■スペシャルドラマ『ダブルフェイス』(2012)
出演:西島秀俊、香川照之、小日向文世、伊藤かずえ、伊藤淳史、和久井映見、蒼井優 ほか
2002年公開の香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品(ウィキ参照
トニー・レオンが主演ならきっと面白いだろうな。
気になってた1本。DVDは90分の2枚に分かれていて、危うく後編を先に見そうになった。危ない、危ない
西島さん好みのアクションも満載だし、とにかく人間関係が複雑極まりない。
高山は分かるけど、森屋はどうやって組の若頭補佐までのし上がったんだろう???
▼「潜入捜査編」(ネタバレ注意
織田組若頭補佐を偽る、神奈川県警潜入捜査官の森屋純(西島)は、最初は3年間と言われた潜入捜査が6年に延び
指輪など、小型カメラや通信機器で証拠写真データを送り、電話で情報を流していたが、
「もう限界です。オレを警察に戻してください」
と、上司で唯一この秘密を知る小野寺に頼むが、
織田組×黒新会の対立が進み、麻薬取引の摘発も近いことから「もう少しの辛抱だ」と留められる。
織田組はタイとの20億円相当の麻薬取引があり、そこを押さえようという計画。
(あんなに毎回、麻薬が上物かどうか確かめてたら中毒になっちゃうのでは?汗×5000
森屋は、兄弟分のヒロシに毎回「マッサージ行ってくる」と偽って、不眠のカウンセリングを受けている。
「オレは善人面には見えないか?」
なかなかココロを開かない森屋だったが、ある日、カウンセラーの西田奈緒子に「友だちの話だが・・・」と自分の置かれた境遇を話す。
「どっちが本当の自分か分からなくなっちまったんんだ」
「本当の自分は1人しかいない。自分から動き出さなきゃ本当の自分は見つけられないわ」
織田組は、取引場所に飛行場を指定するが、森屋はモールス信号で小野寺に情報を流す。
一方、神奈川県警警部で、実は織田組の潜入員の高山亮介(香川)もまた、捜査状況を逐一、織田に送り、捜査は難航する。
下っ端を逮捕しても、保釈金で2日で釈放。織田と小野寺は、互いの職場にスパイがいることを示唆する。
織田「犬飼ってるのはお互い様じゃないのか? 見つけ次第処分させてもらいますよ」
高山は栄転され、小野寺から「織田組の犬を探せ」と命令される。
映画館で組長と会い、組員全員に履歴書を提出させるように頼むが、どれも警察内のデータとは照合しない。
森屋「お前はヤクザには向いてない。足を洗ってラーメン屋をやれ」
ヒロシ「兄貴は?」
森屋「店長にしてくれるの?」
小野寺は一斉検挙のことを高山に話す。
高山は、部下の堺俊彦(高橋光臣さん、梅ちゃん先生の時の松岡さん!)に小野寺を24時間見張れと命令する。
ビルの屋上で小野寺と森屋は会って、データを渡す。
森屋「サツに戻ったら所帯を持ちたい。その時は仲人お願いします」
しかし、織田組が押し入り、小野寺は屋上から落とされる。
ヒロシ「ボスがゆってました。今日来なかった奴がサツの犬だって」
▼「偽装警察編」(ネタバレ注意
高山は少年時代、ヤクザの車を盗もうとして半殺しにされそうになっていたところを織田組長に助けられた。
「いい目をしてんなぁ、ついてこい」
高級料理店でステーキをご馳走になりながら、
「お前、金は生きものだって知ってるか? 人見知りで、寂しがり屋で、繊細な生きもの。
だから自分を大事にしてくれる人、可愛がってくれる人のところに集まるんだ」(随分、歪んだ見方だなあ
「お前、親いるのか? オレの息子になれ。ヤクザになれってゆってるんじゃねえ。自分の道は、自分で決めろ」
「正義ってのは正しい人間のことじゃない。勝った人間が正義になるんだ!」(一理あり
これからのヤクザは頭脳も必要ってことで、高山は法律大学に入る/驚
「企業は売り上げが落ちればリストラするが、俺たちはファミリーだ。
どんな状況に陥っても身内は見捨てるワケにはいかない。ウチにいるのはどこにも行き場のない奴らばかりだからな。
お前は刑事になれ。うんと偉くなって、オレとファミリーの力になってくれ」
途中から買収される刑事はいるとしても、警察学校からって!
