じ服を持たせて描き始める
Mも初めてモデルをした当時のことを思い出す
J:メグ、君を愛したことを忘れない
翌朝
J:行ってくる 自分自身を取り戻しに
M:いってらっしゃい
堂元のもとへ行くJ
J:
もうこの状態は長くは続きません
頼みがある 移植した部分をソックリ取り除いてほしい
そしたら凶暴な自分を閉じ込められる
堂元:廃人になるか、死んでしまう
J:自分を愛してくれる人間を殺すより死んだほうがマシです
堂元:私は医者だ 治療のためなら全力を尽くす
J:脳のスペアはないと聞いて安心しました もう懲り懲りですから
Jは頭を撃つ
M:Jは私のもとへ帰ってきた 体は動かせないが、やっと自分を取り戻せたのかもしれません
1週間後 堂元の講義に来る倉田
K:
あなたが臓器移植の倫理を語るなんて皮肉ですね
あなたは製薬会社、政府、警察をバックに生体間脳移植を理論上完成して
試したくてウズウズしていた
10万分の1の確率で適合する2人が偶然運ばれてきた
ナルセは一刻を争う状態、京極は助からない
法的脳鑑定をする前に神経幹細胞を取り出した
(だから、こういうリアルなオペシーンとか要らないってば
死亡解剖でセキヤの脳と京極の脳を取り替えた?
K:
証拠は見事なまでにない
あなたはナルセの命を救ったが、命って何ですか? 彼は死ぬほど苦しんだ
一体、誰のためのものだったんです
1つの臓器は、1つの人生なんじゃないですか?
堂元:今の言葉、今度の講義で使わせてもらいますよ
植物状態のナルセのそばで鼻歌を歌っていると、心肺停止となる
M:ジュン、終わったよ
JはMの肖像画にそばかすを描き加えて笑顔になる
原作:東野圭吾 監督:永田琴
出演:
成瀬純一 - 神木隆之介
葉村恵 - 二階堂ふみ
橘直子 - 臼田あさ美
京極瞬介 - 渡部豪太
光国隆康 - 戸次重幸
牧村一身 - マキタスポーツ
葛西三朗 - 中尾明慶
若生健一 - 東根作寿英
京極亮子 - 本田翼
葉村春彦 - 松重豊
倉田謙三 - 村上淳
堂元博 - 伊武雅刀
※「ドラマのマイベスト」カテゴリー内の「東野圭吾さん作品まとめ」に追加
▼あらすじ(ネタバレ注意
●第1話 「覚醒」
2013年 XMAS
10時間の手術が終了
堂元医師:彼は生きている 私は医学の常識を覆した
前夜
工場で働く成瀬純一
メグミとのデートに急ぎ、途中で指輪を買う
以前一緒に来た時は高価で買えなかった
その宝石店に銃を持った男が来る
少女が母のもとに走り、かばったジュンが撃たれて頭部から大量出血で病院に運ばれた
術後20日経過
重体のまま、意識が戻らず、面会謝絶
両親はいないため、メグミは毎日受付で面会を頼むが断られる(このシステムどうなのかね
看護師:堂元先生は日本でも有数の優秀なドクターだから心配しなくても大丈夫よ
橘直子(臼田あさ美ちゃん!)が経過観察をしていると、意識が戻るナルセ
ナルセは意識不明の間、水中で赤ん坊の泣き声を聞く(子どもの頃の記憶か?
その後の回復も早く、リハビリも順調
ナルセ:いつまでここにいるのだろう
銃で撃たれる悪夢を見る
ナオコから犯人は死んだと聞く
ナオコを追って、立ち入り禁止の部屋に入り、堂元の電話の会話を聞いてしまうメグミ
堂元:
世界初の“生体間脳移植”を世の中に発表するつもりだ ナルセはドナーだと知らない
他人の脳が移植されているにも関わらず、彼の回復は目覚しい
ナオコに見つかるメグミ
堂元:
ナルセくんはとっても順調ですよ 手術の詳しい内容はまだ知らせていません
彼には余計なことを話さないと約束してくれますね?
