■親子で知ろう!がんのこと
専門家ゲスト:林和彦さん(東京女子医科大学 がんセンター長)
ゲスト:生稲晃子さん、藤本敏史さん
VTRゲスト:園田マイコさん(モデル)、小林豊茂さん(豊島区立明豊中学校校長)
リポーター:古野晶子アナウンサー
全国の小中学校で始まる「がん教育」について紹介された
<クイズ>
答え:1はC、2はC、3はB
<日本でがんがとても増えている>
<ゲストの生稲晃子さんの体験談>
当時5歳の子どもに言うべきか迷ったが、そのまま伝えることにした生稲さん
生稲さん:
「ママのおっぱいに悪いものがあって、取らないと死んじゃうの」と言ったら
子どもは泣いていたので、理解してくれたと思った
それから5回手術して、片方は全摘出しましたが、
「こっちは本物、こっちはニセモノのおっぱい」とちゃんと見せたり
その都度、検査の結果も話しています
再発した時、娘は7歳で「なにかあれば、なんでもするよ」と言われて
この子が成人するまで死ねないと思いました
「家族は第二の患者」とも言われる
こうした教育があれば、家族と話し合える
林さん:
がんというと「死」のイメージが先行して、理解が浅く、不安になってしまう
伝わりにくいため、まず、子どもに正しく教えることで、全国に広まればいいと思っている
今は、医療技術の進歩で、6割以上が治る病気
怖がっていても仕方ない 理解したほうがいい
学童の場合は、なんの前触れもなく伝えるとトラウマになる場合もあるため
医師から伝えるなど、それぞれに合ったプログラムがある ケースバイケース
<FAX>
「ステージ4の患者です 子どもに話したら、情緒不安定になって、学校にも行かず、私から離れなくなった」
林さん:
がん教育は小学校では5、6年生が対象
今は情報過多なので正しく知ることが大切
今は一部の学校でしかやっていないが、これから全国的に展開していきたい
私も中学生の時に、父を胃がんで亡くして、その時、自分の理解が足りなかったという後悔もあって今の活動をしています
Q:がん教育を誰が、どう、やるのか?
林さん:
1.正しい知識を伝えること
2.病気を通じて、命の大切さ、ココロの問題を考えるのが大きな目的
それには専門医、経験者の話が必要
がん教育をやる前には、学生の中にがん患者さんを持つ子どもがいないか調査し、配慮している
<神戸 須磨区 東落合中学校での特別授業>
●がん教育1:予防 タバコの危険性
がんになる3割以上の原因が「タバコ」
肺がんのイメージが強いが、口内のがんも多い
煙の中には、有害物質がある
「副流煙」には、吸っている本人よりも、3~5倍の有害物質があると言われる
「吸った後の吐く息」にも、何時間経っても有害物質は残る
吸う人の衣服についた有害物質も残る
●がん教育2:早期発見 がん検診の重要性
林さん:
世界的には、がん検診は常識になっている
アメリカは特に進んでいて、どのがんも検診率は8割ほど
日本では、例えば乳がん検診率はやっと40% 以前は20%ほどだった
国は「なぜがん検診を受けないのか?」と調査したところ、一番多かった答えは
早期発見して治療した場合の生存率は9割
林さん:
自分の体を守るのに“時間がない”のはおかしい 遊びに行く時間はあるはずなのに
今は市町村や職場でかなり負担しているため、通常、数千円で受けられる
“がんだと分かるのが怖い”というのは本末転倒
<仕事と治療の両立は難しいか?>
学生:
いろいろな治療をしないといけないから、副作用とかで動くのがしんどくなると思う
林さん:
では、治療をしながら、仕事や家事を続けるにはどうしたらいいと思う?
