■イラスト版 健康ライブラリー『精神科・心療内科の上手なかかり方がわかる本』(講談社)
渡辺登/監修
とても分かり易くて気に入っている「イラスト版 健康ライブラリー」シリーズ。
今回は、病院にいつかかるか、どこに行けばいいか、各科の特徴と違い、治療内容などなど、
内科・外科と違って、まだまだ分からないことが多いココロの病になった場合、まず読みたかった1冊。
とはいっても、病にかかってる本人は症状がしんどくなってから気づくものだし、
まだまだ「精神科」という名前だけでタブー視されている現状もあるから、なおさら最初の一歩が難しい。
今さらながら読むと、最初は自分も分からずに、いろんな機関や人に問い合わせたものだなあとか、
実際に治療に入ってからも、疑問を持つことが多くて、主治医と衝突したりしてたなあとか思い出す。
今だってまだまだ分からないことだらけだけれども、こうした本を読むことで、また頭の中が少し整理された気がした。
それにしても、病院の時間帯や、設備、立地状況などの都合に病人が合わせている現状など疑問も多い
【内容抜粋メモ】
現在(2011年)、ココロの病で治療を受けている人は320万人を超えている。
平成8〜20年までで約2.4倍に増加。日本だけでなく、他の先進国にも共通。
背景には、産業社会から情報社会への変化、成果主義の導入、雇用の不安定、対人関係の希薄化など。
受診に抵抗がある人、自覚がない人など潜在的な患者を含めると200万人を超える。
WHOによれば、うつは今後も増加し、2030年には最も多くの経済的損失をもたらす疾患になると予測されている。
患者が寝椅子に横たわり、真情を吐露する方法「自由連想法」は今は行われていない。
(私のイメージはまさにコレだった!映画や海外ドラマの影響だな
通院の事実、治療内容は「守秘義務」によって職場や家族にさえ本人の承諾なしに漏れることはない。
●治療を受けるタイミング
「心理的苦痛を感じた」「心身を消耗して生活に支障をきたした」「周囲を悩ませてしまった」等が医師の助けが必要となるタイミング。
食欲・睡眠欲は、人が生きる上で欠かせない生理的欲求。1ヶ月で5%の体重増減、月経不順などもめやすの1つ。
気分の落ち込みは誰にでもあるが、それが2週間以上続いた時。
動悸・めまいなど自律神経に乱れが出た時。
●相談できる窓口はいろいろある
精神科ソーシャルワーカー、作業療法士、臨床心理士、看護師、医師、保健師、精神保健福祉相談員、ソーシャルワーカーなど。
・保健師:専門医の紹介など情報提供が主な仕事(最初は定期的に相談可能な人かと思ってた
・臨床心理士の資格を持つ医師もいるが人数は少ない。
医師が治療の司令塔で、その他が生活上の問題解決も含め「チーム医療」する。
(まだまだチームってほど連携してる感じじゃないなぁ・・・
「リエゾン医療」
心身とも損なった場合、身体診療科+精神科が協力して患者を全人的に診療する。
アメリカでは50年以上の歴史があり、日本でも近年取り組まれている。
●夜間受付もある
総合病院、大学病院、クリニックでは、受付時間が異なるので、自分の生活スタイルに合わせて選択することが重要。
●救急もある
夜中に発症、強い症状に襲われた時、自傷行為、他人への暴力の危険がある場合など。
●治療費は?
「通院精神療法」
通院精神療法の医療費は、5分以上、30分以上で診療報酬が上がる仕組み(そーなの?!驚
一般的には初診は30分以上枠、再診は5分以上枠に入る。
20歳未満なら、初診から1年以内に実施するたび2000円が加算される?(この辺はよく分からん???
初診が5000円、再診が4000円て書いてあるけど、そんなにとられたっけ???