ようやくナルセと再会するメグミ
純一:僕の絵ってタッチ変わったかな 前みたく描けないんだよね
刑事・倉田謙三は、転属早々、「銀座宝石店強盗殺人未遂事件」の調書を書くことになる
ナルセの記憶力に驚く 「とても脳に重傷をおった人間とは思えない」
犯人の京極瞬介は、ビルの屋上へ逃げて金をバラまき
自分の頭を撃ったが急所を外して、この病院に運ばれたと知る(まさか犯人の脳を移植?
京極を運んだ救急隊員に話を聞く倉田
当日、もう1人交通事故で重体の患者がいた
「でも、京極はダメでしたね 胸撃ってたから」
「頭じゃないんだ」
堂元:
事情が変わった BSファームはリスクを恐れてる
私は法に触れることをした覚えはない 必ずこのオペを世に公表してみせる
堂元は記者会見を開く
メグミ、倉田も発表を聞く
ナルセは後頭部に銃弾が貫通し、一刻を争う状況だった
患者自身の脳を再生させる「神経再生手術」をしたと言い、メグミは疑問に思う
ナルセが救った少女から花束をもらう
少女の父親・嵯峨道彦は弁護士
メグミ:堂元先生、ジュンの手術はさっきの説明通りでしょうか?
堂元:他にどんな手術があるのかな? 退院おめでとう
家に帰るとXMASの続きを用意しているメグミ
(なぜ別の脳なのに前の記憶があるんだろう?
隣人が大騒ぎしている音にイラつく
2人は一夜を過ごす
ナルセ:
なにかが違う その時僕は思ってはいけないことを思ってしまった
この子にそばかすがなければいいのに・・・
メグミもどこか疑っている
●第2話 「予兆」
ナルセは仕事に復帰するが、いろいろ違和感を覚える
家の外で吠える犬の声にもイライラする
メグミをモデルにした絵にも身が入らない
J:頭痛がするから一人にしてほしい
また隣りのゲームの音がうるさい
(私もこれはムリだわ どうして夜遅くまでこんなにうるさいんだ
「静かにしろ!」と壁にカップをぶつける
京極の動機は父親への復讐
京極は、父の元愛人の子どもで、病気の母が死んで、初めて金の無心に行って断られた
頭部を開墾した時の手術跡がある京極の写真を見る倉田
仲間が退院祝いを開き飲みに行く 少女を助けたヒーロー扱いだが、その騒音も耐えられない
ナルセは職場の仲間がだらだらしてるのを見て「改善提案書」を上司に渡す
同僚のサカイが文句をつけると
ナルセ:まったくくだらないジェラシーだ と言ってケンカになる
仲間の家で目が覚めると、顔が殴られているのに気づく
倉田はまた当日搬送した男に聞くと、
京極はナルセの2時間前に運んだ
同時期に起きた交通事故患者セキヤも運ばれたが亡くなった
重体患者3人の中で助かったのはナルセだけ
セキヤは「ドナー登録」をしていた
「東和大は移植ネットワークのパイプが強いからまた使われるんだろうな
救急隊員の中の噂で“東和大に運ばれたら皮膚の1枚も残らない 全部移植に使われる”て言われてる」
京極の担当医は、渡辺ではなく、脳神経外科の若生になっていることに気づく倉田
ナルセは堂元に相談
ナルセ:
元の生活に馴染めないんです
時々、音が気になった時に頭痛、耳鳴りがする
ワカオは刑事に疑われていると怯えていると
堂元:担当は渡部だろ?
音は右脳部分のドナーからの影響ではないかと話し合う(音は右脳か
隣りの騒音に無意識にナイフを持っていることに驚くナルセ
Jがまた殴り合いのケンカをしたと同僚カサイがMに教える
カサイ:時々、別の人間と話してる気がするんだよね
Jの部屋に入ると『脳のリハビリ』などの本がある
倉田が来て相談する
倉田:堂元が説明していた時「え?」てゆったよね? なんで?
M:
刑事さんは脳のことに詳しいですか?
脳移植って・・・人間の脳を人間に移植することって出来るんですか?
そこにJが帰ってきて怒る
J:刑事とかムカつくんだけど イライラするんだよ、いろんなことに
M:
定期健診に私も一緒に行っていいかな
知りたいの Jの体に何が起こっているか
私聞いちゃったの Jに誰かの脳を移植したって
でも会見で全然違うこと・・・
J:
意味が分からない 冗談やめろよ
もし本当だとして、どうしてオレに隠すんだよ
もう何も聞きたくないし 知りたくない 帰れって言ってんだ!
