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世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦@板橋区立美術館(2017.12.23)

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世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦@板橋区立美術館(2017.12.23)
会  期:2017年11月25日(土)~2018年1月8日(月・祝)
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休 館 日:月曜日(1月8日は祝日のため開館)、12月29日~1月3日

“南インド・チェンナイの出版社「タラブックス」。
 1994 年に設立され、ギータ・ウォルフとV・ギータという二人のインド人女性が中心となって活動しています。

 タラブックスといえば美しいハンドメイドの絵本が知られています。
 ふっくらとした風合いの紙に、民俗画家による絵を版画の技法で印刷し、1冊ずつ職人が糸で製本しています。”


毎年のようにボローニャ展を観に行く板美で、私の大好きな樹、児童書に関する展覧会があると知って行ってきた

2017 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展@板橋区立美術館(2017.7.9)

本当はもっと早く行くつもりだったけれども、土曜日に現地を撮ったカメラマンのトークイベントがあるとのことで、
話を聞いてみたくて、少し早めに出かけて、展示をひと通り観た後、イベントに参加した


「アートシーン」でも紹介して、その時の内容もメモ
さらに祝日(天皇誕生日も後で知った)だったため
大勢が観覧に来ていたけれども、1点1点じっくり観られるのと
ちょうどいい広さが板美の良さが好きv




でも、さすがに老朽化による改装でしばらく休館するそう
どんな風に変わっちゃうんだろう

たしかにトイレはいまだ和式なのには驚くけど
その壁に可愛いイラストが描いてあったりして
それもまたいいんだよね^^

カフェも継続してほしい!
今回、ゆっくりスープを飲んだり出来なかったけど
ここの手作りパンは、素材がナチュラルで、美味しいのに安いから
たくさん買って帰って、夕食に頂きましたv



アートシーン
描いたのは先住民族







「夜の木」はゴンド族が描いた
「森の民」と呼ばれ、木に特別な想いがある



聖なる木になる実が鳥に似ているとか










手漉きの紙に1枚1枚手刷りする




製本も1冊ずつの手作業


ギータさん:


「夜の木」を描いたゴンド族には、木と人の物語が生きた知恵として残されています
今は人と木の関係は断ち切られている時代です
ゴンド族に生きた知恵としての木の物語が残っているのは特別なことなので、この絵本を出版したのです

ガンジス川の魚を描いた絵本







物語は聴くものだったため、インドには子ども向けの絵本を作る習慣はなかった
タラブックスは、子どもたちに初めて絵本を届けた


カメや魚は豊穣のシンボル




太陽と月は神とみなされている
失われつつある伝統的な価値観を伝えている
















●展示内容
驚いたのは、タラブックスの「世界中の人に知ってほしい」という意向から写真撮影が許されていたこと
注意書きには「立ち止まって長時間の撮影はご遠慮ください」「動画はご遠慮ください」など書かれていたけれども

ネットでさまざまな情報を発信出来る時代
貴重な取り組みや、少数の先住民族の文化を世界中に伝えるにはとても有効
こうした姿勢にも共感した


美術館内は4つの展示室に分かれていて、入って中央は、実際に手にとって読める本が置いてあった
その奥には、タラブックスがこれまで出した絵本の紹介と、2人のギータさんのインタビュー映像が流れていた

左右に分かれた展示室 最初に目に入るのは、写真家・松岡宏大さんによる素晴らしい樹や原住民の写真
もう片方は、「ノアの箱舟」などの神話を描いた巻物?が天井から吊り下げてあって、こちらもインパクト大



実際に描いて、歌いながら巻物のストーリーを語る女性や
絵を描き、布に染色し、売っている職人男性の作業風景
タラブックスが1ページ1ページ創り上げる様子などの映像もとても興味深かった


【展示内容メモ】

まず、入り口の階段にもイラストが描いてあって、
ボローニャの時もそうだけど、こうしたちょっとした工夫が好き



チケットもいつも可愛い 再入場を繰り返してボロボロになっちゃったけど






巻物は、布を裏打ちしてあって驚いた

 

