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Channel: メランコリア
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notes and movies(2003.9〜 part1)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はクルマとますもとたけしさんの絵が貼ってある透明なルーズリーフからご紹介。
部長つながりでドラマ「マンハッタン・ラブストーリー」祭りなのと、
急に翔さんモードからVシネワールドにどっぷりw

  

photo1:PE'Z REALIVE TOURに3回も行ったらしいw
photo2:「マンハッタン・ラブストーリー」祭り。
photo3:いろんなバンドチェックしてたんだな。

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『夢二』(1991)
監督:鈴木清順 出演:沢田研二、毬谷友子、宮崎萬純、原田芳雄、大楠道代 ほか
ひさびさ清順ワールドに浸りたいと思って観たら、嬉しいくらい最初から最後まで奇怪。
それ故か、体調不良故か、途中何度か記憶を失ったか知れないが、まずまず堪能できた。

「私は一体何を待っていたのだろう?」

竹久夢二ってこんな変キャラなの?
手で触れた場所などに彼の描いた女絵が浮かび上がる演出も面白いし、
黄色いボート、鮮やかな着物などの色使いが気になる。


■『風船』(1956)
監督:川島雄三 出演:森雅之、高野由美、三橋達也 ほか
TSUTAYA更新1本無料ハガキにつられて、久々行って再び昭和の邦画の魅力熱にほだされて見つけた森さんの1本v
ロマンスグレーとは、まさにこんな人 年齢を重ねても上品な美しさは変わらないどころかますますステキ。
女優も揃って、資本主義ただ中の日本で進みつつある家庭崩壊、世代間の感覚のズレを静かに描く。
とくに、末娘と父の純粋な親子愛が涙を誘う。

「金があっても、子どもたちを腐らせるだけ」という父の思いと、
「言い出したらきかない」という息子の思いのスレ違い。

「しがみついてくる女がいたら、俺の人生も違っていたかも」というBと、
「生活していくためには仕方ないのよ」というKとの男女の思いのスレ違い。

人生は、ままならないもの。こうなればいい、という思うとおりにはいかない。
風船のように、ただ風に流されてゆくだけなのか?


■『風の中の牝鳥』(1948)
監督:小津安二郎 出演:田中絹代、佐野周二、村田知英子、笠智衆、坂本武 ほか
久々の小津作品。その中でも初期にあたるだろう今作は、なんだか湿っぽい、私の苦手な耐える女もの
時代劇も真っ青な長〜〜〜い階段落ちまでして「すいません」って謝れるってすごいツワモノだ

今日生きるのがやっとで、女性の就職口もなく、あっても安月給。
帰るあてもない夫を4年も待って、一人息子を育てただけでも、とんでもなく偉すぎなのに、一度の過ちであの高圧的態度!
深い愛情の裏返しの憎悪ととって喜ぶべきか? マゾっぽいなぁ・・・

やっと夫の許しを得て「2人で頑張ろう!」みたいになって、痛いのに「歩いてごらん」と命令。
この時代、女ってなんだったんだろ/泣 メンドリがなんの関係があったんだろーーー???


■『新・仁義なき戦い/謀殺』(2003)
監督:橋本一 出演:高橋克典、渡辺謙、南野陽子、遠野凪子 ほか
音楽:東京スカパラダイスオーケストラ

胃潰瘍になりそうなくらいの緊迫感と、テンションレベルは、初作からずっと受け継がれてる。
タイトルのブランドと、抱えたテーマとともに一貫しているところが
深作監督から代々引き継がれてゆく、後続の監督らの背負うプレッシャーとプライド、意気込みが感じられる。

すでに耳に馴染んだスカパラサントラが、どういう場面で、どの曲が使われるのかも気になったが、
作品とガッチリ対バン張りながらも、一歩も引かずに作品を盛り上げるあたりは、さすがプロのお仕事v
しかし今作シリーズに惚れたひやむの嗜好って一体・・・?w

