「GYAO!」で1月10日まで無料配信だったので観てみた
『ソロモンの偽証』 前篇・事件(2015)
※「宮部みゆきさん作品まとめ」に追加します
▼あらすじ(ネタバレ注意
【冒頭シーン】
上野素子校長:私の中でRさんてスーパーマンみたいだと思ってた
R:
ほんとはすごい怖かった でも一緒に戦った仲間から勇気をもらった
でも、それから先は想像もしなかった真実が待ち受けていた
【1991年7月26日】
Jの母はモギに「私が大出くんたちがKを殺すのを見たんです」と電話する
「元2年A組の生徒です どうかマスコミの力で止めてください!」
モギはRに会い、その話をする
R:
モギさんの番組には1つも真実はなかった
先生は告発状を受け取ってませんでした
森内先生はモギさんを訴えると言っていました
二度と、大出くんとJに近づかないと約束してください
Rと向坂はJの母と話す
R:告発状を書いたの? 私はあなたを守る
母親に追い出される
母:ママの頃にもいたわ 正義を押し付けて、人の痛みが分からない奴らw
母:ママはJのこと守りたかったの!
【大出の父は警察に逮捕された】
火事の原因は、金に困った父親の保険金目当ての自作自演だったと噂される
【Rの父は裁判には反対する】
父:お父さんにも警察官としての責任がある
R:その前に私の父親でしょ?
母:落ち着きなさい あなたらしくない
R:私らしいって何? 何も知らないくせに!
泣いて家を出るRを追う父
雨の中、Rもクルマに轢かれそうになる
Kに「偽善者」と言われたことをようやく話す
(ここまで追い詰められないと親にも打ち明けられないんだな この年頃だと
R:Kが消えてほしいって何度も思ったの
父:そう思ったから死んだわけじゃない
R:
でも死体を見つけたのは私 またあの目で私を見てた
まだ私に何か言いたかったんじゃないかって思ったの
父:
自分の家族だけは大丈夫だと思ってた
でも、もしさっきあいつが死んでたら、どれだけ深く傷ついたか・・・
母:私も自分の望んでるあのコしか見ようとしなかった
(死にそうになってからようやく気づくんだな
父:方法がないわけじゃない
母:クビにならない程度にムリしてね
【Nは神原の家を訪ねる】
着物のシミを取る仕事をしている養父母
神原:母の親友で事件後、自分の子どもになってくれってゆってくれたんだ
【また大出に会いに行く神原とN】
神原:
無実を証明してお母さんを安心させたくないの?
僕には将来に脅えてる時間なんてない あるのは今だけだ
僕は辞任しない それがイヤなら解任しろ
北尾:あいつ裁判に出るってよ
生徒から神原の頑張りに歓声が上がる
【RらはKの家に行く】
両親から当日の通話記録などの資料を貸してもらう
2本は父らだが、他の4本は分からない
実際かけてみるとすべて公衆電話 携帯電話もない時代だったから
異なる場所から1時間おきにかけているため、周囲に聞き込みを続ける
【電気屋のおじさん】
学校から近いところに実際行ってみて、近くの電気屋のおじさんに聞くと当夜のことは覚えているという
おじさん:
学生が雪の晩に電話をかけてたから、声をかけたら逃げてしまった 19時頃
大出らの写真で顔を確認してもらうが、半年以上前だからよく分からないと言われる
【暴行事件】
引越し準備をしていた森内をいきなり瓶で殴る垣内美奈絵
(どうなってるの!? 彼女のほうがよっぽど怖い!
森内は集中治療室 垣内はまた消えた
Rは自責するが、探偵はRのせいじゃないという
神原:検事、おりるなよ
RはMの両親に話すと「なんでも話す」という母
父:もて遊ぶな オレは絶対行かないからな!
母:
Mは、あなたのことよく話してた 憧れてるって
今日はMの好きな曲を演奏してくれるの
【Mの追悼演奏会を開く吹奏楽部】
Mの席には花束とクラリネットが置いてある
遺影を持って聴く両親
J:Rと2人で話したいから電話して(筆談)
母:それは絶対にダメ!(過干渉か
仕方なくRを部屋に入れる母
「ウソツキ」と書かれたたくさんのハガキを見せるJ 声が少し出るようになった
J:私、裁判に出たい Mと一緒にほんとに(殺人現場を)見たの
R:あんな雪の晩になんで屋上にいたの?
J:裁判で本当のことを話す
【体育館で準備が始まる】
Kに最後にかかった電話は、近所の電気屋だった
神原:本人が自分の家から両親に話そうとしたのでは? 迷ってたんだと思う 自殺を
Rは神原に対する疑惑がふくらむ
Kの葬儀に神原が来ていたことを思い出す
神原が犯人かと疑い始めるR
【最終リハーサルの前】
R:あなたは葬式に来てた でもテレビで初めて知ったとウソをついた どうして? あなた、何者なの?