彼にこの十数年間、人の道を説く人間は一人もいなかったのかな・・・
「保険のために厚労省の娘・末永万里を落とせ。証拠写真でも撮っておけば、いざという時に役に立つ」
言われた通り「ガールズバー」に行くと、先日の銀行強盗事件の逮捕劇を見て、刑事だとすぐにバレてしまう。
だが、親のつけたガードマンから逃れるために、高山の家に居候すると言い出す。
「父は偽善者よ」
マリは小説家を目指していて、多重人格の主人公は自身のことだと話す。
「だって、自分の人生は自分で決めることでしょ?」
高山は亡くなった小野寺のPCにスパイのデータが入ってるから調べてくれと菅原警備部部長に言われ、
必死にパスワードを入力するが入れない。
マリも同じカウンセラー・ナオコのもとに通っていて、高山のことを名を伏せて相談する。
マリ「自分のことを多重人格かもしれないって言う人ってどんな人?」
ナオコ「ストレスを告白する相手がいない。誰にも言えない秘密があるのかもしれない」
織田は、高山にマリをシャブ中にしろと命令する。「どんなにいい服を着ていても犬は犬だ」
マリとの共同生活に安心感を持つようになった高山は苦しむ。
亡き小野寺のケータイから森屋に電話する高山。
「県警の高山だ。小野寺さんの仇をとりたい。協力すれば警察官としての身分を戻してやる」
森屋「最後のチャンスに賭けてみる」
ナオコ「うまくいかなかったら?」
森屋「その時は死ぬだけだ。本当の自分に戻って、もう一度君に会いたい」
織田の麻薬取引に、今度は高山と森屋がモールス信号でやりとりする。
オフィスには、いったん逮捕された森屋がいて、
「危うくオレも捨て犬になるところでしたよ。敬礼しましょうか? 高山警部。
警察に戻ったら、真っ先に織田組の犬を見つけてみせます」
小野寺のPCを教えるが、高山こそが犬だと気づく森屋。
高山は早速アクセスし、森屋のデータを消去する(そんなにカンタンなんだ
高山は森屋を織田殺しの犯人に仕立て上げる。
ついに高山と森屋はビルの屋上で会う。小野寺が亡くなったビル。
「今すぐ県警に行ってデータを戻せ!」
「オレは善人になりたいんだ」
************************
結局、長年かけた潜入捜査は、どっちも水の泡か。切ないドラマだな。
ここで終わらずに、連ドラにしてもイイかも。
この2人の競演で面白くならないはずがない。
善悪はコインの裏と表。光があるから影がある。逆も真なり。
犯罪は憎むべきものだけれども、それぞれに背景があって、それを存続させている社会のシステムがある。
どちらも生まれた時は、まっさらな赤ちゃんだったことを考えると、
単純に悪だけを断罪できないのが人間社会なんだ。
出演:西島秀俊、香川照之、小日向文世、伊藤かずえ、伊藤淳史、和久井映見、蒼井優 ほか
2002年公開の香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品(ウィキ参照
トニー・レオンが主演ならきっと面白いだろうな。
気になってた1本。DVDは90分の2枚に分かれていて、危うく後編を先に見そうになった。危ない、危ない
西島さん好みのアクションも満載だし、とにかく人間関係が複雑極まりない。
高山は分かるけど、森屋はどうやって組の若頭補佐までのし上がったんだろう???
▼「潜入捜査編」(ネタバレ注意
織田組若頭補佐を偽る、神奈川県警潜入捜査官の森屋純(西島)は、最初は3年間と言われた潜入捜査が6年に延び
指輪など、小型カメラや通信機器で証拠写真データを送り、電話で情報を流していたが、
「もう限界です。オレを警察に戻してください」
と、上司で唯一この秘密を知る小野寺に頼むが、
織田組×黒新会の対立が進み、麻薬取引の摘発も近いことから「もう少しの辛抱だ」と留められる。
織田組はタイとの20億円相当の麻薬取引があり、そこを押さえようという計画。
(あんなに毎回、麻薬が上物かどうか確かめてたら中毒になっちゃうのでは?汗×5000
森屋は、兄弟分のヒロシに毎回「マッサージ行ってくる」と偽って、不眠のカウンセリングを受けている。
「オレは善人面には見えないか?」
なかなかココロを開かない森屋だったが、ある日、カウンセラーの西田奈緒子に「友だちの話だが・・・」と自分の置かれた境遇を話す。
「どっちが本当の自分か分からなくなっちまったんんだ」
「本当の自分は1人しかいない。自分から動き出さなきゃ本当の自分は見つけられないわ」
織田組は、取引場所に飛行場を指定するが、森屋はモールス信号で小野寺に情報を流す。
一方、神奈川県警警部で、実は織田組の潜入員の高山亮介(香川)もまた、捜査状況を逐一、織田に送り、捜査は難航する。