「特定療養制度」
200床以上の病院では、紹介状がないと別途負担金を支払う。
その他は同じ診療行為ならどこでも費用は同じ。
自由診療は10割負担。初めての入院時は、約30万円/月(保険適用)。食費は全額自己負担で2〜5万円。
●治療期間のめやす
だいたい週1回のペースで開始。病状で変わる。
薬の効果が現れるまで1〜2週間かかるものもある。
パニック障害は3〜6ヶ月の薬物療法+行動療法、症状が消えてからも1〜2年続ける。
いずれも段階的に薬を減らす「再発防止」の期間が必要だからじっくり腰を据えた治療と考える。
●入院について
精神科への入院は、本人の同意が必要「任意入院」。
医師が判断して本人が拒否しても保護者の同意を得て入院させる場合もある「医療保護入院」。
入院は命の危険がある場合の緊急対応。入院が長期化すると社会復帰が遅れる危険性がある。余裕が出たら通院に切り替える。
●病院の選び方
肩書き、知名度、経験の多さより、通いやすい距離や診療時間、波長の合う医師がいることを重視する。
スタッフの数、ベッド数で呼称が決められている。
総合病院:体の病気もある時。精神科の常勤医がいない場合がある。精神科のベッドは少数。
大学病院:専門医が多い。得意分野が違う。
精神科病院:医師の総数は多くない。入院してじっくり治す。社会復帰支援を受けやすい。
クリニック:ベッド数が19以下。夜間・土日診療があって通いやすい。
●科のいろいろ
日本の医療制度では何科でも標榜できるので、受診に抵抗の少ない名前にする場合も多い。
意外にも、心療内科の7〜8割は精神科医が治療している(別に不定愁訴は診てくれないけどなぁ
精神科:軽症の心身症・うつ。
心療内科:軽症の心身症・うつ。体調不良が気になる時。
メンタルクリニック:精神科への抵抗感をやわらげる名前にした。
神経内科・脳神経外科・内科:認知症、腫瘍、脳梗塞など、神経の病気がある場合。
カウンセリング
ココロの奥底に潜む葛藤や悩みをじっくり話したい場合。
1回1時間程度で、料金は5000円〜1万円。程度により数回で済む人から10年以上通う人もいる。
●専門とする病気などでチェック
薬で治したいか、話をして治したいか考える。
【治療方針】
認知行動療法
・電気けいれん療法
・職場復帰支援プログラム
【専門外来】
・女性外来:思春期、更年期、老年期まで女性の心身の揺らぎに対応。女性スタッフも多い。
・もの忘れ外来
・摂食障害外来
・発達障害外来
・アルコール外来
・ストレスケア病棟:日常的なストレスから解放されて、ゆっくり療養できる病棟!
●医師で選ぶ
医師
精神科医:医師免許があれば誰でも志せる。
精神保健指定医:精神保健福祉法に基づく資格者。患者の行動制限の判断をする。隔離・身体拘束など。
精神科専門医:日本精神神経学会が認定。
心療内科専門医:日本内科学界認定内科医の資格者。
(この辺も素人にはよく分からん
●その他の関連機関
ココロの病は治療にある程度長い期間が必要で、一進一退を繰り返すため、通いやすさは重要なポイント。
症状が強くて家から出られない場合は、保健師の自宅訪問相談も可能。
見つからない時はこちらを利用可能
保健センター:保健師などがいる。数が多い。
保健所:地域の精神保健福祉活動をおこなう中心的な行政機関。
精神保健福祉センター:都道府県に1ヵ所程度。専門的な相談窓口。詳細な情報が知りたい時は電話で問い合わせる。
・かかりつけ医
・産業医:従業員の健康管理のために職場に配置。
・スクールカウンセラー:平成7年から配置されはじめた。不登校・いじめ問題などに対応。
・電話相談窓口
・EAP:従業員支援プログラム。企業の委託で外部の医師やカウンセラーが相談に応じる。
・各種NPO
人に隠しながら治療を続けるという引け目から解放されるだけでも大きなメリットがある。
●子どもの窓口
子どものうつも近年増加しているにも関わらず、「児童精神科」を標榜する医療機関は少ない。