学生:
家族や、働いている場所でサポートがあればいい(素晴らしい模範解答/驚
林さん:
そう、みんながサポートしてあげればいいだけ
治療している何ヶ月かサポートしてあげればいいのに、日本の社会はそこが遅れています
今は、がんになると、3割が職を失っている
原因は、会社が理解してくれない、優遇してくれないなど
がん教育を受けた子どもたちが、社会に出たら、社会や、労働環境が変わるかもしれない
<授業前のアンケート+授業後の答え>
学生:
親がお酒やタバコが好きで、多いと思うので、この授業を受けたことを話して
「やめてほしい」と言ったら、やめてくれるようになりました
学生:
運動をしたほうが、がんになりにくいというということだったので
親に「運動してね」と書きました
学生:
検診を受けて、がんがもしあったら早く治してほしい
学生:
検診を受けたか聞いたら「受けていない」と両親とも言っていた これが現実なんだなと思った
検診に行ってほしいと思う
<子宮頸がんは若い人がかかりやすい>
授業を受けた学生の1人ももさんは、両親にメモを書いて渡した
これを読んだ母親は、乳がんと子宮頸がんの検診を初めて受けた
母親:
日常が忙しかったりして、一歩二歩が踏み出せず、「また今度でいいか」と先に延ばしていた
<塩辛い食べ物は、がんのリスクを上げる>
とにかく塩が大好きなある学生のお父さん
おかずだけでなく、ご飯にも塩をかけていた/驚
学生:長生きしてほしいし、苦しい思いもしてほしくない
娘からそう言われた父親は、今ではほとんど塩をかけなくなった
父親:医師や妻に言われるよりも、娘にひと言言われるほうが手が止まりますね
林さん:
「規則正しい生活をしてください」と医師から言われても、なかなか伝わらないが
子どもから言われると聞くことが多い
<がん細胞は特別な細胞ではない>
1cm 医師が見つけられる最小単位
2cm 触って分かる程度
1cmから2cmに増える年数は短い
林さん:
がん細胞は当たり前の細胞で、みんなの体内に常にある
普段は免疫力で退治してくれているが、12か条の要因でがんになる
とくにタバコは肺の細胞を傷つけてミスコピーを起こしやすくする
<家族でどう向き合えばいいか>
園田マイコさん(48)は、39歳の時に乳がんが見つかった 当時、息子さんは中学生
<早期なのに「がん=死」というイメージが強い>
医師から「2cmで、転移もない」と言われたが、死ぬんだと思ってしまった
園田:
がん告知の瞬間は、目の前が真っ暗 頭の中が真っ白になった
「もう死んじゃうんだ」と思った
息子にどう伝えたらいいのか悩んだ
がんだと言って、息子が心に傷を負ってしまうのではないか
「そうなんだ」と一応受け入れたとしても、実際はすごく傷ついてしまうのではないか・・・
息子さんは、園田さんの元夫から伝えられ
「ママに大丈夫だよと声をかけて、抱きしめてあげてほしい」と言われた
息子:
がんだと教えられた時は普通にビックリした 本当に死んだらどうしようって
その後、モデルの仕事に復帰した
息子:
僕が泣くと、余計に不安にさせてしまうので
本人が一番辛いだろうと思った
「私、心配されてる」と思ってほしくなかったので
少しでも心配かけないよう見て見ぬふりはしました
園田:
私が泣いたりしていると、不安に思うだろうなと思い
息子の前では、なるべく明るくふるまっていた
弱いところは一切見せなかったつもり
息子:お風呂入ってる時とか、寝る時に泣いてるなと思った
園田:聞こえないように、こっそり声を殺して泣いてたけど
息子:
いいじゃん別に 心配させても
むしろ心配かけてくれたほうがいい 家族なんだし
園田:
「ゆうべ泣いてたでしょ、大丈夫?」と言われたら
私、こんな小さい子に心配かけているんだと思って
自分で気持ちをふさいだかもしれない
【がんの校長が取り組む“いのちの授業”】
“東京・豊島区にある明豊中学校の校長・小林豊茂さんは、去年、職場の健康診断で、
ステージIV(がんが最も進んでいる段階)の肺がんが見つかりました。
小林さんは以前からがん教育に取り組んでいましたが、がんになってからは
自分の姿を生徒たちに見てもらい、教材にしてもらおうと考えるようになりました。
ことし5月に、小林さんが医師の林さんと行った特別授業の様子を紹介しました。”
髪が抜けた状態も見せて、ありのままを生徒に語った
小林さん:
「もうダメだ」「おしまいだ」という思いは一度も持たなかった
「もう1回子どもの前に立つんだ」と最初に思ったのが大きかった
体がみんなと違うことで笑われると、がん患者も辛いので
容姿などでのイジメもあるから、そういうことで友だちを
からかうようなようなことはやめてほしいという話をした
学校に復帰して5ヶ月になる
データでは、ステージIVの生存率は約5%
<授業には小林さんも立ち会った>
学生だけでなく、保護者、地域の人々を集めて特別授業を行った
林さん:
もし、がんになった時、強く前向きになれなかったら、どうしたらいいでしょうか?
小林さん:
医師が治療しても治らないかもしれない
医師はがんに勝とうとする治療をしてくれるけれども
強く前向きになれないのはどうしてか?