また銃で撃たれる悪夢を見て絶叫して起きる
(自分の中に他人の脳があるなんて、考えただけでも発狂しそうだ
倉田:死んだ人間の脳は移植できるのかね
同僚:脳死なんだから出来ないのでは?
倉田:じゃあ、ドナーは生きてないといけないのか
同僚:それじゃ殺人でしょ そもそも今の医療じゃ出来ないでしょ
心理学者の光国が不安を除くために精神分析をする
(こういう催眠療法式のカウンセリングってまだあるのか
父:男ならそのくらい出来るだろう? 飛び降りろ!
火にネズミを投げる幻を見る
堂元:
催眠状態の時の発言は、自分のいくじなさを表現していた
ドナーの精神パターンが共鳴している
ナルセは変身の途中にある
●第3話 「ドナー」
上司に呼ばれ、他の部署に回ってくれと言われるJ
改善提案書が捨てられているのを見てキレる
バーに入り、ピアノの演奏に聴きいっていると、騒がしい客が来る
静かにしろと注意してもめ、ビール瓶で相手の頭をいきなり殴った上、酒をかけ火をつけようとする
J:火葬だ
(このマスター、『晴れ、ときどき殺人』の清水昭博さんに似てるなあ
男をどこまでも追い、ビルに入り、頭を鉄棒で殴られ、また過去の回想がよぎる
父:燃やせ お前はネズミ1匹殺せないのか!
Mは倉田に電話し、倉田がおさえて留置所に入る
M:
やっぱり脳移植されたんです 一体誰の脳が移植されているのか知りませんか?
助けた少女の父・嵯峨弁護士が留置所から出してくれる
嵯峨:私はあなたの力になりたい あなたのお蔭で娘は今も変わらず笑顔でいる
J:
やっぱり誰かの脳を移植されたんだ 僕の中に誰かがいる
凶暴な人間が住みついているんだ なにか知ってるなら言えよ!
Mは、倉田から聞いたセキヤのことを話す
2人は喫茶店オーナーをしているセキヤの父を訪ねる
息子トキオがどういう人だったか聞くと、ボランティアに熱心で
「人の役に立ちたい」というのが口癖だった
父:
幼い頃から根っからのお人好しで
ドナー登録はやめさせらればよかった
臓器を取られた遺体を見たことあるかい?
目、内臓を取られて、きっと脳みそまで取られている
あの傷跡は酷かった 今ごろちゃんと天国とか行けてるのかねぇ
J:
何も感じなかった 父親を見ても、写真を見ても
京極はどんな奴だったんだろう? 充分可能性はある
Jは堂元に迫る
J:
真実を教えてくれるまで定期健診を断る
あなたは何を隠しているんだ あなたは僕のデータが欲しいんでしょ?
ナオコ:私が力になれることはない?
倉田も堂元に会う
倉田:もし脳を移植するには、生きてるうちに取り出さないといけないんですよね?
堂元:
ロバート・ホワイト博士を知ってるか?
そんな無知な人間に脳について語るのは時間のムダだ
Jは倉田に京極について聞く
音楽家志望で、ピアノを習っていた
堂元:患者は気づき始めている 世間に発表するべきです
BSファーム:倫理的に問題がある
堂元:刑事やマスコミに知られ始めているんだ!
Jは京極の家に行く
「なにか用?」と話しかけられた女性を見て頭痛が走るJ
「私と会ったことある? じゃあなんなのこの感覚
私は京極亮子 シュンスケの双子の妹」
Jは逃げ去る
妹に会ったとMに話す
J:音楽家志望だったから音に敏感になったんだ
M:Jが生きてるなら、私は誰の脳でもいい
J:お前なんかにオレの気持ちなんか分かるかよ! オレの前から消えてくれ!
脳について勉強する倉田
店長はJの退院祝いに色鉛筆セットをくれる
ナオコがMに会いに来る
ナオコ:
Jはあなたと別れたほうがいいわ
手術前を知っているあなたは、誰より元に戻ってほしいと思ってる
それが、彼にとって一番辛いのが分からない?