・学校の保健室・相談室
・教育相談所
・小児科
・児童相談所
・保健所
から「児童精神科」につなげてもらう。
●受診前の準備
・無理のない範囲で症状の経過をまとめておくと言い忘れを防げる
・家族が同行する場合は、話したいことがあっても患者の後ろで一歩ひいて話す。
一般に先に本人だけ受け、その後、本人の同意があれば家族が加わる。
・精神科の診察は、患者を「全人的にとらえる」ことが基本。
初診は40分くらい
研修医・臨床心理士が担当。症状を知ること以外にも、医師と患者の信頼関係を結ぶことが重要。
診察の中心は問診。最初に用紙にあらましを書くところも多い。
再診以降は、薬の効果や症状の変化が話題の中心となり、5〜10分が普通(これが短いと思うなあ・・・
●話すこと
辛さや不安の感じ方は人によって違うため、他人と比較しても意味はないので、「以前の元気な時の自分との変化」を話す。
・「主訴」いちばん気になる症状「眠れない」などを話す。
・受診の動機、医師に望むこと、発病の原因を自分なりにどう思うかなども話すとよい。
●体の不調も訴える
ココロの病が体の不調として現れる:自律神経症状:うつ、無気力など
体の機能がうまく働かず、ココロの不調を招く:疲労感、頭痛など
→脈拍など全身をチェック、脳の画像診断、甲状腺ホルモンの低下、心電図、血液検査なども行う。
●医師から質問されること
患者は筋が通っていると思い込んでいても、医師が「腑に落ちない」と疑問を抱いた時に質問が投げかけられる。
それに答えることで患者自身が隠れていた問題点に気づき、「期待に応えようと頑張りすぎた」など自己理解を深める。
遺伝による「なりやすさ」の素質+その後、本人が負担と感じる刺激にさらされ続けることで発病に結びつくという説。
・生育歴、家族関係、生活、職業歴、性格など
・犯人探しではなく、全体像の把握が主要目的。
・親の育て方が原因のすべてではない。
・本当の契機は、いくつもの要因が複雑に絡み合っている。
→薬物治療、休養、家族療法などを医師が提案する。
●診断について
精神科にも「インフォームド・コンセント」が導入され、告知されるようになった。
診断には、WHOによるICDや、アメリカ精神医学会によるDSMが基準となる。
注意:初診時の診断はとりあえずくだす仮説で確定ではない。その後の経過で病名が変わることもある。
短い診療時間でも、得られた体験の「満足度・安心感」が重要
診察への満足度が低ければ、次回の診察で疑問や希望を伝える。
どうしても波長が合わない場合は病院を移ることも考える。
●治療の流れ
患者1人1人に個別の治療プランが立てられる。医師に寄り添われ、生き方に無理があったことに気づく。
うつの場合、基本は休養。ぐっすり眠れるようになることが成功のめやす
治療目的は、心身の鎮静、休息の後、患者本人が本来もつ力で社会生活が営めるように足ならしすることにある。
症状の一進一退に一喜一憂せず、腰をすえて治療する。
薬物療法
副作用は飲み始めがいちばん強く、次第に軽くなる傾向。
不快な副作用も含めて、患者からの情報提供が大事。
自己判断で服薬をやめず、不安を率直に伝える。
注意:服薬をやめる→「離脱症状」が出る→治療期間が長引いたり、悪化を招く要因に。
●薬の種類
抗不安薬:量を守る。長く常用すると依存性がある
睡眠薬:量を守る。長く常用すると依存性がある。突然やめると不眠が強くなる「反跳性不眠」。
抗精神病薬
抗うつ薬
・その他
・ある特定の病気だけでなく、ほかの不安障害にも用いられる。
・「半減期が長い薬」:長時間、体内にとどまる。
・「半減期が短い薬」:すぐに効いて短時間で代謝される。
慢性的な不安には「半減期が長い薬」、時々不安になる場合は「半減期が短い薬」を使う。
精神療法
「薬物療法」は症状の改善に有効だが病の要因を取り除くことは出来ない。
