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『恐怖新聞』9(少年チャンピオン・コミックス 全9巻)

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■『恐怖新聞』9(少年チャンピオン・コミックス 全9巻)
つのだじろう/作(昭和50年初版 昭和60年37版)

「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

「他人の顔」(8巻のつづき 最終話
礼が行方不明になり、両親は捜索願を出す
警察は小泉霊媒に事情聴取しても話を信じない

紫光山でM6.8の局地的地震があったというニュースが入る
小泉は香具耶らが行った場所ではと疑うが、警官らは丸一日かかる場所であり得ないと否定する

クラスメートの浜田は礼の姿を見かけるが消えて、血痕が残っている



紫光山霊場近くで、倒木の下敷きになった香具耶が発見されるが、
礼は見つからず、大量の血が滝のところで消えている

その夜、浜田に新聞が届く



ポルターガイスト:オレは今夜の配達を最後に心おきなく霊界に行けるんだ!

翌日の授業に礼が現れる
浜田「新聞は絶対ウソはつかないと言っていた」と後を尾けると、目の前で消える

礼は悪霊に連れられて滝に戻り、死神と話し、自分の死体を見る



死神は魂の緒を切る役目だが、霊洞の中は冷蔵庫のようで、死体が腐らないうちに
礼にとり憑いた悪霊と約束して、生き返らせてもいいと言う

礼:助けて! できることならなんでもするから!

霊団のかしら



命を助ける代わり、クラスメート全員を殺して、「牛頭馬頭」らにくれると約束を迫り、現界に戻される

「牛頭馬頭」体はヒト、頭は牛、馬の姿をした地獄の獄卒のこと

礼は自分の部屋に戻るが、体の酷い傷はそのまま
約束を破れば、死んで霊になっても永遠の苦しみを味わうと脅される

再び登校してきて、様子がおかしいと疑う浜田を殺そうとする礼
クラスメートに話すと、戦争に行った父から聞いた似た実話をする男子学生

中国に戦争で行った時、同じ兵舎にいた隣りの部隊が南方に出陣して見送った
その夜、兵舎に帰る部隊を窓からみんなで見たが、部屋に入ると消えていく
その頃、部隊の乗った輸送船は、敵の爆撃をうけて撃沈し、全員戦死していた



男子学生が「礼の捜索隊を作ろう」と言い出す
夜遅くに外に出た礼の後を追うと、墓場で霊と話す礼
生徒には人魂しか見えない

礼:僕にはできない!

霊:
今の世の中は自分勝手で、自分さえよければ、人を押しのけてもいいと考える奴が多い
クラスの友だちが死んでも、お前が不幸になるわけじゃない 証拠はオレたちが消してやる
今度、学校のレクリエーションでバス旅行があるだろう そのバスを谷底へ転落させよう

霊と話しているところを見た生徒5人は、金縛りにあい、墓石の下敷きになって死んでしまう
礼は事情聴取を受け、正直に話してしまおうとするが、口が勝手にウソをつく
重い墓石を子ども一人の力ではムリだと帰される

霊は礼のエクトプラズムを利用して殺したと話す
霊:早くやらないと、お前の体は腐り始めているぞ! 明日、実行しなければ、お前は死ぬ

礼は腐った体を隠してバス旅行に参加する



九十九坂は、片側は山、片側は断崖絶壁なので気をつけるよう言うガイド

霊:
ちょうど先日の豪雨で崖の路肩が緩んでいる そこにバスのタイヤがのめりこんだら、
バスは真っ逆さまに転落し、クラスメートは全員が即死し、お前だけが助かる


車内で腐った臭いがして耐えられないとバスをいったん停める
その間に亀裂まで走る礼 死にたくはないものの、バスに「来るな!」と叫び
寸前でバスは停まり、礼は崩れた崖下に落ちる



女子:鬼形くんが自分を犠牲にして私たちを助けてくれたのよ

礼の死体は崖下から発見されなかった



バスの事故は礼の美談として書かれる
生徒は礼が落ちる途中で消えたと言う


香具耶:鬼形くんは死んだわ 崖ではなく、紫光山地震でよ



「もう一度姿を見せる 世にも奇怪な形で」


死神は礼の魂の緒を切る
礼:なにも悪いことをしていないのに、なぜ地獄へ行かなきゃならないんだあ!

