原作:宮部みゆき
監督: 成島出
出演:
望月歩 柏木卓也 死
西村成忠 井上康夫 判事
藤野涼子 藤野涼子 検事
西畑澪花 倉田まり子 検事助手
若林時英 向坂行夫 検事助手
板垣瑞生 神原和彦 Kの友 弁護人
前田航基 野田健一 当日Rと一緒 弁護人助手
佐々木蔵之介 藤野剛 刑事
夏川結衣 藤野邦子 母
田畑智子 佐々木礼子 刑事
清水尋也 大出俊次 被告人
高川裕也 大出勝 父
江口のりこ 大出佐知子 母
加藤幹夫 橋田祐太郎 被告人
石川新太 井口充 被告人
石井杏奈 三宅樹理 告発文差出人
永作博美 三宅未来 母
富田望生 浅井松子 告発文差出人
塚地武雅 浅井洋平 父
谷のぶえ 浅井敏江 母
小日向文世 津崎正男校長
黒木華 森内恵美子 担任 バスケ部顧問
松重豊 北尾教諭 バスケ部顧問
木下ほうか 楠山教諭
安藤玉恵 高木学年主任
田中壮太郎 茂木悦男 テレビ局員
市川実和子 垣内美奈絵 森内隣人
余貴美子 上野素子校長
尾野真千子 中原涼子
ほか
※「宮部みゆきさん作品まとめ」に追加します
「GYAO!」で1月10日まで無料配信だったので観てみた
▼あらすじ(ネタバレ注意
母校の江東区立城東第三中学校に赴任してき来た中原涼子 卒業以来23年ぶり
上野素子校長が迎える 前任は津崎正男校長
上野:全部聞かせてください
R:あの頃はバブルでみんな浮かれてた まるで腐りかけた果物みたい
【1990年12月25日】
記録的な大雪のクリスマス ウサギ小屋の掃除で野田健一とともに朝早く学校に来たR
通用門から入ると、雪に埋まっている生徒の死体を見つけて掘り出すと
クラスメートの柏木卓也だった
保健室で校長、先生に話す
飼育員のKはウサギの面倒をみていたが、このところ不登校状態のままだった
担任・森内恵美子が自責の念で泣きながら話す
森内:Kの目が怖くて・・・私が話をもっとちゃんと聞いてあげていれば
クラスメートもみんな号泣するが、違和感を覚えるRとNら
遺書はないが、警察に自殺と結論づけられた
【葬儀 冬休みに入って3日目】
校長が代表してお悔やみを言う
校長:悩みに真摯に向き合っていれば・・・
森内は倒れる
「あのコ、うちの学校じゃないよね よっぽど仲が良かったのかな?」
【告発状】
女生徒2人は三越前のポストに数通の告発状を投函する
年明け、冬休み最後の日にRのもとに届く
「告発状
Kは自殺ではなく、殺されたのです 僕が現場を見ました
突き落としたのは2年B組の大出俊次です
橋田祐太郎、井口充も手伝いました 笑いながら殺したんです
もう一度事件を調べてください 警察に知らせてください」
同じ内容の手紙が校長にも届いていた
刑事の父:
これはウソだと思う 差出人は同じ2年A組の誰か
なにかしら対応していることを差出人にはしらせるべき
父:A組の生徒に“カウンセリングする”と言って差出人を割り出す
母:あなたたちを守るためなんだから
【三宅樹理】
ニキビを気にするJに「気にするな」となだめる母 父はサラリーマンで日曜画家
母:パパみたいな人と結婚したらダメ 絶対に幸せになれないから
【カウンセリング(聞き取り調査)】
刑事・佐々木礼子が生徒1人ずつから聞き出す
Jと一緒だった浅井松子は、Kの死に納得できないと話す
J:刑事は私たちが知らないことを知ってるんじゃないですか?
SはJとMが差出人だろうと推測する
M:Jが見たことちゃんと喋ったほうがいいよ
M:バレたら私も大出くんらに殺される そしたらMのせいだからね!
帰り道にニキビをからかわれ、大出らに酷い暴力を受けるJ
大出:気持ち悪くてごめんて謝れよ!