逆に、軽症でなければ、「精神療法」だけで改善させるのは難しく、治療に時間がかかる。
自分がいま抱えている葛藤に気づき、自分の能力をのびやかに発揮できる生き方へ、思考や行動を変える。
「苦しみには苦しむ理由があった」と、つまづきを成長に結びつけようとする意欲が必要
「精神療法」は、ただの会話ではなく、患者のココロの成長を支える治療法。
医師は「受容し、支持する」という作業を診察で繰り返し行っている。
言語的・非言語的コミュニケーションを使って展開する。
・支持法:元気付けなど
・洞察法:屈折した行動パターンなどに気づき、不合理を改善
・訓練法:物事の捉え方・くせに気づく。
・表現法:不満・恨み・恐怖など感情を自由に表現することで、ココロの緊張をとりのぞく
●精神療法の種類
認知行動療法、集団精神療法、森田療法、芸術療法、家族療法など。
実施している医療機関が限られるものもある。
注意:医師が行う場合のみ保険診療となる。臨床心理士には認められない。
カウンセリング
精神療法は、症状を精神的な「障害」ととらえ、医学的に診療する。
人がそれぞれもつ「独自性・成長する可能性」を伸ばせるよう援助する→自分への理解・受容が深まる。
注意:「暗転」:自分の欠点に気づくと症状が強まることもあるがカウンセリングの過程で生じることで悪化ではない。
職場復帰支援プログラム
心身が軽くなり、「退屈感」を覚えたら、足ならしをはじめる。
仕事と治療を両立させた人より、休養と治療に専念した人のほうが回復は早くて確実。
週2〜5日のペースで3〜4ヶ月ほど通う。
・リハビリ:SST(社会技能訓練)、作業療法など
・デイケア、ナイトケア
希死念慮
「消えてしまいたい」「生きるのに疲れた」などは、うつ初期段階のSOS。
自殺の危険が強いのは、うつ初期と回復期。
日記や私物(写真など)を整理する行為にも気をつける。
治療の効果をチェックするテストでは17点で「治療の効果が出始めている。経過を見守る」という結果だった。
セカンドオピニオン
不安や疑問は率直に主治医、スタッフ、看護師らに伝える。
それでも納得出来なければ、ほかの医師の助言を求める。
その際には、主治医の紹介状が必要。保険診療で1通1500円。
●日常生活の注意点
心身が疲れきっているのに、さらに頑張って、達成感でストレスを発散しようとしてココロの病になる人は少なくない。
まずは自分の疲れを自覚すること。
・ひとりで背負いすぎない
・医師に相談
・負担を少しずつ手放す
・思いきって休養する
●使える制度はすべて使って肩の荷をおろす
「これ以上、職場に迷惑をかけられない」などの「義務感・責任感」ではなく、活力がわき、退屈感が出てきたら復職を考える。
傷病手当金
フレックスタイム:残業は避ける。時短勤務・在宅勤務・リハビリ出勤など。
家事を家族に頼る
家事援助サービス
介護サービス
訪問医療、訪問看護:訪問看護は保険診療の対象で、自立支援医療ならより負担軽減。
自立支援医療
精神行会社保健福祉手帳
精神障害者障害年金
生活保護
制度はすべて自分から申請しないと受けられない「請求主義」。(病院などで案内ぐらいして欲しいよね
判断の根拠は、病名ではなく、社会生活の制約や持続期間から判断される。
診断書について
診断名や経過を厳密に書くわけではなく、患者と相談の上、不利益とならないよう書いてくれる。
「安静に要する期間」はあくまで目安。その都度、書き直してもらえる。
注意:職場に出す場合、制度の申請に必要な場合など、目的や提出先によって項目や内容が変わるので、
主治医に目的と提出先をはっきりと伝える。
自助グループ
最大のメリットは「ピアカウンセリング(共通の悩みをもつ者同士が相談・問題解決すること)」。
同じ病気を抱える患者さん、支える家族の悩みなどを話し合い、支え合う。
同じ病気の患者さんの話を聞くと気持ちがかえって辛くなるという人は無理して参加しない。
●家族の対応
本人と家族の間には、病に対する認識にへだたりがある。
