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『クリスマス事典』(あすなろ書房)

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『クリスマス事典』(あすなろ書房)
国際機関日本サンタピア委員会/監修

クリスマス本。というより、クリスマスのことが分かる本

日本人は、クリスマスというと、ケーキ、ツリー、イルミネーション、プレゼント交換、恋人と過ごす・・・等々のイメージが強いけれども、
それぞれのルーツはほとんど知らないことが多いということが改めて分かった。

しかも、本場の欧米ですら、時代によって意味合いが変わり、様々な文化、古くからあった風習、
その後、後付けされたものも多いってことも分かって驚いた。

「クリスマスって、本当はイエス・キリストの誕生日が元なんだよ」といっても、その誕生日ですらハッキリしなかったり、
本書を読むと、どちらかというと「太陽」を崇めていた原始のニンゲンの姿が投影されている気がした。

それにマリア様の「処女懐胎」も、恋人ヨゼフさんとの間に普通に産まれたのでは?

サンタクロースは、司教さん
昔のおじいさんは、見知らぬ子どもたちに贈り物を配って優しいなあ。
今は「高齢者」として、大事にされるばかりな感じがするけれども。。。

サンタへの手紙は、政府の苦肉の策だったんだ
費用1200円は高い 人件費、切手代、カード代に必要なのね。
だんだん生々しい話になってきました
むしろ、全国から集まった1200円を、貧しい国々の子どもたちに贈ればいいと思うが・・・

そんないろんなことが『聖☆おにいさん』のネタになりそう
宗教ひとつとっても、ニンゲン世界って矛盾に満ちたフシギなことばかり。

本書の制作に「教文館」「原書房」から発行された本がたくさん資料として使われていた。

ところどころに入ってるイラストがレトロで可愛い。

 
この天使たちは、翼込みの服を着ているのかい?w


【内容抜粋メモ】

クリスマスはイエス・キリストの誕生日を祝う日
ナザレ村のマリヤのもとに、大天使ガブリエルがきて「あなたは男子を産むでしょう。そのコにイエスと名付けなさい」と言われる。
婚約者ヨゼフとともに、ベツレヘムに行き(ヨゼフの故郷。住民調査に応じるため←意外とフツー)、宿がないので、馬小屋で男子を産んだ。
イエスの誕生を天使から最初に教えられたのは、ベツレヘムの近くでヒツジの群れの番をしていた羊飼いたち
イエス=神の救い、キリスト=救い主という意味。


イエス・キリストはどんな人?
貧困、病気に苦しむ人々を助け、「もうすぐ苦しみのない神の国が来る」と教えた。「キリスト教」
それを憎む人たちに、十字架にかけられ殺されたが、3日後に復活し、弟子たちに布教の準備をさせて昇天した。


クリスマスはなぜ12月25日?
イエスの誕生日とされているから。でも、1月6日、3月27日説もある。
昔から日照時間がもっとも短い「冬至」に、太陽を祀る祭りをしていた
そこからクリスマスが12月25日に選ばれた。


クリスマスツリーを飾るわけ

ドイツでは、昔、冬至に、緑の葉(命の象徴)をつける枝を家の中に飾っていた。
キリスト教の劇中で、「エデンの園」にモミの木を小道具に使った、などから。


クリスマスの飾りはいつから、いつまで?
クリスマスの準備は大体11月の終わりから始めて、ヨーロッパでは1月6日にツリーなどを片付ける。
1月6日は東方の三博士が、イエス誕生を祝いに来た日。

「東方の三博士」
星占いの学者と考えられている。
聖書には3人とは書かれていないが、贈り物が3つだったので博士も3人になった。


ロウソクを飾る

ロウソクの明かりは、この世界を照らすイエスを表す。
冬至の祭りで、ロウソクや焚き木を燃やしていたのが起源と言われる


クリスマス・プレゼント
諸説あるが、昔、ヨーロッパの祭りにプレゼント交換の習慣があった。
オランダ、ベルギーでは、12月5日にセント・ニコラスがプレゼントを配っていた。