泣きながらJを守るM
【テレビ局員】
テレビ局員・茂木悦男が校長を訪ねる
ニュース番組にも告発文が届いていた
校長:あれは自殺です
モギ:
それは取材してから判断します
森内先生のところにも届いていたのに、破いて捨てたそうじゃないですか
校長:彼女は教師になってまだ2年 破ったりしません
森内にも取材すると「知らない」と逃げる
生徒にも取材して、他殺では?と噂が流れる
生徒:大出くんちは大出材木店の息子で大金持ち 財布に万札たくさん入ってるのを見たことあります
ササキが大出に聞く
大出:前日、理科室でちょっとKとモメただけだよ オレたちが殺したって言ってる学校に戻れるかよ!
大出の言い分に逆らえない連れの2人の男子生徒
S:告発状の動機は復讐だと思う 差出人はJとM
校長:
父兄の間で騒ぎになってます カウンセリングは中止してください
生徒同士が疑い合い、またイジメが起きます
すべては私の責任です
【職員会議】
校長:差出人は特定出来きませんでした
森内:私には来ていません/涙
教師:郵便局を調べたら配達されていたそうじゃないですか!
モギは大出の家にも行くが、父親が激怒して殴られる
M:私、美味しいものを食べてる時が一番幸せ
Mの父(塚地くん!):デブなんて言う奴は心が貧しいんだよ
Rが忘れ物の楽譜を持って来て、帰りに送る
RはMに「ごめんね」と謝る
【柏木卓也】
RはJとMが大出らにひどく蹴られてるところを黙って見ていた
柏木:
なんで助けてあげないの? HRで“いじめはやめましょう”ってゆってたよね
卑怯だよ 偽善者 お前みたいなのが一番悪質なんだよ
卒業式が終わり、森内は辞表を出した
Sに「私が開ける前に盗まれたのでは? 捜査してください」
S:うちの管轄ではない 郵便物損失くらいでは動いてくれないかも 調査会社に相談しては?
森内:心当たりがある 柏木くんです 呪いをかけたんです
【3年に進級 クラスがかわる】
「ニュースアドベンチャー」でモギが事件を伝える
告発状、Kの写真、森内を責める映像も出す
大出の父の暴力シーンを見て喜ぶJ
大出の父は、これまでの息子の恐喝・窃盗を金ですべて示談にしていたことが知れる
【神原和彦】
Kの自殺現場を見ている神原和彦に声をかける野田
神原:小学校の時、Kとクラスが同じだったんだ
NはKと話したことを話す
K:
死んだ後、生まれ変わるながら、ウサギか人間どっちがいい?
こいつらの生き方にはウソがないんだよ 無垢で純粋なんだ
人間はそうじゃない
N:だから自殺って聞いた時、ああって思った
神原和彦:また会ってもらえないかな
【垣内美奈絵】
隣りの夫が妻に暴力を振るっているのを見る森内
垣内美奈絵:絶対に許さない!
【保護者に不安が広がり、緊急説明会が開かれる】
保護者:どうせ警察もグルなんだろ!
S:
告発状が真実なら、見た人物は屋上にいたことになる
深夜の学校の屋上に何の目的があるのでしょう
たまたまという状況ではありません
事件目撃自体がウソだったと聞いて、Jに会うため、家を飛び出すM
その後、号泣しながら走っていてクルマに轢かれて集中治療室に入る
2年の時いっしょだったRが事情を聞いて倒れ、保健室に行くと、Jも寝ている
教師が用事で部屋を出ると、Jは何か言うが声が出ていない
突然笑い出すJが怖くなり、保健室を出るR
【マツコの死】
Mが亡くなったと聞いて、家でも声が出ないJ
Mの父:マツコは告発状を送るようなそんな悪いことしません!
Mの母:私は正直Jは好きじゃないというとMは怒りました
Mの父:Mもいじめられてたけど乗り越えたよ! 私たちはなにか間違えてますか?
校長:私が対処を誤りました
【校長は辞職】
校長代理:こういう時こそみなさんで元気よく歌いましょう! 校歌斉唱
RやNらは歌わない
SがJ宅に来る 最後にMに会ったのはJ
Jは発作を起こし「帰ってくれ!」と追い出す母
【回想】
吹奏楽部のMに「私と一緒に帰るより大事なんだ」と責めるJ
J:
あんたがクラリネットやめればみんな感謝すると思う
あんたみたいなデブじゃ楽器持っても似合わないよ
R:そういうの良くないと思う 謝りなよ
M:Jのこと嫌いにならないで ほんとは優しいコだから
RはMの事故現場に花を添える
【1991年夏】
2人の死にとりつかれたまま、Rは何度も電車のそばに来る
R:
私は死ぬことを考えていました
でも、私はまだ生きてる だったら逃げるのはやめて闘おう
父に警察でもっと調べてほしいと頼む
R:どうしてMが死んだのか分からないんだよ!?
