■『恐怖新聞』8(少年チャンピオン・コミックス 全9巻)
つのだじろう/作(昭和50年初版 昭和58年28版)
※「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。
▼あらすじ(ネタバレ注意
「自転車」
クラスメートの山崎が自転車に乗っていてクルマに轢かれて入院した
日曜に一緒にサイクリングに行く約束をしていて、代わりに礼が行くことになる
「気が晴れる」と言いつつ、すごい呪われた顔して大丈夫ですか?
山崎は新品の自転車に乗っていたのに事故ったと聞いて嫌な予感は的中
いきなりトラックが出てきて、礼も入院 自転車はハンドルが曲がっただけ
気になって自転車を見に行くと、タイヤのあとに血痕を見る
あとで知ったが、あの自転車を気に入ったある少女がいて、
お小遣いを貯めて、やっと買おうとした時にクルマに轢かれて死んだ
“モノに死者の念が残り事故を呼ぶことはよくあるようです
君の自転車には誰かの念がとり憑いてはいないでしょうね?!”
と、また警告型の終わり方
「交霊会」
中神洋介が家で交霊会があるから来ないかと礼を誘う
霊は光に弱いため、真っ暗な中に小さな赤いランプを1、2個つけて行う
「キャビネット」と呼ばれる中に霊媒が入り、エクトプラズム(ネバネバした白い物質
ヒトの唾液や、爪の成分に似ているという)でいろんなモノを動かす
写真撮影は禁止 エクトプラズムが衝撃を受けて、霊媒が苦しむ
霊媒・木原は体を縛ってもらい、口にテープを貼ってもらい、トランス状態に入る
エクトプラズムが出て、モノを動かすのを見る礼ら
ブリキの筒から霊が声帯を作って声を出す
出てきた霊は、礼のポルターガイスト
ポルターガイスト:
交霊会なんてものは、大抵その霊媒の守護霊が説教などするものだが
今日はオレの仲間で参加者に因縁を持っている奴がいるんでね!
3人の後ろに霊がついて来て、その夜の新聞はその老人が届けに来る
そこには老人は中神家の「因縁霊」と書いてある
その時、緑子は老人の霊に苦しめられて気絶していた
洋介は早速、老人について調べに走るが、彼にも老人がついてきて、新幹線を急停止させる
緑子は耐えられないからすぐに除霊をお願いしようとすると、警官に化けた老人が出る
2人は木原霊媒を訪ね、額に手をあて、オーラ(霊光)を出し、自らに霊を乗り移させて除霊しようとする
洋介は、祖父から先祖の話を聞き、2人に話す
「竹之市再生」
中神家の先祖は、江戸時代は武士だったが、主家取り潰しで浪人となった
そこに按摩の竹の市(例の老人)が、去年貸したお金をどうしても返してくれと刀をタカにもらおうとして怒りを買い、
斬られ「七代先まで祟ってやる!」と言って死んだ
当時、武士に無礼をはたらいた町人は斬られても仕方ないとされていた
「七代」とは、子孫全部という意味
子どもの代の血筋は1/2、孫は1/4、七代は1/64で、8代目ともなるとほぼ他人となるため
中神家の4代目(曽祖父)は明治維新で警官になった
「金を返してくれ」とアンマが来て、署の留置場に入れたはずが家に来ることが続いて
曽祖父はノイローゼになり、警官を辞め、その後もひどく苦労した
緑子と洋介は、ちょうど七代目にあたると分かると知って脅える
木原宅に行くと、血を吐いて倒れ、怨念に負けて除霊は失敗
帰り道にもアンマに会い、緑子は道路に飛び出してクルマに轢かれる
激怒した洋介は、礼がアンマに見えてボコボコに殴り倒し、警官に現行犯で捕まってから我に返る
礼は今夜が生死の境と言われて、寝ていると新聞が来て
ポルターガイスト「オレについてくるんだ」
礼の体が急変している中、霊のほうは、死者の行列についていこうとしている
そこには緑子もいて、実際に病院でも臨終を告げられる
家族が名前を呼ぶ声に、礼は意識を取り戻す
(瀕死の人の名前を呼ぶといいと、映画とかで観たことがあるけど、本当なのね
「交霊会」(つづき
東京在住の21歳女性・友田さん(仮名)の実話を紹介
友田さんは、小さい頃からすべての病気にかかり、会社勤めを始めるとますます悪化し、
病院に行っても原因が分からず、霊能者に相談すると、背後には武士の霊が憑いていた
武士:
この方は武州水野家の鶴姫の生まれ変わりだ
わしは許婚の旗本・大森源太衛門
鶴姫はわしを裏切り、新藤又兵衛と恋仲になり、果し合いとなった
わしはめった斬りにされて死んだ 姫は新藤と幸福に暮らした
わしは姫にとり憑き、幽界にひきずりこんだが、姫はわしより早くこの世に生まれ変わってしまった
「自動書記」で友田さんに二度と結婚できないよう綴った
その後、霊能者が大森の霊を諭して去り、友田さんは健康になり、幸福な結婚をした
参考文献『霊障と人生』(書いた黒田みのるさんて同じ恐怖漫画家さん?