神原:今はまだ話せない 僕はこの裁判から逃げも隠れもしないのは信じてほしい
【8月15日 終戦記念日に開廷 初日】
Kの両親、Mの両親も遺影を持ってくる
マント姿の井上にからかいの野次が飛ぶ体育館
「これから裁判コントが始まるんだからw」
Mの父:
負けるな判事! ウチのマツコや、Kがなんで死ななきゃならなかったのか
この子ら必死で見つけようとしてるんだよ 頼むからやらしてやってよ!
静かになる会場 元校長、モギも来ている
判事:
主旨を説明します 今回取り上げる裁判は
けして本物の裁判では取り上げないものですから
この法廷で、もし有罪判決が下されても
被告人が罰を受けることはありません
それでも裁判を行う動機は、進む中でわかっていただけると思います
審議は5日間 この短い間に真理にいきつくことを望みます
【最初の証人:ササキ】
ササキ:大出くんの悪さはもっと単純です 1ヶ月も待った後で殺害するほどの根気はありません
R:屋上には普段カギがかかっているのにKがどう開けたと思うか?
ササキ:ドライバーのような工具を使ったと思うが現場にはなかった
R:別の誰かが開けた可能性もありますね 警察はアリバイさえ調べなかった
【2日目 証人・元校長】
元校長:
事件直前にKくん宅を家庭訪問した際も学校に来てはもらえなかった
Kは人生に悲観しているように感じました
R:告発状の事実を公表しなかったのは隠蔽ですよね?
元校長:学校の名誉のためでなく、生徒を守るためでした
R:そのせいで浅井さんは亡くなりました それで生徒を守ったと言えますか?
元校長:おっしゃる通りです
R:
マスコミへの対応では取り返しのない間違いをおかしましたが
何もしないほかの先生と違って、全力で私たちを守ろうとしてくれました
その後は辞職して責任を負いました
日ごろから私たちみんなに同じ姿勢で接していたことはみんな知っています
今まで本当にありがとうございました
元校長に声をかけるササキ
S:今回の騒動を押し付けたこと申し訳ありませんでした
元校長:2人の命を奪ったことは、どんなに言い訳しても戻りません
S:それでも子どもは大人を見て育ちます
【3人目の証人:森内】
R:
垣内さんのしたことは許せませんが、みなさんも思い出してください
森内先生が主張したのにみんなでウソツキ呼ばわりしました
私もその1人です 本当に申し訳ありませんでした
神原:Kにどういう印象をもっていたましたか?
M:
教師2年目で、どうしたら気に入ってもらえるか、いつも生徒の目を気にしていました
でも、Kには見透かされているような感じだった
そんな彼に“面倒だ”というレッテルを貼り、怖かった
死んだと知った時、ショックでした でも、同時に安堵している自分がいました
もうあの目に悩まされずに済むと思った
私には生徒に向き合う覚悟がありませんでした
そのお詫びに今日ここに来ました
垣内が探偵とともに学校に来る
探偵:自首する前にどうしても謝りたいと
垣内:あなたにあんなことして、怖くて死のうとして死にきれませんでした
探偵:あとは警察に任せましょう
泣き崩れる森内
【3日目 証人:J】
大出はJの証言の間は出られないと言われてキレる
神原:君のその態度だとJさんは何も喋れなくなるからと判事も認めたんだ
R:質問の内容によっては辛いかもしれませんが、辛かったら言ってください
J:ジロジロ見ないでほしい 見世物じゃありませんから!
J:
クリスマスイヴの夜は、外出してない
事件を目撃したのはMです
夜にコンビニに行き、大出くんたちに連れて行かれるKを見て心配になり屋上まで行った
告発状もMが書き、ポストに入れました
Jのウソに泣くR
R:お願いほんとのこと話して
J:私は何も見ていません
神原の質問も拒否して帰る 場内は騒然となる
【4日目 証人:放火犯の代理人の弁護人】
放火犯は大出氏に呼ばれた時、大出くんにも会った 午前0時過ぎ
アリバイは証明されたと喜ぶ大出
【被告人尋問:大出俊次】
傍聴席には大出からいじめを受けた子どもの親も多く異様な雰囲気になる
大出の母も来るが中に入るのをためらう
証人席でも「オレが知るかよ!」という態度
判事:判決が出るまで、あなたは有罪でも無罪でもないことを忘れないように
「おめーが殺したんだろ!」と野次が飛ぶ
「デタラメな告発状のせいで濡れ衣を着せられた」と言う大出にガマンならないJ
神原:
どうして自分がハメられたと思いますか?
