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Channel: メランコリア
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notes and movies(1996.7〜 part4)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『STRANGE DAYS』(1995)

監督:ジェームズ・キャメロン 出演:ラルフ・フェエネス、アンジェラ・バセット、ジュリエット・ルイス ほか
さすがSFを取らせたらキャメロン。戸田奈津子さんの翻訳!
たっぷり2H超えるドラマが全て2000年を迎える1晩前の話って設定も面白い。
そう遠くない今から4年後だから超近未来、現在の姿といってもいくらいで、これだけ毒されている。
みんな武器を所持していないと何が起こるか分かんないって世界。

暴動シーンでは、よくこれだけのエキストラ集めて撮影したね/驚
ちゃんとキャストをモノクロ写真で紹介する方法もイイ。音楽もマッチ。パンク系やラップも
これから空手でも習っておいたほうがイイかも。防犯スプレーを犬にかけるのはNG
ラストはまるで『イナゴの日』の混乱ぶり。世界は一体どーしちゃったわけ?
アンジェラの紙ふぶきにうずもれるストップモーション。
でも警察が一応片を付けてくれてホッとした。アテにならない国もいっぱいあるからね。


■『ブルー・イン・ザ・フェイス』(1995)

監督:ウェイン・ワン 出演:ハーベイ・カイテル、ルー・リード、マイケル・J.フォックス、ジム・ジャームッシュ、マドンナ ほか
これこそ娯楽を追求した映画そのもの。ハイセンスなユーモアと情感でブルックリンを称える賛歌。
カイテルの魅力が最大限に生かされている。出演者みんな素晴らしい!

ルー・リードから始まる「ニューヨーカーってのは、ズルズル住みついてる連中だ。オレもそろそろ35年、出てもいい頃だ。
子どもの思い出は悪いことばかりで忘れた。眼鏡のフレームはオレの未来だ」
ラストのキメもカッコイイロックは新曲? ますます元気で、こんなジョークをいえるほど丸くなったのね。

マイケルのブっ飛んだ天才青年はサイコー!くだらん質問が次から次へ飛び出す。楽しんでいるのがイイ。
高枝切りバサミみたいなものにハマってるおじさんもサイコー!
いろんな人種が寄り集まって何でもありの界隈。だけど皆この町を愛してる。油断もスキもない親友って感じに。
ラストは温かい。店を継ぐ話も現代のおとぎ話風で心がほんわか温まる。


■『9か月』(1995)
監督:クリス・コロンバス 出演:ヒュー・グラント、ジュリアン・ムーア、ロビン・ウィリアムズ ほか
音楽:♪The time of your life、♪These are the days(V.モリソン)、♪Let's get it on、
♪Baby I love you(ザ・ロネッツ)、♪Turn back the hands of time(タイロン・デヴィッド)、♪19th nervous breakdown(ストーンズ)

『モーリス』のイメージに留まらず『フォー・ウェディング』以来コメディ演技で一躍ハリウッドスターの仲間入りのグラント。
スノッブな英国人タイプを利用してつっかかる早口な喋りとハンサムなルックスのアンバランスさがスタイル。
ルーティンのドタバタ喜劇でロシア人産婦人科医のロビンが笑わせる。

サントラもイイ
♪Be My Baby とほぼ同じノリのロネッツの曲もwall of sound が効いてる。
V.モリソンのバラードは暖炉の炎と寄り添うカップルのダンスタイムにピッタリだね。
『N.Y.の迷子たち』のジョン・キューザックほか助演もイイ。

「親になる試験はない」誰でもなれるからこそ、本当はとっても責任あるドタバタの出来事なんだね。
ラストに流れるたくさんの赤ん坊時代の写真
彼らも反抗期には「親なんかクソッタレだ」って一度は思ったに違いない。親の心子知らずか。


■『テキサスの風』(1992)
監督:マイケル・リンジー・ホッグ 出演:フレデリック・フォレスト、ブラッド・デイヴィス ほか
今までフシギな映画はいろいろあったけど、今作の独特の雰囲気はまた違ってる。
このテクノロジーの時代から一気に'35に飛んで、まるで観客を必要とせず本当にタイムトリップしたよう。
舞台向き、文学的、フォレストが久々演技の見せどころで、全然変わらぬ姿にファンとしは嬉しいかぎり。
テキサスって土地柄もあるけど、とにかくストレートだったのね。何もかも。
くさいドラマを地でやったようなもの。今じゃテレビの世界。でもこの不幸のどん底な状況はノンストップで追いつけないくらい。
難解なのは原作か?監督の仕業か? んーーーやっぱりフシギだ。原作読めば合点するかも?
ハートンって作家? ジュニアが出演しているみたいだけど子どもかしら?共演陣もしっかり固めている。


■『キャリントン』(1995)

原作:マイケル・ハロイド『LYTTON STRACHEY』
監督:クリストファー・ハンプトン 出演:エマ・トンプソン、ジョナサン・プライス ほか
なんて切ない話だ。本気で誰かを愛するって大きな喜びと悲痛な苦しみの背中合わせ。
J.プライスには驚いた。『未来世紀ブラジル』とは180度の転換。
だんなと別れてフリーになったらしい新しいエマの体当たり演技とともに今年のベスト10入り。
ラスト、作品中にも出てくる本当の絵が紹介される。自伝そのもののテーマばかり。
こんな画家もいたのかと制作者ほかスタッフに感謝。


■『セブン』(1995)