無理になにかさせようとしたり、干渉するのではなく、活動エネルギーが高まるまでじっくり待つ。
安易な元気づけはしない
気分転換に連れ出そう、質問攻めは、家族が世話をすることで安心したいという「おためごかし」←この言葉初聞き
「もっと前向きに」など指導、説教をしない。
渡辺登/監修
とても分かり易くて気に入っている「イラスト版 健康ライブラリー」シリーズ。
今回は、病院にいつかかるか、どこに行けばいいか、各科の特徴と違い、治療内容などなど、
内科・外科と違って、まだまだ分からないことが多いココロの病になった場合、まず読みたかった1冊。
とはいっても、病にかかってる本人は症状がしんどくなってから気づくものだし、
まだまだ「精神科」という名前だけでタブー視されている現状もあるから、なおさら最初の一歩が難しい。
今さらながら読むと、最初は自分も分からずに、いろんな機関や人に問い合わせたものだなあとか、
実際に治療に入ってからも、疑問を持つことが多くて、主治医と衝突したりしてたなあとか思い出す。
今だってまだまだ分からないことだらけだけれども、こうした本を読むことで、また頭の中が少し整理された気がした。
それにしても、病院の時間帯や、設備、立地状況などの都合に病人が合わせている現状など疑問も多い
【内容抜粋メモ】
現在(2011年)、ココロの病で治療を受けている人は320万人を超えている。
平成8〜20年までで約2.4倍に増加。日本だけでなく、他の先進国にも共通。
背景には、産業社会から情報社会への変化、成果主義の導入、雇用の不安定、対人関係の希薄化など。
受診に抵抗がある人、自覚がない人など潜在的な患者を含めると200万人を超える。
WHOによれば、うつは今後も増加し、2030年には最も多くの経済的損失をもたらす疾患になると予測されている。
患者が寝椅子に横たわり、真情を吐露する方法「自由連想法」は今は行われていない。
(私のイメージはまさにコレだった!映画や海外ドラマの影響だな
通院の事実、治療内容は「守秘義務」によって職場や家族にさえ本人の承諾なしに漏れることはない。
●治療を受けるタイミング
「心理的苦痛を感じた」「心身を消耗して生活に支障をきたした」「周囲を悩ませてしまった」等が医師の助けが必要となるタイミング。
食欲・睡眠欲は、人が生きる上で欠かせない生理的欲求。1ヶ月で5%の体重増減、月経不順などもめやすの1つ。
気分の落ち込みは誰にでもあるが、それが2週間以上続いた時。
動悸・めまいなど自律神経に乱れが出た時。
●相談できる窓口はいろいろある
精神科ソーシャルワーカー、作業療法士、臨床心理士、看護師、医師、保健師、精神保健福祉相談員、ソーシャルワーカーなど。
・保健師:専門医の紹介など情報提供が主な仕事(最初は定期的に相談可能な人かと思ってた
・臨床心理士の資格を持つ医師もいるが人数は少ない。
医師が治療の司令塔で、その他が生活上の問題解決も含め「チーム医療」する。
(まだまだチームってほど連携してる感じじゃないなぁ・・・
「リエゾン医療」
心身とも損なった場合、身体診療科+精神科が協力して患者を全人的に診療する。
アメリカでは50年以上の歴史があり、日本でも近年取り組まれている。
●夜間受付もある
総合病院、大学病院、クリニックでは、受付時間が異なるので、自分の生活スタイルに合わせて選択することが重要。
●救急もある
夜中に発症、強い症状に襲われた時、自傷行為、他人への暴力の危険がある場合など。
●治療費は?
「通院精神療法」
通院精神療法の医療費は、5分以上、30分以上で診療報酬が上がる仕組み(そーなの?!驚
一般的には初診は30分以上枠、再診は5分以上枠に入る。
20歳未満なら、初診から1年以内に実施するたび2000円が加算される?(この辺はよく分からん???
初診が5000円、再診が4000円て書いてあるけど、そんなにとられたっけ???
