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『せいめいのれきし』(岩波書店)

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『せいめいのれきし』(岩波書店)
バージニア・リー・バートン/文・絵

『ちいさいおうち』(岩波書店)

『小さいおうち』(2013)


上記の本を読んで、裏表紙にあった他の絵本にも興味を持って借りてみた

壮大な宇宙と地球の歴史を、プロローグから始まって、第5幕、エピローグまでの劇場型にしている趣向が面白い

プログラムには

ナレーター:
天文学者
地質学者
古生物学者
歴史家
おばあさん
バージニア・リー・バートン

とあり、観客前のステージでそれぞれが説明している様子を絵に描いている


注:舞台に登場するすべての動植物の大きさは、ナレーターの大きさと比べて測ることが出来る

とあって、説明している方がどれほどの身長なのかは定かではないけれどもw
昔のイカの仲間が異様に大きかったりして怖い!と思ったり、とても分かりやすい
専門用語もあり、大人も楽しく勉強できる


私は、中学の歴史の男性教師が、教科書丸読みの死にそうなほどつまらない授業だったため
それきり嫌いになってしまった

毎回、興味を持つのは、ヒトが出てくる前あたりまで せいぜい原人

蘇我氏や卑弥呼はまだエキセントリックな感じが残ってるけれども
「文明」を持つようになってからのヒトの歴史は
とにかく戦争に次ぐ戦争・・・

その年号を覚えるだけで相当つまらない


この絵本を見ると、ヒトの歴史など、宇宙の時間と比べればほんの一瞬なのに
言葉、道具を覚えた瞬間からもう木を伐って、動物を殺していたことにげんなりする

それでもバージニア・リー・バートンは、エピローグに
四季のうつろい、1日の時間の流れを丁寧に描いて
次世代にバトンを渡している


本書の初版は1964年
最後のページに描かれた牧歌的な風景もすべて、
今ではゴルフ場や、リゾート地、住宅地に変わっていることだろう

そこをスタート地点として、私たちは、たくさん壊した自然を
どれほど取り返せるだろうか?

