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『トムテ』(偕成社)

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『トムテ』(偕成社)
ヴィクトール=リードベリ/作 ウィーベリ/絵 山内清子/訳

12月恒例のxmas本シリーズ
これもマリさんが紹介していたのをキッカケで知り、早速借りてみた

特選!エンタ ヤマザキマリさんイチオシ!クリスマス向け書籍@あさイチ


昔は、こうして1軒1軒で馬やヒツジを飼って、すべて自分たちでまかなっていたんだな
そして、自然の精霊やこびとらを大切にして、敬い、1年の終わりには感謝する
クリスマスって、そんな日なんだ



【内容抜粋メモ】

“しんしんと ひえる まふゆの よぞらに
 ほしが つめたく またたいている

 めを さましているのは
 こびとの トムテただひとり”




「わしには まだ、どうもよくわからん」

農場の屋根裏にずうっと住んでいるトムテは夜回りをしながら考えている

牛小屋では、牝牛は夏の夢を見て
手綱や轡から解放された馬は、飼い葉桶が
かぐわしいクローバーでいっぱいになる夢を見る



子ヒツジは、親ヒツジに寄り添って眠り
オンドリは止まり木で休む

犬のカーロは仲良しで、トムテが行くと喜んでシッポを振る



母屋の夫婦はトムテを大事にしてくれる

トムテは可愛い子どもたちを見るのが一番の楽しみ



トムテは、子どもたちも、お父さんが子どもだった時も
おじいさん、ひいおじいさんが子どもだった時も
ずっと見守ってきたが

ひとは、どこからくるのだろう

賑やかに楽しく暮らし、年老いて
やがて、どこへいくのだろう

「むずかしすぎる わしには、やっぱりよくわからん」


トムテは屋根裏で長年ひとりで暮している




ツバメは帰って来るたびに遠い国の話をしてくれるが
トムテの疑問を解くカギにはならない


“はるか かなたの たきの ひびきが
 かすかに たえまなく きこえてくる

 トムテは ひくく つぶやいた

「どこへ ながれて いくのだろう
 みなもとは どこだろう」

 もりに かこまれた のうじょうでは
 あらゆるものが まだ ねむっている

 ねむらないのは
 こびとの トムテただひとり”






【山内清子あとがき 内容抜粋メモ】

トムテは、スウェーデンの農家などに住むこびとです
何百年も生き続けて、その家の幸せを守ります

トムテを大事にすれば仕事がはかどるので
クリスマスイヴには、トムテの分のおかゆを器に入れて
厩、納屋などに出しておくのです

ノルウェーやデンマークではニッセと呼びます

この詩は、19Cのスウェーデン詩人リードベリが1882年に発表し
今日も広く愛され、大晦日の夜にラジオで朗読されます

1960年に、画家ウィーベリが絵をそえて人気になりました


ヴィクトール=リードベリ(1828~1895)


スウェーデンのイェンチェーピング生まれ
ジャーナリスト、詩人、作家、神学者、法律家として幅広く活躍
社会問題、宗教問題を扱った小説、哲学的な詩が多い
代表作 小説『シンゴアラ』『第一詩集』


ハラルド・ウィーベリ
1908年 スウェーデン生まれ
自然、動物の本の挿絵を多く描き、絵本分野でも活躍
1971年 ブタペストの世界動物画展で最優秀賞
1976年 エルザ・ベスコフ賞



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