過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづきで、このノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『探偵 スルース』(1972)
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ 出演:ローレンス・オリヴィエ、マイケル・ケイン ほか
ミステリーもイイね。秋の夜長を一人で過ごす方法に。
この完璧に張り巡らされた罠、また罠に、観客は何度も騙される。
作家のアイデアと2大俳優の実力、そして映画そのもののトリックによって。
マイロの仕掛ける「証拠品探しなぞなぞゲーム」は、クイズオタク級でおもしろい。
一晩の間にこれだけのトリックを考え出すのは困難だと思うけど、そこはフィクション。
女一人のために命を懸けたゲームは勝負なし。ここにホームズがいたら?なんて想像するとより楽しい。
彼ならスラスラと裏を読んで謎を問いて先手を打つかも。
■『月夜の願い』(1993)
監督:ピーター・チャン 出演:トニー・レオン、レオン・カーファイ ほか
立ち見のヒット作になったのも納得。主演2人の豪華共演と脇を固める俳優も素晴らしく、
日本の夏の風景にも似たなんとも懐かしい郷愁に包まれる。
親を敬う中国らしい温かさと、驚くアイデアがつまった感動ファンタジー。
契約書を取り戻そうと、インド人や給女に扮するシーンも笑えるw
おさげ姿のカーフェイは『ラ・マン』のイメージとは180度別! ほんとイイ役者なんだね。
ファンタジーなのに現実との境目があやふやゴチャマゼがおもしろい。
ラストのメッセージ「過去を忘れてしまった人たちへ」「今を大切にすれば10年、20年後も心配ない」
記念写真でわざとハエをたたくふりして顔を隠すシーンもイイ。
そいや今作はWレオンとして話題になったんだっけ。テレビのインタビューに出てたの見たかも。
泣けて、笑えて、感動の1作。
■『ジキル博士はミス・ハイド』(1995)
監督:デビッド・F・プライス 出演:ショーン・ヤング ほか
これぞハリウッド式。ウケれば何でもOK!なコメディ。
主演はどこかで観たと思ったら、なんと『Made in Heaven』でシリアスな芸術青年を演じてたケビン・イエーガー
あの頃はもうちょっと細身でエドベリ系ハンサムだったのがシェイプアップのマッチョ型になって、しかもド派手な女装を披露。
ヒットのためならなんのその、大作大役の前にはこんな赤っ恥も必要。
ヤングのコケティッシュなセクシーさが生きてる。変身シーンは『マスク』に似てる。
社長役はD.エイクロイド風にいかにもボケ役にハマってるのがイイ。
ラストに流れる軽快ノリノリのテーマソングもナイス
時にはこーゆースッコーーーンと抜けた映画も娯楽で肩の力がぬけていいもんです。
■『友だちのうちはどこ?』(1987)
監督:アッバス・キアロスタミ 出演:ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマドプール、ボダバフシュ・デファイ ほか
なんともいえない緊迫感。観客も一気に子どもの視点に還らせる演出?
怒られて泣くシーンは本当?「子どもは殴ってしつけるもの」と当然のごとく説く大人
貧しく教育が行き届かず、仕事もない環境が子どもに与える影響、
成長して変わらぬ大人になる深刻さ、ほかいろいろ考えさせられる、『にんじん』みたい。
「問題は大人のいうことを早くやる躾なんだ。イラン人が外国人の半分の給料なのは“2度言われないとやらない”から」
「行儀のいい子はどうする?」「理由を見つけて、週に4回は殴るんだ」
一人暮らしの老人があんなに急な坂や階段をのぼるなんて大変。
家に着いても食事もとらず、強風に開いた戸もそのまま。机もなく隙間風ピューピュー。昔は日本もきっとこうだったのね。
「ポシェカからか?」「はい」「本当に?」「いいえ」てのが可愛い。嘘つけない生き物なんだよね、子どもって。
この純粋な良心はどこに失くしちゃうのかな?
こんなにシンプルでピュアで感動的なイラン映画に拍手!