「他人の顔」
クラスメートがポラロイドカメラを買ったからと写真を撮ると、礼の代わりに見知らぬ老人が写っている
その後、鏡を見た時、旅行に行った時の写真にも老人が現れる
新聞には何も書かれてなくてフシギに思う礼
思いきって話しかけると、自分は礼自身だと言う
周りから見ると、礼が一人で話しているように見え、礼は道端で倒れる
老人:
私はお前の守護霊 鬼形庄左エ門勝豊
お前についている霊が強くて見ているしか出来なかった 自力で抜け出せ!
鬼形礼はみかけは少年だが、実際は新聞を読んでこのように歳をとっていて、やがて死ぬのだ!
老人は礼の体内に戻る
霊媒に聞くと「複体」を見たと言われる
「私の遠い親戚にあたる女の子を紹介しよう
小泉香具耶といって、その子も、祖母も代々霊能者で、君を助けられるかもしれない
いくら霊能者が力を貸しても、君自身の心構えが大切だ」
(この人、けっこう最初に出てきた霊媒者だよね 最初から教えてくれればいいのに
ポルターガイストは除霊を恐れてか、新聞で警告してくる
早速、香具耶に会うと、
「これはすぐ除霊しないと あなたは死ぬわよ!」
白装束に着替え、目を閉じて、手をつなぎテレポートして、遠い山奥の修行場へ飛ぶ
「テレポート(瞬間移動・空中浮遊・人体引き寄せ)」
筆者の知る、現在(発刊当時)日本で一番強力なテレポート能力を持つのは、千葉県銚子出身のIくん(18歳)
人を乗せた船を空中に浮かべたり、アメリカに移動して、アメリカの友人に市内電話をしたりした
東京足立区のK少年は、自宅から筆者のプロダクションまでクルマで1時間かかるところを、10分たらずで来た
香具耶:
ここは霊場(高級霊になるための修行をする場)よ 日本にもたくさんの霊場があるの
13大霊場
2人は滝に打たれて「禊」を始めるが、礼は雑念が多く水の圧に負けてしまう
滝の底には霊がいて、礼を引きずり込む
「とうとうお前の死ぬ時がやって来たのだよ!」
香具耶は守護霊に頼み、礼を連れ戻し、悪霊の入れない「霊洞」に連れ込む
香具耶:
ここで座禅を組み、断食するのです 24時間、水以外は何も口に入れてはならない
ここから一歩も外へ出てはならない 守護霊様に祈るのです
私は霊場で除霊のお祈りをしますから
ポルターガイストは霊洞に入れず、香具耶の「真言」に苦しみもだえる
礼は座禅を組んでいても雑念が払えない
そこに香具耶が悪霊にやられたとボロボロになって来る
おぶっているところを本物の香具耶が見て
「まだ君の体を清める修業をしていて、除霊にとりかかってもいないのよ!
こうなってはムダになってしまった 多少の危険覚悟で除霊を試みなくては!」
ポルターガイストは、礼のエクトプラズムを自分の力に利用する
香具耶:このままでは鬼形くんが先に死んでしまう テレポートで霊洞へ!
悪霊は離れたが、その時に礼の体に瀕死の傷を負わせ、地震を起こして霊洞を崩す
礼:僕はもうだめだ
香具耶:勝負はまだついていない こっちが苦しい時は、向こうも苦しいのよ!