「特定療養制度」
200床以上の病院では、紹介状がないと別途負担金を支払う。
その他は同じ診療行為ならどこでも費用は同じ。
自由診療は10割負担。初めての入院時は、約30万円/月(保険適用)。食費は全額自己負担で2〜5万円。
●治療期間のめやす
だいたい週1回のペースで開始。病状で変わる。
薬の効果が現れるまで1〜2週間かかるものもある。
パニック障害は3〜6ヶ月の薬物療法+行動療法、症状が消えてからも1〜2年続ける。
いずれも段階的に薬を減らす「再発防止」の期間が必要だからじっくり腰を据えた治療と考える。
●入院について
精神科への入院は、本人の同意が必要「任意入院」。
医師が判断して本人が拒否しても保護者の同意を得て入院させる場合もある「医療保護入院」。
入院は命の危険がある場合の緊急対応。入院が長期化すると社会復帰が遅れる危険性がある。余裕が出たら通院に切り替える。
●病院の選び方
肩書き、知名度、経験の多さより、通いやすい距離や診療時間、波長の合う医師がいることを重視する。
スタッフの数、ベッド数で呼称が決められている。
総合病院:体の病気もある時。精神科の常勤医がいない場合がある。精神科のベッドは少数。
大学病院:専門医が多い。得意分野が違う。
精神科病院:医師の総数は多くない。入院してじっくり治す。社会復帰支援を受けやすい。
クリニック:ベッド数が19以下。夜間・土日診療があって通いやすい。
●科のいろいろ
日本の医療制度では何科でも標榜できるので、受診に抵抗の少ない名前にする場合も多い。
意外にも、心療内科の7〜8割は精神科医が治療している(別に不定愁訴は診てくれないけどなぁ
精神科:軽症の心身症・うつ。
心療内科:軽症の心身症・うつ。体調不良が気になる時。
メンタルクリニック:精神科への抵抗感をやわらげる名前にした。
神経内科・脳神経外科・内科:認知症、腫瘍、脳梗塞など、神経の病気がある場合。
カウンセリング
ココロの奥底に潜む葛藤や悩みをじっくり話したい場合。
1回1時間程度で、料金は5000円〜1万円。程度により数回で済む人から10年以上通う人もいる。
●専門とする病気などでチェック
薬で治したいか、話をして治したいか考える。
【治療方針】
認知行動療法
・電気けいれん療法
・職場復帰支援プログラム
【専門外来】
・女性外来:思春期、更年期、老年期まで女性の心身の揺らぎに対応。女性スタッフも多い。
・もの忘れ外来
・摂食障害外来
・発達障害外来
・アルコール外来
・ストレスケア病棟:日常的なストレスから解放されて、ゆっくり療養できる病棟!
●医師で選ぶ
医師
精神科医:医師免許があれば誰でも志せる。
精神保健指定医:精神保健福祉法に基づく資格者。患者の行動制限の判断をする。隔離・身体拘束など。
精神科専門医:日本精神神経学会が認定。
心療内科専門医:日本内科学界認定内科医の資格者。
(この辺も素人にはよく分からん
●その他の関連機関
ココロの病は治療にある程度長い期間が必要で、一進一退を繰り返すため、通いやすさは重要なポイント。
症状が強くて家から出られない場合は、保健師の自宅訪問相談も可能。
見つからない時はこちらを利用可能
保健センター:保健師などがいる。数が多い。
保健所:地域の精神保健福祉活動をおこなう中心的な行政機関。
精神保健福祉センター:都道府県に1ヵ所程度。専門的な相談窓口。詳細な情報が知りたい時は電話で問い合わせる。
・かかりつけ医
・産業医:従業員の健康管理のために職場に配置。
・スクールカウンセラー:平成7年から配置されはじめた。不登校・いじめ問題などに対応。
・電話相談窓口
・EAP:従業員支援プログラム。企業の委託で外部の医師やカウンセラーが相談に応じる。
・各種NPO
人に隠しながら治療を続けるという引け目から解放されるだけでも大きなメリットがある。
●子どもの窓口
子どものうつも近年増加しているにも関わらず、「児童精神科」を標榜する医療機関は少ない。
・学校の保健室・相談室
・教育相談所
・小児科
・児童相談所
・保健所