礼は友だちを助けたため、守護神の力で金色の光に吸い寄せられ、幽界(人が死ぬと初めて行く所)に戻される
その後、礼の白骨死体が紫光山で見つかる 捜索した時はなかった

礼の死後、石堂中学には奇怪な事件は起きなくなったが
隣り町の坂元中学の高見光子のもとに新聞が届く



光子:配達している子を見た 中学生くらいの男の子だったわ!



“事故死した霊が、この世の未練が強い場合「地爆霊」になると言われる
 今夜あたり、君のところへ鬼形が新聞を運んできはしないでしょうか?”


<完>



『恐怖新聞 心霊事典』(これまでの復習・まとめのような事典

「霊魂」=幽体(Asttral Body)

幽体の離れ方は、自然死、病死、事故死、自殺、殺人等で違う
死神と呼ばれるものは、自然死でない場合、魂の緒を切る霊のこと


人が死んだら霊魂はどこへ行く?(映画『大霊界』みたい




用語解説

「背後霊」
善霊、悪霊などがいて、その人の一生に影響を及ぼす
もっとも影響を及ぼすのは2つ「主護霊」(心、精神面に影響)、「支配霊」(モノに影響)

「主護霊」=守護霊
大抵、300~600年ほど前に死んだ、その人の夫祖の霊
普通、男には男、女には女の霊がつき、一生を守る

筆者の主護霊を実際見た時のもの 中心は滋賀県の武士



「支配霊」=指導霊(Guide Spirit)
「主護霊」と協力して、趣味・職業を助ける 1人に数人がつく
生前に同じ趣味・職業だったことが多く、祖先・国籍は関係ない
酒飲み、あわてんぼうなどのいろんなクセを持つ(w

これらの霊に操られるのではなく、一番大切なのは本人の意志・考え方
背後霊は良いほうへ導こうとするが影響力は1/3
怠けていると低級な支配霊がつき、努力すれば高級霊がつく

「自然霊」
竜、白狐、天狗など、肉体をもたない霊界の生物 竜の絵は世界で同じ形

「動物霊」
動物の霊 人の背後霊に加わったり、因縁霊として害を及ぼすこともある

「因縁霊」
なにかの理由でとり憑き、害を及ぼす 祟りなど
人の幸・不幸を左右するほど影響力は大きい

「浮遊霊」
幽界にいけず、彷徨う霊
この世に未練があったり、死んだのに自覚がない、恨みがある場合になりやすい
生きている人が亡くなった人を惜しむ念が強すぎると引き戻されることもある
中には悪霊になるものもいて、霊波の似ている人にとり憑き害を及ぼすことがある

(もとはヒトだからねぇ・・・いろんなヒトがいるだろう いい人も、執念深い人も

「自縛霊」(ページによって「地縛霊」になってない? 同じ意味?
幽界にいけず、彷徨う霊の中で、特定の場所に縛りつけられている霊
事故死、自殺した霊がなりやすく、生きている人をおびき寄せる性質があると言われる

「憑依現象(obsession)」
一時的に霊にとり憑かれる現象
狐つき、精神病(?!)、突然の自殺、原因不明の災害などは憑依霊の仕業と言われる

「ポルターガイスト(Polter geists)」=騒がしい霊
モノが壊されたり、人を襲ったり実力行使に訴える霊
希望を知ってほしい、悪意の2種類ある
近くに霊的能力の高い人がいて、そのエネルギーを借りて物理現象を起こしていると言われる

「除霊」
霊と話せる霊能者で、徳を積んだ霊媒と霊との力関係で決まる
二度ととり憑かれないようにするのが目的
霊を説得し、幽界に帰るようしむける
動物霊の場合は呪文を唱えたりして無理やり引き離す

「霊媒」
死者の霊を呼び対話することのできる霊能力者
のりうつってその人の特徴を示すことを「霊言現象」という
「審神人(さにわ)」という助手を使って、死者の家族と対話させることもある

「交霊」
霊と意思疎通すること いろんな方法がある
交霊会は宗教団体などで行われ、部外者は入れてもらえない
ウィジャ盤、プランセットを使う自動書記など
「狐狗狸さん」は、ほとんど動物霊などの低級霊がきて危険





<心霊現象>

「心霊科学」では2つに分けて考える

1.精神的心霊現象(主観的心霊現象)
霊能がある人だけが感じる
霊視、霊聴、霊感、精神感応、自動書記など

「霊視」
霊やオーラ、霊界の景色を見たり、感じたり、予知する現象 「透視」「千里眼」なども含む

「オーラ(Aura)」
ヒトや動物の体から出ている光 色、形、強さはさまざま

「霊聴」
霊の声を直接聞くこと

「霊言」
霊能者に死んだ霊がのりうつって喋ること
恐山のイタコは霊言専門の霊媒といえる

「霊感(Inspiration)」
ふと心に浮かんだり、感知する現象 第六感
大政治家、芸術家、発明家などには霊能者が多く、本人は知らずに事を成しているといわれる