同じ茶色のズボンが他人のだったりするフェイントも悲しかった。
■『新・アウター・リミッツ』(1995)
監督:スチュアート・ギラード 出演:ボー・ブリッジス ほか
『アメイジング・ストーリー』系の作品。テレビシリーズの映画版かな。
奇想天外なアイデアとなさそでありそに見せるリアルなSFX。
ちょっとアニメがまじっててチャッチイところもあったけどご愛嬌。キャラクターの不気味さで十分カバー。
火星の砂から発見された卵から知的生命体、しかもなんでも襲う怖い殺傷力を持ってるなんてXファイルな話にドキドキする。
マッドサイエンティストを演じるブリッジスが一番怖いかも。タモリより渋いナレーターの案内付き。
アマゾンの深い森の中にもこんな得体の知れないのはウヨウヨいるだろうね。
サイモンが憑かれたように受賞スピーチを繰り返して言うのがより怖さを盛り上げてる。
「家族より崇拝を求め、神の領域に侵入した者」には破滅が待ってる。とのナレーターの教訓。
■『若草物語』(1994)
監督:ジリアン・アームストロング 出演:ウィノナ・ライダー、ガブリエル・バーン ほか
この原作を読んで感動したのはいつだったか。どんなに感動しても、いつか記憶は薄れてしまう。
でもやっぱり人の心をつかむのは、書く側も精魂込めてなきゃ他人を感動させることはできない。
今作は原作を新鮮によみがえらせただけじゃやなく、マーチ家のその後の物語りもハッピーエンディングで飾り、
懐かしさと温かい感動で締めくくっている。
それぞれ個性の違うキャラクターを演じるキャスティングはピッタリ。
『秘密の花園』ほか名作を現代に生き返らせる映像で読む文学、絵画というのも映画ならでは。
■『グスコーブドリの伝記』(1994)
原作:宮沢賢治 監督:中村隆太郎
生誕百周年を記念した多数の催し、映画が公開されている中での今作。
原作は数ページものだが、よりリアルにイメージをふくらませてアニメーションでの素朴なタッチの絵と
幻想的シーンを加え、まさに賢治のエッセンスが詰め込まれた感動の一作に仕上がっている。
個人より皆の幸せのために命を捧げるという仏教の信念を反映していると同時に、
妹との別れは自伝にも通じるものがあって涙を誘わずにはいられない。
今の便利で平穏な暮らしがあるのは、人々のために研究や改良に苦心した人たちのおかげだと改めて感謝。
■『プリシラ』(1994)
監督:ステファン・エリオット 出演:テレンス・スタンプ、ガイ・ピアース ほか
ドラッグ・クイーン3人の運試しロードムーヴィ。こんな作品が東の果ての日本でも特別驚かずに
公平な評価を受けているのも牛歩の歩みながら、性は解放されつつあるってことだね。
でも改めてオカマさんって女性の味方か敵か分からない。その区別さえ越えたハイソサエティな存在かも。
この3人の俳優が演技か否か、やっぱり気になっちゃう。個性はあるけど、やっぱティム・カリーにはかなわないでしょ!
「女のほうがよっぽど対応が柔軟で強い」って言ってたけど、言えてるかも。忍耐力ってゆう強さなら。
I'v been to Paradice〜て歌、歌詞を初めて知ってこんなヘヴィな歌だったのね
その他のナンバーをド派手なコスチュームでパフォーマンスし、しばし非現実的な世界へトリップさせてくれるショーはとってもキレイ。
ラストの黒人歌手は女?男? 分かんなくなっちゃう。
クイーンが求めているのは、もしかして以前の古風な女性像じゃないかな。
力強い紳士を待って、結婚して、子どもを持つのが夢なら、女性の社会的自立には逆行してる。
中性化って意味なら喜んで受け入れるけど。単に自由選択ってことかな?
