1972年初版 内村瑠美子/訳
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジュニア世界の文学シリーズはその名の通り
子どもから大人に成長する際に読むのに最適な
素晴らしい作品ばかりが揃っている
耳が聞こえない父との2人暮らしで
子どもが母の代わりを務めるのはムリだよな
母を失った家庭に冷たい周囲の態度もひどい
空想に浸っていた幼年時代から無理やり成長せざるを得ず
周囲がみんな自分を嘲笑しているように見えて心を閉ざしている間は
色メガネで世界が歪んで見えることに本人は気づかない
こうした状態は大なり小なり、みんなあるよね
【内容抜粋メモ】
登場人物
父 アドルフ 耳が聞こえない
母 テレーズ
娘 マリー
叔母 エンマ
隣家シャンドワーヌ家
ジュスタン
ローズ 妻
フレデリック 息子 愛称キキ
ジェルメーヌ 女中
ヌヴィオン夫人 ローズの姉
エステル・ノブレ 薬剤師の娘
ポーリーヌ 親友
フィリップ
アネット 母レオンティーヌはベロー家の女中をしている
長いこと寝たきりだった母テレーズが亡くなり、父と6歳の娘マリーが遺された
父は狩猟での事故で完全に聴覚を失い、テレーズが病気になってから独り言がクセになっていた
父:
あいつら、わしからマリーを取り上げようとしやがった!
あのちびはわしが育てる! もう娘しかいないんだ
母が「ツライ時は自分にお話してあげれば、忘れることができる」と言っていたため
幼いマリーは空想の世界を作るようになる
奇妙な衣装を着たマリーを見て
隣家の女中ジェルメーヌは“ぼろぎれマリー”と言って笑う
ブドウの収穫が終わると、恒例の盛大な舞踏会が開催される
娘たちは1年中この日を夢見て、美しいドレスを思い描く
叔母エンマは、毎朝、マリーの世話に来てくれるが
貧しいため、いろんな手伝いに周り、来れない日もあり
家の中はたちまち荒れ放題になる
薬剤師の娘エステルはいつもお菓子を持っていて
子どもたちの上に立ち、マリーをからかう
フィリップだけはマリーの味方になってくれるが
マリーはキキを自分の騎士だと崇拝している
*
マリーは9歳になり小学校中等級に通う
アネットが転校してきて、2人は友だちになる
アネットは父の不在について何も話さないため、刑務所にいるんだと噂になる
父は借金を抱えて、仕方なくオー・ヴァンの土地を売り、トラクターを買う
親友ポーリーヌは隣り町の裁縫師のもとで働き始め
舞踏会で着るドレスを自分で縫うと宣言する
マリーもお針子になる夢を語る
マリー:そして、お金持ちでハンサムな青年と結婚するの
*
エンマと父が激しく言い争うのを見てしまう
アドルフ:
テレーズが死んでから何ひとつうまくいってないのは本当だ
人を雇ったが、彼らが何を思っているか分からない
雹が降って、果樹は病気になり、ブドウは日照りにあった
だが、娘は不自由ない暮らしができるようにテレーズに約束した
小さい王女さま 母さんはそう呼んでいた
エンマ:
あんたの夢なんてシャボン玉みたいなものよ
美しく七色に輝いて、そのうち割れて、手の中には何も残らない
*
エンマからアネットの父に関する話を聞く
腕のいい左官だったが、5mも落下して骨折し、高所恐怖症になり
2年後にはアルコール依存症で2年間専門病院で治療を受けた
ベロー家は一家をグルッス農場に雇うことにした
エステル:あのおばかさんはキキに恋してる!
キキ:僕は相手にしてないよ
という会話を耳にしてショックを受けるマリー
マリー:ぼろぎれマリー、夢なんかおしまいにするのよ!