何より華のある役者が火花を散らして競演してるのがシリーズの目玉。
あと、なにげに大阪探訪と、ヤクザ事情の変遷の勉強?にもなる。

高橋と渡辺が両極端のキャラで、それ故の友情と、対立する様を存分に魅せてくれる。
そこに前作に負けないタヌキオヤジぶりの小林稔侍さんw
絡んでくる他組の油断ならない面々、そして女優陣で強烈なのが夏木マリさん!
糖尿病でインシュリン注射を腿に打ちつつ、大福をほおばる怪演。

のぼりつめては欲と暴力に死んでゆく血塗られた道には、いつも無常の境地にさせられる。


■『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(2002)

監督:ピーター・ジャクソン 出演:イライジャ・ウッド、リブ・タイラー ほか
戸田奈津子訳。

「善を信じてがんばろう。物語に小さい時感動したのは、主人公たちが何かを信じて進みつづけたからなんだ」

その後の追加シーン満載のDVDの宣伝で、すっかり現実に戻された
劇場だと時間制限があるから仕方ないにしてもズルいよなあ〜
ノーメイクの俳優らは誰が何役か分からない人もいる
戦闘シーンが目玉で、黒澤の『乱』を思わせるスケールと迫力と悲壮感。

大自然のロケも目玉のひとつ。
豆知識では、このロケ地をやっと探し、7ヶ月かけてセット作りをし、
撮影後は、はげた草も元に戻すという徹底ぶりだったとか。

中世も今も、人は豊かな自然を壊し、私利私欲のために戦い続けている
どっちが勝とうと負けようと、戦争が繰り返されるという事実が変わらないのは空しい。

そしてラストを飾った音楽は、ビョーク
オーケストラをバックに切ない胸の内を歌う。

もう1つの見所はフルCGのゴラム。
分裂症の哀れな生きものだが、ストーリーを引っ張る重要なキャストで、表情や動きのリアルさはスゴイ。

さて次の3作目で完結かな?
壮大な物語の結末が気になるところ。
機会(というか時間さえ)あれば原作も読みたいところ

1作毎にスケールアップ&丁寧な物語進行で、観終わった後、『ネバー・エンディング・ストーリー』の
あの物語に一体化した感じが味わえ、ともに冒険した仲間の一人にでもなった感覚。
とくに泣けるってわけではないが、超大作すぎるくらいのファンタジー。
映画の新しい動きの模索でもあるのかも知れない。


■『過去のない男』(2002)
監督:アキ・カウリスマキ 出演:マルック・ベルトラ、カティ・オウティネン ほか
シンプルな設定、言葉少ない大人同士のもどかしい恋愛物語。
赤をポイントカラーとした抑えた演出は監督独特。
なんといってもCKBをサントラに入れる音へのこだわりに注目

「人生、先を見て進むしかない」等、何気ないセリフが深い。

ギャンブル狂いのダメ男だったのに、頭を殴られた後は、しごく真面目な働き手、
何もかも笑っての生活は厳しいはずなのに、第2のチャンスをもらって、
ささやかながら人の親切が身に染みて、恋までして、新たなスタートが切れるって幸せかも。

寒そ〜〜〜〜なフィンランドの乾いた人間関係、つっけんどんな中にも、
食事を与えてくれたレストランのおばさん等、奉仕する心、小さな親切って大切なことなんだな。
なかなか勇気がいるけどね。


■『魔界転生』(2003)
監督:平山秀幸 出演:佐藤浩市、窪塚洋介、古田新太、加藤雅也、麻生久美子 ほか
どうしても前作・深作監督のインパクトが強くて見劣りせざるを得ない。
前のほうが敵対する両者の対比がシンプルで分かり易く、ガラシャ?とか妖女キャラもいないし。
窪塚くんの旬さを売りにしてるのが裏目に出たか?
乱れた世に欲深い者らを誘惑するため蘇った悪のヒーローといったところか。
CG技術に溺れて芝居が途切れてしまってはもともこともない。