それとも、一部の意見のように、温暖化ではなく、
また「氷河期」が来て、リセットされるだけだろうか



【内容抜粋メモ】

<プロローグ>

大昔、太陽が生まれた
銀河系という星雲の中の1つの星

1番大きくもなく、1番小さくもありませんが
私たちにとっては1番大事
太陽がなかったら、地球では何も生きていけないからです


地球が生まれた
太陽の家族の9つの惑星のうちの1つ

仲間の中で1番大きくもなく、1番小さくもありませんが
私たちにとっては1番大事
ここに私たちが住んでいるからです


前カンブリア代の無生物時代 火成岩の登場

地球の表面は、真っ赤な溶岩に覆われて
中心は液状の岩でした
太陽は蒸気、チリ、ガスに隠れて見えません

地表がしだいに冷たくなり、薄い岩の層ができた 「火成岩」




前カンブリア代の始生代 変成岩の登場

地表が縮みはじめ、山、谷、海の床になった
熱・圧力が岩を別の種類にかえた 「変成岩」


前カンブリア代の原生代 水成岩の登場

地表に滝のような雨が降った
大きな川、小さな川が岩を運び
時が経ち、砂・砂利・粘土の層は岩になった 「水成岩」


古生代 カンブリア紀

5億年前の水成岩の化石には、海藻類、無脊椎動物がいる
生物で一番進化したのは「三葉虫」 1億年間、海底の王さまでした

這う虫の類(虫は古いんだなあ
さんご類
海藻類
うみゆり類
腕足類
三葉虫類


古生代 オルドビス紀

温かく、浅い海で三葉虫に代わり、「頭足類」が生物の頭になる
今日のタコやイカの仲間

かたつむり
ひとで
うみぼたる
ふでいし
さんご
頭足類(デカい!怖


古生代 シルリア紀

地面が盛り上がり、海水が引き、塩の沈殿物が残る
海藻は、地面の上の植物になった コケの先祖
頭足類に代わって、ウミサソリ、脊椎動物が出てきた

こけ類
たい類
サソリ、ヤスデ
かぶとうお類(あごのない魚
こうよく類(ウミサソリ これもデカい!怖 他に誰もいないから大きくなれたのね


古生代 デボン紀

地球は緑に包まれ、シダが現れる
地面を這う代わりに、根・茎・葉をもち、太陽に手を伸ばした
長い「脊椎動物」の時代は終わり、たくさん「魚類」が出てきた

シダ類
肺魚類
ユウステノプテロン
ココステュウス
クラドセラケ
ディニクティス

(みんな顔が怖いよ・・・


古生代 石炭紀

気候は暖かく、湿度が高く、水っぽい大森林に覆われていた 「石炭時代」
今、私たちが使っている石炭は、この頃の植物でできている
両生動物も現れた

昆虫類
両生類
タネシダ
フウインボク
リンボク
トクサの先祖
コルダイテス

(アマゾンの奥地みたい


古生代 二畳紀

気候は寒く、乾燥した
氷河が生まれ、沼地は砂漠に代わる
生物は生き残るために形・生き方を変え、「裸子植物」が生まれる
水中にやわらかい卵を産む「両生類」に代わり、「爬虫類」が現れ、固い殻の卵を産む

カコプス
セームリア
バラノプス
スフェナコドン
エダホザウルス
ディメトロドン
マツ・スギの類(もうスギが出た! 生命力が強いワケだ!

この辺からもう弱肉強食が始まったのね・・・
ずっと葉っぱを食べてたらよかったのに


中生代 三畳紀

気候は少し穏やかになり、いよいよ爬虫類のダイノサウルが現れ、4本、2本足で歩いた
水中に戻ったものもいる

ムカシトカゲ
サルトポスクス
シノグナータス
フィトサウル
プラテオサウルス
イクチオサウル


中生代 ジュラ紀(この辺が男の子たちが食いつくところだな



気候はまた暖かく、湿度が高くなり、草食の恐竜は巨大化
肉食に食べられないように固い殻をつけるものも出てきた
爬虫類の中には空を飛ぶようになり、「鳥類」が出てきた

哺乳類のはじまり

(どうした? 何者か分からない/爆

鳥のはじまり
ランフォリンクス
オルニソレステス
アロサウルス
ブロントサウルス
ステゴサウルス


中生代 前期 白亜紀



山がしだいに高くなり、気候は寒くなる
低いところは海になり、水中・地上・空でも爬虫類が王さま
花をつける植物が初めて現れた

テラノドン
パレオシンカス
ゴルゴサウルス
パラサウロロフス
モササウル
エラスモサウルス(首長竜
プレシオサウル(首長竜
アーケロン(ウミガメさん?



中生代 後期 白亜紀

気候はさらに寒くなり、浅い海は砂漠になり
爬虫類は死に耐えて、今はもう科学博物館の化石でしか見られません

(隕石落下説じゃなく氷河期説をとっているのね
 絵も骨の集まりから想像するしかないから、イメージ画を描くのは意外に大変だったのでは?

ヘスペロルニス
ストルシオミムス
スティラコサウルス
トリケラトプス
ティラノサウルス(出た!
コリトサウルス


新生代 第三紀 始新世



高地は低くなり、蒸し暑くなり、熱帯樹が生い茂りました
親と同じ子どもを産む鳥類・哺乳類が繁栄しました
鳥類・哺乳類は「温血動物」、ほかの血は冷たいのです/驚

エオヒッパス(ウマに指?! なぜヒヅメになったの???

ディアトリマ
パトリオフェリス(ネコ族出た!

ウインンタテリウム
ズーグロドン(クジラの先祖 長すぎやしませんか? 牙あるし 鼻から水出てるし


新生代 第三紀 漸新世

火山が噴火し、山がまた高くなった
気候は少し涼しく、乾燥し、草が地上に広まった
この辺の哺乳類が、今の哺乳類の遠い先祖です

メゾヒッパス(3本指のウマ 指減った・・・
オレオドンツ
ホプロフォニワス(ネコ族の先祖 ウマ狙ってて怖い!
トリゴニアス(サイの先祖
アーケオテリウム(ブタの先祖 とても大きい
チタノテリウム(サイっぽい