僕は、人に言わないからだと思う
大勢の人に言って、支えてもらえばいい
仲間には、毎週、抗がん剤の点滴をするたびにメールをした
すると、みんなから「頑張ってるね」「すごい」て返事がくる
それが嬉しくて、励まされて、またメールするために頑張ろうと思う
林さん:
がんになった辛さは、がんだけではないと思います
皆さんは、これから先の人生でたくさんの辛さを経験すると思います
苦しむ人の多くは、おそらく一人で苦しんでいる
大事な家族、友だち、職場の方々 皆さんを支えてくれる人は必ずいるはず
一人で抱えないで、誰かに相談してみるのは、決して恥ずかしいことではない
1人で持っているものを、2人で持てば半分になる
<授業後の学生の反応>
「がん患者さんに一番いいのは、がんのことを理解すること
僕の母は乳がんで、もう治ったんですけど
今日のことを少しは生かして、気を遣えたらと思った」
「がんについて知ることは、自分の人生について考えることだと思った」
生稲さん:
私も仕事の関係上、診断されてから5年間隠していたけれども、肉体的より精神的に辛かった
私は家族に話した 吐き出せる人がいるということは大事だと思う
ヤナギー:
人によって受け止め方が違う
僕も10年前にがんになったけれども、今でもこういうのを見るだけで辛い
がん教育が大切なのは分かるけれども、1人1人に丁寧に教える必要があると思う
生稲さん:
私は、同じがん患者さんの書いた闘病記のブログを読んだりしていました
林さん:
がんを「当たり前なもの」に出来れば、
「イジメにあうのでは?」「受け入れられないのでは?」という思いもなくなる
十人十色なのはもちろんのこと、子どもの時からの教育が大事だと思ってやっています
<今後のがん教育のスケジュール予定>
次の「学習指導要領」から、中学からがん教育を行うことが含まれる
今後は、全国で一斉に行われる
各都道府県でがん教育推進協議会を設けている
<FAX>
Q:
悪性リンパ腫の患者です 小学生の子どもには話しましたが、
子どもは友だちにはまだ話せていないようです
林さん:
正しい知識を伝えることで、就職での差別などもなくなる
伝えるということに抵抗がなくなると思っています
林さん:
がんの拠点病院は全国に400ある
そこには、がんの相談室が必ずある
一人で悩まず、プロにぜひ相談してほしい
専門家ゲスト:林和彦さん(東京女子医科大学 がんセンター長)
ゲスト:生稲晃子さん、藤本敏史さん
VTRゲスト:園田マイコさん(モデル)、小林豊茂さん(豊島区立明豊中学校校長)
リポーター:古野晶子アナウンサー
全国の小中学校で始まる「がん教育」について紹介された
<クイズ>
答え:1はC、2はC、3はB
<日本でがんがとても増えている>
<ゲストの生稲晃子さんの体験談>
当時5歳の子どもに言うべきか迷ったが、そのまま伝えることにした生稲さん
生稲さん:
「ママのおっぱいに悪いものがあって、取らないと死んじゃうの」と言ったら
子どもは泣いていたので、理解してくれたと思った
それから5回手術して、片方は全摘出しましたが、
「こっちは本物、こっちはニセモノのおっぱい」とちゃんと見せたり
その都度、検査の結果も話しています
再発した時、娘は7歳で「なにかあれば、なんでもするよ」と言われて
この子が成人するまで死ねないと思いました
「家族は第二の患者」とも言われる
こうした教育があれば、家族と話し合える
林さん:
がんというと「死」のイメージが先行して、理解が浅く、不安になってしまう
伝わりにくいため、まず、子どもに正しく教えることで、全国に広まればいいと思っている
今は、医療技術の進歩で、6割以上が治る病気
怖がっていても仕方ない 理解したほうがいい
学童の場合は、なんの前触れもなく伝えるとトラウマになる場合もあるため
医師から伝えるなど、それぞれに合ったプログラムがある ケースバイケース
<FAX>
「ステージ4の患者です 子どもに話したら、情緒不安定になって、学校にも行かず、私から離れなくなった」
林さん:
がん教育は小学校では5、6年生が対象
今は情報過多なので正しく知ることが大切
今は一部の学校でしかやっていないが、これから全国的に展開していきたい
私も中学生の時に、父を胃がんで亡くして、その時、自分の理解が足りなかったという後悔もあって今の活動をしています
Q:がん教育を誰が、どう、やるのか?