監督:デビッド・フィンチャー 出演:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ ほか
結構おもしろいじゃん。噂で『羊たちの沈黙』のほうがイイとか、ブラピのファンは期待ハズレだとか、
猟奇殺人ものがどんどんエスカレートして、観る客もちょっとじゃ驚かなくなってる。
Why the world gone wrong so? D.ボウイの乾いたラジオみたいな音楽とコラージュ的な最初の映像が凝ってる。
「日常の狂気」か。ラストの啓示のセリフが効いてる。
「ヘミングウェイいわく“この世は素晴らしい。戦う価値がある”後の行に賛成だ」
「オレは選ばれた。仕事を楽しむのは普通だ。人々は永遠に教訓とするだろう」
「ワイドショーにネタを提供して2週間で忘れられるさ」のほうが信じられるね。
しかし神さまはこんなこと望みやしないよ。


■『ショウ・ガール』(1995)
監督:ポール・バーボーベン 出演:エリザベス・バークレー、カイル・マクラクラン ほか
ここまでくるとソフトポルノ。特別コーナーにいってもよさそうだけど、
ヴェガスのショービジネスの裏側を描いたんだからそうはならない。一応R指定。
裸が氾濫しててあまり過激に誇張されるとイヤらしさよりやっぱショーなんだな。
この男社会に野望を抱いて成功し、一発ケリを入れるまで。色、欲、野心、イジメ、ドタバタな世界。
ノエミことバークレーの激演に注目。

玄米と野菜の食事、犬の缶詰めまで食べて、モデル業界とかみんなイッちゃってるよ
コカイン吸いまくりだし。『ツイン・ピークス』で人気爆発したカイル。その後も順調。
『Xファイル』が完了したらドゥキャブニーもこんな過激な作品に出るかね。
整形手術の技か否か、とにかく完璧、美の俳優らのレズっぽいシーンもとにかく美しい!のひと言。


■『ルナティック・ラブ』(1992)
監督:アンドリュー・バーキン 出演:シャルロット・ゲンズブール、アンドリュー・ロバートソン ほか
近親相姦というショッキングなテーマだけど、薄暗い湿り気は全くないむしろとってもピュアで自然そのものの美しさをたたえた作品。
永遠のロリータ、J.バーキンファミリーが総結集。シャルロットも20代とは思えない純真な魅力を失っていない。
オーディションによる初出演のロバートンは『ヴェニスの商人』の少年に似た、女性的美しさ。
親がいないと保護するものがなくなり不安と寂しさがあるけど、
子どもだけの自然体な世界はより自由で平和で美しいものになり得る。
無知であっても互いに補える関係。罪悪感を感じるのはいつも罪を犯す大人から教え込まれるものだ。
トムが大きくなったら「遠い声 遠い部屋」の主人公みたくなるのかしら? ま、それもひとつの生き方。


■『無伴奏「シャコンヌ」』(1994)
監督:シャルリー・ヴァン・ダム 出演:リシャール・ベリ ほか
このこだわりよう、タルコフスキーを思わせる。ここまでつきつめると音楽もひとつの“生きる糧”。
音色を魂の叫び、相手の魂へ響かせる究極のものにするのに彼がメトロを選んだのはなぜか?
うなだれた人々はその魂の音色に勇気を得て、地上へと上がってゆく。このライトの使い方が感動的。
船でトンネルを行くイメージ映像、自然のありのままの美しさ、この曲聴き覚えがあるけど、なんて曲かな?
クラシックは難解なイメージがあるけど、昔の作曲家はなんてことない生きる根本的な愛だの、
自然の美しさや哀しみだのを音符につづっていたんだよね。
彼はこのあとどうしたのかな? ストリートパフォーマーにでもなったかしら?とにかく演奏シーンに力入っている。

こんな時になんだけど「エースをねらえ」でコーチを失って、どん底から這い上がろうとするヒロインと僧になった親友のことを思い出した。
「テニスなんて、なんてことないものだ。しかし時にそのなんでもないものが生きてゆく理由になる」この境地だよね。
メトロには生きたアーティストが隠れてるんだな。アコーディオンの音も温かい

「彼は無心で弾いているのよ」
批評に高められる名プレーヤーと観客の関係は時に金と名声、
プレッシャーがからんで真に音楽を楽しむことのない無機質なものになるってメッセージ。


■『ネメシス』(1992)
監督:アルバート・ビュン 出演:オリバー・グラナー ほか
なぜ近未来ものはどれも無機質でこんなに乾いてるのかな。
アクションものはどれも個がなくて、一人ひとりの人格もなければ命の価値もないに等しい。
今作はとにかくgun, gun, gun!!! やっぱ『ターミネーター』は越えられない。あれには愛が通ってたもの。
妙に中途半端なラストで続編に続くワケで、この先2人がどう世直しにとりかかったか、サイボーグ界のドンが誰かは気になる。
女性が機械の体を得て、よりパワフルに、男同様、それ以上の強さを持ったってアイデアは気に入ったけど、売春や立場はちっとも変わってないじゃん。
あとは延々の追いかけっこ。野を越え、川越え、こんなシーン、環境保護団体が黙っちゃいないよ。
いつも木をドンパチ傷つけ倒してたら2027年には森と川なんかないぞ
オリバーほか本当に機械じみた俳優総出演で、クールなマッチョぶりを披露。
その前のアクション映画の長々とした宣伝でも分かるとおり、アクションフリークのための1本って感じ。


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