■『スカーレット・レター』(1995)
監督:ローランド・ジョフイ 出演:デミ・ムーア、ゲイリー・オールドマン、ロバート・デュヴァル ほか
最初『風と共に去りぬ』の関連と間違えたりしてピンとこなかったけど、『緋文字』の映画化。
短大で勧めるのもうなづける、これはストーリーといい、女性自立のテーマといい、素晴らしい名作。原作も読みたい。
結婚・出産を超えて、自由な女性役にデミは適役。G.オールドマン、R.デュヴァル等、個性ある役者が揃った。
またひとつ文芸超大作が映像美によってよみがえった。
口のきけぬ女中が密通の間に湯を浴びるシーンが官能的で美しい。
「愛と憎しみは紙一重ね。飼い慣らされる前に新しい世界へ行くわ」
「神の眼には誰が罪と映るかそうでないか、誰にも分からない」
「神のご加護を。あなたはすでに守られている」
女が考えを言うことが魔女として迫害された時代。吊し首はなくても、現代も女性の向上、進歩の歩みは遅く、難しい。
■『サイバー・コンパニオン』(1994)
監督:ブルース・フェルダー 出演:キャスリン・ハロルド ほか
これは単なるB級SFというより、眉村卓さんの「わがセクサロイド」なみに奥が深い。
このままハイテク化とロボット技術が進歩したら、人の夢はやはり人ソックリに動いて喋り、
命令できるサイボーグ、そして愛情まで注いでくれたら・・・
そんな心の隅間に入り込み、それに限りなく近いもの〜自ら学び、選択するようになったけれども、
結局、感情は人間のもので、機械に過信し、溺れた人の負けってことかな?
完璧な幸福観がとんでもない恐怖に変わる演出は見事。
ブルースの熱いロボット演技は鬼気迫る!
統制のきかないロボットは懲りたろうけど、永遠に裏切らず、いつも優しく愉しませてくれる人なんて、生身では難しい。
自分も傷ついて、それでも互いに努力して、それなりに妥協するしかないんだな。
完璧ハッピーエンディングなのはロマンス小説の中の恋人たちだけ。
でも、なんでもありの世の中でロボットとの交際、市民権を得る運動がおきる時代もきたりして。
エネルギーが切れちゃった時が悲しいな。すでに機械としか交流できない人はいるもの
すると『ネメシス』状態になっちゃうか。主従関係は保たなきゃ。そりゃ難題だ。て、まだSFの話。
【読書感想メモ】
「ぼくの伯父さんの休暇」原案・映画:JACQUES TATI 著:JEAN-CLAUDE CARRIERE
「ゾマーさんのこと」パトリック・ジュースキント著
【イベントメモ】
「入笠山登山、清里スキー場」with みーちゃん、家族
「鎌倉ハイキング」建長寺、瑞泉寺庭園
part5からのつづきで、このノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『探偵 スルース』(1972)
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ 出演:ローレンス・オリヴィエ、マイケル・ケイン ほか
ミステリーもイイね。秋の夜長を一人で過ごす方法に。
この完璧に張り巡らされた罠、また罠に、観客は何度も騙される。
作家のアイデアと2大俳優の実力、そして映画そのもののトリックによって。
マイロの仕掛ける「証拠品探しなぞなぞゲーム」は、クイズオタク級でおもしろい。
一晩の間にこれだけのトリックを考え出すのは困難だと思うけど、そこはフィクション。
女一人のために命を懸けたゲームは勝負なし。ここにホームズがいたら?なんて想像するとより楽しい。
彼ならスラスラと裏を読んで謎を問いて先手を打つかも。
■『月夜の願い』(1993)
監督:ピーター・チャン 出演:トニー・レオン、レオン・カーファイ ほか
立ち見のヒット作になったのも納得。主演2人の豪華共演と脇を固める俳優も素晴らしく、
日本の夏の風景にも似たなんとも懐かしい郷愁に包まれる。
親を敬う中国らしい温かさと、驚くアイデアがつまった感動ファンタジー。
契約書を取り戻そうと、インド人や給女に扮するシーンも笑えるw
おさげ姿のカーフェイは『ラ・マン』のイメージとは180度別! ほんとイイ役者なんだね。
ファンタジーなのに現実との境目があやふやゴチャマゼがおもしろい。
ラストのメッセージ「過去を忘れてしまった人たちへ」「今を大切にすれば10年、20年後も心配ない」
記念写真でわざとハエをたたくふりして顔を隠すシーンもイイ。
そいや今作はWレオンとして話題になったんだっけ。テレビのインタビューに出てたの見たかも。
泣けて、笑えて、感動の1作。
■『ジキル博士はミス・ハイド』(1995)
監督:デビッド・F・プライス 出演:ショーン・ヤング ほか
これぞハリウッド式。ウケれば何でもOK!なコメディ。
主演はどこかで観たと思ったら、なんと『Made in Heaven』でシリアスな芸術青年を演じてたケビン・イエーガー
あの頃はもうちょっと細身でエドベリ系ハンサムだったのがシェイプアップのマッチョ型になって、しかもド派手な女装を披露。
ヒットのためならなんのその、大作大役の前にはこんな赤っ恥も必要。
ヤングのコケティッシュなセクシーさが生きてる。変身シーンは『マスク』に似てる。
社長役はD.エイクロイド風にいかにもボケ役にハマってるのがイイ。
ラストに流れる軽快ノリノリのテーマソングもナイス
時にはこーゆースッコーーーンと抜けた映画も娯楽で肩の力がぬけていいもんです。
■『友だちのうちはどこ?』(1987)
監督:アッバス・キアロスタミ 出演:ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマドプール、ボダバフシュ・デファイ ほか
なんともいえない緊迫感。観客も一気に子どもの視点に還らせる演出?