昔は、神話や先住民族のルーツストーリーは、すべて口伝だったのが
こうして絵として残るのは貴重 動物もたくさん描かれていて可愛いし







西洋人がやって来て、先住民の首を吊るしたりしている絵もあり
どこにでもこうした経緯があったことに胸が痛んだ






<巻物を描いて、歌で語る女性の映像>



母親が絵を描く職業で、自分は幼い頃手伝っていた
最初は簡単な線しか描かせてもらえず、母のいない間に絵を描き足したりして勉強した

歌とともに絵が生まれる
巻物を読む時も歌って伝える

通りで実演して見せて、歌いながら、絵を指さし
どんどん巻物を巻いていきながら、神話を語る

「作者が亡くなっても、物語は残る」



<絵を描いて、布を売る男性職人の映像>



布創りは宗教
女たちは好きな女神を描いていた
心に浮かんだものを描く

金儲けのために絵を描き始める者も多いが長続きしない
邪な者には女神が夢に出てきて邪魔するらしい

昔は1つ1つ手描きしていたが、今は木版を使う

(布の周りに四角く枠のスタンプを押してから
 女神3体ほどを、位置を合わせてからスタンプしていく

色はあらかじめ作っておく いつ注文が入るか分からないから
子どもにも手伝わせる この技術を伝承していきたい


日本の染物同様、染色してから川で染料を落として、乾かすんだけど、そこはインド
クルマが走る道路脇で、薪を燃やして、鍋の中に材料を入れて、指で適当に混ぜてるのが素朴で面白い
干すのも道路脇だし 男性「これを洗ってからお客さまに渡すんだ」

なにかその前の工程を施すと、後で石鹸で洗っても色落ちしないそう

絵は祭壇だと思ってほしい
絵本になることで、恵みを世界の人たちにも受け取ってほしい

※低カーストの人々は神殿には入れず、布を祭壇代わりにしている



<タラブックスの作業の様子の映像>

1枚1枚色づけして、木枠の上に並べて乾かし、すべて手作業+分担してやっているってスゴイなあ!
ページ順に並べる男性、糸でくくって、表紙を糊付けする男性
1冊創るのに、たくさんの工程数、手間と時間がかかるので量産は出来ない



<ギータ・ウォルフとV・ギータさんインタビュー 約14分>



ギータ・ウォルフとV・ギータさんは、タラブックスの編集者、出版者、作家
聞き手は、松岡希代子さん(板橋区立美術館副館長)







“インタビューの収録は、2017年6月、チェンナイにあるタラブックスの社屋ビル「ブックビルディング」で行われました
 インタビューの間、開け放した窓の外からは、この時期としては涼しい風とともに
 周囲の木に巣をつくっているカラスの声や、前を通る紙屋の呼び声などが絶え間無く入ってきました
 そんなタラブックスの雰囲気も一緒に感じ取ってください”

(実際、2人が喋っている間中、カラスの鳴き声がすごかったw

“南インド・チェンナイ(旧名マドラス)のティルヴァンミユール地区にあるタラブックスの社屋
「ブックビルディング」は、2012年にオープンした
 タラブックスは、現在ここを拠点に活動している
 1階がブックショップとワークショップスペース、2、3階がオフィス、
 さらにアーティストたちが滞在できる宿泊設備も整っている”


「ものを創るには時間がかかる 急いではだめ」

タラブックスは、15人ほどで運営している 経営者5人は全員株を持っている 総勢28人ほど
小さな村に、同じ家に住んでいる デザイナー2人、編集者2人・・・出版社というより工房ね

1500枚のポスターを作るにも、その都度ミーティングをして働くペースを考えている
社内の状況をみんなが把握している コミュニケーションが大事

この会社がみんなの居場所
仕事が出来なきゃ減給するとかクビにするなどしない 他の会社では多いけれども
書店に並ぶ自分たちの本を見せて、これはみんなのお蔭よと言うんです

(これ大事だなあ 「AMMスクリーンズ」て何のことだろう?