質問がたくさんあるので「はい」か「いいえ」で答えてください
神原:女子生徒の背中を土足で踏みつけましたか?
大出:誰がチクったんだよ!
神原:
トイレの床に顔を押し付けて舐めろと命令して補導されたのに
父の権力を利用して被害届を取り下げるよう強制しましたか?
誰かをブタとののしったことは?
女子を化け物呼ばわりしたことは?
家でイヤなことがあった時、自分より弱い相手を傷つけると気持ちが晴れましたか?
暴力で相手をねじふせると、自分が強くなった気がしましたか?
大出:ちょっとふざけただけだよ・・・
神原:
相手は泣いて嫌がりませんでしたか?
君にいじめられてどれほど苦しかったか、一度でも考えたことがありましたか?
たしかに大出くんはハメられました
ですが、告発状の差出人が暴力で傷つけられていたとしたら、僕にも気持ちは分かります
あれは差出人の命綱 生きていたいという心からの叫びだったのです
君がそこまで追い詰めたんですよ
聞いていたJは倒れる
ふたたびRは神原が敵か味方か分からなくなる
【保健室】
R:神原くんはJを救いたかったの
J:そんなこと頼んでない! もうこんな所来るのヤダ!
R:私たちはあなたを傷つけたくて裁判をしてるんじゃない 明日必ず来て 私が守る
J:私には誰も味方なんていない!
【回想】
J:あんたも同罪だよ 騙されたあんたがバカなんだよ
M:大出くんは殺してないんだよ!
J:ウソついてごめんなさいって言うわけ?
M:あいつら悪魔だけど、私、お母さんにほんとの事話す
J:私を裏切るつもり?
M:Jのこと嫌いになりたくないから!
泣きながら走り出し、その後、クルマに轢かれたのを見て怖くて逃げたJ
やっと自分のしたことに気づいて号泣する
母:
さっさとこんな学校やめて転校の手続きしなきゃね
あの神原ってコ 相当くわせものよね 同情するフリなんかして
ママだけだから あなたのこと守れるの ママを許してね/泣
(それが一番大きなストレスでは?
【Rは神原の養父母に会う】
公衆電話のある現場の写真を見せると見覚えがあるという
神原が産まれた病院、両親の事件が起きるまで暮らしていた団地
【最終日】
父:本当のことが分かったらお前も傷つくかもしれない でもお前の帰ってくる場所はここにあるから
判事:
本来なら最終弁論があり、評議に入る予定でしたが
今朝、検事から新たな証人の申請がありました
2人目の証人の名前は書いてないが弁護側に異論はないという
【1人目の証人:電気屋のおじさん】
おじさんはKが最後に電話で話した人物として、神原を指す
【2人目の証人は神原本人を指名】
判事は検事と弁護人を裏に呼びだす
判事:お前ら何たくらんでる?
R:私が頼んだの
神原:真実をすべて話すって約束したんだ
【裁判は続く】
通話記録と公衆電話の写真を見せ、どの電話も短時間
神原はKから4箇所を順番に回るよう指示されていた
神原:2人の間では意味のあるゲームでした
【事件当日の回想】
Kに呼び出された神原
K:
人間と話すの久しぶりなんだよね 死のうと思ってる
なんでこんな下らない世界にいなきゃいけないのかなって
なんで生きなきゃいけないの?
親が悲しむとか、大人になれば分かるとかそういうのなしね
神原:意味なんてなくてもいいだろ 転校するとか とにかく死ぬのだけはダメだよ
K:君はよく平気だね 親があんな風に死んじゃって、なんで平気で毎日やり過ごせるの?
神原:平気じゃない でももう忘れたいんだ
K:
結局、君は自分の過去とちゃんと向き合おうとしてない
だから口先だけの偽善者みたいなことしか言えないんだ
(なんでこんなことばかり言うのかな 語られないKの背景が気になる
神原:じゃ、どうしたら口先だけじゃないと信じてくれるの?
K:簡単だよ
神原:
Kは、僕に親との思い出の場所を回ってどう感じたか話してくれれば死なないと約束した
実際、僕は過去を避けていた 辛かったけど、それ以上に楽しかった思い出も思い出せた
僕の両親はいつも不幸せなわけじゃなかった
父もお酒を飲まなければ母にも優しかった
封じ込めていたせいで、気づけなかった
7歳なら分からないことも今なら分かる 今の養父母のお蔭でもある
Kはゲームを終えるまでは気持ちを聞きたくないと言っていた
R:Kが期待していたのは神原くんが落ち込むことでは?
【最後の電話】
神原:今日はもう遅いし、親も心配するから明日にしてもらえないかな?