手術後の彼を私はよく知ってる
Jはスケッチブックに自分の脳に京極の脳が移植されていることなどを書く
Jの家に色鉛筆セットを持ってくるM
M:私、実家に帰ることにした
J:そうか
退院祝いも渡さず走るM
M:
JはJでなくなってしまうのでしょうか?
人に心があるなら、それはどこにあるのでしょうか?
J:僕はいつまで僕でいられるのだろう?
●第4話 「共鳴効果」
ネズミを殺す夢を見て叫んで起きるJ
酒屋を経営している実家に帰るM
祖父は認知症でMが分からない
父:東京でなんかあったか Mムリすんでね
Jは退職届を出す
ナオコが心配で訪ねてくる
J:怖いんだ 次何をしだすか自分でも分からなくて
ナオコ:私がなんとかする
J:
最近同じ夢を見る 小学生くらいの少年が火をくべたドラム缶の前に立ってる
その少年の顔が京極になってる 京極の記憶が広がっている
知ってたんだろ? ドナーが京極だって
ナオコ:あなたを救えるのは堂元先生とミツクニ先生しかいない
堂元に会い脳神経について話す倉田
堂元:殺人をおかさなくても理論上可能だ
倉田が来て、日記を隠すJ
J:京極に会うと懐かしいような感じがした
倉田:オレが知りたいのは脳手術があったかどうかだ
KはMに電話する
M:
私がいけないんです 私がいたらJが苦しむから
ほんとは怖かったんです Jがどんどん変わっていくのを近くで見るのが
私は彼から逃げたんです
リョウコに会い京極瞬介のことを聞くJ
リョウコ:
母は心臓の病気で手術しなきゃ治らない
そのお金の工面にあの男のところに行って随分ひどいことまで言われたみたい
それから1週間後に母は亡くなった 瞬介は母を本当に愛していた
母がクラブでピアノを弾いてて、瞬介も私も教わってたの
また赤いピアノを思い出す そのピアノが部屋にある
J:どんな子どもだった? ケンカっ早かったり?
リョウコ:
優しくて繊細だった 人を責めたりせずに自分が悪いと思っちゃうタイプ 犬が大好きで
戸惑うJ じゃ、あの夢は一体・・・
父:ジュンイチ、殺すまで家に入れないからな!
あれは、無意識に心の底に閉じ込めていたオレの記憶!
ケンカしている父母 父は母親に暴力を振るっていた
J:
オレを凶暴にしてたのは京極じゃなく、オレだったんだ
もともとオレはそういう人間なんだ
ナオコ:
それって「エディプスコンプレックス」じゃないかな
母親に異常な執着をもち、父に対して敵意をもつ
母を異性として見ているから、どうしても罪悪感がつきまとう
それを無意識に抑圧して精神バランスをとろうとするの
それが意識下から吹きだしているんじゃないかな
ミツクニ先生の精神分析をもう一度受けてみない?
J:裏切らないか?
ミツクニは堂元にエディプスコンプレックスのことを話し、ナオコにJを連れ戻すように言う
Jから合鍵をもらうナオコ それを見る倉田
倉田:
ひょっとしたら奴ら世間から君を隔離するかも そしたら奴らの罪を暴けなくなる
酒屋を手伝うM 認知症の祖父は暴れたり、徘徊したりする
父:どんなに変わってもじいちゃんだ 記憶がなくなって別人になっても
Jは犬の吠える声にイラつき、家に侵入し
頭部を切り落として飼い主の塀の上に乗せて、ニュースとなる
(柴さん!! ムダ吠えは、犬が悪いんじゃなくて、飼い主のしつけのせいなのに
それを犬のせいにする人は意外に多いんだ/涙
署長から事件を追うなと止められる倉田 上から圧力がかけられた
ナオコは、Jの書いた日記を写メっているところにJが戻る
ナオコ:あの犬、あなたが殺したの?
J:京極は殺さない 俺がやったんだ ナオコ助けてくれ 一緒にどこか遠くに行こう
日記を見たことがバレる
J:裏切ったな 俺は実験台でしかないんだろ?