林さん:
1.正しい知識を伝えること
2.病気を通じて、命の大切さ、ココロの問題を考えるのが大きな目的
それには専門医、経験者の話が必要
がん教育をやる前には、学生の中にがん患者さんを持つ子どもがいないか調査し、配慮している
<神戸 須磨区 東落合中学校での特別授業>
●がん教育1:予防 タバコの危険性
がんになる3割以上の原因が「タバコ」
肺がんのイメージが強いが、口内のがんも多い
煙の中には、有害物質がある
「副流煙」には、吸っている本人よりも、3~5倍の有害物質があると言われる
「吸った後の吐く息」にも、何時間経っても有害物質は残る
吸う人の衣服についた有害物質も残る
●がん教育2:早期発見 がん検診の重要性
林さん:
世界的には、がん検診は常識になっている
アメリカは特に進んでいて、どのがんも検診率は8割ほど
日本では、例えば乳がん検診率はやっと40% 以前は20%ほどだった
国は「なぜがん検診を受けないのか?」と調査したところ、一番多かった答えは
早期発見して治療した場合の生存率は9割
林さん:
自分の体を守るのに“時間がない”のはおかしい 遊びに行く時間はあるはずなのに
今は市町村や職場でかなり負担しているため、通常、数千円で受けられる
“がんだと分かるのが怖い”というのは本末転倒
<仕事と治療の両立は難しいか?>
学生:
いろいろな治療をしないといけないから、副作用とかで動くのがしんどくなると思う
林さん:
では、治療をしながら、仕事や家事を続けるにはどうしたらいいと思う?
学生:
家族や、働いている場所でサポートがあればいい(素晴らしい模範解答/驚
林さん:
そう、みんながサポートしてあげればいいだけ
治療している何ヶ月かサポートしてあげればいいのに、日本の社会はそこが遅れています
今は、がんになると、3割が職を失っている
原因は、会社が理解してくれない、優遇してくれないなど
がん教育を受けた子どもたちが、社会に出たら、社会や、労働環境が変わるかもしれない
<授業前のアンケート+授業後の答え>
学生:
親がお酒やタバコが好きで、多いと思うので、この授業を受けたことを話して
「やめてほしい」と言ったら、やめてくれるようになりました
学生:
運動をしたほうが、がんになりにくいというということだったので
親に「運動してね」と書きました
学生:
検診を受けて、がんがもしあったら早く治してほしい
学生:
検診を受けたか聞いたら「受けていない」と両親とも言っていた これが現実なんだなと思った
検診に行ってほしいと思う
<子宮頸がんは若い人がかかりやすい>
授業を受けた学生の1人ももさんは、両親にメモを書いて渡した
これを読んだ母親は、乳がんと子宮頸がんの検診を初めて受けた
母親:
日常が忙しかったりして、一歩二歩が踏み出せず、「また今度でいいか」と先に延ばしていた
<塩辛い食べ物は、がんのリスクを上げる>
とにかく塩が大好きなある学生のお父さん
おかずだけでなく、ご飯にも塩をかけていた/驚
学生:長生きしてほしいし、苦しい思いもしてほしくない
娘からそう言われた父親は、今ではほとんど塩をかけなくなった
父親:医師や妻に言われるよりも、娘にひと言言われるほうが手が止まりますね
林さん:
「規則正しい生活をしてください」と医師から言われても、なかなか伝わらないが
子どもから言われると聞くことが多い
<がん細胞は特別な細胞ではない>
1cm 医師が見つけられる最小単位
2cm 触って分かる程度
1cmから2cmに増える年数は短い
林さん:
がん細胞は当たり前の細胞で、みんなの体内に常にある
普段は免疫力で退治してくれているが、12か条の要因でがんになる
とくにタバコは肺の細胞を傷つけてミスコピーを起こしやすくする
<家族でどう向き合えばいいか>
園田マイコさん(48)は、39歳の時に乳がんが見つかった 当時、息子さんは中学生
<早期なのに「がん=死」というイメージが強い>
医師から「2cmで、転移もない」と言われたが、死ぬんだと思ってしまった
園田:
がん告知の瞬間は、目の前が真っ暗 頭の中が真っ白になった
「もう死んじゃうんだ」と思った
息子にどう伝えたらいいのか悩んだ
がんだと言って、息子が心に傷を負ってしまうのではないか
「そうなんだ」と一応受け入れたとしても、実際はすごく傷ついてしまうのではないか・・・
息子さんは、園田さんの元夫から伝えられ
「ママに大丈夫だよと声をかけて、抱きしめてあげてほしい」と言われた
息子:
がんだと教えられた時は普通にビックリした 本当に死んだらどうしようって
