■映画『ハーメルン』(2013)@座・高円寺2
監督:坪川拓史 出演:西島秀俊、倍賞千恵子、坂本長利 ほか
「校長先生はどうして、ここに? すいません、変な質問でしたね」
「私はただ、ここに座っているだけだ。
卒業していく子どもたちと、これからの子どもたちの間に
座っていることしかできないんだからね」
▼trailer
西島さん主演ってことと、栗コーダーさんが音楽を担当するってことで制作当時から気になっていたんだけど、
いったん上映期間が過ぎてしまって残念って思っていたら、今回、2日間だけ再上映てことで間に合って良かった
穏やかに進む、古くてもう使われていない小学校の解体の話。
今では若者たちが改装して、雑貨屋さんにしたりしてリユースする話もあるけど、
あの「昭和村立喰丸小学校」は撮影後、ほんとうに解体してしまったのだろうか?
校舎とともに、まっ黄色に色づいた立派なイチョウの巨木が本作の要となって支えている。
▼story
通称「袖振り橋」と呼ばれている橋を渡ってゆく葬儀の列。
ここを走る1両編成の電車もカワイイ。
取り壊されることが決まっている小学校を、修理しながら守り、住み続けていた校長は、
この学校の卒業生で、役所の仕事をしている仲丸から、早めの立ち退きと、老人ホームへの入居を勧められ、
「このイチョウの樹の葉が落ちたら出て行くよ」と口約束をしたため、
悪あがきをするように、イチョウの樹の葉にのりをふきかけたりしている
博物館職員の野田も仲丸の同級生だった。
校舎の中に置かれた大量の遺跡等を分別、記録して、博物館に持っていく仕事を始める。
野田は、小学生の頃はとても目立たない大人しい子どもで、
ある時観た人形劇がなぜか最後まで観れなかったことを覚えている。
担任の綾子先生が大連から持ってきたという宝物の仕掛け時計も、他の生徒といっしょに見ずに、遠くから眺めるだけだった。
「閉校式の時にさ、なんか埋めたよね、タイムカプセルみたいな。 何を埋めたかは忘れたけど・・・」
仲丸はすっかり忘れていたが、その埋めた場所を覚えているのは、
今では認知症になって入院している綾子先生だけだと言う、娘のリツコ。
町でいちばん盛り上がるお祭りが近づいていて、3人の老人楽団は毎日のように校舎の中で
ラッパなどを練習しているが、音もリズムもとんでもなく外れていて可笑しい(メトロノームも使ってるのに
リツコは彼らに♪カノン を演奏してほしいと頼む。「母が好きだったから」
廃業した映画館に住んでいる老人は、偏屈だけれども、校長とは仲が良い。
「彼の左耳は聞こえないんだ。戦争が終わった時に思わず“バンザーイ!”と叫んだら、
上官から銃の尻で思いきり殴られたからだ。彼は悪くないのにな。」
(水木サンも同じようにして、上官にまたビンタされたって話を描いてたなぁ
「彼は進軍ラッパを吹いていた。そのラッパを聴いて、大勢の仲間が死んでいった。
だから、今はもう吹きたくはないんだ。
「彼は袖振り橋が嫌いだと言っていた。なにかに引っ張り込まれる気がするからだそうだ」
ド派手なカーアクションなんてなくても、低予算でも、
人生のいち場面を切り取った、昔ながらの仲間同士の、日常の何気ない会話で、
こんなに素晴らしい映画が創れるんだ
途中、何度か出てくる人形劇もとってもシュールで美しくて引き込まれる。
少女が笛を吹く音もとてもキレイで、彼女を誘うように真っ白いフクロウが出てきて、
少女も鳥を真似て飛ぼうとするが、翼は真っ逆さまに落ちてしまう。
西島さんは、最近は激しいアクション演技が多い気がするけど、
こうゆう内向的な役を演っても、静かな魅力でステキ
倍賞さんの歌もさすがに上手くて、貴重
こうゆうフツーのスナックのママみたいな役が本当に似合う女優さんなんだなあ!