K:今日のうちに会いたい 3中の屋上へ来い
神原:行かないよ僕は
K:今日中に会えなきゃ死ぬから 屋上のドアも開けてある
おじさんから声をかけられて逃げる神原
Kは最初から神原を呼びだすつもりだった
【学校の屋上】
神原:
屋上に行くとKが一人で立っていた 怖いと思った
場所を回って、いい事もあったと伝えて、Kは怒っていた 僕がおかしいって
ほんとは傷ついているのにウソをついていると非難した
Kは納得しなかった 「もっと悪い」と言っていた
K:
救いようがない! いい思い出? 父が母を殺した所まで行って
そういうカラッポな人間は存在してるだけで罪なんだよ
神原:僕はそれでも生きていく
K:
アル中の人殺しの息子が命令するな!
お前も奥さんを殴り殺んだ 7歳の息子もね
悪い血の人間は生きる資格なんてないんだ
神原:僕たち、友だちじゃなかったんだね 僕にはもうムリだよ・・・
去ろうする神原
Kは叫んで金網をのぼる
K:お前が帰るなら、今すぐ飛び降りてやる
神原:好きにしろよ そんなに死にたきゃ勝手に死ね
神原が去った後、そのまま飛び降りるK
(自分の説明のつかない苦しみを共有して欲しかったのかな?
神原:Kが死んだと知ったのは翌日のニュースでした
R:怖かったですか?
神原:はい 誰にも言えないと思った
大出は「自分が殺していないことを最初から知ってたんだな!」と暴れる
神原:
濡れ衣を着せられた大出くんに申し訳ないと思い弁護人になった
警察に行っても、大出くんの両親に話しても、僕は裁かれません
助けが必要なKくんを僕は見捨てて逃げたんです 僕には殺意があった
早く明らかにしていれば浅井さんも死なずに済んだ
僕を殺人罪で裁いてください
【判事は最終弁論は必要ないと判断し、最終評議へ】
陪審員が話し合う
生徒:Kは最期、一人じゃなくて良かったね
R:信じよう みんなのことも 自分のことも
【陪審員の入廷】
「被告人前へ」と言われ大出が証人席へつく
陪審員長が判事に評決を渡して見せ、陪審員長が読み上げる
「大出くんは無罪です」
判事が閉廷しようとすると
神原:
勝手に終わらせるな! 僕を有罪にしろよ!
ちゃんと罰してほしい 多くの人を傷つけた
藤野さんたちに裁判をやろうとたきつけたのも、僕を罰して欲しかったからです!
判事:この裁判は誰も罰しない 君を裁く法廷じゃない
神原:
母を殴り殺した父は留置場で首を吊って死にました
ほんとは処罰を受けるべきなのに、父は弱い人でした
でも、自分ができる精一杯のやり方で自分の罪を清算したんです
僕もそうしなきゃいけない
R:Kが死んだのは神原くんのせいじゃない
神原:僕が勝手に死ねって言ったから死んだんだ
R:
裁かれなきゃいけない人間はあなただけじゃない
私は大出くんたちにいじめられているJやMを見ていたのに怖くて何も言えなかった
助けて!って何度も泣き叫んでいる2人を見殺しにしたんです
MちゃんがいたからJは自殺せずに済んだんだと思う
私もあの時勇気があればMは死なずに済んだかもしれない
その時Kに見つかって、同じようにひどいことを言われて
心の中を血だらけにされた でも、私もそれでも生きていくって思ったの
だから私はあなたを裁けない ここにいる誰も裁けない
この裁判がなければ、未来に向かう勇気を持てなかった
きっとみんなも同じだと思う
自分の罪は自分で背負うしかない いつか乗り越えるるために
Rは倒れ、北尾は判事に呼びかけ、閉廷の槌が鳴る
井上:これからのほうが大変だ オレたちが受験生だって忘れてないか?
大出は母に無罪を伝える
神原の胸ぐらを掴むが「殴られて当然です」と言う神原と握手して去る
Rの両親が迎えに来る 父「ビールで乾杯したいところだけどな」
JはMの両親のもとに行く
J:私、Mのせいにしたことを・・・
母:MはJのことずっと見守ってるよ 遺影を見せると泣き崩れるJ
【冒頭】
R:14歳だから出来たんだと思います
校長:
あれから生徒の自殺もいじめも起きていない どうしてかやっと分かった
歳をとれば大抵のことじゃ傷つかないし、誤魔化しちゃう
R:私も今はフツーの大人で、フツーのお母さんです
校長:
今回の話を聞いて、みんな自分の見たいものを見て、信じたいことしか信じないって分かった
他の人たちはどうしてる?