から「児童精神科」につなげてもらう。
●受診前の準備
・無理のない範囲で症状の経過をまとめておくと言い忘れを防げる
・家族が同行する場合は、話したいことがあっても患者の後ろで一歩ひいて話す。
一般に先に本人だけ受け、その後、本人の同意があれば家族が加わる。
・精神科の診察は、患者を「全人的にとらえる」ことが基本。
初診は40分くらい
研修医・臨床心理士が担当。症状を知ること以外にも、医師と患者の信頼関係を結ぶことが重要。
診察の中心は問診。最初に用紙にあらましを書くところも多い。
再診以降は、薬の効果や症状の変化が話題の中心となり、5〜10分が普通(これが短いと思うなあ・・・
●話すこと
辛さや不安の感じ方は人によって違うため、他人と比較しても意味はないので、「以前の元気な時の自分との変化」を話す。
・「主訴」いちばん気になる症状「眠れない」などを話す。
・受診の動機、医師に望むこと、発病の原因を自分なりにどう思うかなども話すとよい。
●体の不調も訴える
ココロの病が体の不調として現れる:自律神経症状:うつ、無気力など
体の機能がうまく働かず、ココロの不調を招く:疲労感、頭痛など
→脈拍など全身をチェック、脳の画像診断、甲状腺ホルモンの低下、心電図、血液検査なども行う。
●医師から質問されること
患者は筋が通っていると思い込んでいても、医師が「腑に落ちない」と疑問を抱いた時に質問が投げかけられる。
それに答えることで患者自身が隠れていた問題点に気づき、「期待に応えようと頑張りすぎた」など自己理解を深める。
遺伝による「なりやすさ」の素質+その後、本人が負担と感じる刺激にさらされ続けることで発病に結びつくという説。
・生育歴、家族関係、生活、職業歴、性格など
・犯人探しではなく、全体像の把握が主要目的。
・親の育て方が原因のすべてではない。
・本当の契機は、いくつもの要因が複雑に絡み合っている。
→薬物治療、休養、家族療法などを医師が提案する。
●診断について
精神科にも「インフォームド・コンセント」が導入され、告知されるようになった。
診断には、WHOによるICDや、アメリカ精神医学会によるDSMが基準となる。
注意:初診時の診断はとりあえずくだす仮説で確定ではない。その後の経過で病名が変わることもある。
短い診療時間でも、得られた体験の「満足度・安心感」が重要
診察への満足度が低ければ、次回の診察で疑問や希望を伝える。
どうしても波長が合わない場合は病院を移ることも考える。
●治療の流れ
患者1人1人に個別の治療プランが立てられる。医師に寄り添われ、生き方に無理があったことに気づく。
うつの場合、基本は休養。ぐっすり眠れるようになることが成功のめやす
治療目的は、心身の鎮静、休息の後、患者本人が本来もつ力で社会生活が営めるように足ならしすることにある。
症状の一進一退に一喜一憂せず、腰をすえて治療する。
薬物療法
副作用は飲み始めがいちばん強く、次第に軽くなる傾向。
不快な副作用も含めて、患者からの情報提供が大事。
自己判断で服薬をやめず、不安を率直に伝える。
注意:服薬をやめる→「離脱症状」が出る→治療期間が長引いたり、悪化を招く要因に。
●薬の種類
抗不安薬:量を守る。長く常用すると依存性がある
睡眠薬:量を守る。長く常用すると依存性がある。突然やめると不眠が強くなる「反跳性不眠」。
抗精神病薬
抗うつ薬
・その他
・ある特定の病気だけでなく、ほかの不安障害にも用いられる。
・「半減期が長い薬」:長時間、体内にとどまる。
・「半減期が短い薬」:すぐに効いて短時間で代謝される。
慢性的な不安には「半減期が長い薬」、時々不安になる場合は「半減期が短い薬」を使う。
精神療法
「薬物療法」は症状の改善に有効だが病の要因を取り除くことは出来ない。
逆に、軽症でなければ、「精神療法」だけで改善させるのは難しく、治療に時間がかかる。
自分がいま抱えている葛藤に気づき、自分の能力をのびやかに発揮できる生き方へ、思考や行動を変える。
「苦しみには苦しむ理由があった」と、つまづきを成長に結びつけようとする意欲が必要