母:何をどう調べるの?
R:
ほんとのことを知るのがそんなにいけないこと?
全部なかったことにして忘れればいいの?!
モギがRのところにも来る
モギ:君のところにも告発状が届いてたよね? JがMを殺したって噂もある
R:
そんないい加減なやり方で、また私たちの学校をめちゃくちゃにするつもりですか?
Mが亡くなったのもあなたたちのせいじゃない
学校のことは私たちが一番知ってます 全部私たちで調べます
モギ:それはムリだよw
【6月半ば】
NがRを神原和彦に会わせる
神原:Kとは中学に入ってから会ってないから本当のことを知りたい
N:大出とJの2人とも犯人てあり得ないよね?
R:そうか 私たちやればいいのか 裁判だよ
学校で裁判すると母に話す
母:
変なこと言ってないでお風呂に入ってきなさい
学校を敵に回して受験を棒に振るつもり?
先生の印象が悪くなる 内申書もどうなるか
R:そんなことどうでもいい 自分たちで真実を見つけたいの
【北尾教諭】
北尾教諭:
やっちゃえ、やっちゃえ、オレも学校のやり方に腹すえかねてたんだ
まずは日程だな 8月に始めて、審議は5日間だろ
あとは検事、弁護人、裁判長どうする? 責任が重すぎやしないか?
「陪審員制度」のほうがいいかもしれないということになる
神原:Jは話せなくて学校を休んでいるから、被告人としては難しいかも
N:じゃあ大出くん
神原:
僕も彼は無罪だと思う 僕が知ってるKはいじめられるタイプじゃないし
夜中に呼び出されてのこのこ出て行くなんて考えられない
僕を大出くんの弁護人にさせてくれ 他校だから偏見もないし
Rさん、検事をやれる? あの告発状を信じて、大出くんを犯人にすることだよ?
R:私はKは自殺とは言い切れないと思う 大出くんならやりかねないと思う なら検事をやるしかないよね
【卒業文集】
卒業文集の準備で体育館に集まった際、元2年A組の生徒に集まってもらい
裁判に協力して欲しいと相談する
マリ:正直面倒臭いけど、私はいい加減決着つけたい!
井上:来年の受験に関わる だから1分1秒にもムダにしたくない
高木学年主任が高圧的に文集のテーマを決めろというと
R:それを決めるのは先生ではなく、私たちです
高木:たしかに悼む気持ちも分かるし、クラス委員のあなたが責任を感じるのも分かります
R:責任? どんな責任ですか?
高木:クラスをまとめきれなかったことですよ
R:
2人が死んだのは私のせいなんですか?
2人も死んだのに、充実した学校生活だったなんて文集を作っても意味ないと思います
高木:2人の死が命の重みを教えてくれたとか
R:
だから、そういうキレイ事は沢山だと言ってるんです
ほんとのことは誰も教えてくれなかった
自殺だったのか、事故だったのか 殺されたとか
高木は感情的にRをぶつ
普段から攻撃的な楠山教諭も生徒を投げ飛ばす
(今ならPTAもマスコミも大騒ぎだね
でも、いまだに子どもへのこのくらいの暴力は「教育の一部だ」と言われてるんだ
なんだか『ねらわれた学園』みたい
【高木を止めたのは井上康夫】
Rは口の中を切って、両親は高木らに責任を問う
高木:私はあくまで教育指導の一環として・・・
井上:
緊急以外の教師の生徒への暴力は認められません
Rはただ意見を述べていたに過ぎません
これは指導ではなく暴力です
謝罪する高木
校長に学校内裁判を認めてほしいと言うと
楠山:お前のわがままに他の生徒も巻き込むなよ
母:学校内裁判を了承しないなら、娘の診断書をとって教育委員会に訴えます
(教師はPTAと教育委員会に弱いんだよね
母:リョウコが学校にいい顔するのやめるなら、お母さんも学校にいい顔するのやめる
(フリーランスの仕事だから理解があるのかなあ なかなか言えないセリフな気がする
【学校内裁判説明会】
説明会に来て欲しいと言っても最初はなかなか集まらない
ポスターを破る楠山「内申書にも響くぞ!」
高木も圧力をかける
それがかえって反感を買い、まず立ち上がったのはMのいた吹奏楽部
次にバスケ部顧問だった森内先生のためにバスケ部が協力
北尾は退職届を出す
「これくらいの覚悟でないと、あいつらの本気に付き合えませんから」
北尾:
59歳で来年定年 校長や教頭になれるわけじゃなし
最後くらいカッコつけてもいいだろう
お前たちから“先生は不良や落ちこぼれの面倒はみても、本気で学校と戦ったことあるのか?”って言われたからだよ
【使ってない教室で準備が始まる】
弁護人:神原
弁護人助手:野田
検事:R
助手:倉田まり子、向坂行夫
判事は学校で一番の秀才・井上に決める
【河野探偵事務所】
森内は探偵事務所で調べてもらうと、隣人・垣内美奈絵がほぼ毎日ポストを覗いていたことが分かる/怖×5000
探偵:
愛人と再婚したいと夫から言われたショックからと思われます
一方的に被害を受けることは珍しくありません
今は実家にいるんですよね? そのまま実家に戻るか、引越しすることをオススメします
垣内の家はもぬけの空だった
森内:
彼女じゃなくて、なぜ私が引っ越さなきゃならないんですか?!