多くの人がネットで本を買える時代だけれども
タラブックスは、世界中の熱心なサポーターに支えられている

インド国内だけではなく、タカハシカオリさんなど日本人アーティストの本も出しているし
世界中のアーティストを扱っている

私たちのつくる本のテーマは、ただ美しいだけではなく
男女平等、民主主義、環境問題など、ある価値観を伝えてることを大事にしている

リスクはつきもの でもワクワクしながら創ることは、いつまでも若くいられる
今度はどんなものを作ろうと考えるプロセスが楽しい



<「夜の木」>

 







●写真家・松岡宏大氏トークイベント 「『夜の木』の村を撮る」



“タラブックスの絵本『夜の木』の村で撮影した写真を見ながら、お話をうかがいました。
 松岡さんの写真は現在展覧会場で特別展示をしているので、当初は展示室でのギャラリートークを予定していました。
 しかし、会場が混み合っているため、講義室でのレクチャー形式となりました。
 さらに、松岡さんと一緒にKAILAS(カイラス)というユニットを組んでいる
 野瀬奈津子さんも急遽登壇くださり、聞き役となっていただきました。

『夜の木』は、インド中央部に住むゴンド族の3人の画家が描いた絵本です。
 そのひとり、バッジュ・シャームの出身地パタンガル村を、松岡宏大さんは2016年3月に訪れました。
 トークイベントでは、春のお祭りを村の人々がお祝いする様子や、長い物語を吟ずる村の語り部のこと、
 タトゥーの風習のある近くの村の話など、たくさんの写真とともにお話いただきました。

 12月2日に開催した松岡さんと野瀬さんによるトークの中でもすこし触れていただいたお話ですが、
 今回はさらに、バッジュ・シャームが最初に描いた絵本の制作過程や、インドの宗教や社会についてもお話くださいました。

 追加で開催することになったイベントのため、告知があまりできなかったにもかかわらず、
 定員を大きく上回るみなさまにご参加いただきました。(参加約120名)”


14:00~15:30
いつもなら、アナウンスがあってから観覧者が入る感じだけど、今回は混みそうだったため
あらかじめ聞いたら「13時から開くので、なにか貴重品でないものを席に置いておくといいですよ」と親切なお言葉/礼
入って正面にスクリーンで写真を映すとのことで、前から2列目中央の席にしてみた

関西弁の小柄な男性で、革ジャン+タラブックスTを着て
「僕だけじゃ心もとないので・・・」と野瀬奈津子さんに急に隣りに座ってもらって
いろいろ暴走する楽しいお話のツッコミ役になってもらっていたw

松岡さん:
実は、昨日、皇后陛下さまがいらして、2分ほど説明させてもらいました
本とトートバッグまで贈呈したら、女官みたいな方が、こうして(胸の上に掲げるようにして)献上していて恐縮でした(w
とっても興味深く観て、いろいろ質問もされて、分刻みで移動しなきゃならないから
侍従みたいな方に連れて行かれて、“あ、絵本が・・・”とまだ観ていたそうでしたw

昨日も今日と同様Tシャツに革ジャンで行こうと思っていたんですけど、
副館長さんから“一応スーツで・・・”と言われて、スーツを着ましたw

ガンジーがエリザベス女王に謁見した時、“その格好で会うつもりか?”と聞かれて
“私はいつもこの格好だ それを偽って会うほうが失礼でしょう”と言ったそうです
僕もそうしたかったんですけどw

野瀬さん:けっこうスーツ似合ってましたよ それにガンジーじゃないし(ツッコミが面白いw

松岡さん:
そんな感じで昨日、力を使い果たして、燃え尽きてしまったので、今日はウィニングランみたいな気持ちです(ww


皇后陛下美智子さまご来館
“22日夕方、皇后陛下美智子さまが現在開催中の展覧会にご来館下さいました。
 展示室では、当館副館長の御説明で、タラブックスのハンドメイド絵本や原画などを丁寧にご覧くださいました。