■『阿弥陀堂だより』(2002)

監督:小泉堯史 出演:寺尾聰、樋口可南子、香川京子、吉岡秀隆 ほか
飯山の大自然を舞台に、人との触れ合いを描いた
黒澤明の遺作に息が吹き込まれ、なんとも温かい、静かな感動に包まれるいい映画となった/涙

「あがっておくんなして」「うちの女しょは・・・」など、今でも祖母や親が使う方言がそのまま自然に出てきて、
冬に野沢菜を漬けているシーンや、何気なく出されるお茶、田んぼで食べるおにぎり等々、
そこで暮らす人々の豊かさが感じられた。
あーゆー体験の記憶を体で覚えてるのって私たちの世代くらいまでじゃないかなあ!

まさに人間って、人の間に生きているもの。
お互いの関係の中で、日々一瞬一瞬が過ぎ去る時を噛み締めて
幸せを感じることが大切なんだと、忙殺された都心に住む者の心に痛く染み渡った。

「気が飛んでしまった。心の問題なの。病気でも心が病んでいない人は幸せ」

「姿が大切、なぜなら人となりを表すから」

Cのひと言ひと言は重く、かつシンプルで、豊かな深い意味を持つものばかり。
あんな風に人と接し、見事な死に方をしたいものだ。

「体が必要とするものを畑で作って食べる貧しさは尊い」

宮沢賢治の有名な「雨ニモ負ケズ」で、褒められもせず、苦にもされない、
そういう者にわたしはなりたい、という文が本作のテーマをも表している。

「悲しく苦しい時は心を安らかに」

苦しいことも多いが、それだけじゃない。楽しく美しい瞬間もあることを私たちは知っている。
巡りくる季節の流れも忘れるほど、便利さ、スピード、効率などに振り回されているのを、
いっとき立ち止まって見直してみよう。

(これってパニック障害の話だったんだ/驚


■『シカゴ』(2003)

監督:ロブ・マーシャル 出演:レニー・セルヴィガー、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、リチャード・ギア ほか
ボブ・フォッシーの素材と『キャバレー』の味付けで不味くなるワケがない!
今が旬のゼタとレニーが頑張って、なんとかブロードウェイダンスと歌を披露し、
ロングヒットミュージカルの映画化の成功に華を添えた。

とにかく二転三転する話の面白さ、フォッシー印のセクシー&ワイルドなミュージカルシーンが
絶妙に絡み合って、ショーを観たっていう満腹感v

でも冷静に考えれば、人を殺したことまで大いに使うショービズとマスコミの金と欲のせめぎあい+あこぎさには閉口。
それもこれも、それに食いつく大勢の平凡な暮らしをする一般客あってのこと。
まさにAll That Jazz(なんでもあり)ってオチ。

それぞれ吹替えなしで挑んだミュージカルシーン。
レニーはブレイク作品『ジョーンズの日記』の絶唱つながりかw
ゼタの悪女ぶりはハマってて新鮮。


■『マトリックス・リローデッド』(2003)
監督:アンディ&ラリー・ウォシャウスキー 出演:キアヌ・リーブス、キャリー・アンモス、ローレンス・フィッシュバーン ほか
本作のプロモで来日した時は、たしか東京タワーが緑色になって、
完結篇の今回は歌舞伎町に雪を降らせたが、あいにくの雨、しかも誰かやったよな、このアイデア。

前作以上に話は難解だが、ワイヤーアクション、カーアクションetc...
ネオ自身も進化して、空飛べちゃってるからね
キアヌの美青年ぶりは圧倒的! スミスの増殖は笑えるw

「夢を見ていた。これからは見る夢もないのか・・・?」

ラストに長いCM話と、メイキングシーン、これっていつも思うが
手品の種明かしを延々と見たい人なんているのか?


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