Kがこの女に乗り移ったんです ごめんなさい/涙
【夏休み直前、大出の家から出火し倉庫まで焼けた】
祖母は火事に巻き込まれて亡くなる
引越し先のマンションを訪ねると顔を酷く殴られている大出くん
(父からの虐待 不良になるにも理由があるんだ
裁判に「被告人」として出て欲しいと頼む
神原:
警察も学校も誰も大人は入れない
君は悔しくないの? テレビで殺人鬼扱いされて
大出:
嫌がらせの電話がバンバンきて、火事でばあちゃんは死ぬは、
おふくろはノイローゼで家の中はグチャグチャだよ!
神原:君の無実が証明されれば元に戻る
大出:オレの親父の怖さを知らないからだろ
神原:
僕の父さんは母さんを殺したんだ お酒を飲むと人格が変わる人で、殴り殺したんだよ
僕は君の冤罪を必ずはらす ウソだと思われたくないから、その時の新聞のコピー
人殺しの息子の僕に弁護人をやらせてくれるね?
無言で去る大出
マリ:私は正直、大出くんより、神原くんのほうが怖かった
R:子どもは親を選べないんだよ
マリ:可哀相だとは思うよ
R:そんな簡単な言葉で決め付けないで
アメリカの裁判ビデオを観て参考にしようとする3人
Sに裁判の資料(遺体の様子や、遺留品など)を提出してほしいと頼むR
S:傷つく人が出るとは思わない?
R:
私たちみんなもう傷だらけです
差出人を守る前にやるべきことがあると思う
警察も先生も差出人の言い分を正面から聞きましたか?
かばうことじゃなく、信じてくれと訴えているんです
【アリバイ】
大出の母:あの夜は家政婦に任せて家にいたからアリバイにならないでしょ?
神原:
父にずっと家にいろと言われたらいなきゃいけないんだよね
それを証言するだけでも陪審員の印象は変わります
そこに父親が来る
父:
お前にもまだ友だちいるんだな
こいつ、泣きながら頼んできやがった 負けんじゃねーぞ
証人として出ると言う母を殴る父親を見て「警察に連絡しますよ」とかばう神原
大出は母を守るため「帰れ! 二度と来るな!」と家に戻る
「塾に行くのを諦めて裁判の準備をしてきたのに」とぐらつくクラスメートたち
神原:大出くんは絶対裁判に間に合わせるから
北尾:どうしてお前は、他の学校のことにそんなに必死になる?
神原:
Kくんに試されているような気がする 自分が命を賭けた問題に
お前みたいな口先だけの偽善者に解けるかって
それには絶対負けたくない気持ちが強いんだと思います
自分と同じことを言われていたことに驚くR
モギに学校内裁判のことをメールするJ
「ぜひ報道してほしい 全国に知らせて下さい」
それを母に見られて止められる
***
やっぱり宮部さんの話は胃が痛いな
「いじめ問題」をえぐり出して、真正面から突きつけてきて
その描き方に引き込まれて逃れられなくなる
学生だけで裁判っていいやり方
大人の陪審員制度はあんなに騒いだのにどこに行ったんだろう?