怒られて泣くシーンは本当?「子どもは殴ってしつけるもの」と当然のごとく説く大人
貧しく教育が行き届かず、仕事もない環境が子どもに与える影響、
成長して変わらぬ大人になる深刻さ、ほかいろいろ考えさせられる、『にんじん』みたい。
「問題は大人のいうことを早くやる躾なんだ。イラン人が外国人の半分の給料なのは“2度言われないとやらない”から」
「行儀のいい子はどうする?」「理由を見つけて、週に4回は殴るんだ」
一人暮らしの老人があんなに急な坂や階段をのぼるなんて大変。
家に着いても食事もとらず、強風に開いた戸もそのまま。机もなく隙間風ピューピュー。昔は日本もきっとこうだったのね。
「ポシェカからか?」「はい」「本当に?」「いいえ」てのが可愛い。嘘つけない生き物なんだよね、子どもって。
この純粋な良心はどこに失くしちゃうのかな?
こんなにシンプルでピュアで感動的なイラン映画に拍手!
同じ茶色のズボンが他人のだったりするフェイントも悲しかった。
■『新・アウター・リミッツ』(1995)
監督:スチュアート・ギラード 出演:ボー・ブリッジス ほか
『アメイジング・ストーリー』系の作品。テレビシリーズの映画版かな。
奇想天外なアイデアとなさそでありそに見せるリアルなSFX。
ちょっとアニメがまじっててチャッチイところもあったけどご愛嬌。キャラクターの不気味さで十分カバー。
火星の砂から発見された卵から知的生命体、しかもなんでも襲う怖い殺傷力を持ってるなんてXファイルな話にドキドキする。
マッドサイエンティストを演じるブリッジスが一番怖いかも。タモリより渋いナレーターの案内付き。
アマゾンの深い森の中にもこんな得体の知れないのはウヨウヨいるだろうね。
サイモンが憑かれたように受賞スピーチを繰り返して言うのがより怖さを盛り上げてる。
「家族より崇拝を求め、神の領域に侵入した者」には破滅が待ってる。とのナレーターの教訓。
■『若草物語』(1994)
監督:ジリアン・アームストロング 出演:ウィノナ・ライダー、ガブリエル・バーン ほか
この原作を読んで感動したのはいつだったか。どんなに感動しても、いつか記憶は薄れてしまう。
でもやっぱり人の心をつかむのは、書く側も精魂込めてなきゃ他人を感動させることはできない。
今作は原作を新鮮によみがえらせただけじゃやなく、マーチ家のその後の物語りもハッピーエンディングで飾り、
懐かしさと温かい感動で締めくくっている。
それぞれ個性の違うキャラクターを演じるキャスティングはピッタリ。
『秘密の花園』ほか名作を現代に生き返らせる映像で読む文学、絵画というのも映画ならでは。
■『グスコーブドリの伝記』(1994)
原作:宮沢賢治 監督:中村隆太郎
生誕百周年を記念した多数の催し、映画が公開されている中での今作。
原作は数ページものだが、よりリアルにイメージをふくらませてアニメーションでの素朴なタッチの絵と
幻想的シーンを加え、まさに賢治のエッセンスが詰め込まれた感動の一作に仕上がっている。
個人より皆の幸せのために命を捧げるという仏教の信念を反映していると同時に、
妹との別れは自伝にも通じるものがあって涙を誘わずにはいられない。
今の便利で平穏な暮らしがあるのは、人々のために研究や改良に苦心した人たちのおかげだと改めて感謝。
■『プリシラ』(1994)
監督:ステファン・エリオット 出演:テレンス・スタンプ、ガイ・ピアース ほか
ドラッグ・クイーン3人の運試しロードムーヴィ。こんな作品が東の果ての日本でも特別驚かずに
公平な評価を受けているのも牛歩の歩みながら、性は解放されつつあるってことだね。
でも改めてオカマさんって女性の味方か敵か分からない。その区別さえ越えたハイソサエティな存在かも。
この3人の俳優が演技か否か、やっぱり気になっちゃう。個性はあるけど、やっぱティム・カリーにはかなわないでしょ!