 また、絵本『夜の木』の舞台になったパタンガル村を撮影した松岡宏大さんと
 タラブックスから『キッチンを通して旅をする南インド』を出版した齋藤名穂さんからもそれぞれ自作の御説明を受けられました。

 お帰りのころにはあたりは真っ暗でしたが、多くの人々からお見送りをお受けになりました。
 板橋区立美術館には、今回で5回目のご行啓でした。”

皇后さま絵本展を鑑賞…板橋区立美術館



松岡さん:どこで情報を見つけるのか、いらっしゃる前から美術館の前にたくさんの人たちが待っていて驚きました

(「皇室ファン」?の方々っているんだなあ/驚 入り待ち・出待ちをするのかあ!
 ギータ・ウォルフさん・V.ギータさんのトークイベントもあったんだ それも貴重

松岡さん:
今回は物販がとんでもないことになってまして、僕の本が売り切れて、また持ってきますが
書店にはどっさりありますので、よろしかったら・・・

『持ち帰りたいインド: KAILASとめぐる雑貨と暮らしの旅』

『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』

(インドって聞けば聞くほど、なんでもありな面白い国だよね

『アジア楽園マニュアル 好きになっちゃったインド』(双葉社)

その他、読書感想メモリスト4の[インド]にあります


【トークイベント内容抜粋メモ】

最初に巻物の絵をバックに、著書を持って撮影会?が行われて
松岡さん:これは何かの罰ゲームですか? ってww



松岡希代子さん(板橋区立美術館副館長):
本当は、今日は松岡さんに展示されている写真の前で簡単に説明して頂く予定が
予想以上の反響で、混乱するため、急遽、講義室でやることになりました
なので、ほとんど宣伝もしていないので“シークレットイベント”になりましたが
たくさんの方々に集まって頂いてありがとうございます

2018.6~ここは大規模改修に入ります 再来年、また開館する予定です

(写真映像をスクリーンに映すために室内が暗くなって、メモを書いていたから読みづらい・・・
 間違った情報も混ざっているかと思うけれどもご容赦くださいませ







 


松岡さん:
ゴンド族は300~500万人の少数民族
少数民族にしては多いじゃないかと思われるかもしれませんが、インドは13億人いるので

よく「カースト制」は、差別じゃないかと言われるけれども、
もちろんそういう側面もありつつ「職業集団」でもある

「ボンド」と呼ばれる農業を営む人、「アヒール」と呼ばれる牛を飼う人、
農業と絵を描く「プラダン」と呼ばれる人々に分かれている

その身分に生まれたら、一生変わらないし、その中で結婚して、他のカーストとは交わらない


<『ジャングルブック』『世界のはじまり』などを描いたバッジュ・シャーム>

 

 

バッジュとギータの出会いのきっかけは、ギータのワークショップにバッジュが参加して
ギータがバッジュの才能を認めたことから始まった

でも、最初はダメ出しばかりだったそうです
その過程も残されているのが素晴らしいですが、ホラ、ダメでしょ?

(w でも、私は子どもの絵が好きだから、最初の素朴な絵も好きだな
 こちら↓は描き直したほうの完成形



ロンドンの地下鉄「チューブ」を描いて、最初は全部を描かなきゃいけないと思っていたが
ポイントだけを描くようにしたら、より皆の心を捉えることが分かったそう

バッジュは、これまで絵の勉強など受けたことはない
19歳で都会に出た 「オレは東京へ行くんだ」て、目的もなく家出しちゃう典型みたいですよ
25歳の時、ある画家に「手伝ってくれ」と言われた

シャンガルシン・シャーム(だっけ?)は有名な画家で、彼に「君の絵はイイ もっと描け」と言われて世界中に認知されるようになった
バッジュいわく「描いてみたら、描けた」て、やっぱり「プラダン」の血筋なんだなって思いました