一時期話題になるだけで、いろんなニュースが消えていくだけ
みんな、いろんな出来事をなかったかのように忘れてしまう
監督: 成島出
出演:
望月歩 柏木卓也 死
西村成忠 井上康夫 判事
藤野涼子 藤野涼子 検事
西畑澪花 倉田まり子 検事助手
若林時英 向坂行夫 検事助手
板垣瑞生 神原和彦 Kの友 弁護人
前田航基 野田健一 当日Rと一緒 弁護人助手
佐々木蔵之介 藤野剛 刑事
夏川結衣 藤野邦子 母
田畑智子 佐々木礼子 刑事
清水尋也 大出俊次 被告人
高川裕也 大出勝 父
江口のりこ 大出佐知子 母
加藤幹夫 橋田祐太郎 被告人
石川新太 井口充 被告人
石井杏奈 三宅樹理 告発文差出人
永作博美 三宅未来 母
富田望生 浅井松子 告発文差出人
塚地武雅 浅井洋平 父
谷のぶえ 浅井敏江 母
小日向文世 津崎正男校長
黒木華 森内恵美子 担任 バスケ部顧問
松重豊 北尾教諭 バスケ部顧問
木下ほうか 楠山教諭
安藤玉恵 高木学年主任
田中壮太郎 茂木悦男 テレビ局員
市川実和子 垣内美奈絵 森内隣人
余貴美子 上野素子校長
尾野真千子 中原涼子
ほか
※「宮部みゆきさん作品まとめ」に追加します
「GYAO!」で1月10日まで無料配信だったので観てみた
▼あらすじ(ネタバレ注意
母校の江東区立城東第三中学校に赴任してき来た中原涼子 卒業以来23年ぶり
上野素子校長が迎える 前任は津崎正男校長
上野:全部聞かせてください
R:あの頃はバブルでみんな浮かれてた まるで腐りかけた果物みたい
【1990年12月25日】
記録的な大雪のクリスマス ウサギ小屋の掃除で野田健一とともに朝早く学校に来たR
通用門から入ると、雪に埋まっている生徒の死体を見つけて掘り出すと
クラスメートの柏木卓也だった
保健室で校長、先生に話す
飼育員のKはウサギの面倒をみていたが、このところ不登校状態のままだった
担任・森内恵美子が自責の念で泣きながら話す
森内:Kの目が怖くて・・・私が話をもっとちゃんと聞いてあげていれば
クラスメートもみんな号泣するが、違和感を覚えるRとNら
遺書はないが、警察に自殺と結論づけられた
【葬儀 冬休みに入って3日目】
校長が代表してお悔やみを言う
校長:悩みに真摯に向き合っていれば・・・
森内は倒れる
「あのコ、うちの学校じゃないよね よっぽど仲が良かったのかな?」
【告発状】
女生徒2人は三越前のポストに数通の告発状を投函する
年明け、冬休み最後の日にRのもとに届く
「告発状
Kは自殺ではなく、殺されたのです 僕が現場を見ました
突き落としたのは2年B組の大出俊次です
橋田祐太郎、井口充も手伝いました 笑いながら殺したんです
もう一度事件を調べてください 警察に知らせてください」
同じ内容の手紙が校長にも届いていた
刑事の父:
これはウソだと思う 差出人は同じ2年A組の誰か
なにかしら対応していることを差出人にはしらせるべき
父:A組の生徒に“カウンセリングする”と言って差出人を割り出す
母:あなたたちを守るためなんだから
【三宅樹理】
ニキビを気にするJに「気にするな」となだめる母 父はサラリーマンで日曜画家
母:パパみたいな人と結婚したらダメ 絶対に幸せになれないから
【カウンセリング(聞き取り調査)】
刑事・佐々木礼子が生徒1人ずつから聞き出す
Jと一緒だった浅井松子は、Kの死に納得できないと話す
J:刑事は私たちが知らないことを知ってるんじゃないですか?
SはJとMが差出人だろうと推測する
M:Jが見たことちゃんと喋ったほうがいいよ
M:バレたら私も大出くんらに殺される そしたらMのせいだからね!
帰り道にニキビをからかわれ、大出らに酷い暴力を受けるJ
大出:気持ち悪くてごめんて謝れよ!
