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『蟲の神』(河出書房新社)

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『蟲の神』(河出書房新社)
エドワード・ゴーリー/著 柴田元幸/訳

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濱中利信コレクション ~エドワードゴーリーの世界2@銀座ヴァニラ画廊

ヴァニラ画廊の個展で新書が出ていることを知り、図書館で検索したら、もう入っていたから早速、予約したv
意外と虫の話は多いらしいが、表紙の4本脚の虫のブキミなこと

あらすじは、とってもシンプル。

乳母がちょっと目を離した隙に、少女が何者かに連れ去られ、


家族はいてもたってもいられず警察に捜査を依頼するが、なんの手がかりも得られず。
 

乳母は、「あいつらが天井を歩いているのが聞こえる」と言うばかりで気がふれてしまった。


少女は、高くそびえる館に連れて行かれ、たくさんの虫たちに鞘にくるまれて、、、



【訳者あとがき抜粋メモ】

「人がどうしていつもエベレスト山に登りたがるのか、私にはさっぱり理解できない。
 ベッドを出るだけでも十分危険だとわかっているのに」と、ゴーリーはあるとき語った。

そんな危険なゴーリー的世界では、犠牲になるのは大抵子どもで、決して犠牲にならないのが猫なのは周知のとおり。

『蟲の神』(The Insect God)は1963年に初めて出版された。
『ギャシュリークラムのちびっ子たち』、『ウエスト・ウイング』とともに3冊箱入りで、「ビネガー作品集~教訓本三作」。
メインタイトルは意味不明だし、サブタイトルは冗談がきつい。

その昔、ヴィクトリア朝において、悪い子がライオンに食べられたりして「教訓」とした習慣を
ゴーリーがからかい半分に触れていると考えるのが無難だろう。

ゴーリーは他にも虫の本を書いているが、この本の四本脚ガガンボ系insectの禍々しさは異彩を放っている。

「ガガンボ」(なるほど似てる

原文はABABの韻を踏んでいる。今回は、韻文、七五調で訳してみた。
意味がある程度犠牲になるので、正確な散文訳を挙げておく。

2013年には、ヴァニラ画廊で個展が開かれて大好評を博し、雑誌『MOE』がゴーリーの巻頭特集を企画中(!)。
本書も、ゴーリー人気の裾野が広がる勢いを強める一助となりますように。





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