「女のほうがよっぽど対応が柔軟で強い」って言ってたけど、言えてるかも。忍耐力ってゆう強さなら。
I'v been to Paradice〜て歌、歌詞を初めて知ってこんなヘヴィな歌だったのね
その他のナンバーをド派手なコスチュームでパフォーマンスし、しばし非現実的な世界へトリップさせてくれるショーはとってもキレイ。
ラストの黒人歌手は女?男? 分かんなくなっちゃう。
クイーンが求めているのは、もしかして以前の古風な女性像じゃないかな。
力強い紳士を待って、結婚して、子どもを持つのが夢なら、女性の社会的自立には逆行してる。
中性化って意味なら喜んで受け入れるけど。単に自由選択ってことかな?
■『スカーレット・レター』(1995)
監督:ローランド・ジョフイ 出演:デミ・ムーア、ゲイリー・オールドマン、ロバート・デュヴァル ほか
最初『風と共に去りぬ』の関連と間違えたりしてピンとこなかったけど、『緋文字』の映画化。
短大で勧めるのもうなづける、これはストーリーといい、女性自立のテーマといい、素晴らしい名作。原作も読みたい。
結婚・出産を超えて、自由な女性役にデミは適役。G.オールドマン、R.デュヴァル等、個性ある役者が揃った。
またひとつ文芸超大作が映像美によってよみがえった。
口のきけぬ女中が密通の間に湯を浴びるシーンが官能的で美しい。
「愛と憎しみは紙一重ね。飼い慣らされる前に新しい世界へ行くわ」
「神の眼には誰が罪と映るかそうでないか、誰にも分からない」
「神のご加護を。あなたはすでに守られている」
女が考えを言うことが魔女として迫害された時代。吊し首はなくても、現代も女性の向上、進歩の歩みは遅く、難しい。
■『サイバー・コンパニオン』(1994)
監督:ブルース・フェルダー 出演:キャスリン・ハロルド ほか
これは単なるB級SFというより、眉村卓さんの「わがセクサロイド」なみに奥が深い。
このままハイテク化とロボット技術が進歩したら、人の夢はやはり人ソックリに動いて喋り、
命令できるサイボーグ、そして愛情まで注いでくれたら・・・
そんな心の隅間に入り込み、それに限りなく近いもの〜自ら学び、選択するようになったけれども、
結局、感情は人間のもので、機械に過信し、溺れた人の負けってことかな?
完璧な幸福観がとんでもない恐怖に変わる演出は見事。
ブルースの熱いロボット演技は鬼気迫る!
統制のきかないロボットは懲りたろうけど、永遠に裏切らず、いつも優しく愉しませてくれる人なんて、生身では難しい。
自分も傷ついて、それでも互いに努力して、それなりに妥協するしかないんだな。
完璧ハッピーエンディングなのはロマンス小説の中の恋人たちだけ。
でも、なんでもありの世の中でロボットとの交際、市民権を得る運動がおきる時代もきたりして。
エネルギーが切れちゃった時が悲しいな。すでに機械としか交流できない人はいるもの
すると『ネメシス』状態になっちゃうか。主従関係は保たなきゃ。そりゃ難題だ。て、まだSFの話。
【読書感想メモ】
「ぼくの伯父さんの休暇」原案・映画:JACQUES TATI 著:JEAN-CLAUDE CARRIERE
「ゾマーさんのこと」パトリック・ジュースキント著
【イベントメモ】
「入笠山登山、清里スキー場」with みーちゃん、家族
「鎌倉ハイキング」建長寺、瑞泉寺庭園