新生代 第三紀 中新世



山はさらに高くなり、草は森を平原にかえ
草食動物は、どれか決まった草を食べるようになる
今や「哺乳類」が王さまで、歴史上、最大となる

シンディオケラス
メリキッパス(草を食べるウマって、肉を食べるウマもいたの?
ディナヒウス
モロパス
アルティカメラス(キリンのようなラクダって紛らわしい
パルキテリウム(陸上最大の哺乳類はマンモスかと思ってた

草食動物がたくさんいるのはいいけど、空が真っ黒になるほど噴火ばかりじゃ息が詰まる


新生代 第三紀 鮮新世

噴火+造山運動は絶頂に達し、非常に寒く、乾燥し
動植物は生き抜くのが困難になる
古い哺乳類は死に耐え、生き残ったものは、今、私たちが知っている動物に似ている

牙のとがった昔のネコ族(これはヒョウとかに近いな/怖





プリオヒッパス(1本指のウマ とうとう1本に・・・
シンテトケラス(シカみたいな
ラクダ
サイ
ゾウの先祖


新生代 第四紀 更新世

北に大きな氷河がうまれ、ゆっくり南に進んできた 「氷河時代」
これは4回押し寄せて、退いていった(繰り返しているから、また来るって噂があるね

テラトルニス(巨大な鳥
氷河のウマ
氷河のライオン
毛の長いサイ
大型のラクダ
毛の長いマンモス

(みんな寒いからモフモフしてなきゃダメなのね


新生代 第四紀 現世(ニンゲンの時代 とうとう出てきちゃった) 約1万年前



有史以前のヒトは、洞穴に住み、火を発見し、石や骨で武器を作り、
野獣を捕まえて肉を食べ、皮を着ていた(今とあまり変わらないな


約350年前

畑を耕し、ケモノを家畜化し、家を建て、村・町・都会を作った
(BGMは♪狩りから稲作へ/レキシ でお願いします

船を造り、航海に出た
文字で歴史を書き記し、歴史家は文明の興り、滅亡、新大陸発見などを伝えてくれる


約200年前 白人に発見されたアメリカ大陸



イギリスから移住した最初の開拓者が木を伐り(もう伐ってるよ!
岩でしきりを作った

原住民を大量虐殺したり、迫害した歴史はスルーなのね


約100年前 アメリカ大陸(もう語り部はおばあさん 早いなあ!



今の祖父母が若い頃は、主な仕事は農業でした
荒地は豊かな耕作地にかわり、朝は早く起きて牛の乳を搾り、
春には種を蒔き、秋にはとりいれ、冬のために蓄えました

(この絵にはもう高い樹がほぼない
 “荒地を豊かな耕作地に”したと思っているのはヒトだけで
 “ケモノ”や自然にとっては受難の時代 「産業革命」からさらに酷くなった

 そして、戦争に次ぐ戦争 それも全部ここではスルー
 なにせ、ヒトの歴史は、これまでと比較したらまだほんの一瞬だからね


約25年前 アメリカ大陸(もう私たちの時代 語り手はバートンになる



人々は他の仕事を求めて農場から出て、西部や都会に行った

(“GO WEST”で金塊漁ったりね
 でも、ヒトがいなくなって数十年経つと、また自然が戻るからスゴイ
 樹も戻ってる! このままにしておくのが一番だ


約1年前 アメリカ大陸



私たちは、古い果樹園、草地、森を買い、小さな家を建てました(これは以前の絵本に書いてあった
それから25年があっという間に過ぎ、ヒツジを飼い、花を植え、
子どもを育て、彼らは独り立ちしていきました


季節はうつっていきます

去年の冬は特別寒く、長い冬でした




昨日は、いかにも春らしい暖かく美しい日でした

西の山に日が沈み、新月が沈んだ後、
ひとつひとつ星が輝きはじめます




家の中では時計の針が回り、また1日が終わり
新しい日が始まったことを知らせています


今は夜明け
これで、私のお話は終わります

今度はあなたが話す番です
窓の外をごらんなさい
じき、太陽が昇ります

お話の主人公はあなたがたです

今過ぎていく1秒1秒が、果てしない時のくさりの、新しい輪です
いきものの演じる劇は、絶えることなく続き
いつも新しく、移り変わって、私たちを驚かせます




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