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『世界にはばたく日本力 日本のコンピュータ・IT』(ほるぷ出版)

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『世界にはばたく日本力 日本のコンピュータ・IT』(ほるぷ出版)
こどもくらぶ/編さん

【内容抜粋メモ】

*********************************日本のインターネット技術

【ブロードバンド】
1本の回線にたくさんの信号を流せるようにした通信のしくみ。
回線の太さは、1秒間に何ビットの信号を送ることができるかを示す「bps」という単位であらわされる。

●日本のブロードバンドは世界一の速度
インターネット発祥の国アメリカの20倍の速さ。


主要24カ国・地域のブロードバンド速度の比較


主要24カ国・地域のブロードバンド利用料金の比較
日本はブロードバンド利用料金も世界一の安さ。


●光ファイバーの比率が世界一

【光ファイバー】
ガラスやプラスチックでででた細い繊維。銅線による電気通信とくらべ、
いろいろな種類の光を同時に流すことができるWDM(波長分割多重方式)により、
たくさんのデータを速く送ることができる。


主要24カ国・地域の光ファイバー比率の比較

日本とアメリカを光通信でつなぐためには、太平洋をはさんで何千kmもの光ファイバーケーブルを敷設する必要がある。
100kmもの光ファイバーケーブル製造に成功したのが日本電信電話公社(現NTT)。


太平洋を横断する光ファイバー海底ケーブル


【世界で活躍する日本人】

●村井純さん



1983年アメリカの「ARPANET」(インターネットの原型)を参考にして
1984年「JUNET」という日本の大学同士のコンピュータネットワークをつくった。
「JUNET」を発展させ、1988年「WIDE」を完成した。
2005年「ポステルアワード」を受賞。

日本にインターネットが根付いたポイント
1.日本電信電話公社の民営化で規制がゆるめられた。
2.インターネットが民間に開放された。
3.「Yahoo! BB」が2001年に開始し、定額制になり、利用料金が接続時間に関係なく決められるようになった。


●フジクラ


千葉県佐倉市にある光システム開発センター

フジクラは通信ケーブルや電線などを製造する会社。世界の光ファイバーの15%はフジクラ製。
「伝送損失」:光ファイバーの距離が長くなると、信号が減少していく。
フジクラは、この伝送損失の少ない光ファイバーを研究して成功した。
光ファイバー同士をつなぐ「融着接続装置」の出荷台数では、フジクラが世界第1位。

 
光ファイバーの断面写真/融着接続装置

「日本のICT(情報通信技術)インフラに関する国際比較評価レポート」で、日本は総合評価第1位。

 
調査項目/ICTに関するインフラの総合順位

普及率、社会基盤性は低い。つまり、実際、日本ではブロードバンドがあまり活用されていない。


*********************************スマート・ユビキタスネット社会の実現

【ユビキタス】
ユビキタスは「どこにでもある」という意味のラテン語が語源。
コンピュータがどこにでもあって、いつでも、誰でも簡単にネットワークにつながる社会のこと。
残りもので作れる食事のメニューを調べて表示してくれる冷蔵庫などなど。


●ユビキタスネット社会を実現するICチップ


図書館で使用されているICタグ

IC=Integrated Circuit(集積回路)
1959年アメリカで開発され、1980年後半、日本が世界一の生産量となった。
今では、多くの生産拠点が中国などアジア諸国に移された。

駅の自動改札機を通るカード型定期券、ICタグと呼ばれる小さなタグなどにもICチップが組み込まれている。
組み込み型コンピュータの基本ソフトの使い道は様々で、携帯電話、デジタルカメラなどなど。
なかでもTRONはサイズが小さく、反応が良いため、日本のシェアは世界のトップクラス。


日立が開発した世界最小クラスのICチップ

中国やインドなどの新興国での需要拡大にともなうエネルギーや資源の不足が問題となっている。
日本には、地球規模の問題を解決する高度な情報通信技術がある。
ヒトやモノの移動を減らすことで二酸化炭素排出量を減らすなど、
ユビキタスネット社会により、開発途上国の医療、教育、自然災害への対応、交通渋滞の解消などにも役立つとされる。


地球シミュレータ


【世界で活躍する日本人】

●坂村健さん
日本のユビキタスネット社会の提唱者。食品トレーサビリティ開発実証事業では、生産や流通などの情報を確認できる。
電脳建築学舎として住宅、都市などのデザインもおこなっている。
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所の所長をつとめている。

「TRON電脳住宅」


●2009年「スマート・ユビキタスネット社会実現戦略」
高齢者の増加、地方の活力の衰え、地域間格差、社会保障の負担増、
海外に生産拠点を移したため国内の製造業が国際的な競争力を失うのではないかなどの問題を解決するには、
「スマート・ユビキタスネット社会」の実現が必要。
「u−Japan政策」を引き継いだのがこの戦略。


●情報通信技術
情報通信技術には、さまざまな活動の効率を高め、ヒト・モノ・情報を結びつけるはたらきがある。
国や地方の行政手続きのムダを省いたり、医師による診断記録をいつでもどこでもやりとりできるようになったり、
教師の事務的負担を減らしたり、家にいながらコンピュータで仕事ができるようにすることで女性や高齢者の社会参加が可能になる。
一方、悪質なサイト、迷惑メール、個人情報の漏洩などの事態も起きる可能性がある


*********************************世界に誇る日本の携帯電話

日本の携帯電話は、品質、性能で世界のトップ水準にある。
中身の部品で世界一のシェア(世界の1/3)。100%のシェアもある。メッキの技術は世界最先端。
そこには、消費者や発注者の要望に誠実にこたえようという昔からの日本人の気質と精密加工技術がある。
しかし、通信の方式が世界の標準と違うので、海外向けの販売が難しく、フィンランドのノキアや韓国のサムソンが高いシェアを占める。


●村田製作所
携帯電話に欠かせない積層セラミックコンデンサーを製造している。
サムソンから「村田製作所がなくなった日から世界の携帯電話は半減する」とまで言われている。

 
パナソニックが開発した微小角型チップ固定抵抗器/村田製作所の積層セラミックコンデンサー(シャーペンの芯と比較)


●第3世代携帯
販売量や生産量では外国に負けるものの、「ものづくり」の技術力は負けない。
日本の携帯電話は、あまりに高い機能を追い求めすぎて、世界の標準から外れてしまった。
2007年アメリカのアップルが開発した「iPhone」が人気。


【世界で活躍する日本人】

●中村修二さん

 
青色発光ダイオードを開発した。液晶画面を照らすバックライトにも使われている。
光の三原色を使うことで、駅や空港の電光掲示板などにキレイなカラー画像を映し出せるようになった。
これまでの電灯や蛍光灯にくらべ寿命が長く、消費電力が少ないため、
エコテクノロジーに大きく貢献したとして「本田賞」を受賞した。



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