R:その後、私たち友だちになりました
R:私たち誰も負けなかったよね
***
最後はスッキリしたけれども、Kくんの死の理由はまだモヤっとひっかかったまま
最後に流れた音楽はU2
『ソロモンの偽証』 前篇・事件(2015)
※「宮部みゆきさん作品まとめ」に追加します
▼あらすじ(ネタバレ注意
【冒頭シーン】
上野素子校長:私の中でRさんてスーパーマンみたいだと思ってた
R:
ほんとはすごい怖かった でも一緒に戦った仲間から勇気をもらった
でも、それから先は想像もしなかった真実が待ち受けていた
【1991年7月26日】
Jの母はモギに「私が大出くんたちがKを殺すのを見たんです」と電話する
「元2年A組の生徒です どうかマスコミの力で止めてください!」
モギはRに会い、その話をする
R:
モギさんの番組には1つも真実はなかった
先生は告発状を受け取ってませんでした
森内先生はモギさんを訴えると言っていました
二度と、大出くんとJに近づかないと約束してください
Rと向坂はJの母と話す
R:告発状を書いたの? 私はあなたを守る
母親に追い出される
母:ママの頃にもいたわ 正義を押し付けて、人の痛みが分からない奴らw
母:ママはJのこと守りたかったの!
【大出の父は警察に逮捕された】
火事の原因は、金に困った父親の保険金目当ての自作自演だったと噂される
【Rの父は裁判には反対する】
父:お父さんにも警察官としての責任がある
R:その前に私の父親でしょ?
母:落ち着きなさい あなたらしくない
R:私らしいって何? 何も知らないくせに!
泣いて家を出るRを追う父
雨の中、Rもクルマに轢かれそうになる
Kに「偽善者」と言われたことをようやく話す
(ここまで追い詰められないと親にも打ち明けられないんだな この年頃だと
R:Kが消えてほしいって何度も思ったの
父:そう思ったから死んだわけじゃない
R:
でも死体を見つけたのは私 またあの目で私を見てた
まだ私に何か言いたかったんじゃないかって思ったの
父:
自分の家族だけは大丈夫だと思ってた
でも、もしさっきあいつが死んでたら、どれだけ深く傷ついたか・・・
母:私も自分の望んでるあのコしか見ようとしなかった
(死にそうになってからようやく気づくんだな
父:方法がないわけじゃない
母:クビにならない程度にムリしてね
【Nは神原の家を訪ねる】
着物のシミを取る仕事をしている養父母
神原:母の親友で事件後、自分の子どもになってくれってゆってくれたんだ
【また大出に会いに行く神原とN】
神原:
無実を証明してお母さんを安心させたくないの?
僕には将来に脅えてる時間なんてない あるのは今だけだ
僕は辞任しない それがイヤなら解任しろ
北尾:あいつ裁判に出るってよ
生徒から神原の頑張りに歓声が上がる
【RらはKの家に行く】
両親から当日の通話記録などの資料を貸してもらう
2本は父らだが、他の4本は分からない
実際かけてみるとすべて公衆電話 携帯電話もない時代だったから
異なる場所から1時間おきにかけているため、周囲に聞き込みを続ける
【電気屋のおじさん】
学校から近いところに実際行ってみて、近くの電気屋のおじさんに聞くと当夜のことは覚えているという
おじさん:
学生が雪の晩に電話をかけてたから、声をかけたら逃げてしまった 19時頃
大出らの写真で顔を確認してもらうが、半年以上前だからよく分からないと言われる
【暴行事件】
引越し準備をしていた森内をいきなり瓶で殴る垣内美奈絵
(どうなってるの!? 彼女のほうがよっぽど怖い!
森内は集中治療室 垣内はまた消えた
Rは自責するが、探偵はRのせいじゃないという
神原:検事、おりるなよ
RはMの両親に話すと「なんでも話す」という母
父:もて遊ぶな オレは絶対行かないからな!
母:
Mは、あなたのことよく話してた 憧れてるって
今日はMの好きな曲を演奏してくれるの
【Mの追悼演奏会を開く吹奏楽部】
Mの席には花束とクラリネットが置いてある
遺影を持って聴く両親
J:Rと2人で話したいから電話して(筆談)
母:それは絶対にダメ!(過干渉か
仕方なくRを部屋に入れる母
「ウソツキ」と書かれたたくさんのハガキを見せるJ 声が少し出るようになった
J:私、裁判に出たい Mと一緒にほんとに(殺人現場を)見たの
R:あんな雪の晩になんで屋上にいたの?
J:裁判で本当のことを話す
【体育館で準備が始まる】
Kに最後にかかった電話は、近所の電気屋だった
神原:本人が自分の家から両親に話そうとしたのでは? 迷ってたんだと思う 自殺を
Rは神原に対する疑惑がふくらむ
Kの葬儀に神原が来ていたことを思い出す
神原が犯人かと疑い始めるR
【最終リハーサルの前】
R:あなたは葬式に来てた でもテレビで初めて知ったとウソをついた どうして? あなた、何者なの?
