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ドラマW『誘拐』(2009)

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ドラマW(WOWOW)『誘拐』(2009)
原作:五十嵐貴久 監督:小林義則
出演:三上博史、西島秀俊、中越典子、和田聰宏、三吉彩花、小須田康人、金澤美穂、森下哲夫、中根徹、須永慶、上田益 ほか

▼story(ネタバレ注意
会社の人員削減をする担当になった秋月孝介は、家族ぐるみで仲が良かった葛原をリストラしたことで、葛原は一家心中を図る。
娘のカズハだけが生き残ったが、重体で心臓移植が必要な状態。
父親を尊敬し大好きだった秋月の娘・ヒロミは、事情を知ってショックを受け、マンションから投身自殺してしまった。

しばらくして、秋月は、同じくリストラした元経理の純子に、架空取引で横領していたことを知っていると話した上で
「500万円で君を雇いたい」と、ある壮大な計画に協力させる。
それは、佐山総理大臣が溺愛している孫娘・ユリの誘拐だった。

佐山は、歴史的な日韓友好条約締結のために韓国大統領来日まであと4日と迫り準備で多忙だったが、
秋月は「クルマに爆弾を仕掛けた」と、都内各所に電話をする。「真に受けるのは300人中1人いればいい」

韓国大統領来日の警備で都内の警察官の8割が出払っている状況で、「条約を中止することが条件だ」と言う犯人に、
北の特殊工作員の仕業か?、相手は組織的だ、と憶測が飛び交う。

そして、ユリが誘拐されたことを知って愕然とする佐山。「極秘に捜査するんだっ!」

 

捜査一課の星野警部(西島)は、上司の荒巻が保身から「自分は大統領の警護で手一杯だからお前に任せる」と命令される。
星野は「誘拐には警官5000人、最低2000人は必要です!」(それでも多いんだなあ/驚)と言うがムリだと一蹴される。

犯人は活動資金として30億円を要求。星野の分析では、
「誘拐は、身代金の受け渡し時が最大の逮捕のチャンスです。たとえ最悪の結果になっても、総理には同情票が集まるでしょう。
 しかし本当に北の仕業でしょうか? 総理は国内にも敵が多い」

 

佐山「一体、目的は何なんだ!」

星野「絶望の代償。もう失うものはないという絶望の淵で引き起こされる犯罪があります。
   犯人には、もう失うものなどなく、かといって欲しいものすらない」


そこに突然ユリを解放したというメールが届く。
佐山は安心して条約に調印するが、ユリのポケットに入っていたメモの指示を見て震える。メモは公表せず焼却してしまう。
佐山は、突然、記者会見を開いて「トキワ銀行には不正融資の疑惑がある」と発表する。
ニュースを受けて「金融パニック」が起き、トキワ銀行の株は暴落する。

 

星野「さあ、これからが本番だ」

 


墓参りをしに来たユリと、総理を辞任した佐山は、秋月に偶然出くわす。

佐山「ユリとはどういった?」
秋月「ユリちゃんは私の命の恩人なんです」

佐山「そうですか。実は私もユリにはいろいろ教えられました。人の命も、幸せも金では買えない。
   あなたはどう思いますか?」

秋月「私には分かりません。ただ、一つだけ言わせていただければ、この国は今、あなたが思うほど逞しくはない。
   本当に大切なものを守るためには、お金も無力だということに、みんなもう気づいてるんじゃないでしょうか?」





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