ナオコの首を絞め、遺体をクルマに乗せるJ
Mは倉田に飼い犬惨殺のことを話して、Jの様子を見てほしいと頼む
●最終話 「成瀬純一」
遺体を山中に埋める
(いつかバレるのに、どうしてこうした手口は変わらないのかなあ
K:
Mちゃん戻ったらどうだ オレには止められない
あんたしかいないんじゃないのか?
店でMに会うのを楽しみにしていた頃を思い出すJ
Mに「いつもありがとうございます どんな絵を描いてるんですか?」
と聞かれて喜ぶが、どんな客にも聞いてると知ってガッカリする
「今度ウチに絵を見に来ませんか?」と誘い
Mをモデルに絵を描く そばかすも丁寧に描く
清水先輩に相談するK
清水は当時、事件から外され、田舎に飛ばされている
清水:
これ以上、あの事件に首を突っ込むな オレと同じことになるぞ
奥多摩の山中で遺体が見つかった 例のナオコだ
堂元のバックにはボストンの製薬会社がついている 俺が言えるのはそれまでだ
絵に没頭するJ ピアノを弾くと心が落ち着く
MがJを訪ねる
J:この世から消えるんだよ オレは人殺しなんだよ
M:死ぬなら私の前で死んで! 私と一緒に来て
J:絶対オレを裏切るなよ
M:裏切ったら殺していい
新しい家に引っ越す(カードでおろしたら、居場所が分かるのでは?
清水は倉田に「ホシはもう特定している 若い男の3人組だ 同期の忠告は聞くものだ」
J:
(ニュースを聞いて)偽造工作だ 誰かがもみ消そうとしてる
脳移植の研究に失敗はいらない 彼らにとってオレはもう用済みなんだ
MからKに電話
「Jがいないの 窓ガラスが割れてる」
「連れ去られたんだ カードを使ったら、警察ならすぐ特定できる」
BSファーム:
例のプロジェクトは中止する ナルセは殺人を犯した
あなた(堂元)の偉業もない 彼のことは任せてくれ
Jは殴られ、ガソリンをかけられ、火がつけられるが、必死に逃げ出す
部屋に戻り、
J:裏切っただろ? お前がここを教えたんだろ?
Mの首を絞めるが頭痛がしてうずくまると、抱きしめるM
母:いいのよ、Jは優しいコだから お母さんは充分嬉しいのよ
J:メグ、今なら描けるかもしれない
M:私を描いて
服を脱がせるが、最初に描いた時のことを思い出して、同じ服を持たせて描き始める
Mも初めてモデルをした当時のことを思い出す
J:メグ、君を愛したことを忘れない
翌朝
J:行ってくる 自分自身を取り戻しに
M:いってらっしゃい
堂元のもとへ行くJ
J:
もうこの状態は長くは続きません
頼みがある 移植した部分をソックリ取り除いてほしい
そしたら凶暴な自分を閉じ込められる
堂元:廃人になるか、死んでしまう
J:自分を愛してくれる人間を殺すより死んだほうがマシです
堂元:私は医者だ 治療のためなら全力を尽くす
J:脳のスペアはないと聞いて安心しました もう懲り懲りですから
Jは頭を撃つ
M:Jは私のもとへ帰ってきた 体は動かせないが、やっと自分を取り戻せたのかもしれません
1週間後 堂元の講義に来る倉田
K:
あなたが臓器移植の倫理を語るなんて皮肉ですね
あなたは製薬会社、政府、警察をバックに生体間脳移植を理論上完成して
試したくてウズウズしていた
10万分の1の確率で適合する2人が偶然運ばれてきた
ナルセは一刻を争う状態、京極は助からない
法的脳鑑定をする前に神経幹細胞を取り出した
(だから、こういうリアルなオペシーンとか要らないってば
死亡解剖でセキヤの脳と京極の脳を取り替えた?
K:
証拠は見事なまでにない
あなたはナルセの命を救ったが、命って何ですか? 彼は死ぬほど苦しんだ
一体、誰のためのものだったんです
1つの臓器は、1つの人生なんじゃないですか?
堂元:今の言葉、今度の講義で使わせてもらいますよ
植物状態のナルセのそばで鼻歌を歌っていると、心肺停止となる
M:ジュン、終わったよ
JはMの肖像画にそばかすを描き加えて笑顔になる