「ホーリー祭」
インドのお祭りで、色をかけあって、春の訪れを祝う これが過ぎると一気に猛暑の夏になる感じ
焚き火もして、悪魔の人形を燃やしたりする「悪魔祓い」の意味もあるんですけど、ゴミまで一緒に焼いてたりする(ww
3月1日の「ホーリー祭」は、みんな酔っ払っていて、本当に危険なので、皆さん、インドに行く際は避けてくださいw

野瀬さん:この色が全然落ちないんですよ

後で川で洗って落とすんですけど 水道が通っていないし、電気もまだポツポツしかないので
写真にもある通り、女性たちの毎朝の仕事は、井戸に水を汲みに行くこと 中国雑技団のようです



「プラダン」の人たちは音楽の演奏も達者で、「パジュー(?)」って太鼓をものすごく上手く叩く
「ブジルク」は神話を歌う これは「バーナー」という楽器 弦は馬のシッポで、弓は鹿で出来ている



3時間かけて1つの神話を歌う この職業はもう3人しかいないらしくて
1人は亡くなり、1人はニセモノだからって言われて、この人しかいないんじゃないかな

トランスミュージックのようで、周りがなぜかコール&レスポンスのようにツッコミを入れる
「それからどうした」みたいな感じ 後で聞いたら「この歌は初めて聴いた」と言っていた

全身に刺青をする民族にも会いました
わりと近くの森に住んでいるけれども、他の民族とは一切交わりがない

少女が9歳になると額から刺青を入れられて、結婚するとまたどこかに入れてという感じ
ここは、とにかく女性が強くて、男性は存在感が薄いw
木造の人形を撮ったんですけど、女性が男性の2倍くらいの大きさ


副館長:チェンナイから近いんですか?

松岡さん:
いえいえ まずチェンナイから飛行機で2~3時間飛んで→クルマで300km
インドは道路事情が悪いので覚悟していたら、1泊2日で着いて、フシギに思ったくらい

野瀬さん:最近は高速道路も出来てきてるみたいですね



<「夜の木」について>



これらはすべて実在の木
彼らは「神話」を描いたのではなく「写実」したということ

どれがどの木なのか知りたくて、現地の村の人に聞いたら全部知っていた
さすがに「ガンジャ」の木だけはなかった マリワナになるのでw

「マフワの木」は酒の木
3月の2週間だけ花をつけて、それを集めて、蒸留してお酒を造る 花というより実みたい

僕の後ろにある絵も「マフワの木」です
金色だから「金運、恋愛運が上がるかも」と言っていたら
ある日、この絵を写メった女性から
「木の写真を待ち受けにしていたら、結婚が決まりました」とメールが来ました

皆さんもぜひ写メって、なにかあった場合は私にご一報ください
話に尾ヒレ背ビレが付きますので(ww

これらは、もとはモノクロの線画だったけれども、タラブックスによって色をつけて出版された

この写真は、インドの菩提樹
(最初に目を奪われた素晴らしい樹は、御神木みたいなものなんだな



「見えない世界」と「見えている世界」の境界線がない
この本はその「見えない世界」の話が描かれている

『遠野物語』の「これらは現実の話です」に通じるものがあるなと思った

「集合意識」のようなもの
日本にもかつてはあったけれども、「科学至上主義」の現代にはない



<ヒンズー教について>

『国際理解に役立つ よくわかる世界の宗教4 ヒンズー教』(岩崎書店)