泣きながらJを守るM
【テレビ局員】
テレビ局員・茂木悦男が校長を訪ねる
ニュース番組にも告発文が届いていた
校長:あれは自殺です
モギ:
それは取材してから判断します
森内先生のところにも届いていたのに、破いて捨てたそうじゃないですか
校長:彼女は教師になってまだ2年 破ったりしません
森内にも取材すると「知らない」と逃げる
生徒にも取材して、他殺では?と噂が流れる
生徒:大出くんちは大出材木店の息子で大金持ち 財布に万札たくさん入ってるのを見たことあります
ササキが大出に聞く
大出:前日、理科室でちょっとKとモメただけだよ オレたちが殺したって言ってる学校に戻れるかよ!
大出の言い分に逆らえない連れの2人の男子生徒
S:告発状の動機は復讐だと思う 差出人はJとM
校長:
父兄の間で騒ぎになってます カウンセリングは中止してください
生徒同士が疑い合い、またイジメが起きます
すべては私の責任です
【職員会議】
校長:差出人は特定出来きませんでした
森内:私には来ていません/涙
教師:郵便局を調べたら配達されていたそうじゃないですか!
モギは大出の家にも行くが、父親が激怒して殴られる
M:私、美味しいものを食べてる時が一番幸せ
Mの父(塚地くん!):デブなんて言う奴は心が貧しいんだよ
Rが忘れ物の楽譜を持って来て、帰りに送る
RはMに「ごめんね」と謝る
【柏木卓也】
RはJとMが大出らにひどく蹴られてるところを黙って見ていた
柏木:
なんで助けてあげないの? HRで“いじめはやめましょう”ってゆってたよね
卑怯だよ 偽善者 お前みたいなのが一番悪質なんだよ
卒業式が終わり、森内は辞表を出した
Sに「私が開ける前に盗まれたのでは? 捜査してください」
S:うちの管轄ではない 郵便物損失くらいでは動いてくれないかも 調査会社に相談しては?
森内:心当たりがある 柏木くんです 呪いをかけたんです
【3年に進級 クラスがかわる】
「ニュースアドベンチャー」でモギが事件を伝える
告発状、Kの写真、森内を責める映像も出す
大出の父の暴力シーンを見て喜ぶJ
大出の父は、これまでの息子の恐喝・窃盗を金ですべて示談にしていたことが知れる
【神原和彦】
Kの自殺現場を見ている神原和彦に声をかける野田
神原:小学校の時、Kとクラスが同じだったんだ
NはKと話したことを話す
K:
死んだ後、生まれ変わるながら、ウサギか人間どっちがいい?
こいつらの生き方にはウソがないんだよ 無垢で純粋なんだ
人間はそうじゃない
N:だから自殺って聞いた時、ああって思った
神原和彦:また会ってもらえないかな
【垣内美奈絵】
隣りの夫が妻に暴力を振るっているのを見る森内
垣内美奈絵:絶対に許さない!
【保護者に不安が広がり、緊急説明会が開かれる】
保護者:どうせ警察もグルなんだろ!
S:
告発状が真実なら、見た人物は屋上にいたことになる
深夜の学校の屋上に何の目的があるのでしょう
たまたまという状況ではありません
事件目撃自体がウソだったと聞いて、Jに会うため、家を飛び出すM
その後、号泣しながら走っていてクルマに轢かれて集中治療室に入る
2年の時いっしょだったRが事情を聞いて倒れ、保健室に行くと、Jも寝ている
教師が用事で部屋を出ると、Jは何か言うが声が出ていない
突然笑い出すJが怖くなり、保健室を出るR
【マツコの死】
Mが亡くなったと聞いて、家でも声が出ないJ
Mの父:マツコは告発状を送るようなそんな悪いことしません!
Mの母:私は正直Jは好きじゃないというとMは怒りました
Mの父:Mもいじめられてたけど乗り越えたよ! 私たちはなにか間違えてますか?
校長:私が対処を誤りました
【校長は辞職】
校長代理:こういう時こそみなさんで元気よく歌いましょう! 校歌斉唱
RやNらは歌わない
SがJ宅に来る 最後にMに会ったのはJ
Jは発作を起こし「帰ってくれ!」と追い出す母
【回想】
吹奏楽部のMに「私と一緒に帰るより大事なんだ」と責めるJ
J:
あんたがクラリネットやめればみんな感謝すると思う
あんたみたいなデブじゃ楽器持っても似合わないよ
R:そういうの良くないと思う 謝りなよ
M:Jのこと嫌いにならないで ほんとは優しいコだから
RはMの事故現場に花を添える
【1991年夏】
2人の死にとりつかれたまま、Rは何度も電車のそばに来る
R:
私は死ぬことを考えていました
でも、私はまだ生きてる だったら逃げるのはやめて闘おう
父に警察でもっと調べてほしいと頼む
R:どうしてMが死んだのか分からないんだよ!?