「精神感応(Telepathy)」
2人以上の人が言葉を使わず意志を伝える現象 距離は関係ない

「自動書記(automatic writing)」
霊魂が霊能者や器具を使って、字、文を綴らせる現象
「狐狗狸さん」もこの一種 動物霊、低級霊が多く
簡単な質問は答えても、高級な問題はムリ ウソも多いので注意


2.物理的心霊現象(客観的心霊現象)
第三者にも見え、聞こえるもの
叩音(ラップ)、エクトプラズム、物質化現象、物品浮揚、瞬間移動、念力、念写など

「叩音(raps)」
霊のたてる音 ピチッ、床のきしむ音、蹴飛ばすような音いろいろある
霊が現れる予告、合図という説もある

「エクトプラズム(Ectoplasm)」
人体から出る繊維状の白い綿のような物質
霊媒の鼻、口、皮膚の薄い部分から瞬間的に出て、形、色はそのつど変化する
「霊質」「疳の虫」とも呼ばれる
光に弱く、強い光を当てるとしぼんで、霊媒は苦しみ、数ヶ月、虚脱状態になるという

「物質化現象(materialization)」
霊媒の体から出るエクトプラズムを使い、人と変わらない幽霊を出現させる現象
足や手だけの「部分物質化現象」もある

「物品浮揚」(物品移動)
何の力も借りずにモノが宙に浮き上がったりする現象
アメリカのクロフォード博士はエクトプラズムの仕業と発表し、写真に撮った

「瞬間移動(テレポート、空中浮遊、人体引き寄せ)」
一瞬で空間を越える現象 時間、距離は関係ない

「念力(Psycho Kinesis)」
心で念じるだけでモノを動かしたりする力
外国の超能力研究者の間では、かなり前からP・Kの存在が認められている

アメリカ、ソ連では超能力の研究・開発に莫大な予算を組み
オランダでは、警察の犯罪捜査に超能力者を加え、かなりの実績をあげている
先進国の中で超能力を認めず、国の研究を行っていないのは日本だけ
一部の大学などで始めているが、正式な学問とは認められていない

(ドラマ『ミディアム』も実話を基にしてるしね ※「ドラマのマイベスト」参照

「念写」
光を使わず、超能力者の念で写真を写す現象

世界で初めて発見したのは、当時、東大心理学部教授・福来友吉博士(貞子!
明治43年、四国の長尾郁子が透視能力の実験中に偶然発見された

この発表は、反対派学者の猛攻撃に遭い、翌年、公開実験が行われ
1回目は成功したが、2回目は助手のミスで中止となり
新聞にはトリックだと発表され、それ以来、日本では心霊科学はインチキと決めつけられた

(その他の何気ない迷信は簡単に信じるのにね
 「風邪は人に感染すと治る」とか言うほうがバカげてる

日本の迷信 50 +1 【一覧】

足立区のK少年(12)が離れた所から写した遠隔念写真 ポラロイドSX70を使用



K少年が念写した京王プラザホテルの写真 ポラロイドSX70を使用



「心霊写真(Psychic Photograph)」
写真に、写された人、場所に関係のある故人が写る現象
撮影者に霊感が高い人が多いといわれる


以上 参考文献『心霊科学入門』『ローム太霊講話集』




「地獄村」(まったく別の短篇
残雪の残る赤目ダムにハイキングに行った早津と由紀は、他のメンバとはぐれてしまい山中で迷う
野宿する場所を探すと村を見つける



古い家ばかりで、人気がなく、廃村と分かる
手にそっくりの植物を見て驚くが、椿に発生する「餅病」だと言う早津



ほんとだ手みたい/驚


夜中に得体の知れない者が来て、人のニオイを嗅ぎつけ、早津らを食べようとする



床下には人骨がたくさんある
もうダメだと思った時、朝日で消える

全速力で逃げると村人に会う

「地獄村だ 朝になると忽然と消える 言い伝えでは地獄の死者が舞い戻ると言われる
 登山者らを迷い込ませて、殺し、腐らせて食うのじゃ
 やつらは一度誘い込んだ人間は必ず殺す」

早津:僕らは運が強かったんだ 急いで山をおりよう!

村人に教わった方向には村落はなく、また道に迷う2人



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