※その他「読書感想メモリスト3」の【宗教】もあります


ヒンズー教の起源については諸説ありますが、こんな話もあります

少年がある日、瀕死の小鳥を見つけて、その死を看取り
→その後通りかかった農夫が小鳥の墓を作り
→その後通りかかった女たちが花をたむけた
→それが広まっていった

つまり、名もない村で、人々がそれぞれ信仰していた土着の宗教の集合体なんです

ビシュヌ神、シヴァ神などが有名ですが
「ビシュヌ神」は太陽の恵みを司り、「シヴァ神」は雨、月の象徴でもある

今では仏教徒はほぼいない
三島由紀夫が「仏教はヒンズー教に優しく絞め殺された」とどこかで書いていました

集団改宗させている、という話も聞きます

ガンジーも、“カースト制に反対した人”として讃えられているけれども
差別は否定したけど、カースト制には否定していなかった

(もう一人の名前をあげて、その人はカースト制も否定したため、ガンジーと袂を分かつことになったそう

ゴンド族は、森に住んでいるけれども、「焼畑農業」と言って、
森を焼いて切り拓きながら狩猟採集していた民族なので、実はあまり自然に優しくないです



<タラブックスについて>

後でギータにこれらの話をしたら、彼女たちは先住民族のことをとてもよく知っている
タラブックスの人たちは、現地まで行って調べているんですね

ギータさんたちは、フェミニズムの集会で出会ったそう
だから「マイノリティー」、強者と弱者なら、必ず弱者側に立つ

でも、2人のカーストはかなり上なんです

それで、あのインタビュー映像では、ショートカットで、
しかもアフリカの模様の半そでシャツを着ているって
日本人にはあまり分からないかもしれないけれども、インドではとても衝撃的

僕の木の写真もギータはとても評価してくれて、今度、バッジュ+僕の写真で出版する企画もある

今回、物販がかつてないほど大変なことになっていて、本は品切れ状態ですが
木の写真(十数枚で1セット1000円だった)はまだ売れてないのでよろしくお願いします(w
夜なべしてインドの新聞紙でラッピングして作ったハンドメイドなので
(こういうのもフリマや手創り市的でステキ

展示の中にギータさん所有のゴンド族のお面まであってビックリしました
僕も今度行った時、絶対買おうと思った




最後は、観覧者の質問コーナーになり、2人ほど質問があった

Q:刺青をする民族の話がありましたが、あれは絶対にやらなきゃいけないんですか?

大人になるための儀式みたいなものなんですね 日本で言えば七五三みたいな
カースト制度にはいろんな問題もあると思いますが、“属して”いる限り生活が保障されている部分もある
彼らのアイデンティティでもあり、そこから抜け出したら行く所もないし
でも、グローバリゼーションで崩れ始めている現状もあります


副館長:
ギータさんたちは「フェアトレード」などの活動もしていて
ストリートチルドレンの本も作っている

タラブックスの1階は普通の書店で、いろんな人に来てもらって
自分たちの活動、いろんな文化を見てもらいたいというオープンマインド

そのため、今回、美術館としては異例な、作品の写真許可も
世界中にタラブックスの活動を広めて欲しいという気持ちの表れでもある(共感

彼らは、とにかく「対話」「コミュニケーション」を一番大事にしている

物販の洋書は品薄ですが、順次仕入れていきます 今、飛行機に積んでいるところかもしれません(w
このポスターも、同じ版で作ったもので、売られていますので、ぜひ



<その他の作品>

にゃんこも可愛い


 










 

ちょっとレキシさん似な人も・・・


民芸品


木版


とにかく樹はみんな可愛い



館内のちょっとしたところにも、タラブックスのデザインが施されている工夫も板美ならでは



次回の予告





今回もらったチラシ

 

 




目録
 

 


***

いろんな貴重な体験が出来た展覧会で、去り難かった

こうしたトークイベントが急に開催されても、たくさんの人が深い興味を持って集まる様子を見て
全体の意識が「自然回帰」に動いているのを肌で感じた



インスタにもアップする予定
その他、拾ったチラシの内容なども追って書くかも



追。

物販には、タラブックスの洋書がならべてあってとても気になったけれども
私が買ったのは、ミスプリントを使った缶バッヂ2個
トークイベントの女性も黒い服に2個つけていて、とても気になったので



Tシャツも樹のデザインで、巨樹好きにはたまらないが、首回りがキツいのはムリです
トートバッグもいろんな樹のデザインがステキだった


外に出るともう日が暮れていて、冬枯れた木々も美しかった







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