神原:今はまだ話せない 僕はこの裁判から逃げも隠れもしないのは信じてほしい
【8月15日 終戦記念日に開廷 初日】
Kの両親、Mの両親も遺影を持ってくる
マント姿の井上にからかいの野次が飛ぶ体育館
「これから裁判コントが始まるんだからw」
Mの父:
負けるな判事! ウチのマツコや、Kがなんで死ななきゃならなかったのか
この子ら必死で見つけようとしてるんだよ 頼むからやらしてやってよ!
静かになる会場 元校長、モギも来ている
判事:
主旨を説明します 今回取り上げる裁判は
けして本物の裁判では取り上げないものですから
この法廷で、もし有罪判決が下されても
被告人が罰を受けることはありません
それでも裁判を行う動機は、進む中でわかっていただけると思います
審議は5日間 この短い間に真理にいきつくことを望みます
【最初の証人:ササキ】
ササキ:大出くんの悪さはもっと単純です 1ヶ月も待った後で殺害するほどの根気はありません
R:屋上には普段カギがかかっているのにKがどう開けたと思うか?
ササキ:ドライバーのような工具を使ったと思うが現場にはなかった
R:別の誰かが開けた可能性もありますね 警察はアリバイさえ調べなかった
【2日目 証人・元校長】
元校長:
事件直前にKくん宅を家庭訪問した際も学校に来てはもらえなかった
Kは人生に悲観しているように感じました
R:告発状の事実を公表しなかったのは隠蔽ですよね?
元校長:学校の名誉のためでなく、生徒を守るためでした
R:そのせいで浅井さんは亡くなりました それで生徒を守ったと言えますか?
元校長:おっしゃる通りです
R:
マスコミへの対応では取り返しのない間違いをおかしましたが
何もしないほかの先生と違って、全力で私たちを守ろうとしてくれました
その後は辞職して責任を負いました
日ごろから私たちみんなに同じ姿勢で接していたことはみんな知っています
今まで本当にありがとうございました
元校長に声をかけるササキ
S:今回の騒動を押し付けたこと申し訳ありませんでした
元校長:2人の命を奪ったことは、どんなに言い訳しても戻りません
S:それでも子どもは大人を見て育ちます
【3人目の証人:森内】
R:
垣内さんのしたことは許せませんが、みなさんも思い出してください
森内先生が主張したのにみんなでウソツキ呼ばわりしました
私もその1人です 本当に申し訳ありませんでした
神原:Kにどういう印象をもっていたましたか?
M:
教師2年目で、どうしたら気に入ってもらえるか、いつも生徒の目を気にしていました
でも、Kには見透かされているような感じだった
そんな彼に“面倒だ”というレッテルを貼り、怖かった
死んだと知った時、ショックでした でも、同時に安堵している自分がいました
もうあの目に悩まされずに済むと思った
私には生徒に向き合う覚悟がありませんでした
そのお詫びに今日ここに来ました
垣内が探偵とともに学校に来る
探偵:自首する前にどうしても謝りたいと
垣内:あなたにあんなことして、怖くて死のうとして死にきれませんでした
探偵:あとは警察に任せましょう
泣き崩れる森内
【3日目 証人:J】
大出はJの証言の間は出られないと言われてキレる
神原:君のその態度だとJさんは何も喋れなくなるからと判事も認めたんだ
R:質問の内容によっては辛いかもしれませんが、辛かったら言ってください
J:ジロジロ見ないでほしい 見世物じゃありませんから!
J:
クリスマスイヴの夜は、外出してない
事件を目撃したのはMです
夜にコンビニに行き、大出くんたちに連れて行かれるKを見て心配になり屋上まで行った
告発状もMが書き、ポストに入れました
Jのウソに泣くR
R:お願いほんとのこと話して
J:私は何も見ていません
神原の質問も拒否して帰る 場内は騒然となる
【4日目 証人:放火犯の代理人の弁護人】
放火犯は大出氏に呼ばれた時、大出くんにも会った 午前0時過ぎ
アリバイは証明されたと喜ぶ大出
【被告人尋問:大出俊次】
傍聴席には大出からいじめを受けた子どもの親も多く異様な雰囲気になる
大出の母も来るが中に入るのをためらう
証人席でも「オレが知るかよ!」という態度
判事:判決が出るまで、あなたは有罪でも無罪でもないことを忘れないように
「おめーが殺したんだろ!」と野次が飛ぶ
「デタラメな告発状のせいで濡れ衣を着せられた」と言う大出にガマンならないJ
神原:
どうして自分がハメられたと思いますか?