最初のクリスマス・プレゼントは、東方の三博士がイエスに捧げた「黄金」「没薬」「乳香」。
「黄金」イエスが王であることを表す。
「没薬」カンラン科の木からとる樹液。イエスの死を表すとされる。イエスの遺骸を包んだ布に浸み込ませたとも言われる(誕生日に死のプレゼントって・・・
「乳香」カンラン科の木からとる樹脂。燃やすとよい香りがする。


サンタクロース

もとの名前は「セント・ニコラス」。現トルコにいた司教。
オランダでは「シンタクラース」と呼ばれ、アメリカに伝わり「サンタクロース」になった。

【各国での呼び名】
イギリス:「ファーザー・クリスマス」太陽神に関係がある
スウェーデン:「ユールトムテン」ユールはクリスマス、トムテンは小人の大人(ややこしいな)。ちなみに小人の子どもはトムテ。
フィンランド:「ヨウルプッキ」ヨウルはクリスマス、プッキはヤギのこと。昔、おじいさんがヤギを連れたり、ヤギのお面をかぶって贈り物をした。
ドイツ:「クリスト・キント(幼子イエスの意味)」「ヴァイナハツマン(クリスマスおじさんの意味)」。


サンタクロースは本当にいるの?

1897年、アメリカの8歳の女の子が質問し、『ニューヨーク・サン新聞』の記者・フランシス・チャーチは、
「この世の中に、愛や思いやり、真心があるのと同様に、サンタクロースもたしかに存在します。
 見たことがないからといって、いないと思うのは、まちがっています」と社説で答えた。
今でもアメリカの新聞、雑誌等に紹介されている。
これをまとめた『サンタクロースっているんでしょうか?』(偕成社)という本がある。


サンタクロースの赤い服
セント・ニコラスは司教で、司教の正式な服装が赤だったこと、人々の幸せのために自分の命も捧げるという決意の表れでもある。
イエスが人々を救うために流した赤い血の色とも言われる。
みんなが思い浮かべるイメージは、アメリカの漫画家トマス・ナストのイラストが元と言われる。



サンタクロースが乗るトナカイのソリ
1822年、アメリカの詩人クレメント・ムーアがイヴに書いた詩「クリスマスの前の夜」が元。
8頭のトナカイにはそれぞれ名前がある。
Rudolph(ルドルフ)、Dasher(ダッシャー)、Dancer(ダンサー)、Prancer(プランサー)、Vixen(ヴィクゼン)、
Comet(コメット)、Cupid(キューピッド)、Dunder(ダンダー)、Blitzen(ブリッツェン)。


靴下をつるす
セント・ニコラスの伝説が元と言われる。
昔、貧しい父と3人の娘がいて、結婚資金もないばかりか、娘を売ってお金にしようとしていた(おいおい
セント・ニコラスは、お金の入った袋を家に投げ込むと、暖炉のそばに吊るしてあった靴下に入った。
おかげで娘たちは無事、結婚できた(すごい命中率! てか、手渡しでもよかったのでは?w


クリスマス・カード

世界で初めて発売されたイギリスのクリスマス・カード(1843年)

クリスマス・カードは12月24日までに届くように送る(日本の年賀状みたいだね


日本でクリスマスを祝いはじめたのは?
明治8年、東京の原女学校と言われる。日本風に裃、腰刀をさし、かつらをつけた?!
キリスト教が長いこと禁じられ、1873年、ようやく認められた。


クリスマスのお菓子
フランス:ビュッシュ・ド・ノエル(クリスマスの薪)

ドイツ:シュトーレン
イギリス:クリスマス・プディング
その他:ジンジャー・クッキー


クリスマスのごちそう
アメリカ:七面鳥(もともとアメリカ周辺にだけいた鳥だったため

イギリス:アメリカから輸入した七面鳥
フィンランド:ブタ
イエスの誕生日にブタだけはお祝いだけを言うつもりで何も持ってこず、ブーブー鳴くだけでうるさがられた罰として食べられた/涙
(ひどすぎる・・・昔、読んだ児童書『ドリトル先生物語』で、動物の言葉を解する獣医師・ドリトル先生と動物たちが囲む食卓に
 大きな焼肉やらが並んでいて、「その肉は誰の・・・?!」て泣きそうになったことを思い出した