香具耶の体に大木が倒れ、礼は大岩に潰される
つのだじろう/作(昭和50年初版 昭和58年28版)
※「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。
▼あらすじ(ネタバレ注意
「自転車」
クラスメートの山崎が自転車に乗っていてクルマに轢かれて入院した
日曜に一緒にサイクリングに行く約束をしていて、代わりに礼が行くことになる
「気が晴れる」と言いつつ、すごい呪われた顔して大丈夫ですか?
山崎は新品の自転車に乗っていたのに事故ったと聞いて嫌な予感は的中
いきなりトラックが出てきて、礼も入院 自転車はハンドルが曲がっただけ
気になって自転車を見に行くと、タイヤのあとに血痕を見る
あとで知ったが、あの自転車を気に入ったある少女がいて、
お小遣いを貯めて、やっと買おうとした時にクルマに轢かれて死んだ
“モノに死者の念が残り事故を呼ぶことはよくあるようです
君の自転車には誰かの念がとり憑いてはいないでしょうね?!”
と、また警告型の終わり方
「交霊会」
中神洋介が家で交霊会があるから来ないかと礼を誘う
霊は光に弱いため、真っ暗な中に小さな赤いランプを1、2個つけて行う
「キャビネット」と呼ばれる中に霊媒が入り、エクトプラズム(ネバネバした白い物質
ヒトの唾液や、爪の成分に似ているという)でいろんなモノを動かす
写真撮影は禁止 エクトプラズムが衝撃を受けて、霊媒が苦しむ
霊媒・木原は体を縛ってもらい、口にテープを貼ってもらい、トランス状態に入る
エクトプラズムが出て、モノを動かすのを見る礼ら
ブリキの筒から霊が声帯を作って声を出す
出てきた霊は、礼のポルターガイスト
ポルターガイスト:
交霊会なんてものは、大抵その霊媒の守護霊が説教などするものだが
今日はオレの仲間で参加者に因縁を持っている奴がいるんでね!
3人の後ろに霊がついて来て、その夜の新聞はその老人が届けに来る
そこには老人は中神家の「因縁霊」と書いてある
その時、緑子は老人の霊に苦しめられて気絶していた
洋介は早速、老人について調べに走るが、彼にも老人がついてきて、新幹線を急停止させる
緑子は耐えられないからすぐに除霊をお願いしようとすると、警官に化けた老人が出る
2人は木原霊媒を訪ね、額に手をあて、オーラ(霊光)を出し、自らに霊を乗り移させて除霊しようとする
洋介は、祖父から先祖の話を聞き、2人に話す
「竹之市再生」
中神家の先祖は、江戸時代は武士だったが、主家取り潰しで浪人となった
そこに按摩の竹の市(例の老人)が、去年貸したお金をどうしても返してくれと刀をタカにもらおうとして怒りを買い、
斬られ「七代先まで祟ってやる!」と言って死んだ
当時、武士に無礼をはたらいた町人は斬られても仕方ないとされていた
「七代」とは、子孫全部という意味
子どもの代の血筋は1/2、孫は1/4、七代は1/64で、8代目ともなるとほぼ他人となるため
中神家の4代目(曽祖父)は明治維新で警官になった
「金を返してくれ」とアンマが来て、署の留置場に入れたはずが家に来ることが続いて
曽祖父はノイローゼになり、警官を辞め、その後もひどく苦労した
緑子と洋介は、ちょうど七代目にあたると分かると知って脅える
木原宅に行くと、血を吐いて倒れ、怨念に負けて除霊は失敗
帰り道にもアンマに会い、緑子は道路に飛び出してクルマに轢かれる
激怒した洋介は、礼がアンマに見えてボコボコに殴り倒し、警官に現行犯で捕まってから我に返る
礼は今夜が生死の境と言われて、寝ていると新聞が来て
ポルターガイスト「オレについてくるんだ」
礼の体が急変している中、霊のほうは、死者の行列についていこうとしている
そこには緑子もいて、実際に病院でも臨終を告げられる
家族が名前を呼ぶ声に、礼は意識を取り戻す
(瀕死の人の名前を呼ぶといいと、映画とかで観たことがあるけど、本当なのね
「交霊会」(つづき
東京在住の21歳女性・友田さん(仮名)の実話を紹介
友田さんは、小さい頃からすべての病気にかかり、会社勤めを始めるとますます悪化し、
病院に行っても原因が分からず、霊能者に相談すると、背後には武士の霊が憑いていた
武士:
この方は武州水野家の鶴姫の生まれ変わりだ
わしは許婚の旗本・大森源太衛門
鶴姫はわしを裏切り、新藤又兵衛と恋仲になり、果し合いとなった
わしはめった斬りにされて死んだ 姫は新藤と幸福に暮らした
わしは姫にとり憑き、幽界にひきずりこんだが、姫はわしより早くこの世に生まれ変わってしまった
「自動書記」で友田さんに二度と結婚できないよう綴った
その後、霊能者が大森の霊を諭して去り、友田さんは健康になり、幸福な結婚をした
参考文献『霊障と人生』(書いた黒田みのるさんて同じ恐怖漫画家さん?