質問がたくさんあるので「はい」か「いいえ」で答えてください
神原:女子生徒の背中を土足で踏みつけましたか?
大出:誰がチクったんだよ!
神原:
トイレの床に顔を押し付けて舐めろと命令して補導されたのに
父の権力を利用して被害届を取り下げるよう強制しましたか?
誰かをブタとののしったことは?
女子を化け物呼ばわりしたことは?
家でイヤなことがあった時、自分より弱い相手を傷つけると気持ちが晴れましたか?
暴力で相手をねじふせると、自分が強くなった気がしましたか?
大出:ちょっとふざけただけだよ・・・
神原:
相手は泣いて嫌がりませんでしたか?
君にいじめられてどれほど苦しかったか、一度でも考えたことがありましたか?
たしかに大出くんはハメられました
ですが、告発状の差出人が暴力で傷つけられていたとしたら、僕にも気持ちは分かります
あれは差出人の命綱 生きていたいという心からの叫びだったのです
君がそこまで追い詰めたんですよ
聞いていたJは倒れる
ふたたびRは神原が敵か味方か分からなくなる
【保健室】
R:神原くんはJを救いたかったの
J:そんなこと頼んでない! もうこんな所来るのヤダ!
R:私たちはあなたを傷つけたくて裁判をしてるんじゃない 明日必ず来て 私が守る
J:私には誰も味方なんていない!
【回想】
J:あんたも同罪だよ 騙されたあんたがバカなんだよ
M:大出くんは殺してないんだよ!
J:ウソついてごめんなさいって言うわけ?
M:あいつら悪魔だけど、私、お母さんにほんとの事話す
J:私を裏切るつもり?
M:Jのこと嫌いになりたくないから!
泣きながら走り出し、その後、クルマに轢かれたのを見て怖くて逃げたJ
やっと自分のしたことに気づいて号泣する
母:
さっさとこんな学校やめて転校の手続きしなきゃね
あの神原ってコ 相当くわせものよね 同情するフリなんかして
ママだけだから あなたのこと守れるの ママを許してね/泣
(それが一番大きなストレスでは?
【Rは神原の養父母に会う】
公衆電話のある現場の写真を見せると見覚えがあるという
神原が産まれた病院、両親の事件が起きるまで暮らしていた団地
【最終日】
父:本当のことが分かったらお前も傷つくかもしれない でもお前の帰ってくる場所はここにあるから
判事:
本来なら最終弁論があり、評議に入る予定でしたが
今朝、検事から新たな証人の申請がありました
2人目の証人の名前は書いてないが弁護側に異論はないという
【1人目の証人:電気屋のおじさん】
おじさんはKが最後に電話で話した人物として、神原を指す
【2人目の証人は神原本人を指名】
判事は検事と弁護人を裏に呼びだす
判事:お前ら何たくらんでる?
R:私が頼んだの
神原:真実をすべて話すって約束したんだ
【裁判は続く】
通話記録と公衆電話の写真を見せ、どの電話も短時間
神原はKから4箇所を順番に回るよう指示されていた
神原:2人の間では意味のあるゲームでした
【事件当日の回想】
Kに呼び出された神原
K:
人間と話すの久しぶりなんだよね 死のうと思ってる
なんでこんな下らない世界にいなきゃいけないのかなって
なんで生きなきゃいけないの?
親が悲しむとか、大人になれば分かるとかそういうのなしね
神原:意味なんてなくてもいいだろ 転校するとか とにかく死ぬのだけはダメだよ
K:君はよく平気だね 親があんな風に死んじゃって、なんで平気で毎日やり過ごせるの?
神原:平気じゃない でももう忘れたいんだ
K:
結局、君は自分の過去とちゃんと向き合おうとしてない
だから口先だけの偽善者みたいなことしか言えないんだ
(なんでこんなことばかり言うのかな 語られないKの背景が気になる
神原:じゃ、どうしたら口先だけじゃないと信じてくれるの?
K:簡単だよ
神原:
Kは、僕に親との思い出の場所を回ってどう感じたか話してくれれば死なないと約束した
実際、僕は過去を避けていた 辛かったけど、それ以上に楽しかった思い出も思い出せた
僕の両親はいつも不幸せなわけじゃなかった
父もお酒を飲まなければ母にも優しかった
封じ込めていたせいで、気づけなかった
7歳なら分からないことも今なら分かる 今の養父母のお蔭でもある
Kはゲームを終えるまでは気持ちを聞きたくないと言っていた
R:Kが期待していたのは神原くんが落ち込むことでは?
【最後の電話】
神原:今日はもう遅いし、親も心配するから明日にしてもらえないかな?