♪きよしこの夜
作詞:オーストリアの神父ヨゼフ・モール、作曲:オルガン奏者のフランツ・グルーバー。
1818年、教会のオルガンが壊れて、ギターで伴奏できる新しい曲を作ったのがこの歌。


Xmas
英語でクリスマスは「Christmas」、ギリシア語では「XPI∑TO∑」と書く。その「X」と「mas」を混ぜた。
Christmasの「Christ」はキリスト、「mas」は祭りの意味。


南国のクリスマス
オーストラリアのクリスマスも12月25日だが、季節は夏。



サンタクロースに手紙を出すには?
「国際機関日本サンタピア委員会」(1996年)に出すと、サンタクロースから返事が届く。
1980年発足。日本の子どもたちが出す宛先不明のサンタクロースへの手紙の処置が問題になり、当時の通商産業大臣の要請で調査を開始。
1984年、通商産業省の指導・後援、郵政省の協力のもと「サンタクロース郵便局」を開設

「サンタクロースからの手紙」
問い合わせ先:03-5440-1781
費用:1200円(税別)(2001年)
締め切り:11月末日 国際機関日本サンタピア委員会必着
(今もやっているんだろうか???


【クリスマス用語】

アドベント
クリスマスの準備期間。11月30日にもっとも近い日曜日を1回目として4回の日曜日を含めて、12月24日のイヴまでの約4週間。「待降節」

アドベント・カレンダー
12月1日~24日までのカレンダー。

オーナメント
ツリーなどにつけるクリスマスの飾り。

クリスマス・キャロル
♪きよしこの夜、♪もろびとこぞりて などクリスマスを祝う賛美歌。

クリスマスの植物
冬でも緑の葉をつける常緑樹、イエスの血の色を表す赤い実をつけるもの、冬に花を咲かせるものなど。
例:クリスマスローズ(日本のクリスマスローズは、春に咲く品種


月桂樹
クスノキの常緑樹。古代ギリシア、ローマでは太陽神に捧げていた


クリスマス・カードの絵柄でよく使われる。魔物や病気から守ってくれたり、不死の象徴とも言われる。

リース

輪の形をした飾りで、家のドア、壁などにかける。マツボックリ、ヒイラギ、星、ベル、赤いリボンなどで飾る。

ヒイラギ
リースの材料、クリスマス・カードの絵柄に使われる。常緑樹。
尖った葉はイエスがかぶせられた茨の冠、赤い実は血を表すと言われる。

ポインセチア

花びらに見えるのは包葉、三博士をイエスのもとに案内した星にみたてる。
名前は、アメリカのメキシコ大使だったポインセットからとられた(関係なくない・・・?


常緑樹。クリスマスの飾りに使われる。マツボックリもオーナメントに使われる。

モミ
常緑の針葉樹。ツリーに使われる代表。日本ではドイツトウヒが多い。

ヤドリギ
常緑樹。キリスト教以前から、ヨーロッパでは、薬、魔よけになると思われていた。

クリブ(馬槽、まぶね)

馬槽(かいばを入れる桶)に寝かされたイエスを中心に、マリヤ、ヨゼフ、天使などがいる、イエス誕生シーンを表した模型
(教文館では数十万円のものもあったな

コマドリ
クリスマス・カードによく描かれる。胸の赤い羽毛は、イエスの茨の冠を抜こうとして血がかかったという言い伝えがある。

ベル

キリスト教以前から、ベルを大きく鳴らすと魔物が近寄って来ないと信じられていた。
今では、クリスマスの喜びを表すものとして飾りに使う。

ベツレヘムの星
三博士は、ひときわ明るく輝く星に導かれてイエスのもとに来た。ツリーには欠かせない飾りもの(てっぺんのやつかな?

ホワイト・クリスマス
雪の中で迎えるクリスマス

グリーン・クリスマス
雪のない中で迎えるクリスマス。


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