校長、認知症になってしまった元教師、それぞれ、その人、存在そのものになりきらなきゃ成り立たないから
フツーの役こそ難しいんだろうな。
追。
F氏は途中2回ほど船を漕いでたけど、最後は泣いてたw
2人とも大いに感動して、誘って良かった、良かったv
監督:坪川拓史 出演:西島秀俊、倍賞千恵子、坂本長利 ほか
「校長先生はどうして、ここに? すいません、変な質問でしたね」
「私はただ、ここに座っているだけだ。
卒業していく子どもたちと、これからの子どもたちの間に
座っていることしかできないんだからね」
▼trailer
西島さん主演ってことと、栗コーダーさんが音楽を担当するってことで制作当時から気になっていたんだけど、
いったん上映期間が過ぎてしまって残念って思っていたら、今回、2日間だけ再上映てことで間に合って良かった
穏やかに進む、古くてもう使われていない小学校の解体の話。
今では若者たちが改装して、雑貨屋さんにしたりしてリユースする話もあるけど、
あの「昭和村立喰丸小学校」は撮影後、ほんとうに解体してしまったのだろうか?
校舎とともに、まっ黄色に色づいた立派なイチョウの巨木が本作の要となって支えている。
▼story
通称「袖振り橋」と呼ばれている橋を渡ってゆく葬儀の列。
ここを走る1両編成の電車もカワイイ。
取り壊されることが決まっている小学校を、修理しながら守り、住み続けていた校長は、
この学校の卒業生で、役所の仕事をしている仲丸から、早めの立ち退きと、老人ホームへの入居を勧められ、
「このイチョウの樹の葉が落ちたら出て行くよ」と口約束をしたため、
悪あがきをするように、イチョウの樹の葉にのりをふきかけたりしている
博物館職員の野田も仲丸の同級生だった。
校舎の中に置かれた大量の遺跡等を分別、記録して、博物館に持っていく仕事を始める。
野田は、小学生の頃はとても目立たない大人しい子どもで、
ある時観た人形劇がなぜか最後まで観れなかったことを覚えている。
担任の綾子先生が大連から持ってきたという宝物の仕掛け時計も、他の生徒といっしょに見ずに、遠くから眺めるだけだった。
「閉校式の時にさ、なんか埋めたよね、タイムカプセルみたいな。 何を埋めたかは忘れたけど・・・」
仲丸はすっかり忘れていたが、その埋めた場所を覚えているのは、
今では認知症になって入院している綾子先生だけだと言う、娘のリツコ。
町でいちばん盛り上がるお祭りが近づいていて、3人の老人楽団は毎日のように校舎の中で
ラッパなどを練習しているが、音もリズムもとんでもなく外れていて可笑しい(メトロノームも使ってるのに
リツコは彼らに♪カノン を演奏してほしいと頼む。「母が好きだったから」
廃業した映画館に住んでいる老人は、偏屈だけれども、校長とは仲が良い。
「彼の左耳は聞こえないんだ。戦争が終わった時に思わず“バンザーイ!”と叫んだら、
上官から銃の尻で思いきり殴られたからだ。彼は悪くないのにな。」
(水木サンも同じようにして、上官にまたビンタされたって話を描いてたなぁ
「彼は進軍ラッパを吹いていた。そのラッパを聴いて、大勢の仲間が死んでいった。
だから、今はもう吹きたくはないんだ。
「彼は袖振り橋が嫌いだと言っていた。なにかに引っ張り込まれる気がするからだそうだ」
ド派手なカーアクションなんてなくても、低予算でも、
人生のいち場面を切り取った、昔ながらの仲間同士の、日常の何気ない会話で、
こんなに素晴らしい映画が創れるんだ
途中、何度か出てくる人形劇もとってもシュールで美しくて引き込まれる。
少女が笛を吹く音もとてもキレイで、彼女を誘うように真っ白いフクロウが出てきて、
少女も鳥を真似て飛ぼうとするが、翼は真っ逆さまに落ちてしまう。
西島さんは、最近は激しいアクション演技が多い気がするけど、
こうゆう内向的な役を演っても、静かな魅力でステキ
倍賞さんの歌もさすがに上手くて、貴重
こうゆうフツーのスナックのママみたいな役が本当に似合う女優さんなんだなあ!
校長、認知症になってしまった元教師、それぞれ、その人、存在そのものになりきらなきゃ成り立たないから
フツーの役こそ難しいんだろうな。
追。
F氏は途中2回ほど船を漕いでたけど、最後は泣いてたw
2人とも大いに感動して、誘って良かった、良かったv