「他人の顔」
クラスメートがポラロイドカメラを買ったからと写真を撮ると、礼の代わりに見知らぬ老人が写っている
その後、鏡を見た時、旅行に行った時の写真にも老人が現れる
新聞には何も書かれてなくてフシギに思う礼
思いきって話しかけると、自分は礼自身だと言う
周りから見ると、礼が一人で話しているように見え、礼は道端で倒れる
老人:
私はお前の守護霊 鬼形庄左エ門勝豊
お前についている霊が強くて見ているしか出来なかった 自力で抜け出せ!
鬼形礼はみかけは少年だが、実際は新聞を読んでこのように歳をとっていて、やがて死ぬのだ!
老人は礼の体内に戻る
霊媒に聞くと「複体」を見たと言われる
「私の遠い親戚にあたる女の子を紹介しよう
小泉香具耶といって、その子も、祖母も代々霊能者で、君を助けられるかもしれない
いくら霊能者が力を貸しても、君自身の心構えが大切だ」
(この人、けっこう最初に出てきた霊媒者だよね 最初から教えてくれればいいのに
ポルターガイストは除霊を恐れてか、新聞で警告してくる
早速、香具耶に会うと、
「これはすぐ除霊しないと あなたは死ぬわよ!」
白装束に着替え、目を閉じて、手をつなぎテレポートして、遠い山奥の修行場へ飛ぶ
「テレポート(瞬間移動・空中浮遊・人体引き寄せ)」
筆者の知る、現在(発刊当時)日本で一番強力なテレポート能力を持つのは、千葉県銚子出身のIくん(18歳)
人を乗せた船を空中に浮かべたり、アメリカに移動して、アメリカの友人に市内電話をしたりした
東京足立区のK少年は、自宅から筆者のプロダクションまでクルマで1時間かかるところを、10分たらずで来た
香具耶:
ここは霊場(高級霊になるための修行をする場)よ 日本にもたくさんの霊場があるの
13大霊場
2人は滝に打たれて「禊」を始めるが、礼は雑念が多く水の圧に負けてしまう
滝の底には霊がいて、礼を引きずり込む
「とうとうお前の死ぬ時がやって来たのだよ!」
香具耶は守護霊に頼み、礼を連れ戻し、悪霊の入れない「霊洞」に連れ込む
香具耶:
ここで座禅を組み、断食するのです 24時間、水以外は何も口に入れてはならない
ここから一歩も外へ出てはならない 守護霊様に祈るのです
私は霊場で除霊のお祈りをしますから
ポルターガイストは霊洞に入れず、香具耶の「真言」に苦しみもだえる
礼は座禅を組んでいても雑念が払えない
そこに香具耶が悪霊にやられたとボロボロになって来る
おぶっているところを本物の香具耶が見て
「まだ君の体を清める修業をしていて、除霊にとりかかってもいないのよ!
こうなってはムダになってしまった 多少の危険覚悟で除霊を試みなくては!」
ポルターガイストは、礼のエクトプラズムを自分の力に利用する
香具耶:このままでは鬼形くんが先に死んでしまう テレポートで霊洞へ!
悪霊は離れたが、その時に礼の体に瀕死の傷を負わせ、地震を起こして霊洞を崩す
礼:僕はもうだめだ
香具耶:勝負はまだついていない こっちが苦しい時は、向こうも苦しいのよ!
香具耶の体に大木が倒れ、礼は大岩に潰される