「精神療法」は、ただの会話ではなく、患者のココロの成長を支える治療法。
医師は「受容し、支持する」という作業を診察で繰り返し行っている。
言語的・非言語的コミュニケーションを使って展開する。
・支持法:元気付けなど
・洞察法:屈折した行動パターンなどに気づき、不合理を改善
・訓練法:物事の捉え方・くせに気づく。
・表現法:不満・恨み・恐怖など感情を自由に表現することで、ココロの緊張をとりのぞく
●精神療法の種類
認知行動療法、集団精神療法、森田療法、芸術療法、家族療法など。
実施している医療機関が限られるものもある。
注意:医師が行う場合のみ保険診療となる。臨床心理士には認められない。
カウンセリング
精神療法は、症状を精神的な「障害」ととらえ、医学的に診療する。
人がそれぞれもつ「独自性・成長する可能性」を伸ばせるよう援助する→自分への理解・受容が深まる。
注意:「暗転」:自分の欠点に気づくと症状が強まることもあるがカウンセリングの過程で生じることで悪化ではない。
職場復帰支援プログラム
心身が軽くなり、「退屈感」を覚えたら、足ならしをはじめる。
仕事と治療を両立させた人より、休養と治療に専念した人のほうが回復は早くて確実。
週2〜5日のペースで3〜4ヶ月ほど通う。
・リハビリ:SST(社会技能訓練)、作業療法など
・デイケア、ナイトケア
希死念慮
「消えてしまいたい」「生きるのに疲れた」などは、うつ初期段階のSOS。
自殺の危険が強いのは、うつ初期と回復期。
日記や私物(写真など)を整理する行為にも気をつける。
治療の効果をチェックするテストでは17点で「治療の効果が出始めている。経過を見守る」という結果だった。
セカンドオピニオン
不安や疑問は率直に主治医、スタッフ、看護師らに伝える。
それでも納得出来なければ、ほかの医師の助言を求める。
その際には、主治医の紹介状が必要。保険診療で1通1500円。
●日常生活の注意点
心身が疲れきっているのに、さらに頑張って、達成感でストレスを発散しようとしてココロの病になる人は少なくない。
まずは自分の疲れを自覚すること。
・ひとりで背負いすぎない
・医師に相談
・負担を少しずつ手放す
・思いきって休養する
●使える制度はすべて使って肩の荷をおろす
「これ以上、職場に迷惑をかけられない」などの「義務感・責任感」ではなく、活力がわき、退屈感が出てきたら復職を考える。
傷病手当金
フレックスタイム:残業は避ける。時短勤務・在宅勤務・リハビリ出勤など。
家事を家族に頼る
家事援助サービス
介護サービス
訪問医療、訪問看護:訪問看護は保険診療の対象で、自立支援医療ならより負担軽減。
自立支援医療
精神行会社保健福祉手帳
精神障害者障害年金
生活保護
制度はすべて自分から申請しないと受けられない「請求主義」。(病院などで案内ぐらいして欲しいよね
判断の根拠は、病名ではなく、社会生活の制約や持続期間から判断される。
診断書について
診断名や経過を厳密に書くわけではなく、患者と相談の上、不利益とならないよう書いてくれる。
「安静に要する期間」はあくまで目安。その都度、書き直してもらえる。
注意:職場に出す場合、制度の申請に必要な場合など、目的や提出先によって項目や内容が変わるので、
主治医に目的と提出先をはっきりと伝える。
自助グループ
最大のメリットは「ピアカウンセリング(共通の悩みをもつ者同士が相談・問題解決すること)」。
同じ病気を抱える患者さん、支える家族の悩みなどを話し合い、支え合う。
同じ病気の患者さんの話を聞くと気持ちがかえって辛くなるという人は無理して参加しない。
●家族の対応
本人と家族の間には、病に対する認識にへだたりがある。
無理になにかさせようとしたり、干渉するのではなく、活動エネルギーが高まるまでじっくり待つ。
安易な元気づけはしない
気分転換に連れ出そう、質問攻めは、家族が世話をすることで安心したいという「おためごかし」←この言葉初聞き
「もっと前向きに」など指導、説教をしない。