その後、モデルの仕事に復帰した
息子:
僕が泣くと、余計に不安にさせてしまうので
本人が一番辛いだろうと思った
「私、心配されてる」と思ってほしくなかったので
少しでも心配かけないよう見て見ぬふりはしました
園田:
私が泣いたりしていると、不安に思うだろうなと思い
息子の前では、なるべく明るくふるまっていた
弱いところは一切見せなかったつもり
息子:お風呂入ってる時とか、寝る時に泣いてるなと思った
園田:聞こえないように、こっそり声を殺して泣いてたけど
息子:
いいじゃん別に 心配させても
むしろ心配かけてくれたほうがいい 家族なんだし
園田:
「ゆうべ泣いてたでしょ、大丈夫?」と言われたら
私、こんな小さい子に心配かけているんだと思って
自分で気持ちをふさいだかもしれない
【がんの校長が取り組む“いのちの授業”】
“東京・豊島区にある明豊中学校の校長・小林豊茂さんは、去年、職場の健康診断で、
ステージIV(がんが最も進んでいる段階)の肺がんが見つかりました。
小林さんは以前からがん教育に取り組んでいましたが、がんになってからは
自分の姿を生徒たちに見てもらい、教材にしてもらおうと考えるようになりました。
ことし5月に、小林さんが医師の林さんと行った特別授業の様子を紹介しました。”
髪が抜けた状態も見せて、ありのままを生徒に語った
小林さん:
「もうダメだ」「おしまいだ」という思いは一度も持たなかった
「もう1回子どもの前に立つんだ」と最初に思ったのが大きかった
体がみんなと違うことで笑われると、がん患者も辛いので
容姿などでのイジメもあるから、そういうことで友だちを
からかうようなようなことはやめてほしいという話をした
学校に復帰して5ヶ月になる
データでは、ステージIVの生存率は約5%
<授業には小林さんも立ち会った>
学生だけでなく、保護者、地域の人々を集めて特別授業を行った
林さん:
もし、がんになった時、強く前向きになれなかったら、どうしたらいいでしょうか?
小林さん:
医師が治療しても治らないかもしれない
医師はがんに勝とうとする治療をしてくれるけれども
強く前向きになれないのはどうしてか?
僕は、人に言わないからだと思う
大勢の人に言って、支えてもらえばいい
仲間には、毎週、抗がん剤の点滴をするたびにメールをした
すると、みんなから「頑張ってるね」「すごい」て返事がくる
それが嬉しくて、励まされて、またメールするために頑張ろうと思う
林さん:
がんになった辛さは、がんだけではないと思います
皆さんは、これから先の人生でたくさんの辛さを経験すると思います
苦しむ人の多くは、おそらく一人で苦しんでいる
大事な家族、友だち、職場の方々 皆さんを支えてくれる人は必ずいるはず
一人で抱えないで、誰かに相談してみるのは、決して恥ずかしいことではない
1人で持っているものを、2人で持てば半分になる
<授業後の学生の反応>
「がん患者さんに一番いいのは、がんのことを理解すること
僕の母は乳がんで、もう治ったんですけど
今日のことを少しは生かして、気を遣えたらと思った」
「がんについて知ることは、自分の人生について考えることだと思った」
生稲さん:
私も仕事の関係上、診断されてから5年間隠していたけれども、肉体的より精神的に辛かった
私は家族に話した 吐き出せる人がいるということは大事だと思う
ヤナギー:
人によって受け止め方が違う
僕も10年前にがんになったけれども、今でもこういうのを見るだけで辛い
がん教育が大切なのは分かるけれども、1人1人に丁寧に教える必要があると思う
生稲さん:
私は、同じがん患者さんの書いた闘病記のブログを読んだりしていました
林さん:
がんを「当たり前なもの」に出来れば、
「イジメにあうのでは?」「受け入れられないのでは?」という思いもなくなる
十人十色なのはもちろんのこと、子どもの時からの教育が大事だと思ってやっています
<今後のがん教育のスケジュール予定>
次の「学習指導要領」から、中学からがん教育を行うことが含まれる
今後は、全国で一斉に行われる
各都道府県でがん教育推進協議会を設けている
<FAX>
Q:
悪性リンパ腫の患者です 小学生の子どもには話しましたが、
子どもは友だちにはまだ話せていないようです
林さん:
正しい知識を伝えることで、就職での差別などもなくなる
伝えるということに抵抗がなくなると思っています
林さん:
がんの拠点病院は全国に400ある
そこには、がんの相談室が必ずある
一人で悩まず、プロにぜひ相談してほしい