幼年期の庭は扉を閉じた
自分の夢想という色めがねで見ていた外界に対して目を開くと
キキがいかに愚鈍かが分かった
父とフレドゥーが言い争った後、狩猟中にフレドゥーの犬が撃たれて死に
帽子が吹き飛ばされる事件が起きた
フレドゥーは密猟をしていたため訴えることは出来ないが
村の人々はアドルフがやったのではないかと疑う
マリーが今年のお祭りには行かないと言ったのに驚いて
父はドレスがないのが問題だと思い
自分のモノを売って金を作り夜会服をプレゼントする
マリーはそれを見て、グロテスクなほど悪趣味だと思うが
父を傷つけまいとドレスを着て出かけ
森で夜まで隠れていようとしてエステルに見つかり嘲笑される
雨の中、逃げ回ってドレスは破れ、母の名を叫び、高熱で倒れる
医師は転地をすすめ、高原の保養所に移る
陶器、絵画などの実技指導があるのに
マリーは人目を避けて、自分の殻に閉じこもる
ポーリーヌからの手紙で舞踏会の夜、エステルはマリーのドレスに嫉妬して笑ったため
みんなエステルのいじわるを非難して仲間外れにしていると教えるが
ポーリーヌの慈悲深いウソだと思う
マリーが裁縫で縫ったブラウスが一番高い値で売れたと褒められる
フレドゥーの帽子を撃ち抜いたのはキキで
シャンドワーヌ家は高い口止め料を払ったと父が話す
*
1年が経ち、マリーはもうすぐ17歳になる
帰宅する前にもう一度検査が必要だという手紙に慌てた父は
ブドウの収穫をせずに駆けつける
「南仏に雹の嵐が降り、ブドウが全滅」という記事を読み
アドルフ:破産だ・・・グランド・クレールを売らざるをえまい
父子は人目を避けて帰宅するが、心配した村人によってブドウは収穫されていたと分かる
すっかり美しくなったマリーに驚く友人たち
マリーはキキのダンスの誘いを断って、フィリップに家まで送って欲しいと頼む
大人の世界にも素晴らしい城がある
そして、これから探さねばならないのだ
■あとがき
夢想は必然的に他者の侵入を拒む孤独な世界のみのもので、現実の前には脆い
人生における真の夢には他者と関わる愛の裏付けがなければならない
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジュニア世界の文学シリーズはその名の通り
子どもから大人に成長する際に読むのに最適な
素晴らしい作品ばかりが揃っている
耳が聞こえない父との2人暮らしで
子どもが母の代わりを務めるのはムリだよな
母を失った家庭に冷たい周囲の態度もひどい
空想に浸っていた幼年時代から無理やり成長せざるを得ず
周囲がみんな自分を嘲笑しているように見えて心を閉ざしている間は
色メガネで世界が歪んで見えることに本人は気づかない
こうした状態は大なり小なり、みんなあるよね
【内容抜粋メモ】
登場人物
父 アドルフ 耳が聞こえない
母 テレーズ
娘 マリー
叔母 エンマ
隣家シャンドワーヌ家
ジュスタン
ローズ 妻
フレデリック 息子 愛称キキ
ジェルメーヌ 女中
ヌヴィオン夫人 ローズの姉
エステル・ノブレ 薬剤師の娘
ポーリーヌ 親友
フィリップ
アネット 母レオンティーヌはベロー家の女中をしている
長いこと寝たきりだった母テレーズが亡くなり、父と6歳の娘マリーが遺された
父は狩猟での事故で完全に聴覚を失い、テレーズが病気になってから独り言がクセになっていた
父:
あいつら、わしからマリーを取り上げようとしやがった!