母:何をどう調べるの?
R:
ほんとのことを知るのがそんなにいけないこと?
全部なかったことにして忘れればいいの?!
モギがRのところにも来る
モギ:君のところにも告発状が届いてたよね? JがMを殺したって噂もある
R:
そんないい加減なやり方で、また私たちの学校をめちゃくちゃにするつもりですか?
Mが亡くなったのもあなたたちのせいじゃない
学校のことは私たちが一番知ってます 全部私たちで調べます
モギ:それはムリだよw
【6月半ば】
NがRを神原和彦に会わせる
神原:Kとは中学に入ってから会ってないから本当のことを知りたい
N:大出とJの2人とも犯人てあり得ないよね?
R:そうか 私たちやればいいのか 裁判だよ
学校で裁判すると母に話す
母:
変なこと言ってないでお風呂に入ってきなさい
学校を敵に回して受験を棒に振るつもり?
先生の印象が悪くなる 内申書もどうなるか
R:そんなことどうでもいい 自分たちで真実を見つけたいの
【北尾教諭】
北尾教諭:
やっちゃえ、やっちゃえ、オレも学校のやり方に腹すえかねてたんだ
まずは日程だな 8月に始めて、審議は5日間だろ
あとは検事、弁護人、裁判長どうする? 責任が重すぎやしないか?
「陪審員制度」のほうがいいかもしれないということになる
神原:Jは話せなくて学校を休んでいるから、被告人としては難しいかも
N:じゃあ大出くん
神原:
僕も彼は無罪だと思う 僕が知ってるKはいじめられるタイプじゃないし
夜中に呼び出されてのこのこ出て行くなんて考えられない
僕を大出くんの弁護人にさせてくれ 他校だから偏見もないし
Rさん、検事をやれる? あの告発状を信じて、大出くんを犯人にすることだよ?
R:私はKは自殺とは言い切れないと思う 大出くんならやりかねないと思う なら検事をやるしかないよね
【卒業文集】
卒業文集の準備で体育館に集まった際、元2年A組の生徒に集まってもらい
裁判に協力して欲しいと相談する
マリ:正直面倒臭いけど、私はいい加減決着つけたい!
井上:来年の受験に関わる だから1分1秒にもムダにしたくない
高木学年主任が高圧的に文集のテーマを決めろというと
R:それを決めるのは先生ではなく、私たちです
高木:たしかに悼む気持ちも分かるし、クラス委員のあなたが責任を感じるのも分かります
R:責任? どんな責任ですか?
高木:クラスをまとめきれなかったことですよ
R:
2人が死んだのは私のせいなんですか?
2人も死んだのに、充実した学校生活だったなんて文集を作っても意味ないと思います
高木:2人の死が命の重みを教えてくれたとか
R:
だから、そういうキレイ事は沢山だと言ってるんです
ほんとのことは誰も教えてくれなかった
自殺だったのか、事故だったのか 殺されたとか
高木は感情的にRをぶつ
普段から攻撃的な楠山教諭も生徒を投げ飛ばす
(今ならPTAもマスコミも大騒ぎだね
でも、いまだに子どもへのこのくらいの暴力は「教育の一部だ」と言われてるんだ
なんだか『ねらわれた学園』みたい
【高木を止めたのは井上康夫】
Rは口の中を切って、両親は高木らに責任を問う
高木:私はあくまで教育指導の一環として・・・
井上:
緊急以外の教師の生徒への暴力は認められません
Rはただ意見を述べていたに過ぎません
これは指導ではなく暴力です
謝罪する高木
校長に学校内裁判を認めてほしいと言うと
楠山:お前のわがままに他の生徒も巻き込むなよ
母:学校内裁判を了承しないなら、娘の診断書をとって教育委員会に訴えます
(教師はPTAと教育委員会に弱いんだよね
母:リョウコが学校にいい顔するのやめるなら、お母さんも学校にいい顔するのやめる
(フリーランスの仕事だから理解があるのかなあ なかなか言えないセリフな気がする
【学校内裁判説明会】
説明会に来て欲しいと言っても最初はなかなか集まらない
ポスターを破る楠山「内申書にも響くぞ!」
高木も圧力をかける
それがかえって反感を買い、まず立ち上がったのはMのいた吹奏楽部
次にバスケ部顧問だった森内先生のためにバスケ部が協力
北尾は退職届を出す
「これくらいの覚悟でないと、あいつらの本気に付き合えませんから」
北尾:
59歳で来年定年 校長や教頭になれるわけじゃなし
最後くらいカッコつけてもいいだろう
お前たちから“先生は不良や落ちこぼれの面倒はみても、本気で学校と戦ったことあるのか?”って言われたからだよ
【使ってない教室で準備が始まる】
弁護人:神原
弁護人助手:野田
検事:R
助手:倉田まり子、向坂行夫
判事は学校で一番の秀才・井上に決める
【河野探偵事務所】
森内は探偵事務所で調べてもらうと、隣人・垣内美奈絵がほぼ毎日ポストを覗いていたことが分かる/怖×5000
探偵:
愛人と再婚したいと夫から言われたショックからと思われます
一方的に被害を受けることは珍しくありません
今は実家にいるんですよね? そのまま実家に戻るか、引越しすることをオススメします
垣内の家はもぬけの空だった
森内:
彼女じゃなくて、なぜ私が引っ越さなきゃならないんですか?!