下っ端を逮捕しても、保釈金で2日で釈放。織田と小野寺は、互いの職場にスパイがいることを示唆する。
織田「犬飼ってるのはお互い様じゃないのか? 見つけ次第処分させてもらいますよ」
高山は栄転され、小野寺から「織田組の犬を探せ」と命令される。
映画館で組長と会い、組員全員に履歴書を提出させるように頼むが、どれも警察内のデータとは照合しない。
森屋「お前はヤクザには向いてない。足を洗ってラーメン屋をやれ」
ヒロシ「兄貴は?」
森屋「店長にしてくれるの?」
小野寺は一斉検挙のことを高山に話す。
高山は、部下の堺俊彦(高橋光臣さん、梅ちゃん先生の時の松岡さん!)に小野寺を24時間見張れと命令する。
ビルの屋上で小野寺と森屋は会って、データを渡す。
森屋「サツに戻ったら所帯を持ちたい。その時は仲人お願いします」
しかし、織田組が押し入り、小野寺は屋上から落とされる。
ヒロシ「ボスがゆってました。今日来なかった奴がサツの犬だって」
▼「偽装警察編」(ネタバレ注意
高山は少年時代、ヤクザの車を盗もうとして半殺しにされそうになっていたところを織田組長に助けられた。
「いい目をしてんなぁ、ついてこい」
高級料理店でステーキをご馳走になりながら、
「お前、金は生きものだって知ってるか? 人見知りで、寂しがり屋で、繊細な生きもの。
だから自分を大事にしてくれる人、可愛がってくれる人のところに集まるんだ」(随分、歪んだ見方だなあ
「お前、親いるのか? オレの息子になれ。ヤクザになれってゆってるんじゃねえ。自分の道は、自分で決めろ」
「正義ってのは正しい人間のことじゃない。勝った人間が正義になるんだ!」(一理あり
これからのヤクザは頭脳も必要ってことで、高山は法律大学に入る/驚
「企業は売り上げが落ちればリストラするが、俺たちはファミリーだ。
どんな状況に陥っても身内は見捨てるワケにはいかない。ウチにいるのはどこにも行き場のない奴らばかりだからな。
お前は刑事になれ。うんと偉くなって、オレとファミリーの力になってくれ」
途中から買収される刑事はいるとしても、警察学校からって!
彼にこの十数年間、人の道を説く人間は一人もいなかったのかな・・・
「保険のために厚労省の娘・末永万里を落とせ。証拠写真でも撮っておけば、いざという時に役に立つ」
言われた通り「ガールズバー」に行くと、先日の銀行強盗事件の逮捕劇を見て、刑事だとすぐにバレてしまう。
だが、親のつけたガードマンから逃れるために、高山の家に居候すると言い出す。
「父は偽善者よ」
マリは小説家を目指していて、多重人格の主人公は自身のことだと話す。
「だって、自分の人生は自分で決めることでしょ?」
高山は亡くなった小野寺のPCにスパイのデータが入ってるから調べてくれと菅原警備部部長に言われ、
必死にパスワードを入力するが入れない。
マリも同じカウンセラー・ナオコのもとに通っていて、高山のことを名を伏せて相談する。
マリ「自分のことを多重人格かもしれないって言う人ってどんな人?」
ナオコ「ストレスを告白する相手がいない。誰にも言えない秘密があるのかもしれない」
織田は、高山にマリをシャブ中にしろと命令する。「どんなにいい服を着ていても犬は犬だ」
マリとの共同生活に安心感を持つようになった高山は苦しむ。
亡き小野寺のケータイから森屋に電話する高山。
「県警の高山だ。小野寺さんの仇をとりたい。協力すれば警察官としての身分を戻してやる」
森屋「最後のチャンスに賭けてみる」
ナオコ「うまくいかなかったら?」
森屋「その時は死ぬだけだ。本当の自分に戻って、もう一度君に会いたい」
織田の麻薬取引に、今度は高山と森屋がモールス信号でやりとりする。
オフィスには、いったん逮捕された森屋がいて、
「危うくオレも捨て犬になるところでしたよ。敬礼しましょうか? 高山警部。
警察に戻ったら、真っ先に織田組の犬を見つけてみせます」
小野寺のPCを教えるが、高山こそが犬だと気づく森屋。
高山は早速アクセスし、森屋のデータを消去する(そんなにカンタンなんだ
高山は森屋を織田殺しの犯人に仕立て上げる。
ついに高山と森屋はビルの屋上で会う。小野寺が亡くなったビル。
「今すぐ県警に行ってデータを戻せ!」
「オレは善人になりたいんだ」
************************
結局、長年かけた潜入捜査は、どっちも水の泡か。切ないドラマだな。
ここで終わらずに、連ドラにしてもイイかも。
この2人の競演で面白くならないはずがない。
善悪はコインの裏と表。光があるから影がある。逆も真なり。
犯罪は憎むべきものだけれども、それぞれに背景があって、それを存続させている社会のシステムがある。
どちらも生まれた時は、まっさらな赤ちゃんだったことを考えると、
単純に悪だけを断罪できないのが人間社会なんだ。