あのちびはわしが育てる! もう娘しかいないんだ
母が「ツライ時は自分にお話してあげれば、忘れることができる」と言っていたため
幼いマリーは空想の世界を作るようになる
奇妙な衣装を着たマリーを見て
隣家の女中ジェルメーヌは“ぼろぎれマリー”と言って笑う
ブドウの収穫が終わると、恒例の盛大な舞踏会が開催される
娘たちは1年中この日を夢見て、美しいドレスを思い描く
叔母エンマは、毎朝、マリーの世話に来てくれるが
貧しいため、いろんな手伝いに周り、来れない日もあり
家の中はたちまち荒れ放題になる
薬剤師の娘エステルはいつもお菓子を持っていて
子どもたちの上に立ち、マリーをからかう
フィリップだけはマリーの味方になってくれるが
マリーはキキを自分の騎士だと崇拝している
*
マリーは9歳になり小学校中等級に通う
アネットが転校してきて、2人は友だちになる
アネットは父の不在について何も話さないため、刑務所にいるんだと噂になる
父は借金を抱えて、仕方なくオー・ヴァンの土地を売り、トラクターを買う
親友ポーリーヌは隣り町の裁縫師のもとで働き始め
舞踏会で着るドレスを自分で縫うと宣言する
マリーもお針子になる夢を語る
マリー:そして、お金持ちでハンサムな青年と結婚するの
*
エンマと父が激しく言い争うのを見てしまう
アドルフ:
テレーズが死んでから何ひとつうまくいってないのは本当だ
人を雇ったが、彼らが何を思っているか分からない
雹が降って、果樹は病気になり、ブドウは日照りにあった
だが、娘は不自由ない暮らしができるようにテレーズに約束した
小さい王女さま 母さんはそう呼んでいた
エンマ:
あんたの夢なんてシャボン玉みたいなものよ
美しく七色に輝いて、そのうち割れて、手の中には何も残らない
*
エンマからアネットの父に関する話を聞く
腕のいい左官だったが、5mも落下して骨折し、高所恐怖症になり
2年後にはアルコール依存症で2年間専門病院で治療を受けた
ベロー家は一家をグルッス農場に雇うことにした
エステル:あのおばかさんはキキに恋してる!
キキ:僕は相手にしてないよ
という会話を耳にしてショックを受けるマリー
マリー:ぼろぎれマリー、夢なんかおしまいにするのよ!
幼年期の庭は扉を閉じた
自分の夢想という色めがねで見ていた外界に対して目を開くと
キキがいかに愚鈍かが分かった
父とフレドゥーが言い争った後、狩猟中にフレドゥーの犬が撃たれて死に
帽子が吹き飛ばされる事件が起きた
フレドゥーは密猟をしていたため訴えることは出来ないが
村の人々はアドルフがやったのではないかと疑う
マリーが今年のお祭りには行かないと言ったのに驚いて
父はドレスがないのが問題だと思い
自分のモノを売って金を作り夜会服をプレゼントする
マリーはそれを見て、グロテスクなほど悪趣味だと思うが
父を傷つけまいとドレスを着て出かけ
森で夜まで隠れていようとしてエステルに見つかり嘲笑される
雨の中、逃げ回ってドレスは破れ、母の名を叫び、高熱で倒れる
医師は転地をすすめ、高原の保養所に移る
陶器、絵画などの実技指導があるのに
マリーは人目を避けて、自分の殻に閉じこもる
ポーリーヌからの手紙で舞踏会の夜、エステルはマリーのドレスに嫉妬して笑ったため
みんなエステルのいじわるを非難して仲間外れにしていると教えるが
ポーリーヌの慈悲深いウソだと思う
マリーが裁縫で縫ったブラウスが一番高い値で売れたと褒められる
フレドゥーの帽子を撃ち抜いたのはキキで
シャンドワーヌ家は高い口止め料を払ったと父が話す
*
1年が経ち、マリーはもうすぐ17歳になる
帰宅する前にもう一度検査が必要だという手紙に慌てた父は
ブドウの収穫をせずに駆けつける
「南仏に雹の嵐が降り、ブドウが全滅」という記事を読み
アドルフ:破産だ・・・グランド・クレールを売らざるをえまい
父子は人目を避けて帰宅するが、心配した村人によってブドウは収穫されていたと分かる
すっかり美しくなったマリーに驚く友人たち
マリーはキキのダンスの誘いを断って、フィリップに家まで送って欲しいと頼む
大人の世界にも素晴らしい城がある
そして、これから探さねばならないのだ
■あとがき
夢想は必然的に他者の侵入を拒む孤独な世界のみのもので、現実の前には脆い
人生における真の夢には他者と関わる愛の裏付けがなければならない