Kがこの女に乗り移ったんです ごめんなさい/涙
【夏休み直前、大出の家から出火し倉庫まで焼けた】
祖母は火事に巻き込まれて亡くなる
引越し先のマンションを訪ねると顔を酷く殴られている大出くん
(父からの虐待 不良になるにも理由があるんだ
裁判に「被告人」として出て欲しいと頼む
神原:
警察も学校も誰も大人は入れない
君は悔しくないの? テレビで殺人鬼扱いされて
大出:
嫌がらせの電話がバンバンきて、火事でばあちゃんは死ぬは、
おふくろはノイローゼで家の中はグチャグチャだよ!
神原:君の無実が証明されれば元に戻る
大出:オレの親父の怖さを知らないからだろ
神原:
僕の父さんは母さんを殺したんだ お酒を飲むと人格が変わる人で、殴り殺したんだよ
僕は君の冤罪を必ずはらす ウソだと思われたくないから、その時の新聞のコピー
人殺しの息子の僕に弁護人をやらせてくれるね?
無言で去る大出
マリ:私は正直、大出くんより、神原くんのほうが怖かった
R:子どもは親を選べないんだよ
マリ:可哀相だとは思うよ
R:そんな簡単な言葉で決め付けないで
アメリカの裁判ビデオを観て参考にしようとする3人
Sに裁判の資料(遺体の様子や、遺留品など)を提出してほしいと頼むR
S:傷つく人が出るとは思わない?
R:
私たちみんなもう傷だらけです
差出人を守る前にやるべきことがあると思う
警察も先生も差出人の言い分を正面から聞きましたか?
かばうことじゃなく、信じてくれと訴えているんです
【アリバイ】
大出の母:あの夜は家政婦に任せて家にいたからアリバイにならないでしょ?
神原:
父にずっと家にいろと言われたらいなきゃいけないんだよね
それを証言するだけでも陪審員の印象は変わります
そこに父親が来る
父:
お前にもまだ友だちいるんだな
こいつ、泣きながら頼んできやがった 負けんじゃねーぞ
証人として出ると言う母を殴る父親を見て「警察に連絡しますよ」とかばう神原
大出は母を守るため「帰れ! 二度と来るな!」と家に戻る
「塾に行くのを諦めて裁判の準備をしてきたのに」とぐらつくクラスメートたち
神原:大出くんは絶対裁判に間に合わせるから
北尾:どうしてお前は、他の学校のことにそんなに必死になる?
神原:
Kくんに試されているような気がする 自分が命を賭けた問題に
お前みたいな口先だけの偽善者に解けるかって
それには絶対負けたくない気持ちが強いんだと思います
自分と同じことを言われていたことに驚くR
モギに学校内裁判のことをメールするJ
「ぜひ報道してほしい 全国に知らせて下さい」
それを母に見られて止められる
***
やっぱり宮部さんの話は胃が痛いな
「いじめ問題」をえぐり出して、真正面から突きつけてきて
その描き方に引き込まれて逃れられなくなる
学生だけで裁判っていいやり方
大人の陪審員制度はあんなに騒いだのにどこに行ったんだろう?
一時期話題になるだけで、いろんなニュースが消えていくだけ
みんな、いろんな出来事をなかったかのように忘れてしまう