K:今日のうちに会いたい 3中の屋上へ来い
神原:行かないよ僕は
K:今日中に会えなきゃ死ぬから 屋上のドアも開けてある
おじさんから声をかけられて逃げる神原
Kは最初から神原を呼びだすつもりだった
【学校の屋上】
神原:
屋上に行くとKが一人で立っていた 怖いと思った
場所を回って、いい事もあったと伝えて、Kは怒っていた 僕がおかしいって
ほんとは傷ついているのにウソをついていると非難した
Kは納得しなかった 「もっと悪い」と言っていた
K:
救いようがない! いい思い出? 父が母を殺した所まで行って
そういうカラッポな人間は存在してるだけで罪なんだよ
神原:僕はそれでも生きていく
K:
アル中の人殺しの息子が命令するな!
お前も奥さんを殴り殺んだ 7歳の息子もね
悪い血の人間は生きる資格なんてないんだ
神原:僕たち、友だちじゃなかったんだね 僕にはもうムリだよ・・・
去ろうする神原
Kは叫んで金網をのぼる
K:お前が帰るなら、今すぐ飛び降りてやる
神原:好きにしろよ そんなに死にたきゃ勝手に死ね
神原が去った後、そのまま飛び降りるK
(自分の説明のつかない苦しみを共有して欲しかったのかな?
神原:Kが死んだと知ったのは翌日のニュースでした
R:怖かったですか?
神原:はい 誰にも言えないと思った
大出は「自分が殺していないことを最初から知ってたんだな!」と暴れる
神原:
濡れ衣を着せられた大出くんに申し訳ないと思い弁護人になった
警察に行っても、大出くんの両親に話しても、僕は裁かれません
助けが必要なKくんを僕は見捨てて逃げたんです 僕には殺意があった
早く明らかにしていれば浅井さんも死なずに済んだ
僕を殺人罪で裁いてください
【判事は最終弁論は必要ないと判断し、最終評議へ】
陪審員が話し合う
生徒:Kは最期、一人じゃなくて良かったね
R:信じよう みんなのことも 自分のことも
【陪審員の入廷】
「被告人前へ」と言われ大出が証人席へつく
陪審員長が判事に評決を渡して見せ、陪審員長が読み上げる
「大出くんは無罪です」
判事が閉廷しようとすると
神原:
勝手に終わらせるな! 僕を有罪にしろよ!
ちゃんと罰してほしい 多くの人を傷つけた
藤野さんたちに裁判をやろうとたきつけたのも、僕を罰して欲しかったからです!
判事:この裁判は誰も罰しない 君を裁く法廷じゃない
神原:
母を殴り殺した父は留置場で首を吊って死にました
ほんとは処罰を受けるべきなのに、父は弱い人でした
でも、自分ができる精一杯のやり方で自分の罪を清算したんです
僕もそうしなきゃいけない
R:Kが死んだのは神原くんのせいじゃない
神原:僕が勝手に死ねって言ったから死んだんだ
R:
裁かれなきゃいけない人間はあなただけじゃない
私は大出くんたちにいじめられているJやMを見ていたのに怖くて何も言えなかった
助けて!って何度も泣き叫んでいる2人を見殺しにしたんです
MちゃんがいたからJは自殺せずに済んだんだと思う
私もあの時勇気があればMは死なずに済んだかもしれない
その時Kに見つかって、同じようにひどいことを言われて
心の中を血だらけにされた でも、私もそれでも生きていくって思ったの
だから私はあなたを裁けない ここにいる誰も裁けない
この裁判がなければ、未来に向かう勇気を持てなかった
きっとみんなも同じだと思う
自分の罪は自分で背負うしかない いつか乗り越えるるために
Rは倒れ、北尾は判事に呼びかけ、閉廷の槌が鳴る
井上:これからのほうが大変だ オレたちが受験生だって忘れてないか?
大出は母に無罪を伝える
神原の胸ぐらを掴むが「殴られて当然です」と言う神原と握手して去る
Rの両親が迎えに来る 父「ビールで乾杯したいところだけどな」
JはMの両親のもとに行く
J:私、Mのせいにしたことを・・・
母:MはJのことずっと見守ってるよ 遺影を見せると泣き崩れるJ
【冒頭】
R:14歳だから出来たんだと思います
校長:
あれから生徒の自殺もいじめも起きていない どうしてかやっと分かった
歳をとれば大抵のことじゃ傷つかないし、誤魔化しちゃう
R:私も今はフツーの大人で、フツーのお母さんです
校長:
今回の話を聞いて、みんな自分の見たいものを見て、信じたいことしか信じないって分かった
他の人たちはどうしてる?
R:その後、私たち友だちになりました
R:私たち誰も負けなかったよね
***
最後はスッキリしたけれども、Kくんの死の理由はまだモヤっとひっかかったまま
最後に流れた音楽はU2